カテゴリー「『オトコ・フタリ』」の記事

『オトコ・フタリ』通信 大千穐楽

1月24日(日)

 昨年の12月12日に東京・日比谷のシアタークリエで幕を開けた『オリ』が刈谷市総合文化センター アイリスで大千穐楽を迎えた。先日無事に閉幕した『ローマの休日』に続いてのことで、とにかく嬉しい。

 11月1日の稽古初日から3か月近く、キャストのお3方もスタッフの皆さんも神経の休まる日は無かっただろうと思われる。私たち同様に感染症対策に注意を払っていたであろうカンパニーでも陽性者が見つかる例が相次いでいる。他人事とは思えない。私たちは幸運だった。

 ご観劇くださった皆さん、心より御礼申し上げます。そしてご観劇が叶わなかった皆さん、きっと必ずまた劇場でお会いしましょう。遠くない将来に!

 最後に、今は『マリー・アントワネット』の現場にいる末永さんに美味しいお赤飯が用意されますように!

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『オトコ・フタリ』東京千穐楽

12月30日(水)

 『オリ』東京公演が千穐楽を迎えた。

 ご来場くださった皆さん、ご声援くださった皆さん、心より御礼申し上げます。そして公演の安全を維持するために心を砕いてくださって全ての皆さんにも。いくら感謝してもしきれません。

 劇場を取り巻く現在の環境は過酷を極める。劇場周辺での“残念なニュース”も毎日のように耳に入る。「こんな時に劇場かよ」というお考えももちろんあるだろう。
 しかし「こんな時だからこそ劇場なのだ」と私たちは(少なくとも私は)考える。ご来場くださる方が1人でもいらっしゃる限り劇場は開けられるべきである、と私は思う。(ただし、できる限りの感染症対策を施した上で)

 『オリ』は、このあと大阪(1月15日~17日/梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)と愛知(1月23日・24日/刈谷市総合文化センター アイリス)での公演が控えている。それまでは暫しの休息である。

 皆さん、どうぞ良い休日を。

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『オトコ・フタリ』通信 初日!

12月12日(土)

 まずは無事に初日の幕が下りたことをご報告したい。

 シアタークリエには、最近の困難な社会状況の中、それでも少なくないお客様がご来場くださった。が、観劇を望みながらご来場を断念された方もまた少なからずいらっしゃるだろう。

 私たちが従事する“パフォーミング・アーツ”は、お客様にご覧いただくことで完成する。そういう意味で、ご来場くださったおひとりおひとりには心から感謝したい。
 と同時に、遠くから思いを寄せてくださる皆さんにも私たちの気持ちをお伝えしたい。私たちは劇場を愛してくださるすべての方々のお力で毎日の幕を開けることができるのである。

 『オリ』もたくさんのお力を頂いてようやく開幕に漕ぎ着けた。
 観客の反応のまるでない稽古場から、今日初めて笑い声と拍手の中で恭一郎や冬馬や好子の悪戦苦闘を観察したわけであるが、何度も繰り返し見て“よく知っている”はずの物語が、今日はまるで初めて観るかのように新鮮に生き生きと感じられた。ゲネプロでさえ未完成だった『オリ』が完成したのである。

 『オリ』は“愛”についての物語である。物語の中では「愛に迷う、愛から逃げる男たちが本当の愛を見つけるまで」が描かれる。

 劇場は特別な場所である。劇場にはキャストもスタッフも、そしてお客様も、みんな「愛」を手に集まってくる。その愛で、今日のシアタークリエも満たされた。

 明日も、明後日も、いつまでも満たされますように。

 (『オリ』通信 おわり)

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『オトコ・フタリ』通信

12月11日(金)

 今日も午前中はスタッフだけで転換稽古。

 『オリ』の場面転換は実にさりげない。
 ご覧いただいた皆さんにそう感じていただければ今日の午前中には意味があったということになる。

 午後は舞台稽古、昨日の続きで2幕の後半をあたる。
 諸々の確認を済ませて大休憩。ゲネプロに備える。

 ゲネプロの直前にマスコミの皆さんによる囲み取材(東宝演劇部のTwitterはこちら)。
 既にたくさんのレポートが写真と共にUPされている。新情報もチラホラと。

 そしてゲネプロ。これでお客様にご覧いただくための準備はすべて整った。

 明日は初日。開演時刻は18時30分である。

 今日のお昼は、衣裳デザイナーの前田文子さんが「テンションが上がる」とおっしゃって楽しみにしている“鳥のお弁当”であった。
 
 無事に召し上がることができたであろうか。

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『オトコ・フタリ』通信

12月10日(木)

 午前中はスタッフだけでテクニカル・リハーサル。
 グランド・ミュージカルだったら“時間との戦い”になるであろう局面も、『オリ』の規模ではゆとりを持って進められる。そのことは作品のクォリティに直結するので、とにかくがありがたい。

 午後はお祓い(おはらい)からスタート。
 初日の開演前に行われることが多いお祓いを今回はこのタイミングで。関係者一同が集まって公演の安全と成功を祈願する。

 そして舞台稽古。幕開きから2幕の前半までを丁寧に当たる。
 芝居そのものは稽古場で入念に稽古を重ねているので、芝居以外のこと――大道具との関係や照明がらみの箇所、客席からの見え方……などなど――に重点を置いて調整を加える。

 キャストの皆さんをはじめ、各セクションの機動的な動きのお陰で予定のメニューを予定より少し早く終える。
 稽古後はスタッフの直し作業をいくつか。明日に備える。

 明日は舞台稽古の続き。そしてゲネプロ。

 今日はカレーでもお赤飯でもなかった(けど、とても美味しくいただきました!)

