カテゴリー「『シラノ』」の記事

『ウェディング・シンガー』通信 そして『シラノ』千穐楽

2月10日(日)

  2幕3場、5場、6場、7場、8場を立ち稽古。つまり、今までやっていなかった場面全部である。

  発表されていた稽古スケジュール表には、「上手く行ったら8場も」の様に書かれていた。スケジュールを発表した時点では、私も「あわよくば」程度に考えていたのだが、昨日の稽古を終えた時点で「全部やろう」と考えを変えた。
  芝居作りには、ある種の「勢い」が不可欠だと思う。なのでその様にしたのであるが、稽古後の井上芳雄さんは、「全部やるとは思ってなかった」と消耗しきった表情で仰っていた。でも明日以降が楽でしょ?

  2幕の後半では擦れ違いのドラマが続く。本当に心を惹かれあっている同士が、そのことを伝えられずに時間ばかりが過ぎる。そして、遂にジュリアとグレンの結婚式の日を迎える。
  『ウェディング・シンガー』の脚本・作詞を担当されたチャド・ベグリンさんは「私たちのミュージカルは楽しかった1980年代を描いていますが、同時に友情の大切さも語っています」と書かれているが、2幕の後半は、まさに「恋人たちとその友人たちとの友情の物語」となる。それはかなり感動的な物語である。かなり笑えもするが。

  さて。

  ミュージカル『シラノ』が本日ついに千穐楽。『シラノ』もまた「恋人たちとその友人たちとの友情の物語」であった。恋人たちとその友人たちに、いつの日か再会できます様に。

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『ウェディング・シンガー』通信 そして『シラノ』大阪初日

2月8日(金)

  立ち稽古。1幕9場、10場、11場。その後、1幕1場から8場までをおさらい。

  これで1幕はひと通り手を付けた。大変順調である。とは言え、公式ブログのカウントダウン日めくりは、我々に残された時間が3週間しかないと言う事実を冷厳に教えてくれている。なので、1幕でやり残したことはまだまだあるが、明日からは2幕をどんどん稽古。
  稽古後、今日もプログラム向けの座談会が行われていた。今日は井上さん、大澄さん、新納さん、そして初風さんの初演からのキャスト・チーム。この顔ぶれなら放っておいても盛り上がっただろう。

  さて。

  ミュージカル『シラノ』が大阪・新歌舞伎座で初日を迎えた(詳細はこちら)。が、私はこうしてこの日記を書いている通り不参加である。公演は明日、明後日限り。どうぞお見逃しの無い様に。

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『ウェディング・シンガー』通信 そして『シラノ』東京千穐楽

1月29日(火)

  振り起こし。「POP!」と「すげえ勘違い」。

  「POP!」は昨日立ち稽古した1幕5場のナンバー。「すげえ勘違い」は1幕10場のナンバーである。1幕10場は、ジュリアに頼まれてロビーがショッピング・センターでの買い物に付き合う場面。
  「すげえ勘違い」の冒頭にカップル4組の短いダンスがあるのだが、振付の上島雪夫さんが急に「ここが上手く行ってる様に思えない。何回作り直しても」と言い出した。で、新振付に。ベテランの小原和彦さんがそれをこなすのに四苦八苦されていて、長い付き合いの上島さんが情け容赦なく突っ込んでいた(笑)。

  さて。

  1月5日のプレビューで幕を開けた日生劇場の『シラノ』が千穐楽。キャスト&スタッフの皆さん、お疲れさまでした。ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。
  『シラノ』は、この後大阪へ行く。2月の8日、9日、10日の3日間、新歌舞伎座での公演である。関西方面の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。

  大阪公演に参加しない彩吹真央さんと平方元基さんのおふたりは今日が本当の千穐楽。お疲れさまでした!(ゆみこさん『ウェディング・シンガー』で待ってます)

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『シラノ』通信

1月7日(月)

  彩吹真央さんと平方元基さんの初日。

  既に昨日初日が開いていて、更にその前日にはプレビュー公演でお客様が入っている。感覚からすれば今日は既に3日目であるが、お2人にとっては間違いなく今日が初日である。
  劇場全体が開幕に向けての狂騒状態から脱け出し、次第に落ち着きを取り戻して行く中で、初日を迎えるためのテンションと集中を維持し続けることは並大抵の困難ではなかっただろうと思う。そして押し寄せる緊張感、重圧と戦うことも。

