カテゴリー「『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』」の記事

『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』 東京千穐楽

10月13日(月)

 PARCO劇場へ。『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー~パパと呼ばないで~』の東京公演が千穐楽。
 ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。キャスト&スタッフの皆さん、お疲れ様でした。

 千穐楽の今日は、いつものカーテン・コールを済ませた後、錦織さんと塚田さんが電飾看板の前に登場してご挨拶。錦織さんが「塚ちゃんを見ていて、忘れかけていたものを思い出した。」とおっしゃったのにちょっとしみじみとした。
 続いて、お2人以外のキャストも全員登場。おひとりずつ、人柄の表れた素敵なご挨拶をされた。

 この後『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』は旅に出る。仙台、新潟、名古屋、そして大阪である。既に禁断症状の出ているあなた、我慢し過ぎは身体に悪いよ。

 大勢の人が集まって、一緒に声を上げて笑うことの楽しさ、素晴らしさ。『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』はそのことを思い出させてくれた。ありがとう、『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』

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初日! 『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』通信

9月21日(土)

 初日。

 今日は夜公演なので、午後の時間帯に舞台でひと通り台詞合わせ、と言うか、ラフに通す。そして昨日のゲネプロのダメをいくつか修正。
 昨日のゲネプロは収穫がとても多かった。少なくとも私にはそうであった。『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』がどう仕上がるべきか、それが見えた様な気がしたからである。

 初日の公演は、定刻の19時を5分ほど押してスタート。オープニングから拍手が巻き起こり、お客様に上手に乗せていただいて、舞台上のキャストの皆さんも、いつも以上に楽しそうに見えた。
 お客様の笑い声(と、時に拍手)はラスト・シーンまで途切れることはなく、終わってみれば、これは私の演劇経験の中でも「最高の初日」のひとつであったと思う。

 終演後、劇場ロビーにて初日の乾杯。キャストもスタッフも、関係者の全員が幸福そうに見えた。
 中でも、ほぼ出ずっぱりで喋りっぱなしの大役を見事に努めた錦織さんの安堵の表情と、同じく重責を果たした塚田さんの清々しい笑顔に触れられたことが、私にとっては何よりのご褒美であった。それにしても塚ちゃん、本当に良く食べるねえ……。

 これで『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』通信は終わりである。ご愛読、ありがとうございました。
 次は『ファースト・デート』通信。本格的に始まるのは10月に入ってからです。

 『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』はPARCO劇場で10月13日まで公演中。東京公演の後は仙台、新潟、名古屋、大阪へ参ります。どうぞよろしく。

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『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』通信

9月19日(金)

 舞台稽古2日目。

 稽古の前に取材タイム。その模様と舞台の様子は芸能ニュースなど、色々な所でご覧いただけるだろうと思うので、どうぞお楽しみに。
 稽古は昨日の続き、2幕の後半をあたる。そして大休憩を取った後、ゲネプロ。

 『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』がPARCO劇場初出演、と言う方が何人かいらっしゃる。塚田さん、はしのさん、池谷さん、土屋さん、岡村さんがそうなのだが、意外なことに錦織さんもPARCO劇場は初めてなのだそうである。
 そして、更に意外だったのは、綾田さんがPARCO劇場初出演だったことである。綾田さんは「渋谷の演劇人」と言う印象が私にはあったのだが、それは、かつて渋谷にあった伝説の小劇場「渋谷ジァンジァン」で東京乾電池の公演を観たから、と言う以上には根拠のない印象だったかも知れない。

 さて。

 明日はいよいよ初日。19時開演である。PARCO劇場でお待ちしています。

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『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』通信

9月18日(木)

 舞台稽古1日目。

 『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』の様なワン・シーンの(途中で場面の変わらない)作品では、舞台稽古の進行が結構難しい。
 1幕が6場面とか(例えば『王様と私』)14場面とか(例えば『シスター・アクト』)に分かれている作品では、舞台稽古でも場面毎に止めたり、或いは2、3場面を繋げたり、など、キリの良い所で稽古を止めて諸々の確認をすることも容易い。
 だが、『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』は、始まってしまえば緞帳が下りるまでノン・ストップなので、誰かがどこかで止めない限り、当たり前だが止まらない。

 途中で止まらなければ、それは最早「舞台稽古」ではなく「ゲネプロ」である。しかし、ゲネプロをスムーズに行なうためには、その前に舞台稽古を入念に行っておく必要がある。
 そう言う訳で、ノン・ストップ=ワン・シーン作品の舞台稽古では、途中で無理にでも止めてブロック毎の確認を挟むことになる。その「止まらない約束の芝居を止める」のが難しいのである。

 今日の舞台稽古は至って順調に進行し(つまり、要所要所で無事に止まり)、予定のメニューをきっちり消化した。
 明日も舞台稽古、今日の続き。そして、その後ゲネプロである。

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『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』通信

9月17日(水)

 PARCO劇場へ。

 PARCO劇場は、私がプロの演出家としてデビューさせてもらった劇場である。
 今から19年も前のことであるが、以来、日本の劇作家による新作や翻訳劇、音楽劇にミュージカル……と、様々なタイプの作品に携わらせてもらって来た。今回は『クールの誕生』(2012年)以来のPARCOである。

 今日は午後から照明合わせ。
 大劇場のミュージカルなどと違って、『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』は1シチュエーション、1セットである。なので、大道具は一度建ってしまえば舞台転換もない。お陰で、比較的穏やかに、照明合わせ(と並行してと音響の調整も)は進行した。

 舞台美術のデザインは大田創さん。照明のデザインは高見和義さんである。お2人ともこのブログではもうお馴染のデザイナーであるが、お2人とも10年前の『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』にも参加してくださっている。音響デザイナーは長野朋美さんで、長野さんは10年前は音響オペレーターであった。

 10年が経過して、その分年齢を重ねたデザイナー&演出家として再び同じ作品に取り組む。これはちょっと貴重な体験であった。
 以前と何も変わらないと言えば変わらないのだが、10年前の明かりや音素材を見聞きすると、「確かにあの頃は若かった」と感じもするのである。
 これが「成熟」と言うことなのだろうか?