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『オトコ・フタリ』通信

12月9日(水)

 午前中は昨日の続き、フォーカス合わせ。午後から照明合わせ。

 舞台美術に関しては稽古場で模型を見ているので、劇場入りして実物を見てもイメージ通り……と言うか、まあ想定を大きく外れるということはほとんどない(東宝舞台さんがとても丁寧に仕上げてくださった!)。
 しかし照明は(稽古の最終段階で入念に打ち合わせはするのだが)、実際のことは劇場でデザインされるまで全く分からない。照明デザインが完成するまでのプロセスは中々スリリングである。

 今日の照明合わせでも、服部基さんが作り出す明かりはいい意味で想像と異なっていた。『オリ』はミュージカルではないので、明かりも現実的だし、Cueの数もそれほど多いわけではない。が、デザインのひとつひとつが的確で、そして効果的である。

 話は変わる。

 今日のお弁当はお昼が“カレー”、夜が京橋で百年の歴史があると言う老舗の“お赤飯のお弁当”であった。

 それはともかく、明日はいよいよ舞台稽古。
 その前にテクニカル・リハーサルとお祓い(おはらい)。

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『オトコ・フタリ』通信

12月8日(火)

 シアタークリエで仕込み作業が始まった。

 今日と明日はスタッフの作業のみで稽古は無しである。
 1日目の今日は朝から各セクションの搬入・仕込みが行われ、夜のご飯の頃までには舞台美術もあらかた組み上がった。その後、照明のフォーカス合わせ。順調に推移し1日目を終える。

 明日は今日の続き。そして照明合わせ。

 田渕久美子さんが先日の通し稽古にいらした時のことをブログに書いてくださっている。写真付きである。
 こちらからどうぞ。

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『オトコ・フタリ』通信

12月7日(月)

 稽古場最終日。もちろん通し稽古。

 昨日と同様に“程よく力の抜けた”いい感じの通し稽古であった。それでいてドラマティックな個所ではそれなりに緊迫感もあり、とてもバランスのよい出来の最終日だったと思う。
 音楽も“ファイナル・ミックス(完成版)”に差し替えられた。と言っても、昨日まで使用していた“仮ミックス”と大きな違いはないのだが。

 そして最後の“お茶会”。最後なので、思い残すことのないように気になったことを逐一お伝えする。
 お茶会の後は“劇場入りしてからの諸注意”(楽屋はいつから使えます、とか、お弁当はいついつあります、とか)。そして“舞台稽古の進め方”についての簡単な説明。

 11月1日に始まった“がんばらない”稽古もこれで全行程を終了した。
 明日からシアタークリエで仕込み作業が始まる。

 開幕まであと5日!

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『オトコ・フタリ』通信

12月6日(日)

 通し稽古。

 昨日の“緊張感みなぎる”通し稽古とは打って変わって、今日は程よく力の抜けた“のびのびとした”通し稽古であった。
 芝居好きとしては昨日の緊張感も捨てがたい。が、『オリ』がコメディであることを考えれば、今日の“おおらかな仕上がり”の方が望ましいはずである。この“抜け感”が定着してくれると嬉しいのだが。

 ここまでくると稽古後のノートもそれほど多くはない。敢えて“抜き稽古”をする必要のある場面も無く、なので今日はかなり早い時刻に「お疲れさま」となった。
 しかし、そうなるのも当然である。稽古開始時刻になる前に“抜き稽古”を済ませてしまう“せっかちさん”がいらっしゃるので。

 さて。

 明日は稽古場最終日である。余裕があると思っていた稽古期間ももう終わる。

 「終わって欲しくないなぁ……」と山口さんがつぶやいた。

 私の心配は「普通の(がんばる)稽古場に戻れるだろうか」である。

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『オトコ・フタリ』通信

12月5日(土)

 衣裳/ウィッグ付き通し稽古。

 まずはそれを実現してくれた衣裳チーム、ヘアメイク・チーム、そして演出部の皆さんに感謝したい。稽古場でこれがやれると劇場入りしてからが大変スムーズになる。
 そして音楽が“昨日録音されたもの”に差し替えられた。まだ最終的な仕上げ前の“仮ミックス”ではあるのだが、音楽の“表情”と言うか“情報量”が増し、一層雄弁になったように思う。

 今日はギャラリーの顔ぶれも豪華であった。

 衣裳デザイナーの前田文子さん、ヘアメイク・デザイナーの川端恵理子さん、音楽を携えてきてくださった江草さん、そして脚本の田渕久美子さんもいらっしゃった。

 脚本家はその作品の“生みの親”である。演出家はさしずめ“育ての親”と言うことになるだろうか。
 私が作品を作る時に心掛けているのは“お客様に楽しんでいただくこと”である。が、“作者に喜こんでもらいたい”という気持ちもそれと同じくらい強い。『オリ』では、誰よりも田渕さんに喜んでもらいたいのである。

 通し稽古終了後、お茶会(ノートのことです)の前に、稽古をご覧になった感想をキャストの皆さんと一緒に田渕さんから伺うことに。
 こういう時の私は全くもって意気地なしである。感想など伺わずに逃げ出してしまいたい。それが本心である。が、それもどうかと思うので、なんでもない顔をして田渕さんのご感想を伺った。

 胸を撫で下ろすご感想だったことをご報告しておきたい。

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