カテゴリー「『ダンス オブ ヴァンパイア』」の記事

『シスター・アクト』&『TDV』通信

10月18日(金)

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の稽古場へ。

 顔寄せ。キャスト、スタッフ、関係者がそろい、公演に向けて気持ちを新たにする。
 各地の主催者の皆さんもお集まりくださったのだが、交通機関の事情により富山の皆さんのご参加が叶わず、翻訳・訳詞の飯島早苗さんも涙をのんでご欠席。台風の影響の大きさを改めて思い知る。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。

 2幕11場を立ち稽古。
 ついに最終場面である。“アルフレートが雪の中を心細そうにやってきた幕開き”から(物語の上では)5日目の夜明けである。この5日の間にアルフレートは今まで経験したことのないような冒険をした。その冒険も終わりが近づいている。ここにはミュージカル・ナンバーは「外は自由(リプライズ)」と「フィナーレ」がある。

 「フィナーレ」は“真っ赤に流れる血が欲しい”でお馴染みのあの曲。10月7日のブログでリンクを張った“アレ”である。『ダンス オブ ヴァンパイア』のフィナーレに相応しく、登場するキャスト全員が踊る、踊る、踊る!

 全体の稽古を終えた後、いくつかの場面を抜き稽古。芝居の精度を高める。

 今日で全場面を(駆け足もいいところであるが)とにかくあたった。台風で1日失ったことを思えば上出来であろう。
 2人のアルフレートとヘルベルトは、稽古を終えると3人で仲良く帰って行った。先に出番の終わった人は自分以外の人の稽古が終わるまで静かに待っていて……である。

 やさしい。

 それとも、あやしい?

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『TDV』通信

10月17日(木)

 立ち稽古。2幕9場と10場。

 2幕9場は、台本にはクロロック伯爵の城の「塔と墓場」と記されている。が、実際にはまず「塔」の場面があり、そののち「墓場」に移行する。ミュージカル・ナンバーは「永遠」があり、そして「抑えがたい欲望」がある。
 「永遠」は既にダンサーズの振り付けは終えているので、今日はアンサンブルさんたちの部分を振り付け、そののちダンサーズと合体。

 「抑えがたい欲望」は、『ダンス オブ ヴァンパイア』の中でも特に忘れ難いナンバーだろう。
 こういうシーンを稽古する時は、“最低限必要な確認を簡潔に済ませ、あとは1回やってみる”のが最善であるように思う。なので今日もそのようにした。今期の稽古場での特に忘れ難い時間となった。

 ナンバーを終えた後、伯爵の影として踊った森山開次さんがおっしゃった。

 「からだが憶えてました。」

 2幕10場はいよいよお城の舞踏会である。物語もついにクライマックスを迎える。張られた伏線もできる限り手際よく回収しなくては。

 連日、長時間の稽古が続いている。
 今回はさまざまな部分がリニューアルされているので“新作ミュージカルの初演の稽古”のように時間がかかっている。

 時間をかけた甲斐のある作品に仕上げなくては。

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『TDV』通信

10月16日(水)

 立ち稽古。2幕5場~8場。

 クロロック伯爵の城の「図書室」「浴室」「図書室」「浴室」が連続するシークェンスである。いつもは大人数の稽古場も、このシークェンスを稽古する時には極めて少人数になる。舞台上には最大でも3人しか登場しないからである。
 ミュージカル・ナンバーはプロフェッサーの「本だ!」があり、アルフレートの「サラへ」があり、さらにアルフレートとヘルベルトの「恋をしているなら」がある。

 アルフレートの歌う「サラへ」は『ダンス オブ ヴァンパイア』の中でも特に印象に残るナンバーだと思う。
 このナンバーは“アルフレートに起きていることを観客に伝える”という意味でとても大切なナンバーだと考えているのだが、このナンバーが2幕3場で(「夜を感じろ」の後で。霊廟に向かう前に)歌われるヴァージョンの『ダンス オブ ヴァンパイア』を観たことがある。
 それはウイーン劇場協会による上演だったので変更もオフィシャルなものであるはずである。が、私はもともとの(我々が上演しているヴァージョンの)位置にこのナンバーがある方がしっくりと来るように思う。そのタイミングで歌われた方が“このナンバーの役割”が明快になるように思われる。

 話は変わって、稽古場から伯爵さまのコメント映像が届いている。まだご覧になっていらっしゃらない方はこちらからどうぞ。

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『TDV』通信

10月15日(火)

