カテゴリー「『ザ・ヒットパレード』」の記事

『ミー&マイガール』通信

5月11日(月)

  1幕1場の「ヘアフォード一族がビルを迎え入れる」ブロックをさらう。その後、1幕3場後半の「マリア公爵夫人によるビルを伯爵にするためのレッスン」場面を稽古。その後、振り固め。

  東宝版『ミー&マイガール』が今回で3演目であることは5月8日の日記でも触れた。つまり再々演である。
  ある作品の再演が決まると、必ず「再演ではどこが変わりますか?」と質問される。3月の『ザ・ヒットパレード』再演の折にも記したが(こちらこちら)、私は、再演ではできるだけ「変わった」ことに気付かれない様な変更、修正を心掛けるべきだ、と思っている。
  その気持ちは、今回の『ミー&マイガール』でも変わらない。もちろん稽古場では貪欲に、もっと面白いものを、より高いクォリティで、と思って稽古をしている。が、その「もっと」や「より高い」も、前回を全てチャラにしてしまう様な再演では、その達成は限りなく不可能に近い。

  と言う訳で、今回の『ミー&マイガール』もいつもの『ミー&マイガール』と変わらない。ただし、今までで一番完成度の高い『ミー&マイガール』になる筈であるが。

| | コメント (0)

『シラノ』通信

4月12日(日)

  稽古前にプレミアの巣窟の取材を受ける。

  『プレミアの巣窟』は、毎週火曜日の深夜(正しくは水曜の午前2時台)にフジテレビで放送されているエンターテインメント情報番組である。『ザ・ヒットパレード』の時も取材を受けたあの番組である。
  今日は稽古場にもカメラが入っていたので、番組では稽古風景や出演者のコメントも流れるだろう。オンエアには誰かがスタジオにお邪魔するかもしれないらしい。そちらもお楽しみに。

  稽古は1幕をひと通りおさらい。

  まだまだ「段取りをこなしている」域ではあるが、何はともあれ1幕は見えた。本当はこのまま1幕を成熟させたい気持ちも無い訳ではない。が、その誘惑を断ち切って、明日からは2幕の稽古に入ることにする。
  稽古場での稽古は残り3週間を切った。が、このタイミングで、例え荒くでも「1幕が見えている」と言う状況は、新作ミュージカルの稽古としてはとても順調な方だと思う。

  明日は忙しい一日になりそうだ。その理由は明日のブログで。

| | コメント (0)

『シラノ』他、通信

4月5日(日)

  まだ手を着けていない1幕2場の後半を飛ばして、先に1幕3場の前半を稽古。

  1幕3場は小さな広場に面したロクサーヌの家の前。この場面には『ロミオとジュリエット』と双璧の、有名なバルコニー・シークェンスがある。
  ……ストーリーに触れずに書くことが段々と難しくなって来た。が、ここもとても素敵な場面であることは保証する。
  ここにはロクサーヌとド・ギッシュのナンバー「決して戦地に行かせない」があり、ロクサーヌとクリスチャンのデュエット「これが恋」、そしてシラノが真情を吐露する「俺の言葉でくちづけを」がある。
  ここには恋する男たち・・・・・・シラノ、クリスチャン、ド・ギッシュが交代で登場する。「恋は盲目」とは良く言ったもので、恋に夢中の男たちは皆周りのことが全く見えていない。そして情けないほど子供っぽい。シラノもクリスチャンもド・ギッシュも、そう言う意味では皆私たちと同じ種類の人間なのである。

  稽古後は帝劇に移動して『ダンス  オブ  ヴァンパイア』の打ち合わせ。再演に向けて見直すべき事柄や方向性をメイン・スタッフ間で再確認&共有。

  そして『ザ・ヒットパレード~ショウと私を愛した夫~』大阪公演千穐楽。『ザ・ヒットパレード』は、これで全ての行程を終了した。キャスト&スタッフの皆さん、お疲れ様でした。ご来場くださった皆さん、心より御礼申し上げます。

| | コメント (1)

『ザ・ヒットパレード』大阪初日

4月1日(水)

