カテゴリー「日記/2023年」の記事

『アニー』2023 Weekly

3月20日(月)

 丸美屋食品ミュージカルアニー2023の稽古が始まっている。

 ブロードウェイ・ミュージカル『アニー』は1977年4月21日にニューヨークのアルヴィン劇場(現在のニール・サイモン劇場)で初演の幕を上げた。そのシーズンのトニー賞ではミュージカル部門の作品賞を含む7部門で受賞し、1983年1月2日にクローズするまでに2377回の上演を重ねた。
 日本では1978年に日生劇場で東宝の製作により初演された。現在まで続く日本テレビ製作の『アニー』は1986年が初演で、以来その歴史は今日まで脈々と受け継がれている。

 その歴史ある『アニー』が上演されなかった年がある。2020年である。
 ご承知のように2020年は新型コロナ感染症が世の中のあらゆることを止めてしまったことで記憶される年である。『アニー』も(既に稽古には入っていたのだが)全公演が中止となった。

 翌2021年は「感染症対策としての緊急避難的措置」として、上演時間を短縮し登場キャストの人数も減らした「1幕ヴァージョン」での『アニー』の上演が試みられた。通常ではオーケストラが生演奏する音楽もこの年は録音したものを使用した。
 にも関わらず、春の東京公演は初日のみ公演しただけで2日目以降は中止となった。夏のツアーでも一部の公演が中止となった。

 昨年(2022)の『アニー』も「1幕短縮ヴァージョン」であった。が、オーケストラの生演奏は復活した。春の東京公演も夏のツアーも中止になることは免れたが、そのためにキャスト、オーケストラ・メンバー、スタッフの全員がどれほど神経をすり減らしたことだろう。

 さて。

 今年の『アニー』は待ちに待ったフル・ヴァージョンである。オーケストラももちろん生演奏である。
 まだまだコロナ以前のようには行かないが、世の中も少しずつ元の生活を取り戻しつつある。関係者全員が、そして劇場にいらっしゃるお客様が心置きなく『アニー』を楽しめるようになって行けば嬉しい。

 このブログには私が演出を担当するようになった2017年以降の『アニー』通信が残されている。上で触れた期間の記事もあるので、ご興味のある方はこのページ右側の「カテゴリー」欄にある『アニー』をクリックしてご覧ください。

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ダブルキャスト初日! 『ジキル&ハイド』

3月12日(日)

 ダブルキャストの4人も無事に初日を迎えた。

 昨日も今日も「夜の本番」の前にゲネプロをやっているので、ダブルキャストではないキャスト、オーケストラ、スタッフの皆さんは実質「2日連続で2回公演」である。その前の3日間もほぼ終日舞台稽古だったので、とにかく皆さんお疲れさまでした。

 昨夜の初日も大変すばらしい出来であったのだが、今夜もまた昨晩に勝るとも劣らないエキサイティングな一夜となった。
 昨日に続いて観劇されたワイルドホーンさんも柿澤さんのジキル/ハイドを大絶賛。カーテンコールで柿澤さんが登場するや否や真っ先に立ち上がって拍手をしたのはワイルドホーンさんであった。

 そして今夜は鹿賀丈史さんがご観劇。言うまでもないが鹿賀さんは初代(2001~2007)のジキル/ハイドである。
 鹿賀さんは終演後、楽屋を訪ねて柿澤さんの労をねぎらってくださった。あの役の大変さを誰よりもご存じなのは鹿賀さんである。

 明日からはダブルキャストのシャッフルが始まる。どんな化学変化が現れるだろう。ぜひもう1度、初回とは異なるキャストで『ジキルハイド』をご覧いただきたいと思う。

 これで『ジキル&ハイド』通信/Weeklyはおしまいである。ご愛読ありがとうございました。
 次は『アニー』2023Weekly。早く気持ちを切り替えなくては……(汗)

 ミュージカル『ジキル&ハイド』東京公演は3月28日(火)まで。そののち名古屋・山形・大阪へ参ります。

 また会おうジキル!

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開幕! 『ジキル&ハイド』

3月11日(土)

 『ジキル&ハイド』が初日を迎えた。

 大勢のお客様がご来場くださり、まずそのことだけで私は胸が一杯であった(何しろ20年以上かかわっている作品なので……)。

 そしてフランク・ワイルドホーンさんと5年ぶりの再会。開口一番、ワイルドホーンさんは「ニュー・ヴァージョンの『ジキル&ハイド』がもうすぐ観られるよ!」と教えてくださった。これは今までの物とはストーリーの展開が異なるらしい(早速調べてみたのだが……これかな?)。