 ミュージカルの稽古場では全員で発声をしてから稽古に入ることが多い。身体をほぐしたり呼吸を意識したり巻き舌をしたり……しながら色々な声を出してみたりする。

 巻き舌は、できる人にとっては特に意識することも無くできるものだろう。が、できない人にとってはどんなに苦労してもできないものである。私もできない方の1人なのだが、意外なことに石川禅さんも巻き舌ができない。
 今日も発声のメニューに巻き舌が出てきた。参加している人の大半は何の苦労もなく巻き舌をしながら声を出している。と、突然禅さんが大声で叫んだ。なんと、巻き舌が生まれて初めて――それも何の前触れもなく――できたのである。
 「55歳になっても人間まだまだ進歩するんだなぁ……」
 というのが“初巻き舌”直後の禅さんのお言葉である。

 生まれて初めて巻き舌ができたから10月15日は巻き舌記念日

 稽古メニューは2幕3場と2幕4場。

 2幕3場はアルフレートとプロフェッサー、そしてクコールが登場する場面。ここには難易度が高いことで悪名高い“プロフェッサーの着替え”がある。アルフレートよろしく。

 2幕4場は「霊廟(れいびょう)」。“霊廟”とひとくくりにされているが、ここは大きくは「アルフレートとプロフェッサー霊廟へ」「霊廟のアルフレートとプロフェッサー」「シャガール、マグダ、そしてクコール」に分けられる。ちなみに霊廟とは尊い人の霊を祭る場所のことである。ここは“稽古に手間がかかる場面”で悪名高い。

 そののち1幕7場をおさらい。お風呂への入り方を何度も何度も稽古する桜井玲香さん。

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『TDV』通信

10月13日(日)

 台風の被害にあわれた方にお見舞い申し上げます。
 1日も早く平穏が戻りますように。

 東京は交通機関の運転再開が始発に間に合わなかったり、再開されても通常より本数を減らしていたり……といった状況であった。なので開始時刻を1時間遅らせて稽古スタート。

 今日から2幕の立ち稽古である。まず2幕1場。

 2幕1場は「クロロック伯爵の城の広間」である。
 初めて『ダンス オブ ヴァンパイア』をご覧になる方には“物語の展開”を知らずに楽しんでいただきたい。なので、ここから先はストーリーには触れないでおこうと思う。ここにはサラと伯爵さまが登場し、2人のナンバー「愛のデュエット」がある。

 続いて2幕2場。

 2幕2場は「悪夢」と名付けられた場面。
 この場面全体がミュージカル・ナンバー「夜を感じろ」になっている。そしてナンバー全体が誰かの見る“悪夢”である。『ダンス オブ ヴァンパイア』に登場する重要なダンス・ナンバーのひとつであることは以前記した通り。すでに振り付けはひと通り終わっているので、今日はダンス以外の部分を作り、そしてダンスと合体。誰の見る悪夢なのか……はどうぞ劇場で。

 そののち1幕のおさらい。

 本来は昨日予定されていたメニューなのだが今日に持ち越しである。ただし全場面ではなく何場面かを抜粋しておさらい。抜粋したにもかかわらず稽古終了はちょっと遅い時刻になった。

 皆さま、大変お疲れさまでございました。

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『TDV』通信

10月11日(金)

 立ち稽古。1幕9場、そして1幕10場。

 1幕9場は「シャガールの宿屋の食堂」。1幕2場でアルフレートたちが遭難寸前で飛び込んだ“あの場所”に物語は戻る。
 アルフレートたちは宿屋を出発することにするが、次に向かうべき場所の手がかりが得られない。食堂に会した村人たちの表情は暗く、アルフレートたちが何を尋ねてもその口は重い。そこにある人物が担ぎ込まれて……。

 9場は15分を超える結構長い場面である。大きくは3つのエピソードに分けることができ、芝居上の段取りや約束事も多い。つまり「稽古するのがなかなか大変」な場面なのである。今日もこの場面だけに4時間以上を費やした。が、費やした甲斐のある充実した場面になりそうである。

 1幕10場は「クロロック伯爵の城のファサード」。
 アルフレートたちは、気がつくと荘厳な城の門前に立っていた。何とかして中に入ることはできないか。アルフレートが苦闘していると城門が突然開き、中から人影が現われた……。

 10場は1幕のラスト・シーン。追う者(科学者)と追われる者(ヴァンパイア)がついに対峙する。
 ここにはミュージカル・ナンバー「ACT-1 フィナーレ」があり、ナンバーの最後には伯爵さまの見せ場のひとつが用意されている。伯爵さまは今日も絶好調。稽古場内の気温がまたまた5度くらい上がる。
 対するプロフェッサーであるが、今回、芝居の運びを少し変えてみてもらっている。作品のスケールと風格を今まで以上に高めたい。そう考えての試行である。

