カテゴリー「『貴婦人の訪問』」の記事

『貴婦人の訪問』通信 大千穐楽

12月25日(日)

 2016年の『貴婦人の訪問~The Visit~』が、ツアー最終地である大阪/梅田芸術劇場 シアタードラマシティで千穐楽を迎えた。

 9月28日の稽古初日から足掛け3カ月。季節の変わり目にもかかわらず全員が無事に完走できたことを、まずは喜びたい。
 キャスト&スタッフ、上演にかかわってくださった全ての皆さん、本当にお疲れ様でした。そして、ご来場くださった皆さんに、この場を借りて御礼申し上げます。

 しかし、終わってみれば「あっと言う間」の3カ月であった。キャストの皆さんからも「もっとやりたい」「寂しい」と言う声が少なからず上がっていた。中でも涼風真世さんは誰よりも名残惜しそうである様に感じた。
 が、そう見えた涼風さんは「終わりがあるからいいんですよね」ともおっしゃった。始まった舞台にはいつか終わりがくる。だから私たちは1回1回を無心に務めることができるのかも知れない。

 『貴婦人の訪問』はミステリーである。
 ミステリーを読む(或いは観る)時の鉄則は、「作中での誰かの発言は、それが作中で客観的に裏付けられない限り、真実と思ってはいけない」である。それがどんなに真実味を持って語られたとしても、である。

 『貴婦人の訪問』では、主人公であるアルフレッドとクレアの発言が食い違う。では、どちらが真実を語っていたのか? はたまた、どちらの発言も真実ではないのか?

 『貴婦人の訪問』は本当に面白い。何しろミステリー好きなので。

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『貴婦人の訪問』 東京千穐楽

12月4日(日)

 11月12日に開幕したシアタークリエでの『貴婦人の訪問』が千穐楽を迎えた。ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。キャスト&スタッフの皆さん、お疲れ様でした。

 『貴婦人の訪問』は大変成熟したミュージカルだと思う。扱われているテーマもその語り口も、とても奥深くそして繊細である。そんな“一筋縄ではいかない”手強いミュージカルに、このカンパニーで取り組むことができたのは望外の幸せであった。

 カーテン・コールでは、いつにも増して大きな拍手をいただいた様に思う。
 ひとつだけ誤算だったことがある。それは、オーケストラがエグズィット・ミュージックを演奏中、下手の袖(しもてのそで=舞台に向かって左側の、客席からは見えない場所)で山口祐一郎さんと涼風真世さんに声を掛けた時に起きた。

 私の存在に気づくと、山口さんと涼風さんはいきなり私を拉致した。エグズィット・ミュージックの演奏が終わりカーテンが再び上げられると、お2人は私を拉致したまま舞台へと出て行った。……為す術がなかった。

 さて。

 この後『貴婦人の訪問』は旅に出る。
 まずは福岡/キャナルシティ劇場で、12月9日(金)から11日(日)まで。続いて名古屋/中日劇場で、12月17日(土)と18日(日)。最後は大阪/梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで、12月21日(水)から25日(日)まで、である。

 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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『貴婦人の訪問』通信 シアタークリエ編 初日!

11月12日(土)

 初日。

 開演は17時である。
 その2時間前、15時より舞台にて、公演の安全と成功を祈念してお祓(はら)い。それに先立つ14時より、やはり舞台にて、キャストとオーケストラで何曲かを合わせる。
 更にその以前は各セクションのチェックと直し。大きくは、昨日時間が捻出できなかった照明の直しと調整であった。

 17時の定刻を3分ほど押して(遅れて)、舞台袖に控えるオーケストラのチューニング音と共に場内が暗くなる。
 一瞬の静寂の後、心臓を鷲掴みされるような激しい音楽。朽ちかけた駅舎がしょんぼりと浮かび、ぼろ雑巾の様な人影がとぼとぼと集まって来る……。

 “ほぼキャストの変わらない再演”であることもあり、シアター1010でのプレビューの時点から“芝居”は大変落ち着いていた。今日もそうであった。加えて今日は、今までにない“勢い”のようなものが感じられた。
 照明と音響に若干の不具合があり、それが大いに心残りなのだが、それを差し引いても、大変充実した素晴らしい初日であったと思う。

