カテゴリー「日記/2009年」の記事

『パイレート・クイーン』通信

11月11日(水)

  稽古前に日経新聞さんの取材。ただし『パイレート・クイーン』のことではなく、デジタル家電について。

  稽古は台本順に、プロローグから1幕前半をおさらい。
  未整理な部分や場面の繋がりなどを潰しながら、芝居のニュアンスなど、少し細かい部分にも踏み込む。久し振りにあたる場面も多かったが、皆さんよく覚えていて下さったこともあり、概ね順調に進行した。
  それにしても、1幕前半には手の込んだ場面が多い。キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。私も結構消耗しました。

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『パイレート・クイーン』通信

11月10日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー、午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。

  まずは「洗礼式」に続く場面をあたる。この場面の終わりにもちょっとしたアクションがある。ミュージカル・ナンバーのステージングの後、このアクションを作る。
  その後、1幕11場、12場、14場をおさらい、手直し。1幕を稽古していた時点では来日していなかったコナーさん、ブライアンさん、キアランさん、ノリーンさんを入れ込む。久し振りの1幕で、自分で作った場面の段取りを忘れていたりして、我ながら情けない。

  今日で全場面に手を付けたことになる。明日は1幕前半を頭からさらってゆくつもり。

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『パイレート・クイーン』通信

11月9日(月)

  稽古前に、保坂さん、山口さん、涼風さん、キャロルさん、そして私で、新聞、通信社、雑誌などの演劇記者の皆さんの合同取材。初日が近づくにつれて、色々な所で記事になるだろう。

  キャロルさんと私はひと足先に取材を抜けて稽古場へ。1日かけて「洗礼式」のアイリッシュ・ダンスを振り付け。これで大きなダンス・ナンバーの振り付けはひと通り終わった。
  今日も稽古場に何人かのミュージシャンが顔を出して下さった。笛やヴァイオリン、パーカッションの音色が加わり、『パイレート・クイーン』の世界がいきなり目の前に現れたかの様であった。

  音楽の力は偉大だなぁ。

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『パイレート・クイーン』通信

11月8日(日)

  アクション・シークェンスのおさらい、兼、コナーさん、ブライアンさん、キアランさんの入れ込み。
  アクション・シークェンスの動きを付けた時点で彼らはまだ来日していなかった。なので、今まではアンサンブルの女子が彼らの代役となって稽古をしていたのであった。彼らはアクションは未体験だったらしく、手順がひとつ付く毎に大騒ぎであった。チャンバラごっこが男子をわくわくさせるのは日本もアイルランドも同じらしい。

  アクションの後は、2幕中盤にある「洗礼式」場面の導入部を作る。ここでもアイリッシュ・ダンスが踊られるのだが、その振り付けは明日のメニュー。更にその後、1幕中盤の「結婚式」に続く場面を作る。
  明日「洗礼式」を振り付け、明後日「洗礼式」のダンス後をあたれば、ひと通り全場面に手を付けたことになる。

  そこから先が大変なんだけど。

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『パイレート・クイーン』通信

11月6日(金)

  稽古前に保坂さん、涼風さんとプログラム用の対談。

  稽古ではラストシーンを作る。その後、フィナーレの振り付け。並行して女王お2人の衣裳の仮縫い。
  グレイスとエリザベスの衣裳を比べると、2人の生活の違いが見えて来る。グレイスのそれは活動的で素朴であるのに対し、エリザベスは重々しく、きらびやかである。易々と国を飛び出し大海を駆け巡ったグレイス、多くの取り巻きに囲まれ宮廷でまつりごとを行ったエリザベス。その「動」と「静」の違いである。
  同時代に生まれ、同じ様に国を治めることになった2人の女性の対象ぶりは実に興味深い。衣裳の差異は国力の差でもあるだろう。

  稽古後は美術デザイナーの松井るみさんと、大道具発注前の最後の確認。大道具製作用に作られた更に細密な舞台模型と図面とで仕上がりを最終確認。

  明日は稽古OFF。久し振りに本当に休むぞ。

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『パイレート・クイーン』通信

11月5日(木)