 「きっと君は好きだと思うよ」
 それを聞いて私はもう胸が一杯(以下略)。

 それはともかく。

 初日の公演は定刻に始まり、無事にカーテン・コールまで進行した。
 1幕のハイライトとなるナンバー「時が来た」ではショー・ストップになり、私はまたまた胸が(略)。

 カーテン・コールでは私も舞台に上がった。『ジキル&ハイド』では初日の恒例となっているのだが、ワイルドホーンさんをご紹介するためである。ワイルドホーンさんはいつものように、カンパニー一同に温かい、ねぎらいの言葉をくださった。横で聞いていた私は(略)。

 私は「1人でも多くのお客様にご覧いただけることが何よりも喜びである」みたいなことを喋った。東京公演は既にチケットの入手が困難らしいので山形や名古屋などにお出かけください、みたいなことも申し上げたのだが……

 ごめんなさい。名古屋もほぼ完売らしい。どうぞ山形か大阪にご来場ください。

 さて。

 明日はダブルキャストのもうひと組(柿澤さん、真彩さん、桜井さん、そして上川さん)の初日である。

 その前に“やらなければならないこと”はやっぱり残っているのだが。

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『ジキル&ハイド』通信

3月10日(金)

 予定されていたスタッフの作業、そして舞台稽古を(概ね)順調に終えた。

 今回の『ジキル&ハイド』は主要な幾つかの役がダブルキャストになっているので、舞台稽古にもその分時間が掛かるのである。加えて、5年ぶりの再演で、この5年の間に照明機材(ムービング・スポット)が新世代の物に更新されているので、照明のリデザインにも今まで以上に時間が必要となる。

 そんな困難な条件の下での5日間であったが、我々は上手く乗り切ったと思う。その遂行にご尽力くださったカンパニー・スタッフ、劇場スタッフの全員に感謝を申し上げたい。

 さて。

 明日は初日。ダブルキャストは石丸さん、笹本さん、Amiさん、そして石井さんである。開演時刻は17時30分だが、その前にまだ“やらなければならないこと”が残っている。

 それが上手く片付き、最高の初日を迎えられますように!

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『ジキル&ハイド』Weekly

3月6日(月)

 ピアノでの通し稽古(2回)、オーケストラとキャストの合わせ(オケ合わせ)、オケ付き通し稽古(2回)……と“稽古場最終週のメニュー”を無事に消化し、昨日で稽古場での全行程を終えた。本日から東京国際フォーラムホールCに場所を移しての作業が始まっている。

 言うまでもないことだが、ミュージカル『ジキルハイド』の作者はフランク・ワイルドホーンさん(音楽)とレスリー・ブリカッスさん(脚本・作詞)のお2人である。
 『ジキル&ハイド』のワールド・プレミアが行われたのは1990年。劇場はテキサス州ヒューストンのアレイ・シアターであった。ブロードウェイのプリマス・シアターに登場したのは1997年。日本初演はその4年後、2001年であった。

 日本初演の会場は日生劇場で、オープニング・ナイトは11月5日であった。ワイルドホーンさんは『ジキル&ハイド』が日本で上演される度に初日に駆けつけてくださるのたが、2001年の初日に駆けつけてくださったのはブリカッスさんであった。
 ブリカッスさんは初日のカーテン・コールで舞台に上がられ、日本カンパニーに最大級の賛辞をくださった。そしてその夜、私はブリカッスさんご夫妻と会食するという栄に浴した。

 その時のことを記した文章が残っている。このページの右側にある「カテゴリー」欄の「アーカイブ」に所蔵されているのだが、こちらをクリックしていただけば直接そのページに飛ぶことができる(20年以上前の文章なので……。乱筆乱文ご容赦ください)。もうひとつ、ブリカッスさんの訃報に接した時のブログがこちら。ブリカッスさんは2021年の10月19日に亡くなった。

 ブリカッスさんは、ワイルドホーンさんと手がけられたもう1本のミュージカルシラノが日本で上演された際にも初日(2009年5月5日/日生劇場)にご来場くださることになっていた。が、直前になってその予定はキャンセルされた(そのことに触れたブログはこちら)。

 ブリカッスさんとの再会は叶わぬ夢となった。

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『ジキル&ハイド』Weekly そして『キングダム』東京公演千穐楽

2月27日(月)

 『ジキル&ハイド』は全場面をあたり終え、今日は2幕をおさらい。そののちカーテン・コールを段取り、更に1幕の幾つかの場面を抜き稽古。
 オーケストラのリハーサルも別スタジオで始まった。明日は1回目の通し稽古。

 今回の『ジキル&ハイド』がダブルキャストで公演されることには以前も触れた。ダブルキャストの醍醐味には色々あるだろう。

 稽古では「キャストの数だけアナザー・ストーリーが生まれる」可能性があることも醍醐味のひとつだろう。台本もスコアも同じものを使用していても、キャストが違えば「そこから生まれる表現は別の物になる」可能性が少なくない。これが醍醐味でなくて何であろうか。