 カーテン・コールでは出演者を代表して山口さん、涼風さん、瀬奈さんがご挨拶。
 瀬奈さんはやや緊張感を漂わせ、涼風さんは本編とは打って変わって、明るく力強くご挨拶をされた。山口さんは、そのお2人に挟まれるのが「お芝居で良かった」とおっしゃった。私もつくづくそう思う。

 昨年の初演を終えてから今日までの間に、世界は大きく変化した。

 昨年は“絵空事だ”と思われた劇中の台詞や出来事が、今では“全くありえないこと”とは思えない。フリードリヒ・デュレンマットが『老貴婦人の訪問』を著したのは60年も前のことであるが、この物語の中で描かれていることは決して過去のことではないだろう。

 これで『貴婦人の訪問』通信 シアタークリエ編はおしまいである。ご愛読、本当にありがとうございました。次は『シスター・アクト』通信 西へ!(仮)。始まるのはひと月後……くらいですが。

 シアタークリエでの『貴婦人の訪問』は12月4日まで。その後、福岡、名古屋、大阪へと参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

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『貴婦人の訪問』通信 シアタークリエ編

11月11日(金)

 午前中のサウンド・チェック、午後からの道具調べ・照明合わせを済ませて舞台稽古。

 クリエではゲネプロは行わず、止めながらの舞台稽古のみである。それでも、シアター1010向けに位置関係を変更した個所を本来に戻したり、キャストと照明との関係を新たに調整したり……と、時間はそれなりにかかる。稽古の後半では“巻き”(急げ!)が入り、どうにかこうにか終了予定時刻ギリギリに舞台稽古を終える。

 さて。

 明日は初日。2016年の『貴婦人の訪問~THE VISIT~』、本公演の幕がいよいよ上がる。

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『貴婦人の訪問』通信 シアタークリエ編

11月10日(木)

 シアタークリエ編である。

 クリエでは11月8日に大地真央さん&森公美子さんの『一人二役』が千穐楽。同作の搬出と入れ替わりに『貴婦人の訪問』は搬入を開始。昨9日は終日仕込み作業、そして今日はその続きである。
 タイムテーブルをやや押して(遅れて)照明のフォーカス作業に入る。道具調べ・照明合わせもそのまま予定時刻を押してスタート。当初の予定通り深夜作業に突入し、予定のメニューは消化できずに終わる。

 明日は朝から音響チームとオーケストラのサウンド・チェック。昼過ぎから今日の残りを片付け、その後、舞台稽古に突入、の予定。

 おやすみなさい。ZZZZZZ・・・

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『貴婦人の訪問』 プレビュー初日

11月3日(木)

 プレビュー初日。

 今日の東京は好天に恵まれ、シアター1010に向かう足取りも心なしか軽い。
 やるべきことは全て昨日の内に終えているので、開場前に演出家が立ち会う様な作業は無い。プレビューなのでお祓い(おはらい)も無く、私のやることと言ったら最後のお弁当を粛々といただくことくらいである。

 定刻の13時30分を3分ほど押して2016年の『貴婦人の訪問~THE VISIT~』は始まった。物語の性質上、客席には終始緊張感が漂うが、それが『貴婦人の訪問』であろうし、それはそれで心地良い。
 途中休憩を挟んで無事にラスト・シーンまで辿り着き、カーテン・コールへ。プレビューと言うことで、カーテン・コールでも特別な挨拶やセレモニーなどは行われなかった。

 終演後、楽屋ロビーにて音楽のモーリッツ・シュナイダーさんとキャスト一同のご対面。個人的にお話しさせていただいた中では「予備知識無しで観たので、随所で新鮮な驚きがあり、とても面白かった」とおっしゃっていた。
 ご対面を終えた後、舞台を使用して(キャストとスタッフにもお付き合いいただいて)場面転換2カ所を直す。これで作品の基本形は概ね完成……だと思う。
 
 シアター1010でのプレビュー公演は、残すところ明日(4日)と明後日(5日)の2公演。開演時刻は共に13時30分である。
 1010でのプレビューを終えるとシアタークリエに移動。本公演の開幕は11月12日(土)となっている。

 これで『貴婦人の訪問』通信はひとまずおしまいである。ご愛読ありがとうございました。次は『貴婦人の訪問』通信/シアタークリエ編……が……ある……かなあ?

