カテゴリー「『イーストウィックの魔女たち』」の記事

『イーストウィックの魔女たち』旅立つ

5月3日(土)

  越谷サンシティホールへ。

  『イーストウィックの魔女たち』のツアーが昨日からスタートした。
  今回のツアー版は、今までの帝劇版や博多座版とは舞台美術が大きく異なる。が、美術デザイナーの松井るみさんが、シンプルだが『イーストウィック・・・』の世界観を損なわない素敵なセットをデザインしてくれた。
  合わせてフライングも簡略化されたが、32名の出演者は昨年の帝劇のままである。16名のオーケストラももちろん同行しているので、『イーストウィック・・・』のエッセンスは何一つ変わっていないと思う。
  ツアー版ではオーケストラピットを使用していないので、客席との一体感は今まで以上かもしれない。

  越谷のお客様はこのミュージカル・ファンタジーを大いに楽しんでくださった。盛大な拍手に手拍子、そして歓声と大きな笑い声。舞台と客席との関係はまさに理想的であった。越谷にお越しくださったお客様のお陰で『イーストウィック・・・』は実に幸先の良いスタートを切らせていただいた。

  今回のツアーは5月31日まで続く。楽しい旅になります様に!

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祝・千秋楽! 『イーストウィックの魔女たち』

11月12日(月)

  『イーストウィックの魔女たち』千秋楽を迎えた。まず、何よりもご来場くださった皆さんに感謝をしたい。ありがとうございました。
  そしてキャスト&スタッフ、オーケストラの皆さんをはじめ、すべての公演関係者にも。お疲れ様でした。
  そして、帝劇初演でも博多座での再演でもトラブルのあったフライングが、今回は見事に全公演成功した。成功して当たり前なのだが、そのために尽力してくれたフライング関係者にもお礼を言いたい。ご苦労さまでした。

  既にご存知の方もいらっしゃると思うが、『イーストウィックの魔女たち』は来年旅に出る。4月下旬から5月にかけて、大阪、金沢、名古屋などを巡演する予定である。
  キャストは今回の帝劇の出演者がそのまま登板することになっているが、帝劇初演以来の舞台美術は一新される。つまりニュー・ヴァージョン・イーストウィックである。既にご覧になった方も、まだご覧いただけていない方も、どうかご期待いただきたい。

  ところで、公演プログラムの中で私は、
  「恐らくアレックス、ジェーン、スーキーは私たち自身なのだ」
  と書いた。ではフェリシア・ガブリエルとは一体誰なのだろう。
  私は、フェリシアとは「イデオロギー」のことだと思っている。『イーストウィックの魔女たち』の中で、人々はフェリシアによって統率され、フェリシアを盲目的に信奉している。
  ベルリンの壁が崩される以前、世界はイデオロギーによって秩序を保っていた。そしてイデオロギーはそれを批判する者を許さなかった。それはかつてのマッカーシズムなどにも明らかであろう。
  だがしかし、イデオロギーが人々を束ねる力を失った現在も、人類は相変わらず世界の到る所で紛争を起こして続けている。
  『イーストウィックの魔女たち』では物語の後半でフェリシアは姿を消すが、その後に来るのは個人の欲望が肥大化したグロテスクな全体主義であった。
  終幕、ダリルの退場と共にコミュニティとしてのイーストウィック・タウンは消滅する。それと同時に白亜の教会が跡形もなく崩れ去るのはとても暗示的であるが、果たしてその後、イーストウィックの人々は何を縁(よすが)に生きて行くことになるのだろうか。

  『イーストウィックの魔女たち』はその答えを示して幕を閉じる。

  私がこのミュージカルをこよなく愛するのは、そこに人類の希望を見るからである。

  それでは来年、また魔女たちとお目にかかれる時まで。

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近況報告など

11月4日(日)