  午前中は日藝所沢へ。
  舞台平面図(舞台を真上から見た状態の図面)に書かれている情報を読み取って、エレベーション(舞台を客席から見たときの見え方)を起こしてみる。更に、ある作品が劇場入りしてから初日を迎えるまでには何日間必要か、シミュレーションしてみる。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。アイリッシュ・ダンスのおさらいデー。
  この4日間で振り付けたアイリッシュ・ダンスのナンバー、結婚式や酒場、プロローグなどのステップとフォーメーションを整理、確認。振り付けた日と比較すると格段にアイリッシュらしくなって来た。

  今日も長い1日であった。

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『パイレート・クイーン』通信

11月4日(水)

  稽古と並行しながら色々な作業も進行している。今日も稽古前に、アイリッシュ・ダンサーたちの衣裳や靴のフィッティング、英国軍兵士たちの鎧のフィッティング、などが行われていた。
  今回、ミュージシャンの皆さんはオン・ステージ、舞台後方のエリアで演奏することになるのだが、そのミュージシャンの何人かも稽古場に顔を出してくれた。
  オーケストラを舞台に上げることはアラン・ブーブリルさんとクロード=ミッシェル・シェーンベルクさんのたっての願いであった。そして、いくつかの場面では、ミュージシャンの何人かが演奏エリアを離れ、舞台上で(つまり俳優の近くで)演奏することになる。これも2人の希望であった。

  さて、稽古は今日も新しいナンバーを振り付け。
  出演者の皆さんに聞くと、アイリッシュ・ダンスは30分も続ければヘトヘトだそうである。それを(休憩を挟みながらとは言え)6時間以上も!  キャロルさん、並びに出演者一同の奮闘に敬意を表したい。

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『パイレート・クイーン』通信

11月3日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。

  今日は1幕8場を振り付け。
  1幕8場はグレイスとドーナルの結婚式の場面である。余談だが、思い返せば今までにもずいぶんたくさんの結婚式の場面を作って来た。
  『サウンド・オブ・ミュージック』にも結婚式の場面があった。『I Do!,I Do!』にも。『I Love You 愛の果ては?』にも『シェルブールの雨傘』にもあった。今回の結婚式は、もちろんアイルランド流である。
  ここでもアイリッシュ・ダンスをふんだんにご覧いただける。アイリッシュ・ダンサー6名の見せ場もあるし、大勢でステップを踏む賑やかな瞬間もある。

  今月16日に予定されている公開稽古で、この場面もご覧いただけるかもしれない(そうならなかった時はごめんなさい)。

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『パイレート・クイーン』通信

11月2日(月)

  『パイレート・クイーン』の稽古は通常13時スタートである。が、11月に入ってからは、その前に2時間、アイリッシュ・ダンサーたちの稽古が組まれている。
  ここで言うアイリッシュ・ダンサーとは、昨日ご紹介した4名(コナーさん、ブライアンさん、キアランさん&ノリーンさん)に加えて、タカ・ハヤシさんと中川唯可さんである。この6人が、アイリッシュ・ダンスの場面では特に重要なパートを受け持つことになる。

  さて、今日の振り付けは1幕7場。10月25日に手を付けた「もぐり酒場」の場面の続きである。この場面のナンバーは「男は男」で、ここでは上記の6人が見事な足さばきを披露してくれる。1幕中盤のハイライト・シーンになるだろう。
  更にその後、同じ25日に作った1幕11場に登場する、イギリス軍の行軍シークェンスの短いステップも振り付ける。このナンバーの振り付けにはキャロルさんのアシスタント、ノリーンさんのキャリアが生かされている。彼女はマーチングの経験も豊富なのだそうである。

  明日ももちろんアイリッシュ・ダンス!