  『シラノ』は稽古場が再度引っ越しのため稽古OFF。私は大阪のシアターBRAVA!へ。

  初めてのシアターBRAVA!である。大阪には演出部だった時代から何度も来ているが、梅田か上本町での仕事が殆どだった。なので、大阪城エリアは初めてである。
  JR大阪環状線の大阪城公園駅を降りると、何やら大勢の人でごった返している。『ザ・ヒットパレード』に詰め掛けるお客様がこんなに!?  とは思わなかったが、そうですか、大阪城ホールはここだったんですね。
  水上バス乗り場の脇を抜け、寝屋川を渡り、シアターBRAVA!へ。JRを降りる頃から雲行きが怪しくなり、風も強く、雨も降り出した。大阪城公園の桜もこれでは散ってしまうだろう。生憎な天気となったが、この雨は開場時刻までには上がった。

  大阪のお客様は暖かかった。面白いと感じれば声を出して笑い、そして至る所で拍手をしてくださった。出演者たちはル・テアトル銀座での反応との違いに、喜んだり戸惑ったりしていた。
  私は2階席から観劇した。シアターBRAVA!の2階席はル・テアトル銀座にはなかった距離と角度なので、どんな風に見えるのか、何が見えるのか、それを知っておきたかったのである。
  想像以上に舞台面が良く見えて、照明の変化がとても美しかった。2幕の「Get Back Good Days」の時のコタツの天板がとても幻想的に見えたのは新発見であった。同時に、大勢のフォーメーションが少しでもずれると、それもはっきりと分かる。何かと収穫の多い観劇であった。

  終演後、劇場を出ると大阪の空に虹が架かっていた。帰りの駅弁は何にしようかと考えながら帰路についた。

  『ザ・ヒットパレード』大阪公演は4月5日まで。お見逃しなく!

| | コメント (2)

『ザ・ヒットパレード』東京千穐楽 『シラノ』通信 そして謝恩会

3月25日(水)

  『ザ・ヒットパレード~ショウと私を愛した夫』が千穐楽を迎えた。
  ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。見逃された方、見足りない方、まだ大阪公演が残っています。詳細はこちら

  『シラノ』歌稽古、今日は鹿賀さんと朝海さんをジョイント。シラノとロクサーヌのデュエット・ナンバーを中心にさらう。
  昨日から稽古場が変わった。一昨日まで東宝ミュージカルアカデミーが使用していた稽古場である。昨日からアカデミーが春休みに突入したので、今月一杯はこの稽古場を借用する。

  私が教えているもうひとつの学校、日大藝術学部演劇学科は今日が卒業式。今年は、私が初めて通年で受け持った学生が卒業する。で、謝恩会に招かれた。
  私が担当しているのは演出コースの1年生なので、所沢に毎週通う様になってから4年が過ぎた訳である。まさに光陰矢のごとし、である。
  未曽有の経済危機、と言われている。が、少なくとも今日会った教え子たちは、そのことでくよくよしている様子ではなかった。内心は分からない。進路のことなど、思うに任せない学生もいるだろう。が、今日の彼等はすこぶる元気で、明るく、屈託がなかった。
  私は今日、彼等から勇気を貰った様な気がした。卒業おめでとう。

| | コメント (0)

『ザ・ヒットパレード』通信 初日!

3月5日(木)

  午前中からテクニカル・リハーサル。昨日のゲネプロで上手く行かなかったスタッフ・ワークをここでもう一度調整。
  午後、まずは昨日できなかった駄目出しを。そして何箇所か芝居を手直しし、更にその後バンドさんと何曲か合わせる。
  16時、舞台にて初日のお祓い。終了後、各セクションは最後の調整。

  19時、定刻に開演。途中20分の休憩を挟んで、カーテン・コールを終えたのは22時。良い初日であった。
  終演後、劇場ホワイエにてキャストとスタッフで初日の乾杯。乾杯後「一言挨拶を」と求められたが、2幕の緞帳が下りると同時に緊張の糸が切れた私は上手く挨拶できなかった。今回の再演で一番の心残りはそのことであった。

  これで『ザ・ヒットパレード』通信は終わりである。ご愛読ありがとうございました。
  次は『シラノ』通信。程なくスタートの予定です。

| | コメント (1)

『ザ・ヒットパレード』通信

3月4日(水)