  『イーストウィックの魔女たち』を開けた後も忙しくしている。

  まず、今やっているのは東宝ミュージカルアカデミーの試演会の稽古。
  東宝ミュージカルアカデミーはミュージカルを目指す若い俳優のためのスクールで、今年で2年目、現在の生徒たちは2期生となる。通常のカリキュラムでは歌、ダンス、演技と言う風に個別にレッスンが組まれているのだが、実際のミュージカルの上演では、当然のことながらそれらを同時に処理しなければならない。
  で、実際のミュージカル作り同様に歌いながら踊り、それらを含めて演技することを体験させるのがこの試演会の目的である。アカデミーでの授業内容はオープンにしない決まりがあるので詳細は省略するが、その本番がいよいよ今度の週末なのである。
  一般には公開しない稽古場発表ではあるのだが、それでも本物のミュージカルを作るのと同じエネルギーと時間が必要なので、私もそれなりにヘトヘトになる。振付を担当してくださっているのは昨年同様青木美保先生で、青木先生も本当にお疲れ様です。あと少し!

  試演会の稽古と並行して『ウェディング・シンガー』の準備も進めている。
  今は主に訳詞のことと舞台美術のことをやっている。今日も舞台美術の打ち合わせに8時間ほどを費やした。費やしはしたが、まだラフプランである。ミュージカルの準備は大変なのである。
  ヴァージョン・アップしたチラシはもうご覧になったであろうか。井上さん、上原さん以外も扮装写真になり、これで『ウェディング・シンガー』の楽しさが少しはお分かりいただけるのではないかと思う。
  更にブログもオープンした。早いなあ、と思ったのだが、考えたらひと月後には稽古スタートである。あっという間だなあ・・・。皆さん、どしどしコメントをお寄せください。一緒に盛り上がりましょう!

  来年夏に上演される『フラガール』舞台版の準備も進めている。
  フラガールたちのオーディションが行なわれ素敵なフラガールたちが決まったし、脚本の羽原大介さんと舞台版の台本をどうするかの作戦会議も行なった。来週末にはハワイアンズや炭鉱跡などのロケハンに赴く予定である。

  『イーストウィックの魔女たち』ではファン感謝デーと題してトークショーが開催され、進行役として参加した。その様子はこちらからどうぞ。

  そして次回作、東京ヴォードヴィルショー公演『エキストラ』の準備も進めている。ただしこちらは三谷君の本直し待ち。早く無事に『恐れを知らぬ川上音二郎一座』の幕が開きます様に!

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『イーストウィックの魔女たち』通信

10月10日(水)

  公演2日目。

  皆本麻帆さんは無事にデビューを飾った。カンパニー全体が初日の狂騒の中にあった昨日、ただひとり、その外側にいた不安はどれほどであったろう。
  でもそれももう過ぎた。後は伸び伸びとジェニファーを演じて行って欲しい。

  今日で『イーストウィックの魔女たち』通信も一区切りとなる。ご愛読ありがとうございました。次は『エキストラ』通信。但し始まるのはもう少し先になりそうです。

  最後に、『イーストウィックの魔女たち』の「見逃しても惜しくはないけど気付いた人はちょっと嬉しい情報」をふたつ。

  ①  開演5分前のアナウンス、実は2パターンあります。昨日と今日、続けて観劇くださった方はもうご存じてすよね。

  ②  2幕前半の大ダンス・ナンバー「Dance with the Devil」、この時の指揮者・塩田さんに注目。・・・良くやるよ。(褒め言葉です!)

  それでは帝国劇場で!