  今日は夜公演である。なので、昼の間に彩吹ロクサーヌと平方クリスチャンでゲネプロ。お2人は衣裳もヘアメイクも当然フル装備だが、お2人以外は稽古着なので、見た目にはちょっと不思議な世界であった。
  ゲネプロを無事に終えて、18時30分、開幕。彩吹さんはキュートで愛くるしく、平方さんは堂々と男らしく、それぞれの魅力を十二分に発揮した素晴らしいロクサーヌとクリスチャンを演じた。

  明日からはキャストのシャッフルがスタートする。明日は濱田ロクサーヌと平方クリスチャン。彩吹ロクサーヌと田代クリスチャンは明後日から。どちらの組み合わせも、昨日、今日とは一味違った素敵な恋人たちになるだろう。

  これで『シラノ』通信はお終いである。ご愛読、ありがとうございました。次は『ウェディング・シンガー』通信。今月の後半には始まる予定です。
  ミュージカル『シラノ』は1月29日まで日生劇場で上演中。その後、2月8日~10日は大阪の新歌舞伎座で上演。

  それではまた、劇場で。

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『シラノ』通信

1月6日(日)

  初日。

  公演は夜なので、昼前から昨日のプレビューでの課題を処理。舞台転換や照明の直し、などである。並行してリハーサル・ルームでキャストの駄目出し。更に、オーケストラにも付き合って貰って、舞台上で何曲か当たる。
  昨日のプレビューはとても良い出来だったと思うが、それでも手を入れておきたい部分はある。

  14時45分より、舞台にて初日のお祓い。公演の安全と成功を祈念する。その後、鹿賀さん、濱田さん、彩吹さん、田代さん、平方さんは扮装で囲み取材。その様子は色々な媒体で流されているはず。
  17時30分、開幕。1幕が終わった所で、今日初めて見る関係者から良い感想をもらう。が、我々スタッフは何度も心臓が口から飛び出しそうになった。
  2幕も終わりカーテン・コール。ホッとする間もなく舞台裏に走り、音楽のフランク・ワイルドホーンさんを紹介するために舞台上へ。ワイルドホーンさんはいつもの様にとても温かい言葉をくださった。
  終演後、緞帳裏で初日の乾杯。2009年の初演時からの3年越しの宿題に、ようやく一区切りつけられた感じ。

  だが、まだ気を緩めるわけには行かない。明日はもう1人のロクサーヌとクリスチャン、彩吹さんと平方さんの初日である。

  お2人にとって最高の初日になります様に!

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『シラノ』通信

1月5日(土)

  日生劇場が50周年だそうである。開場は1963年10月20日、演目はベルリン・ドイツ・オペラ『フィデリオ』であった。
  私が初めて日生劇場を訪れたのは高校生の時である。浅丘ルリ子さんがエスメラルダを演じた『ノートルダム・ド・パリ』(1979)を観劇したのが最初であった。独特な華やかさを纏った特別な劇場、という雰囲気が当時からあったが、今ではそれに風格が加わった様に思う。今や都内で最も歴史のある大劇場建築のひとつとなった。
  その歴史ある劇場で、昨年に続いて正月を迎えることができて本当に光栄である。日生劇場には忘れることのできない数々の思い出が詰まっている。

  で。

  お昼から舞台稽古の残りを片付ける。そしてプレビュー。
  プレビューと言うのは、日本の演劇界ではあまり定着していない制度であるが、正式な初日を迎える前に、作品の最後の調整を観客入りで行う、といった試みである。
  最後の通し舞台稽古=ゲネプロに沢山の関係者を招いてその反応を探る、と言ったことは無い訳ではない。が、その時客席を埋めているのはあくまでも関係者であり、今日客席に座っているのは入場料を頂いたお客様である。
  我々クリエイティブ・チームは、そのお客様に周囲を取り囲まれて、1階席中央に確保された3列のエリアに肩を寄せ合って座った。本番なのか、稽古なのか、いやもちろんあくまでも稽古の最終段階なのだが、仕事モードでありながら気配を殺していなければならず、気持ちの持ち様が実に難しく感じた3時間であった。

  お客様が入ることを承知で進めて来たので、ご覧頂いて不都合なことは何もなかったのだが、お客様に囲まれた演出テーブルで過ごす、と言うのは何とも不思議な体験であった。
  何はともあれ、プレビューにご来場くださった皆さん、ありがとうございました。

  さて。明日はいよいよ初日。『シラノ』も、日生劇場での大切な思い出のひとつになります様に!

