カテゴリー「日記/2010年」の記事

今年度最後の講義

12月21日(火)

  東宝ミュージカルアカデミーへ。

  東宝ミュージカルアカデミーの受講期間は1年間である。毎年4月に開校し、翌年の3月には卒業となる。アカデミー設立以来、私は週に1コマ、演技のクラスを受け持っており(それとは別に試演会やワークショップを担当する年もあるのだが)、そのクラスは卒業間際まで続く年度もあれば、越年せずに早々と終了する年もある。
  今年度、5期生たちへの講義は越年せずに終了である。そして今日がその最終日であった。

  5期生たちは今、来年2月頭に行われるダンス試演会、そして2月末の卒業公演に向けて多忙な日々を過ごしている。今年10月のミュージカル試演会の後、休む間もなく2度目のミュージカル試演会、更に続いてダンス試演会、そして卒公である。肉体的にも精神的にも、今は結構しんどい時期かもしれない。
  だが、どんなにしんどくても、やるべき事、行くべき場所があると言うのは幸せなことである。その有難みは、来春の卒業後に身に沁みて分かる筈である。

  ちょっと早い気もするが、今年の私は今日で仕事納め。なのでこのブログの更新も年内は最後となる。次はウェディング・シンガー』通信。1月下旬スタートの予定である。

  今年もご愛読ありがとうございました。そして、来年が皆さんにとって素晴らしい1年となります様に!

 

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『三銃士』『風と共に去りぬ』『ウェディング・シンガー』通信

12月12日(日)

  都内某撮影スタジオへ。

  今日と明日で三銃士のポスター、チラシ用のスチール撮影が行われている。今日はダルタニャン、リシュリュー枢機卿、アトス、アラミス、ポルトス、ロシュフォールが登場した。
  『三銃士』は17世紀のフランスが舞台のコスチューム・プレイである。今日登場した6人は、全員が背も高く、とにかく衣裳が良く似合う。それは明日登場する残りの6人も同様だろう。
  この写真を使ったポスター、チラシは、恐らく年明けには登場する筈である。首を長くしてお待ちいただきたい。

  風と共に去りぬの方は新たな出演者が発表された。こちらからどうぞ。

  そして一般前売りの始まったウェディング・シンガー。ムービーが続々とUPされているので、どうぞご覧ください。

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『ウェディング・シンガー』製作発表!

12月6日(月)

  第一ホテル東京へ。

  披露宴などに使用されるバンケット・ホールに、披露宴さながらに円卓を配して、披露宴同様ご招待客の皆さんに囲まれて、幸福感いっぱいの『ウェディング・シンガー』製作発表であった。
  その速報映像が既にUPされている。さすが宣伝部、仕事が早い。まずはご覧いただきたい。

  ブロードウェイ・ミュージカル『ウェディング・シンガー』は、日本では2008年2月に日生劇場で初演された。
  アメリカのニュージャージーに暮らす、しがないウェディング・シンガー=ロビーとウェイトレス=ジュリアを主人公にした賑やかで陽気なミュージカル・コメディで、世の中全てが「金」と「成功」を目指していた1985年が物語の時代背景である。
  今回の再演は劇場がシアタークリエとなる。そしてクリエの後、大阪、名古屋、山梨、福岡、大分、そして盛岡を回るツアーが行われることも発表された。

  今日の製作発表に登場したのは、井上芳雄さん、上原多香子さん、大澄賢也さん、新納慎也さん、鈴木綜馬さん、そして私であった。一同は、製作発表が始まる前、控室で再会した瞬間から既にチーム・ウェディング・シンガーであった。
  これほど出演者が再演を待ち望み、そして楽しみにしていた作品を、私は他に知らない。それがどれ程なのか、今日の製作発表に参加された方には嫌と言うほど伝わっただろうと思う。

  私自身、この再演を何よりも楽しみにしていた。
  『ウェディング・シンガー』が今まで以上に多くの人に愛され、そしてこの世の中を少しでも明るくするお手伝いができる様に、2011年3月6日の初日まで、微力ながら頑張りたいと思う。

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日藝 そしてアカデミー

12月2日(木)

  午前中は日大藝術学部所沢校舎へ、夜は東宝ミュージカルアカデミーへ。

  演出実習Ⅱでは、シェイクスピア、マルク・カモレッティと来て、今週はチェーホフを取り上げた。『三人姉妹』である。
  チェーホフは、こうして授業で一部分を取り上げるのは難しい。どこを切り取っても抑制が効いていて、その抑制の裏には、それぞれが引きずっている感情が潜んでいるからである。部分が全体を、全体が部分を規制するのである。