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初日! 『イーストウィックの魔女たち』通信

10月9日(火)

  『イーストウィックの魔女たち』で、こんなに余裕のある初日を迎えようとは夢にも思わなかった。

  と言う訳で、それぞれのセクションでの調整は継続されていたものの、演出家が立ち会わなければならないようなシリアスな作業はひとつもなく、私も一旦劇場に顔を出したもののすることもないので、コーヒーを飲みに出かけた程であった。願わくば、どの初日も今日の様であって欲しいのだが。

  さて、いつもの様に開演の2時間前に初日のお祓いを済ませ、30分前に塩田さんと愉快な仲間たちによるロビー・パフォーマンスを覗く。
  そして18時、ちょっと過ぎて『イーストウィックの魔女たち』開幕。まあ色々と取りこぼしはあったのだが(その度に胃に穴が開きそうになったが)、終わってみれば、とても気持ちのいい、そして大いに盛り上がった素敵な初日であった。

  楽屋の着到盤横にはロンドンのキャメロン・マッキントッシュ・オフィスからの祝電が貼り出されていた。
  帝劇初演の準備に入る前のことだが、オリジナルのプロデューサーであるサー・キャメロンは私に、
  「『イーストウィックの魔女たち』は伝統的なスタイルで作られたミュージカル・コメディだからね」
  と念を押した。そして、
  「伝統的なスタイルのミュージカル・コメディではあるけど、極めて現代的なセンスで作られているんだからね」
  と付け加えた。

  今回の『イーストウィックの魔女たち』は再演ではあるが、舞台は大きくヴァージョン・アップしている。ウィンドウズXPがVISTAになったくらいのメジャー・アップデートである。帝劇初演や博多座再演で「やり残した」と感じていたことを、今回は全て実行したのである。
  キャメロン卿、今日の初日は如何だったでしょうか?(と言ったところで、ご覧頂いた訳じゃないからなあ・・・)

  それはともかく、今回の公演プログラムには脚本・作詞のジョン・デンプセイ氏と音楽のダナ・P・ロウ氏のお2人がメッセージを寄せてくださっている。
  その中でお2人は、来日されて観劇された帝劇初演の思い出に触れられているのだが、それを読んで私は胸がいっぱいになった。
  私は、お2人が『イーストウィックの魔女たち』に籠められた「思い」を舞台に再現するために(及ばずながら)全力を尽くして来たつもりであったので、私たちの『イーストウィックの魔女たち』をご覧になったお2人の思いを今回のプログラムで伺い知って、それで胸がいっぱいになったのである。

  脈絡のない文章はこの位にして・・・。

  『イーストウィックの魔女たち』は明日で2日目だが、ダブル・キャストでジェニファーを演じる皆本麻帆さんにとっては明日が初日である。

  明日が麻帆にとって最高の1日になります様に!

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『イーストウィックの魔女たち』通信

10月8日(月)

  舞台稽古最終日。

  まず、昨日の続き、2幕のラストまでを稽古。そしてインターバルの後、通し舞台稽古(GP=ゲネプロ)。フライング・シークェンスも含め、まあとにかく無事に繋がった。
  イーストウィックの魔女たち』は、ほとんどの場面に何かしらの「仕掛け」(手品のようなさり気ない物から、大きくはフライングまで)が施されているので、見ている我々はどのシーンも気が気ではない。無事に繋がっただけでも心底ホッとした。
  GPの後は客席にて駄目出し。ミュージカル・ナンバーのいくつかは舞台にて更に確認作業。

  さて、明日は初日である。何はともあれ、お客様に喜んで帰路に就いて頂きたい。そうなるといいな。

  ところで、10月5日の記事に書いた塩田明弘さんと仲間たちによる開演前のロビー・パフォーマンスであるが、明日は(恐らく明日以降も)開演の30分前位にはスタートするらしい。興味をお持ちの方は少し早めにお出かけください。
  ちなみに帝劇の開場時間は「開演の1時間前」だそうである。

  ついでに上演時間であるが、1幕が1時間21~22分位で、2幕は55~56分程度、プラス、カーテン・コール5~6分と言ったことになりそうである。
  つまり25分の休憩を挟んで、おおよそ2時間50分程度の上演時間になるのではないだろうか。

  予報では明日の東京地方は雨の様だが、どうか素敵な初日になります様に!

