『ナンシー』通信 大千穐楽
7月4日(日)
群馬県太田市へ。
5月14日に東京・北千住のシアター1010からスタートした『ナンシー』の「日本列島北から南からツアー」も、今日の太田で遂に大千穐楽。稽古初日の4月12日からだと約3カ月。キャスト&スタッフの皆さん、何はともあれお疲れ様でした。
会場は太田市新田文化会館エアリスホール。比較的最近建てられたと思われる、定員約1.000名のきれいで見易い劇場である。
18時の予定時刻を5分ほど押して開演。新宿の千穐楽以来久し振りに観た『ナンシー』は、更に洗練され、無駄が削ぎ落とされ、あたたかく、そして愉快であった。
本編が終わるといつもの様にカーテン・コール。但し、その最後でいつもとは違う出来事が。客席前方の左右より、金色のメタリック・テープが会場に向けて発射されたのである。これは観客だけで無く、キャストにも知らされていなかったサプライズ。スタッフからキャストの皆さんへの、千穐楽のささやかなお祝いなのであった。
鳴りやまぬ拍手にキャスト一同が呼び戻される。そしてスタンディング・オベーション。ミュージカルの初日や千穐楽には珍しいことではないが、『ナンシー』の様なストレート・プレイでは極めて異例なことだと思う。
そして、いつものようにキャストひとりひとりからのご挨拶。客席からの熱烈な声援に感極まったのか、涙ぐむキャストもちらほら。
終演後は全キャスト&スタッフが参加しての打ち上げ。ここではキャストだけでなく、スタッフもひとりひとりコメントを述べ、それを全員が微笑ましく、場合によっては厳しく突っ込みながら聞いた。
このチームが素敵なのは、キャストとスタッフが本当の意味でひとつになっていることである。そのことを何よりも大事にしている井口プロデューサーの姿勢に、私はいつも頭が下がる思いがする。
その井口プロデューサーが、挨拶の時に言葉を詰まらせて目頭を押さえた。人一倍照れ屋の井口プロデューサーのこういう姿を見ることは滅多に無い。遥々太田へ出かけた甲斐もあったと言うものである。
これで『ナンシー』通信はお終いです。ご愛読ありがとうございました。
次は『メリー・ウィドー』通信、と言うことになるのだが、これが始まるのは秋になってから。今年の夏は不定期で更新します(殆んど更新が無いかもしれませんが)ので、どうぞよろしくお願いいたします。
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