  東宝ミュージカルアカデミーでは、今日と明日の2日間で、5期生による3回目の試演会が行われている。
  1回目の試演会は7月に行われた菊田一夫/作『濹東奇譚』で、2回目が10月のミュージカル試演会、そして今回はミュージカル試演会の第2弾、ブロードウェイ・ミュージカル『ナイン』を取り上げている(指導は小林裕先生である)。
  『ナイン』もまた、こうして受講生たちが取り組むには難易度の高い作品だと思う。が、どうせ目標を掲げるなら高い方が良いだろう。その困難に果敢に取り組んだ受講生たちに、心から拍手を送りたい。

  上記の、10月の試演会の様子が東宝ミュージカルアカデミーの公式ページにUPされている。TOPページ左側、上から2段目の「更新情報」をクリックし、次ページに現れる11月24日付の「稽古場レポート」をクリックするとご覧いただけるので、ご興味のある方はどうぞ。

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千穐楽! 『メリー・ウィドー』通信

11月23日(火)

  日生劇場へ。『メリー・ウィドー』千穐楽である。

  今日のキャストは「チーム池田」。最良の出来であったと思う。
  昨日が休演日だったので、「チーム池田」は2日間お休みだった訳であるが、開演前はそのことでいつも以上に緊張しているキャストをちらほら見かけた。が、その緊張感や、逆に休養十分だったという事実、それに今日が最後という空気、そして何よりも千穐楽を盛り上げようとする劇場全体のムードが良い方向に作用したのであろう。忘れ難い千穐楽となった。
  終演後は打ち上げへ。
  一昨日も「チーム加賀」の打ち上げがあり、そこにも顔を出したのだが、今日は大楽である。名残り惜しくて、ちょっと遅い時刻まで参加してしまった。

  現在、二期会でオペレッタが取り上げられる機会はそれほど多くないのだと言う。が、今回公演監督を務められた高丈二さんは、これからはオペレッタを何とか継続していきたい、と抱負を述べられていた。
  その試みが上手く行くことを願っている。終演後の客席に流れていた幸福感を、今回だけにしてしまうのは余りにも惜しいと感じるからである。

  これで『メリー・ウィドー』通信はお終いである。ご愛読ありがとうございました。
  次回は『ウェディング・シンガー』通信。ただし、本格的に始まるのは年が明けて1月後半からの予定。それまでしばらくは不定期です。悪しからず。

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『GWTW』通信

11月22日(月)

  風と共に去りぬ舞台美術打ち合わせ。

  『風と共に去りぬ』の美術デザイナーは松井るみさんである。
  松井さんとは、『パイレート・クイーン』でもご一緒した。それ以前にも『イーストウィックの魔女たち』『プライベート・ライヴズ』『好色一代女』『鹿鳴館』『謎の下宿人』で素敵な舞台を作っていただいた。

  『風と共に去りぬ』初演(1966年)の美術デザイナーは伊藤熹朔(きさく)さんである。伊藤さんは、日本の舞台/映画美術デザインのパイオニアで、日本で最も権威のある舞台美術の賞「伊藤熹朔賞」にそのお名前を留めている。
  その伊藤熹朔賞の受賞者のひとりが、今回の『風と共に去りぬ』をデザインしてくださる松井さんである。歴史はこうして受け継がれて行くのである。

  今回は「帝劇100週年記念公演」の1本としての上演だが、これは正確には「再演」ではない。以前にも触れたが、『風と共に去りぬ』の初演は前半(第1部)と後半(第2部)別々に上演されており、それぞれが4時間に及ぶ長編であった。
  今回は第1部、第2部一挙上演である。そう言う意味では2001年に初演されたミュージカル版の構成に近い。

  ティム・バートンが『猿の惑星』の再映画化を試みた時、或いはJ・J・エイブラムスが『スター・トレック』の再映画化に取り組んだ時、「リ・イマジネーション」という言葉が使われた。来年の『風と共に去りぬ』も、「再演」と言うよりは「リ・イマジネーション」ではないだろうか。

  帝劇での『風と共に去りぬ』上演史にオマージュを捧げる様な作品にしたいと思う。

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『メリー・ウィドー』通信 & 『ウェディング・シンガー』通信

11月21日(日)

  『メリー・ウィドー』3日目。

  「チーム加賀」の2日目にして千穐楽である。
  初日以上に舞台は弾み、観客の反応もまた初日を凌ぐものであった。時折「ドキッ!」とする様なポカも無いでは無かったが、しかし終わってみれば、とても気持ちの良い舞台となっていた。
  その証拠に、カーテン・コールが終わってカーテンが閉まり、場内が明るくなっても拍手は止まなかった。慌ててもう一度カーテンを開けた程であった。