 さて。

 この1週間で1幕をひと通り当たった。“とても急いでいる”印象の稽古であることは間違いないが、今回はさまざまな部分がリニューアルされているので、できるだけ早い段階で全場面を当たり問題点を洗い出してしまいたい。その方針に沿って組まれた稽古スケジュールなのである。
 このハイペースについてきてくださったキャスト&スタッフの皆さん、ありがとうございました。特に今回が初参加の皆さん(中でも出ずっぱりのアルフレートさん)、おさらいの時間はちゃんととります。

 明日も立ち稽古……の予定だったのだが、台風の状況を鑑みて稽古は臨時OFF。
 
 皆さん、くれぐれもご注意くださいますように。

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『TDV』通信

10月10日(木)

 立ち稽古。1幕5場、1幕7場、そして1幕8場。

 1幕5場は「外から見たシャガールの宿屋」。いよいよクロロック伯爵の登場である。
 クロロック伯爵は、プロフェッサー・アブロンシウスが生涯をかけてその存在を追っている“ヴァンパイアの首領”とでも呼ぶべきキャラクター。演じるのはもちろん山口祐一郎さんである。
 幕開きから1幕4場までは、観客は主人公アルフレート共に“物語の中で起きる出来事”を目撃するのだが、5場では初めて“異なる視点”で物語を見ることになる。

 1幕7場は再び「シャガールの宿屋の2階」。
 アルフレートがバスルームでお風呂の支度をしている。バスルームの隣はサラの部屋である。バスルームの音を聞きつけたサラは部屋を抜け出して……。ここには2つのミュージカル・ナンバーがある。「あんたは素敵」と「お前を招待しよう」であるが、“誰が誰を素敵だと思っているのか”、“誰がどこに誰を招待するのか”……はどうぞ劇場で。

 そして1幕8場。再び「シャガールの宿屋の前」。
 夜。雪は止み、月明かりが美しい。サラが部屋の窓から外を見ていると……。ここには1幕のハイライト「外は自由」がある。
 今日はまず冒頭の芝居部分から「外は自由」の前半を作る。その後、先行していたダンス・シークェンス(赤いブーツのダンス)と合体し、さらにその後の芝居部分を作る。

 今日稽古した場面は、どれもとても『ダンス オブ ヴァンパイア』らしい場面だと思う。ロマンティックであり、ドラマティックであり、エキサイティングでありながらファニー。ちょっぴりエロティックでもある。

 明日は1幕の最後までたどり着きたい。台風の進路が気がかりであるが。

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『TDV』通信

10月9日(水)

 立ち稽古。1幕4場、そして1幕6場。

 1幕4場は「シャガールの宿屋の断面」。
 アルフレートたちの部屋、バスルーム、サラの部屋が並んでいる1幕3場は「シャガールの宿屋の2階」であった。そして「シャガール夫妻とマグダの部屋は屋根裏にある」と4場には記されている。つまりこの宿屋は3階建てで、4場では2階と3階(屋根裏)の様子が同時に描かれる。なので“断面”である。

 “幾つかの別々なストーリーが同時に描かれる”ことは芝居では時々ある。こういう場面の稽古は中々骨が折れる。
 “別々なストーリー”というのは、ここでは“アルフレート&サラのストーリー”と“シャガール&レベッカとマグダのストーリー”そして“プロフェッサーのストーリー”の3つなのだが、3つが同時進行していても観客が混乱することが無く、何が起きているのかが明快でなければこれをやる意味がない。そこにたどり着くまでに骨が折れるのである。

 骨が折れることはもうひとつあって、それは「稽古場では2階の上に3階を乗せたセットが作れない」ということである。
 “上下にあるはずの異なるフロア”のセットを“ワンフロアに飾って稽古する”ことになるわけなので、“稽古場で見えている景色”を脳内で補完して“劇場で見えるはずの景色”に置き換えることが常に求められる。こうなると、もう芝居の稽古どころではない。

 1幕6場は「シャガールの宿屋の前」。
 雪が止み、太陽が久しぶりに顔を出した。冬の山奥には貴重な、束の間の晴れ間である。宿の者たちは薪の準備や食材の調達に余念がない。が、そこに招かれざる客が現われて……?