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『貴婦人の訪問』通信

11月2日(水)

 舞台稽古3日目。

 今日も午前中はテクニカル・リハーサル、そして若干の修正作業。テク・リハに時間の余裕があると、気づいたことをその場で直したり試したりできるのが嬉しい。

 舞台稽古は午後イチから。今日のメニューは2幕4場の「モラルの殿堂」終わりからカーテン・コールまで。順調、且つ丁寧にメニューを消化し、大休憩を挟んだ後、17時15分よりいよいよゲネプロ。

 ゲネプロ終了後は劇場ロビーをお借りして駄目出し。舞台ではしぶとく修正作業。上演時間は、1幕が約1時間15分、2幕が約1時間、プラス、カーテン・コール、である。幕間休憩は20分が予定されている。

 さて。

 明日はプレビュー初日。
 昨年の初演では音楽のマイケル・リードさんが来日され、音楽面で様々なアドヴァイスを頂いた。今年はリードさんの共作者である音楽のモーリッツ・シュナイダーさんがご来場される予定である。

 どうぞ楽しんでいただけます様に。

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『貴婦人の訪問』通信

11月1日(火)

 舞台稽古2日目。

 今日も午前中はテクニカル・リハーサル。
 時間に余裕があるので、新作なら最低限の確認で終わりがちな所を丁寧に、スタッフ同士意思の疎通もしっかり取りながら。再演っていいな。

 舞台稽古は午後イチからスタート。
 今日のメニューは1幕8場「ホテルのスイート・ルーム」から2幕4場「雑貨店」の途中=「モラルの殿堂」終わりまで。場面毎にポジションや登退場ルート、稽古場で省かれていたセット絡みの芝居、そして照明との関係……などなどを細かく確認。
 この“細かく”という部分に舞台稽古で踏み込めたか否か、が仕上がりのクォリティを大きく左右する。今回は踏み込めている。再演っていいな。

 今日も順調にサクサクとメニューを消化。サクサク行かないことを想定してあるタイム・テーブルよりも早い時刻に予定の全てを終えた。タイム・テーブル以上に余裕があるのは、精神的なだけでなく、肉体的にもかなり嬉しい。

 再演っていいな。

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『貴婦人の訪問』通信

10月31日(月)

 舞台稽古1日目。

 であるが、その前に、午前中は道具調べ・照明合わせの続きとテクニカル・リハーサル。
 昨年体験したばかりの劇場である上に、照明データも転換Cueも“叩き台”がある状態なので、進行は極めてスムーズ。気持ちにも持ち時間にも余裕がある。

 続いてキャスト&オーケストラでサウンド・チェック。M1、M2、M5、M6……など、何曲かを舞台でチェック。そして、いよいよ舞台稽古スタート。

 当然のことながら、舞台稽古は衣裳もヘアメイクも全て本番通りである。
 客席には公式カメラマンが控えていて、舞台稽古とゲネプロの間中、決定的瞬間を狙っている。皆さんが後にご覧になることになる舞台写真は、ここで撮られた物である。今日のカメラマンは、東宝系の舞台/稽古場写真ではお馴染みの田内俊平さんである。

 舞台稽古1日目のメニューは、1幕1場「ギュレン駅」から1幕5場「イルの雑貨店」まで。
 ……であったのだが、様々なことがとても捗り、捗らなかった時のことを考慮して立てていたタイム・テーブルより大幅に早い時刻にメニューを消化してしまったので、明日のメニューであった1幕6場と7場を急遽今日に前倒し。嬉しい誤算である。

 そして、明朝の劇場入りの時刻もちょっぴり遅くなった。ご褒美をもらったような気分である。

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『貴婦人の訪問』通信

10月30日(日)

 午前中は音響チームのサウンド・デザイン。お昼から道具調べ・照明合わせ、昨日の続き。そして夜はオーケストラの皆さんと音響チームのサウンド・チェック。並行して道具調べ・照明合わせも。

 劇場入りしてから初日までの間、スタッフとキャストにはお弁当が支給される。劇場外に食べに出る時間が無いからであるが、近年はお弁当の種類も豊富になり、私が演出を始めた頃に比べると味も格段に良くなった。
 しかし、お弁当のクォリティが上がったことで発生する新たな問題もある。お弁当生活は、長い時には一週間に及ぶ。深夜作業があれば夜食も用意される。お弁当は働く若者向けに高カロリーである場合が多く、一日中座りっぱなしの私は日々肥えて行く。

 と言うことで、今日からはケータリングのお菓子に手を出す回数を減らす。そして用事が無くても、とにかく歩き回る。

 現状維持で何とか初日を迎えたい。

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