  銀座では積もらなかった。

  昼過ぎまで各セクションの調整。14時より舞台稽古の続き。順調に消化して、19時より通し舞台稽古(ゲネプロ=戸田恵子さんのブログを参照されたし)。
  退館時間が迫っていたので駄目出しや直しは明日。

  明日はいよいよ初日。ル・テアトル銀座でお待ちしています。

| | コメント (1)

『ザ・ヒットパレード』通信

3月3日(火)

  大道具の調整に手間取り、舞台稽古の開始が1時間遅れる。が、巻きに巻いて1時間の遅れを取り戻す。

  仕事を終えて劇場を出ると、夕方から降り始めた雨がいつの間にか雪に変わっていた。桃の節句だと言うのに。積もるだろうか。

| | コメント (1)

『ザ・ヒットパレード』通信

3月2日(月)

  朝から道具調べ・照明合わせの続き。そして夕方より、まずバンドさんのみのサウンド・チェック。その後出演者も加わってのサウンド・チェック。舞台監督の幸光(こうみつ)さん(皆は愛をこめて「じゅんぺい」と呼び捨てにするが)による舞台上・舞台裏のオリエンテーションの後、18時より舞台稽古スタート。

  幕開きから1幕3場まで、まずは無事に予定を消化して終了。その後、明かりを少し直す。舞台稽古中、初演時の大変だったあれやこれやが蘇って来た。初演は幕を明けるまで連日大変だったのだ。あの時の我々は本当に良くやったと思う。

  明日も首尾良く運びます様に。

| | コメント (0)

『ザ・ヒットパレード』通信

3月1日(日)

  午後から道具調べ・照明合わせ。夜、1幕のテクニカル・リハーサル。

  さすがに再演なので劇場の雰囲気は落ち着いている。が、『ザ・ヒットパレード』は現代のミュージカルではあるから作業量が膨大であることに変わりはない。予定していた作業をやや積み残して本日は終了。
  以前も記したが、舞台美術や照明などに大きな変更はない。が、小さな変更は無数にある。その観客には気付かれないかもしれない様な変更のひとつひとつが、作品を大きく進化させるのだと思う。

  明日も朝から今日の続き。午後には俳優さんたちも入って来る。

  私信/礼央くんへ。私でした。

| | コメント (1)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

『My Story -素敵な仲間たち-』 『My Story,My Song』 『THE BEST』 『Yuichiro & Friends』 『その場しのぎの男たち』 『どんまいマインド』 『アニー』 『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』 『イーストウィックの魔女たち』 『ウェディング・シンガー』 『エキストラ』 『エニシング・ゴーズ』 『オトコ・フタリ』 『キングダム』 『クリエ・ミュージカル・コレクション』 『クールの誕生』 『ザ・ヒットパレード』 『シスター・アクト』 『シラノ』 『ジキル&ハイド』 『ダンス オブ ヴァンパイア』 『ドッグファイト』 『ナンシー』 『ニューヨークに行きたい‼』 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 『パイレート・クイーン』 『ファースト・デート』 『フラガール』 『プライベート・ライヴズ』 『ヘアスプレー』 『ミー&マイガール』 『メモリーズ』 『メリー・ウィドー』 『モンテ・クリスト伯』 『ライフ・イズ・ミュージカル』 『ラ・カージュ・オ・フォール』 『レベッカ』 『ローマの休日』 『ワイルドホーン・メロディーズ』 『三銃士』 『中川晃教CONCERT』 『予言』 『十二国記』 『台所太平記』 『奇人たちの晩餐会』 『家族モドキ』 『巌流島』 『浪人街』 『王様と私』 『田茂神家の一族』 『竜馬の妻とその夫と愛人』 『貴婦人の訪問』 『青猫物語』 『風と共に去りぬ』 『A Live Ⅱ』 『ALive Final』 『Chanson de 越路吹雪/ラストダンス』 『I Do! I Do!』 『SFF & DFF』 『SHINE SHOW!』 その他 アーカイブ プロフィール・作品リスト 日記/2006年 日記/2007年 日記/2008年 日記/2009年 日記/2010年 日記/2011年 日記/2012年 日記/2013年 日記/2014年 日記/2015年 日記/2016年 日記/2017年 日記/2018年 日記/2019年 日記/2020年 日記/2021年 日記/2022年 日記/2023年 日記/2024年 日記/2025年 雑感