10月9日(火)
『イーストウィックの魔女たち』で、こんなに余裕のある初日を迎えようとは夢にも思わなかった。
と言う訳で、それぞれのセクションでの調整は継続されていたものの、演出家が立ち会わなければならないようなシリアスな作業はひとつもなく、私も一旦劇場に顔を出したもののすることもないので、コーヒーを飲みに出かけた程であった。願わくば、どの初日も今日の様であって欲しいのだが。
さて、いつもの様に開演の2時間前に初日のお祓いを済ませ、30分前に塩田さんと愉快な仲間たちによるロビー・パフォーマンスを覗く。
そして18時、ちょっと過ぎて『イーストウィックの魔女たち』開幕。まあ色々と取りこぼしはあったのだが(その度に胃に穴が開きそうになったが)、終わってみれば、とても気持ちのいい、そして大いに盛り上がった素敵な初日であった。
楽屋の着到盤横にはロンドンのキャメロン・マッキントッシュ・オフィスからの祝電が貼り出されていた。
帝劇初演の準備に入る前のことだが、オリジナルのプロデューサーであるサー・キャメロンは私に、
「『イーストウィックの魔女たち』は伝統的なスタイルで作られたミュージカル・コメディだからね」
と念を押した。そして、
「伝統的なスタイルのミュージカル・コメディではあるけど、極めて現代的なセンスで作られているんだからね」
と付け加えた。
今回の『イーストウィックの魔女たち』は再演ではあるが、舞台は大きくヴァージョン・アップしている。ウィンドウズXPがVISTAになったくらいのメジャー・アップデートである。帝劇初演や博多座再演で「やり残した」と感じていたことを、今回は全て実行したのである。
キャメロン卿、今日の初日は如何だったでしょうか?(と言ったところで、ご覧頂いた訳じゃないからなあ・・・)
それはともかく、今回の公演プログラムには脚本・作詞のジョン・デンプセイ氏と音楽のダナ・P・ロウ氏のお2人がメッセージを寄せてくださっている。
その中でお2人は、来日されて観劇された帝劇初演の思い出に触れられているのだが、それを読んで私は胸がいっぱいになった。
私は、お2人が『イーストウィックの魔女たち』に籠められた「思い」を舞台に再現するために(及ばずながら)全力を尽くして来たつもりであったので、私たちの『イーストウィックの魔女たち』をご覧になったお2人の思いを今回のプログラムで伺い知って、それで胸がいっぱいになったのである。
脈絡のない文章はこの位にして・・・。
『イーストウィックの魔女たち』は明日で2日目だが、ダブル・キャストでジェニファーを演じる皆本麻帆さんにとっては明日が初日である。
明日が麻帆にとって最高の1日になります様に!
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