カテゴリー「日記/2007年」の記事

仕事納め 『ウェディング・シンガー』通信

12月29日(土)

  オープニングのナンバー「君の結婚式」をステージング。

  『ウェディング・シンガー』の振付は上島雪夫さんである。
  説明するまでもないだろうが、あの大ヒットミュージカル『テニスの王子様』や『ピピン』などの演出家兼振付家である。私との仕事には『ダンス・オブ・ヴァンパイア』『ジキル&ハイド』『風と共に去りぬ』『サウンド・オブ・ミュージック』『南太平洋』『シェルブールの雨傘』・・・等々がある。
  「君の結婚式」は、ロビー・ハート(井上芳雄さん)率いるウェディング・バンド「ハッピー・ニュージャージー」の歌と演奏で大いに盛り上がる、ある結婚披露宴のシーンである。時間にして4分程度のナンバーなのだが、これを今日1日、7時間かけてステージング。
  振りはひと通り、頭から終わりまで付いたが、それは付いたと言うだけでまだ完成には程遠い。ミュージカルの稽古には時間もエネルギーも必要なのである。

  とは言え、とりあえずでもオープニングに手をつけて、ちょっぴりホッとして今年最後の稽古を終えることができた。なのでこのブログも今年は今日でお終いである。ご愛読ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。

  良いお年を!

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『ウェディング・シンガー』通信

12月28日(金)

  昨日の日記に書いた出演者の皆さんの愛称は、一昨日の団結式で各自が申告したオフィシャル愛称である。それはともかく・・・。

  本格的な稽古が始まる。

  はじめに、『ウェディング・シンガー』の舞台として設定されている1985年とはどんな年だったのか、をみんなで語り合う。
  と言っても「小学生でした」とか「2歳でした」と言う出演者が大半で、そういう人たちは自分自身のことは記憶していても、時代の雰囲気までは覚えていない。で、発言するのは自然と当時物心ついていた人たちに絞られる。
  私自身の記憶としては、あの頃はとてものどかな、大らかな時代であった様に思う。それは、就職を考えた時に、「芝居をやって行くなら、まあ何とかやって行けそうだ」と言う風に同級生の大半が感じていたことに由来する感想なのだが。
  と同時に、恐らくバブル経済が始まろうとしていた筈で、だとすると、「お金の価値観」が良く分からなくなり始めた頃でもあったに違いない。どうでもいい様なことに大金を費やす、みたいなそんな風潮のことである。

  1985年と現在が似ていると感じるのはその部分である。外資系高級ホテルの建設ブームであるとか、高級ブランド店の旗艦店舗の開業ラッシュであるとか、投資や財テクばやりであるとか・・・の部分である。
  1985年と現在とで異なるのは、現在は「勝ち組」と「負け組」が明確だ、と言うことであろうか。その分、現在の方が世知辛いし、嫌な時代に感じるのだが。

  『ウェディング・シンガー』は、「勝つか負けるか」「得か損か」の現代社会の中で、人間にはもっと大切にしなければならないことがある筈だ、と教えてくれるミュージカルである。
  そのことをカンパニー全員で確認した後、シーンの稽古に入る。

  オープニング・シーンを後回しにして、今日あたったのは1幕のシーン2、3、4。
  登場人物それぞれの年齢設定や家族構成など、台本に書かれていない個人情報を一同で確認した後、シーンごとに読み合わせ。更に、舞台監督の廣田さんからミニチュアを使って舞台セットの説明を受けて、立ち稽古。
  と言っても、今日のところは出入りや位置関係など、先々のために手がかりを掴んでおく実験、といったニュアンスのメニューであった。

  1985年、私は東宝に入って2年目であった。あなたは何をしてましたか?

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『ウェディング・シンガー』通信

12月27日(木)

  歌稽古デー。

  ヨシオ、うーちゃん、賢兄、樹里ぴょん、トモ、ミッキー、そしてアンサンブルの皆さんで、1日かけて9曲のナンバーをさらう。

  映画版の『ウェディング・シンガー』はミュージカルではないが、演奏場面など音楽シーンがふんだんに登場する。その映画版から、ロビーの歌う歌2曲が舞台版『ウェディング・シンガー』にも使用されている。
  1曲は自暴自棄になったロビーが歌う「だれか殺して」で、もう1曲はロビーのプロポーズ・ソング「いっしょにトシ取ろうよ」である。ちなみに、どちらも映画でロビーを演じたアダム・サンドラーと脚本のティム・ハーリヒが作った歌である。

  どっちも今日の稽古メニューにはなかったけど。

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『ウェディング・シンガー』通信

12月26日(水)