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『イーストウィックの魔女たち』通信

10月7日(日)

  舞台稽古2日目。

  昨日の続き、1幕の後半から2幕の冒頭までを稽古。
  初演、再演とは打って変わって、今回の舞台稽古は極めて落ち着いた雰囲気の中で行われている。時々細かな調整のための中断はあるが、それでも予定されたスケジュールにほぼ沿って進行している。

  20時過ぎには全体の稽古を終え、いよいよUKのフライング・チームと合体して、1幕ラストのハイライト、3魔女たちのフライング・シークェンスの稽古に突入。
  結果は・・・1発OK!  初演、再演ではこのシークェンスを完成させるのにどれほど苦労したことか。何はともあれ、よかったよかった。

  ファンタスティックな3魔女のフライング。どうかその眼で直接ご覧頂きたい。

  初日まであと2日。

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『イーストウィックの魔女たち』通信

10月6日(土)

  街が静かだ、と思ったら世間は3連休であったか。こちらは今日より3日連続で舞台稽古。

  と言う訳でその1日目であるが、午前中はオーケストラと音響チームでのサウンド・チェックに費やし、舞台稽古は午後のやや遅い時間からのスタートであった。
  幕開きから場面毎に順番に、人物の出入りやポジション、シーン・チェンジのタイミングや音響のバランスなど、細々としたことを調整して行くのだが、帝劇の初演、博多座での再演に続いて3度目となる今回は、それなりにノウハウも蓄積されているので、稽古の進行も比較的スムーズであった。

  1幕の半分ほどを消化したところで全体での稽古は終了し、フライング・シークェンスのテクニカル・リハーサルに移る。
  前回の博多座ではフライング・システムの調整に手間取り(こちらを参照のこと)、アレックス・ジェーン・スーキーを飛ばせたのは初日の目前であった。今回はその時の反省を基に綿密なスケジューリングの上で調整を進めて来たので、このタイミングで3人の試験飛行を設定することができたのである。結果は・・・

  ほっ。

  と言うのが関係者全員の現在の正直な気持ちであろう。私も心の底から「ほっ」とした。
  これで今夜の徹夜作業は回避された。関係スタッフには今夜こそゆっくりと休んでもらいたい。

  初日まであと3日。

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『イーストウィックの魔女たち』通信

10月5日(金)

  フライング、道具調べ、照明合わせ。それぞれ順調に予定を消化している。

  今回の『イーストウィックの魔女たち』では、開演前にもお楽しみを用意している。我らがマエストロ・塩田明弘さんとその仲間が、ミュージカルの楽しさや楽器の面白さなどを皆さんに楽しくお伝えするミニ・パフォーマンスである。
  このちょっとしたライブ・パフォーマンスは劇場のロビーにて、毎公演開演の25~20分前位にスタートする予定である。
  お時間に余裕のある方は、少しお早めに劇場へお越しください。

  初日まであと4日。

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『イーストウィックの魔女たち』通信

10月4日(木)

  稽古場最終日。

  ダブルキャストのジェニファーを交代して2度目のオケ付き通し稽古。いくつかの課題は残したが、ひと月半に及んだ『イーストウィックの魔女たち』の稽古場での全行程を無事に終えた。
  後は劇場で、舞台美術、照明、音響、衣裳、ヘアメイク・・・の力を借りて、このゴージャスでファンタスティックでキュートでミステリアスでブラックで愛に満ちたミュージカルに魂を入れるのみである。

  稽古後、キャストの何人かで開演アナウンスの録音。誰の声が聞けるのかは開幕までのお楽しみ。
  そしてその後、10月1日から続いていた劇場での作業に合流する。出演者を交えての舞台稽古は明後日からだが、それまでに仕上げておかなければならないスタッフワークがまだ山のように残っているのである。

  初日まであと5日。

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