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『シラノ』通信

1月4日(金)

  舞台稽古2日目。

  朝から照明の修正作業、舞台稽古は午後からである。1幕2場「ラグノーの店」から2幕1場の「戦場」までがメニューで、もちろん今日も順調にメニューを消化した。
  ダブル・キャストのロクサーヌとクリスチャンは交代で舞台に立っている。舞台に立っていない方のキャストは客席からその様子を眺めている訳である。
  稽古場では組み合わせを日々シャッフルして、様々な組み合わせのロクサーヌ&クリスチャンを試して来た。が、劇場入りしてからは、それぞれの初日の組み合わせである濱田&田代チームと彩吹&平方チームに固定して稽古に臨んでいる。
  それぞれの組み合わせにそれぞれの良さがあり、私としては、出来ることなら全ての組み合わせをご覧いただきたい、と言う実に切ない気持ちになっている。

  明日は舞台稽古の残りのメニューを消化した後、18時30分からいよいよプレビュー公演である。無事に幕が上がります様に!

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『シラノ』通信

1月3日(木)

  朝から明かり合わせ。並行して音響チームの調整。午後は、テクニカル・リハーサルの後、更に照明合わせ。それと並行してオーケストラが加わってのサウンドチェック。そして夜、舞台稽古スタート。

  今日のメニューは1幕1場。『クロリーズ』初日を控えたブルゴーニュ座の場面である。そこに芝居好き、ゴシップ好き、社交好き、その他様々な人々が次々と押し寄せる。彼らが期待しているのは……。
  1幕1場はとにかく盛り沢山。ミュージカル・ナンバーだけでも5曲あり、加えてアクションや大道具の仕掛け、舞台転換など、調整の必要な要素もどの場面より多い。
  こう言う場面の稽古にはとにかく時間が掛かる。が、ひとつひとつの要素を地道に潰して行くこと以外に、こう言う場面を仕上げる方法は無い。
  時間は掛かったが、それでもタイム・テーブル通りに今日のメニューを消化して、舞台稽古1日目は無事終了。何しろこのカンパニーには「ミス・オンタイム」こと、小川美也子さんがいるからね。

  明日も午後から舞台稽古、今日の続き。午前中はスタッフの作業あり。

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『シラノ』通信 新年早々いきなりミニ

1月2日(水)

  日生劇場へ。

  朝から仕込み作業再開、昨年の続き。各セクション、順調にメニューを消化し、夕飯を終えた位の時刻から明かり合わせ。新年1日目から深夜作業。

  おやすみなさいZZZzzzzzz

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『シラノ』通信

12月29日(土)

  オケ付き通し、2回目。

  手前味噌に聞こえるだろうことを承知で書かせていただくのだが、今日の『シラノ』は、今までに見たことのない素晴らしい『シラノ』であった。
  その理由はひとつではないだろうが、キャスト、オーケストラ、スタッフ、全員が最高の仕事をした、と言うことであろう。そして、この作品の持つポテンシャルの高さを改めて思い知らされた。
  特に鹿賀さんのシラノ・ド・ベルジュラックが特筆すべき見事さであった。笑わされて、笑わされて、そして泣かされた。
 
  日生劇場では今日から前仕込が始まっている。スタッフ・チームも稽古場と劇場と、今日は二手に分かれている。この稽古場とも今日でお別れだが、こんなに高揚感を感じて稽古場を後にすることも珍しい。

  さて。

  稽古場を出て大阪へ。明日は『Chanson de 越路吹雪  ラストダンス』の大千穐楽。

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