 稽古を終えて帝劇へ。2月5日に開幕した舞台『キングダム』東京公演が千穐楽。

 今日まで1人の休演者も無く、公演がキャンセルされることも無かったことは何よりも喜ばしい。この先『キングダム』は大阪、福岡、札幌へと出向くが、5月11日の大千穐楽までどうかこのまま無事が続きますように。
 

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『ジキル&ハイド』Weekly

2月20日(月)

 2幕の立ち稽古に入っている。

 今日のメニューは盛り沢山であった。
 ミュージカルの稽古は「歌」と「ダンス」と「芝居」の段取りや約束事を覚えるプロセスでもある。なのでメニューが盛り沢山だとその分演者の覚えなければならないことも増大する。タイトルロール(主人公)ともなれば覚えることはそれはもう膨大である。

 キャストの皆さんの覚える能力、覚えたことを再現する能力には敬服するほかはない。段取りを考えた本人である私には、それを覚えることも再現することも困難である。
 それを鮮やかにやってのける石丸さんと柿澤さんの能力はまさに驚異的である。さすがに今日の稽古終了時のお2人からは十分過ぎるほどの充実感が伝わってきたのであるが、石丸さん、柿澤さん、明日も新しい場面ですよ。

 『ジキル&ハイド』は全編に緊張感が漂うシリアスなミュージカルである。が、稽古場の雰囲気は和やかで明るい。
 それは座長である石丸さんのお人柄によるところが大きいだろう。キャスト・スタッフひとりひとりのプロフェッショナルな姿勢もあるだろう。

 クォリティの高い作品が生まれるのはこういう稽古場からなのだと思う。

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『ジキル&ハイド』Weekly

2月13日(月)

 ジキルハイド』の稽古場へ。

 ブロードウェイ・ミュージカル『ジキルハイド』は1997年4月28日にプリマス劇場(現在のジェラルド・ショーンフェルド劇場)で開幕した。日本版の初演は2001年11月5日に開幕、会場は日生劇場であった(今回は東京国際フォーラム ホールCです)。

 初演でタイトルロールを演じたのは鹿賀丈史さんで、2003年、2005年、2007年と再演を重ねた。石丸幹二さんが『ジキルハイド』を引き継いだのは2012年で、この時から演出が変わり、2016年、2018年と再演され今回で4度目の上演となる。

 主要キャストの内、前回(或いはそれ以前)からの続投となるのは石丸幹二さん(ジキル/ハイド)、笹本玲奈さん(ルーシー)、畠中洋さん(ストライド)の3人で、今回が初登場となるのは柿澤勇人さん(ジキル/ハイド)、真彩希帆さん(ルーシー)、Dream Amiさん(エマ)、桜井玲香さん(エマ)、石井一孝さん(アターソン)、上川一哉さん(アターソン)、佐藤誓さん(プール)、そして栗原英雄さん(ダンヴァース)である。

 かつてなかったような「大幅なキャストの入れ替え」と、初めての「ダブルキャスト」が2023年版の特徴と言うことができよう。現在は1幕を精力的に立ち稽古中。

 このブログには2007年以降の『ジキルハイド』通信が残されている。ご興味のある方は、このページ右側にあるカテゴリー欄の『ジキルハイド』から辿ることが可能です。

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『キングダム』通信 ダブルキャスト初日!

2月6日(月)

 2日目の今日も18時開演である。が、その前に今日のキャストでゲネプロ。実質的には今日は2回公演なのである。大変なのである。

 ゲネプロを済ませていよいよ本番。いつも冷静な(私にはそう見える)牧島さんが、開演前まるで小学生のように緊張していたのが意外であった。
 昨日と今日は特別カーテン・コール。出演者を代表して、昨日は三浦さん、小関さん、山口さんが、今日は高野さん、牧島さん、そして山口さんがご挨拶。どちらの公演も最後はスタンディング・オベーションを頂いた。

 これで『キングダム』通信/Weeklyはおしまいである。ご愛読ありがとうございました。
 次は『ジキルハイド』Weekly。早く気持ちを切り替えなくては……(汗)

 舞台『キングダム』は帝国劇場で2月27日まで。そののち大阪、福岡、札幌へ参ります。ご期待ください。

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『キングダム』通信 初日!

2月5日(日)

 朝から「やらなければならないこと(Part 1)」を全力で片付る。そののち舞台にて“公演の安全と成功”を願ってお祓い。更にそののち「やらなければならないこと(Part 2)」を無我夢中で片付ける。

 帝劇には沢山のお客様がご来場くださった。
 初日公演は18時開演。舞台『キングダム』の世界初演は時間通りに始まった。

 今日ご覧くださった皆さんは楽しんでくださっただろうか。期待に背かぬ『キングダム』になっていただろうか。楽しんでいただけたのなら、期待に応えることができたのなら嬉しい。

 そして原作者の原泰久さんが初日をご観劇くださった。終演後にキャストの皆さんと共にご挨拶。

 明日はダブルキャストのもうひとチームの初日。その前にやらなければならない(以下略)

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