  それにしても、ひと月以上稽古して、たった2回の公演で幕を閉じる。ブロードウェイやウェストエンドでは「酷評されれば初日でクローズ」と言うこともあるかもしれないが、何とも儚(はかな)いことである。が、これが日本のオペラ/オペレッタ界の現状なのであろう。
  1回でも2回でも、いま以上に公演できる日が1日も早く来ることを願わずにはいられない。

  夜はウェディング・シンガーの舞台美術打ち合わせ。

  8月15日の日記でも触れたのだが、『ウェディング・シンガー』の舞台美術が難航している。「シアタークリエで上演する」と言うことには、物理的な制約に加えて、それ以外にも様々な困難が伴うのである。

  何とか上手く行きます様に!

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『メリー・ウィドー』通信 そしてイライザ卒業パーティー

11月20日(土)

  『メリー・ウィドー』2日目。

  「チーム池田」の初日である。
  今日も5分押しで開演。昨日に劣らず、今日のお客様も大いに笑い、惜しまずに拍手をくださった。舞台上もいつに無く落ち着き、そして楽しげに見えた。
  『メリー・ウィドー』のダブル・キャストは、それぞれの個性が本当に異なる。芝居の運びにも、おかしさにも、それが良く出ている。唯一のシングル・キャストはニェーグシュを演じる鎌田誠樹さんであるが、それぞれに個性的な上司・ツェータ公使に芝居を合わせるのは結構大変だろうと想像する。
  オペラ/オペレッタの入場料金は決して安くはないし、公演期間もとても短い。予定は立て難いだろうが、ぜひ両キャストを見比べて頂けたら、と思うのである。

  夜は「真央さんイライザ卒業パーティー」へ。

  大地真央さんが花売り娘・イライザを演じるブロードウェイ・ミュージカル『マイ・フェア・レディ』が本日千穐楽。今日をもって真央さんは、20年間演じ続けていらしたイライザ役を卒業される。その労をねぎらう会が開かれたので顔を出す。
  千秋楽の当日なので、カンパニーの打ち上げの様な、肩の凝らない明るく賑やかなパーティであった。沢山の方が真央さんとの想い出を語り、そして歌った。
  1963年の『マイ・フェア・レディ』日本初演より同作に関わり続けていらした宮崎プロデューサーの言葉が格別に心に残る。宮崎さんも今日で『マイ・フェア・レディ』を卒業されるのである。

  真央さん、宮崎さん、長い間お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

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初日! 『メリー・ウィドー』通信

11月19日(金)

  そして今日も日生劇場へ。

  『メリー・ウィドー』初日である。
  開演は18時30分であるが、だからと言って、昼間に稽古や駄目出しや作業がある、と言うこともない。極めて落ち着いた、人間らしいとさえ言える初日の迎え方である。
  さて、本日は5分押し。定刻を5分過ぎて場内の明かりが落ちる。マエストロがピットに登場し、盛大な拍手に迎えられる。力強くタクトが振り下ろされ、そのエネルギーに相応しい華やかな音楽が日生劇場一杯に響き渡る。
  観客は温かく、大いに笑い、そして手を叩いてくださった。そのお陰もあってか、舞台の上は程良く力が抜け、いつも以上に繊細で、いつに無く大胆でもあった。
  オペラ/オペレッタの世界ではカーテン・コールの最後にマエストロが舞台に登場する。加えて演出家も登場する習わしがあり、それに倣って私も舞台に上った。習わしなので悪しからず。

  いま思い出してみても、とても良い初日だったのではないかと思う。客席の最後列で、私も安心して舞台を眺めていることができた。こう言う初日はとても珍しい。

  明日は「チーム池田」の初日。明日の開演は15時である。お間違えの無い様に!

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『メリー・ウィドー』通信

11月18日(木)

  今日ももちろん日生劇場へ。

  午後イチより「チーム池田」でGP。GP終了後は昨日同様にオーケストラと何曲かをあたり、そして駄目出し。開幕前の全作業を無事に終えた。
  上演時間は、1幕が約50分、2幕が約60分、3幕が約30分。途中、20分の休憩が2回入り、全体では約3時間と言ったところであろう。

  私がブログを始めたのは5年前。正に『メリー・ウィドー』初演の時であった(その記事はこちらから)。但し、肝心の劇場入りした辺りで風邪をこじらせてしまい、『メリー・ウィドー』通信は中途半端に終わっている。
  今回は無事に開幕に漕ぎ着けられそうで、ひと安心。明日はいよいよ初日である。

  「チーム加賀」の初日は18時30分開演。それでは日生劇場で!

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