  本日より広い稽古場に移動。井上芳雄さんはじめ、昨日千秋楽を迎えた『モーツァルト!』組も戻って来て、気持ちも新たに「団結式」。・・・と言うか、顔寄せ?。

  まずは岡本プロデューサーの進行により出演者、クリエイティブ・チーム、スタッフの紹介。岡本Pより「稽古場では何て呼ばれたいか?」をそれぞれ申告する様に指示され、一同「こう呼んで欲しい」呼び方を皆の前で告白。ちなみに私は「山田君」と呼んで欲しい、と常々思っているのだが、それはともかく・・・。
  関係者の紹介に続いて東宝の増田専務がご挨拶。「東宝のレパートリーにはシリアスなものや悲劇的な作品が多いが、数少ない明るい作品『ウェディング・シンガー』を頑張って盛り上げて行きましょう」と言った様なことを話された。
  更にその後、私が演出家としての「施政方針演説」(岡本P談)。「観た人が結婚したくなるような作品にしたい」みたいなことを喋る。
  その後全体での歌稽古、更にアンサンブルさん達のダンスのチェック、等々で今日の稽古は終了した。

  やはりこういう「楽しい作品」は大勢で稽古するに限る。「楽しさ」が掛け算になって倍増するのである。

  稽古後、東宝ミュージカルアカデミーの教務会へ。講師陣による今期の総括や来期の確認など。

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『ウェディング・シンガー』はお休み

12月25日(火)

  昼間は『フラガール』の打ち合わせ。

  主人公「平山まどか」のモデルになったカレイナニ早川さんに、ハワイアン音楽のことやコスチュームのことなどを教えて頂く。
  早川さんはお話がとても上手な方である。ハワイアンセンターオープン当時のエピソードなども実に生き生きと、目に浮かぶ様に話されるので、聞いている私たちも思わず引き込まれてしまう。
  それに、早川さんのお話には懐かしい映画やショー・ビジネスの話がポンポン飛び出して来るので、そういうものに憧れて来た私としては、つい仕事そっちのけで聞き入ってしまうのである。

  夕方より『レベッカ』の舞台美術打ち合わせ。

  美術デザイナー=伊藤保恵さん、演出助手=末永陽一さんとこれまでに話し合ってきたアイデアを、照明デザイナー=成瀬一裕さん、舞台監督=鈴木政憲さん、そして大道具製作会社の方たちにプレゼンテーション。
  今日の打ち合わせを基に、照明デザインの方向性やそのために必要な機材の調達、特殊効果の方法論やコスト、大道具の構造や見積もり・・・等々、より具体的な作業に入って行くことになる。

  この様に、多くの方たちの知恵や努力を結集して、舞台は作り上げられて行くのである。

 

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『ウェディング・シンガー』通信

12月24日(月)

  歌稽古。新納慎也さん、徳垣友子さんとアンサンブルの皆さん。
  稽古開始より10日が経過した。少しずつではあるが稽古は着実に進行している。

  世間はクリスマス・イブなのだが、こんな日も情け容赦なく稽古である。ショー・ビジネスとは、つまりはそういう仕事なのである。
  稽古後は、イルミネーション輝く丸の内仲通りの人波を尻目に東宝演劇部へ。『ウェディング・シンガー』の舞台美術の発注である。
  東宝演劇部は日比谷シャンテのあるビルの11階にある。今日は祝日、しかもイブの夜である。演劇部内には我々以外の人影はなく静まり返っていた。と、突然、まるで地の底から湧き上がって来たかのような歓声が、締め切られたオフィスの窓ガラス越しに伝わって来た。
  何事か、と窓に駆け寄り見下ろすと、我々のいる建物と東京宝塚劇場の間の道路一面が、青と白の光で埋まっていた。
  後で知ったことだが、春野寿美礼さんのサヨナラ・バレードだったのだ。

  春野さん、ご卒業おめでとうございます。

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『ウェディング・シンガー』短信

12月23日(日)

  今日の歌稽古は鈴木綜馬さんと樹里咲穂さん。

  私は所用のため欠席。すみません。

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『ウェディング・シンガー』通信

12月22日(土)

  『ウェディング・シンガー』の稽古の前に、舞台版『フラガール』の打ち合わせでTBSへ。
  以前来た時には鉄骨の骨組みだった赤坂ACTシアターの外観が姿を現していた。工事のフェンスの外から見る限り、華やかで、気持ちのよさそうな劇場である。坂を上って劇場へ向かう動線も、きっと人々をわくわくさせることだろう。
  シアタークリエに続く新しい劇場のオープンが待ち遠しい。