 明日は舞台稽古、1日目。

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『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』通信

9月16日(火)

 稽古場最終日。

 最終日の今日も、いつもの様に通し稽古。通し稽古終了後も、いつもの様にダメ出し。
 8月18日に稽古を始めてほぼひと月。稽古場での工程は今日で全てを終了した。

 今日の通しで意外だったのは、2幕の最終局面、ヒューバートがレズリーにある決意を語る場面で、何だか「ぐっ」と来てしまったことである。その瞬間、私は目頭が熱くなり、危うく涙を零すところであった。かろうじて零さなかったが。
 『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』で、こんなに心が動かされる瞬間が訪れようとは想像もしていなかった。思いの外「いい芝居」に仕上がったのではないか、と思う。

 稽古終了後、PARCO劇場へ。

 私が顔を出した時には、舞台にはセント・アンドルーズ病院の医師談話室がほぼ建ち上がっていた。
 それにしても、PARCO劇場はこう言う芝居には打って付けの空間だと思う。どの席からも観易くて、舞台上で行われていることが客席の隅々まで届いて行く、そんな感じの空間なのである。

 明日は終日スタッフ・ワーク。舞台稽古は明後日から。

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『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』通信

9月15日(月)

 今日も通し稽古。但し衣裳とヘアメイク有りで。

 衣裳とヘアメイクの力は偉大である。
 昨日までの「稽古着」に「自頭」で稽古していた時とはまるで別人。出てくる人々はどこからどう見ても紛れもない英国人である。喋っているのは日本語だが。
 こうして見ると、『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』は制服とスーツのオン・パレードである。制服フェチ(特にナース)、スーツ・フェチの方には、これは見逃せない1本であろう。

 PARCO劇場では『君となら』が千穐楽。『君となら』の搬出が終わり次第、いよいよ我々の搬入である。

 と言う訳で、明日は稽古場最終日。

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『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』通信

9月14日(日)

 午前中は『ファースト・デート』の打ち合わせ。

 今日は音楽監督の島健さんと、『ファースト・デート』の現時点での確認事項(バンド・エリアのことや、今後の作業の進め方、など)について意見交換。島さんとご一緒するのは『好色一代女』(2005年/ル・テアトル銀座、他)以来。ミュージカルでは初めてである。
  『ファースト・デート』は「オン・ブロードウェイ」で上演されたにしてはコンパクトな作品であるが、そのコンパクトさがシアタークリエにはぴったりだと思う。

 午後は『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』の稽古場へ。

  今日ももちろん通し稽古。昨日段取りを付けたカーテン・コールまで続けてみる。通しの後は、いつもの様にダメ出し。更にその後、「××××・×××××」を稽古。
 さて。初日まで1週間を切った。頭の中には「もう?」と思う私と「まだ?」と思う私がいて、どちらも一歩も引かない構えである。

 どっちの肩を持つべきか……?

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『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』通信

9月13日(土)

 稽古前に福本伸一さんの衣裳合わせ。

 福本さんが演じるのはロンドンのおまわりさんである。巡査部長である。制服である。外国の警官の制服と言うのは、日本の物と比べると何だかお洒落に見える。単に見慣れていないから……だけかもしれないが。

 稽古は、まず幾つかの場面を抜き稽古。修正と確認をした後、本日も通し稽古。

 連日通し稽古をやっているので、おおよその上演時間が見えて来た。
 1幕は57~8分、2幕は53~4分、くらいだろうか。途中15分の休憩が入って、全体では2時間10分程度になるのではないだろうか。

 通しの後はダメ出し。そしてカーテン・コールを段取る。

 カーテン・コールに手を付けると、「いよいよ劇場入りが近い」と感じる。感じた通りである。稽古場は残すところ、3日である。

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『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』通信

9月12日(金)

 稽古前に照明打ち合わせ。照明デザイナーは、10年前と同じ高見和義さんである。

 前回の照明については、とても鮮明に記憶している個所と全く思い出さない個所がそれぞれにある。
 ま、前回を再現しようと思って今回やっている訳ではないので、思い出さないことは何の支障もないのだが、『王様と私』で体験したばかりの「1年足らずでの再演」と、「10年経って」の『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』とでは、頭の使い方にも見聞きすることに対する感じ方にも、結構大きな違いを感じるのである。人の記憶は不可思議なものである、と日々実感している。

 稽古は今日も通し。

 一昨日の通し稽古では2幕の出来が良かったのだが、今日は1幕が良かった。今日の1幕と一昨日の2幕が同じ回にできると嬉しいのだが。

 通し稽古の後はダメ出しと調整。

 ダメなのかそうでもないのか、調整は効果があるのかないのか、観客のいない稽古場なので本当の所は分からない。が、キャスト&スタッフ一同の演劇的体験を頼りに、「直せばきっと良くなる」と信じて、今日もダメ出しと調整に励む。

 稽古後は声の録音。場内アナウンスや、セント・アンドルーズ病院歌劇団の練習風景や……。

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