 ここにはシャガール、レベッカ、マグダのナンバー「すべて順調」と、プロフェッサーのナンバー「人類のために」がある。
 ショーやレビューの世界には「中詰め(ちゅうづめ)」と言う言葉がある。「大詰め」に対しての「中詰め」なのであるが、「大詰め」が最終シーン(フィナーレ)のことであるのに対して、「中詰め」は全体の中ほどにある。なので「中詰め」なのである。

 「人類のために」はまさに中詰め。ショーが止まるほどの喝采(ショー・ストップ)が起きればうれしい。

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『TDV』通信

10月7日(月)

 顔寄せ。公演関係者一同が集まる。

 キャスト、スタッフ、主催者のひとりひとりが紹介され、キャストを代表して山口祐一郎さんが、主催者を代表して東宝の池田取締役がご挨拶。ご指名により私も一言、抱負のようなものを述べる。
 山口さんのご挨拶は、ご挨拶というよりシュプレヒコール……というか、運動部の主将が部員たちに檄を飛ばす……みたいな、稽古場の室温が一気に5度くらい上がったかのような気にさせられる熱くて激しいものであった。
 池田さんは、思い出の映画『ストリート・オブ・ファイヤー』(ウォルター・ヒル監督/1984年)に絡めたお話をされた。『ストリート・オブ・ファイヤー』には『ダンス オブ ヴァンパイア』この曲が使われているのである。

 『ストリート・オブ・ファイヤー』のこの曲が『ダンス オブ ヴァンパイア』に使われている、と言うべきか?

 顔寄せに続いて立ち稽古。まず1幕1場。

 1幕1場は「吹雪の荒野」。昨日も記した通りトランシルヴァニアの山岳地帯である。
 ドラマティックなオーヴァーチュアに続いてひとりの少年が姿を現す。この物語の主人公アルフレートである。両手に荷物を抱えて吹雪の中を行く彼は不安気で心細そうで……。師と仰ぐプロフェッサー・アブロンシウスの姿を見失い、自分が今どこにいるのかすら分からないらしい。辺りは急速に暗さを増し、野生動物の遠吠えも聞こえる。果たして彼の運命は……?

 続いて、昨日「ニンニク」のステージングを済ませた1幕2場。未着手だったドラマ部分を作りながら、ステージングをブラッシュ・アップ。

 さらに1幕3場「シャガールの宿屋の2階」。

 宿屋の2階には3つの部屋が並んでいる。アルフレートたちが宿泊することになる客室と、バスルームと、宿屋の娘=サラの部屋である。客室とサラの部屋はバスルームを挟んでその両サイドにあり、なのでバスルームにはどちらの部屋からも入ることができる。
 アルフレートたちを案内してきたシャガールがバスルームのドアを開けると……。

 稽古後、照明デザイナーの高見和義さんと打ち合わせ。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』は“劇場に入る前に検討しておかなければならない要素”がとにかく多い作品である。なので、まだ立ち稽古に入ったばかりであるが、このタイミングで考え方や方法論などについて意見交換。舞台監督の廣田さん、演出助手の小川さん、そして照明助手の奥野友康さんと。長時間に渡りありがとうございました。

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『TDV』通信

10月6日(日)

 立ち稽古。1幕2場「シャガールの宿屋の食堂」にあるミュージカル・ナンバー「ニンニク」をステージング。

 シャガールの宿屋があるのは“トランシルヴァニア地方の山奥の、人知れぬ寒村”である。トランシルヴァニアは現在のルーマニアの中部に位置し、周囲をカルパチア山脈に囲まれている地方。ヴァンパイア伝説の多くに登場する地名でもある。
 ある冬の夕暮れ、村人たちが食堂に集まって騒いでいる。どうやらこの村の名物はニンニクで、名物料理もニンニク料理であるらしい。宿屋の主人シャガールとその妻レベッカが食堂を切り盛りし、ウェイトレスのマグダが給仕をして回っている。そこに転がり込んできたのは……。

 「ニンニク」は、この場面の冒頭から(途中で芝居をはさみながら)終わりまで続くナンバーである。日本初演の舞台稽古の時に、この場面を見たミヒャエル・クンツェさんから「ミュージカルの幕開きに相応しい活気のある場面になっている」とのお言葉を頂いた。クンツェさんは、ウィーン版ではなかなかそうならなかったことが気がかりでいらしたらしい。
 そのステージングをクリエイトしてくれたのは上島さんである。今回のリニューアルに当たり、オリジナルのステージングを尊重しながら細部を調整することが今日の主なメニューであった。

 稽古終了後、演出部の皆さんと“お風呂”のテスト。

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