  さて、『ウェディング・シンガー』の方は、歌稽古に鈴木綜馬さんが登場。

  綜馬さんが演じるのはロビーのバンド仲間・サミーで、担当はベース。ハードロック・バンドのヴァン・ヘイレンに憧れているらしい。
  サミーは元カノのホリー(樹里咲穂さん)のことが忘れられず、今でも付きまとってはホリーに嫌な顔をされている。生活態度は誉められないが、友情にはめっぽう厚い、いい奴なのである。
  綜馬さんはこれまで、育ちの良いノーブルな役柄を演じることが多かったように思うが、サミーはノーブルとは程遠いキャラクターである。チラシの綜馬さんからも雰囲気はお分かりいただけると思うが、今まで見た事のない様な愉快な綜馬さんをご覧いただける筈である。

  サミーのナンバーの中に「ひとり/Single」と言う楽曲があるのだが、これは『ウェディング・シンガー』の中のマイ・フェイバリット・ソングである。
  「彼女なんか要らない、死ぬまでひとりがいい」と言った内容で、失意のロビーを勇気づける前向きなナンバーなのだが、この「ひとり」を綜馬さんの明るくジェントルな声で聞くと、楽曲の魅力が更にアップする。

  『ウェディング・シンガー』は、一緒に見に行く人がいない方でも溜飲が下がるミュージカルなのである。

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『ウェディング・シンガー』通信

12月21日(金)

  大澄賢也さん、新納慎也さんの歌稽古。その後、新納さんと初風諄さんのラップ稽古。

  初風さんがラップを歌うことは18日の日記に書いたが、このラップのナンバーは新納さんとのデュエットである。そして今日は、12月2日の日記で触れたラップのプロ、Lotus Juiceさんにお越しいただいて、ラップの作法やコツをお2人に伝授していただいたのである。
  ラッパーと言うと、皆さんはどんな人物を想像するであろうか。我々のラップを指導してくださるLotus Juiceさんは、ラップやラッパーに対する我々の浅はかな先入観を物の見事に粉砕してくださった好青年である。どのくらい好青年なのかは飯島早苗さんのこのブログをご参照いただきたい。

  で、今日の稽古であるが、とにかく楽しいひと時であった。

  Lotus Juiceさんによれば、ラップはお客さんと一緒に盛り上がっていくものである。このラップの場面は2幕の後半に登場するのだが、この場面では客席の皆さんも遠慮なく盛り上がっていただきたい。2月の日生劇場をニューヨークのクラブに負けないホットな空間にして行きましょう。

  それにしても初風さんの柔軟さには敬服する。初風さんはどうやらプレイステーションの「パラッパラッパー」で密かにトレーニングを積んでいたらしい。

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『ウェディング・シンガー』通信

12月20日(木)

  今日は井上芳雄さんと上原多香子さんの歌稽古。

  井上さんが演じるロビーはウェディング・シンガーである。
  ウェディング・シンガーとは、披露宴を歌や演奏で盛り上げ、同時にMC(司会進行)も行う職業である。ウェディング・シンガーを主人公にした映画やミュージカルが作られるくらいだから、アメリカではポピュラーな存在らしい。
  ロビーはウェディング・シンガーとして働きながら、自身の結婚を目前に控えている。
  ある日ロビーは職場で、恋人との結婚を夢見るウェイトレス=ジュリアと知り合う。ジュリアの恋人はウォール街のやり手証券マン=グレン(大澄賢也さん)で、グレンがなかなか結婚を申し込んでくれないことがジュリアの悩みの種になっている。
  一方ロビーのフィアンセはリンダ・・・

  !

  大変なことを書き忘れていた!

  昨日の歌稽古に、リンダ役の徳垣友子さんが登場していたのだった!

  徳垣さんごめんなさい!

  徳垣さんの演じるリンダは、マドンナに憧れるちょっと激しい女の子と言う設定である。そしてリンダの気まぐれが、この物語を思いもかけぬ方向へと導いて行くことになるのだが・・・。

  以前も書いたが、『ウェディング・シンガー』の楽曲は、聞いているだけで思わず体がリズムを刻んでしまう様な、乗りの良い1980年代風ロックやポップスである。
  稽古場で聞いている我々も、気が付くと自然に体が動いているくらいの楽しい楽曲なのだが、これが歌い手にとってはリズムが複雑だったり変則的だったりで、難易度が結構高い。

  音楽が体に沁み込んで行くまでは、一同しばらくは苦労しそうである。

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