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『パイレート・クイーン』通信

11月1日(日)

  アイリッシュ・ダンスの振り付けを担当するキャロル・リーヴィ・ジョイスさんが稽古場にやって来た。製作発表の行われた8月以来の再会である。
  そして、今日からはアイリッシュ・ダンサー4人を新たにお迎えした。コナー・オサリバン(Conor O’Sullivan)さん、ブライアン・シナーズ(Brian Shinnors)さん、キアラン・ディロン(Ciaran Dillon)さん(以上男性)、そしてキャロルさんのアシスタントも兼務するノリーン・ボイル(Noreen Boyle)さんである。

  稽古では、早速プロローグと、続く1幕1場の導入部を振り付け。
  日本版『パイレート・クイーン』のプロローグはブロードウェイ版とは異なるものになる。オーヴァーチュアに続く音楽が新たに用意され、「Community Dance」とキャロルさんが命名した新ダンス・ナンバーが展開されることになる。
  その「Comunnity Dance」が終わると1幕1場である。すでに先月、立ち稽古の初日に作ったシーンに繋がる、オマリー一族の登場シークェンスがキャロルさんによって作られて行く。
  その2つを新たに作った後、1幕1場の前半をおさらい。プロローグから繋げてみても、我ながら「悪くない」と思える出来で、ひと安心であった。

  ところで、アイルランドと日本とでは9時間の時差がある。稽古が始まる13時も、アイルランド時間では午前4時になる。キャロルさんたちの来日は昨日のことで、と言うことは、5人ともまだ時差ボケの真っ最中である。
  案の定、昨日は到着早々眠りに落ちてしまったと聞く。だとすれば、今朝も暗い内から目覚めていたに違いあるまい。さすがに稽古も17時(日本時間)近くになると、一同ややお疲れのご様子であった(特に男子3名)。が、キャロルさんはそんな素振りを全く見せず、お見事であった。キャロルさんが3度目の来日であるのに対して、4人は初来日だったことも関係しているのかもしれない。

  明日もアイリッシュ・ダンス!

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『パイレート・クイーン』通信

10月31日(土)

  2幕の11場、12場をあたる。ストーリー的にはもうクライマックスである。なので内容には触れない。

  10月21日の立ち稽古スタートから10日間、今日で第1段階のメニューは終了である。
  明日から11月に突入、アイリッシュ・ダンス・シークェンスを仕上げるために、キャロル・リーヴィ・ジョイスさんが戻って来る。4人のアイリッシュ・ダンサーも一緒である。
  明日からしばらくは「ダンス漬け」である。

  ところで、すでにご存じの方も多いだろうが、『パイレート・クイーン』の稽古場を取材陣と一般の応募者の方に公開することになった。詳細はこちらからどうぞ。
  「なんでウィーク・デーに実施するの?」というご質問をよく受けるのだが、パイレート・クイーン』の稽古場は帝劇ビルの中にあり、稽古場へ行くための通路やエレベーターは、本公演のキャスト&スタッフと共有しているのである。
  なので、稽古場に部外者を一度に100人もお招きするためには、帝劇の休館日を選ぶしかなかったのである。
  どうぞご了承ください。

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『パイレート・クイーン』通信

10月29日(木)

  午前中は日藝所沢。本業の方が佳境に入ると所沢往復はしんどいなあ。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。2幕の後半、8場、9場、10場をあたる。
  7場と8場の間には大きな時間経過が存在する。本編ではあっという間に通過してしまうのだが、その間に7年の年月が流れる。その7年の間にアイルランドとイギリスの力関係は決定的に変化する。
  グレイスやティアナンの運命も大きく変わる。あんなことになっていたり、こんなことを試みてみたり、その結果こんなことになったりする。そのことがエリザベスの心にも大きく影響を与えたりもする。
  そしてグレイスはある場所に向かうことになり、そこで誰かと出会い、あんなことやこんなことをするのである。

  明日は稽古OFF。とっくに締め切りを過ぎてしまったプログラムの挨拶文を執筆しなければ。

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『パイレート・クイーン』通信

10月28日(水)

  2幕の幕開き、3シーンを作る。

  もうストーリーには触れないでおくが、2幕1場ではグレイスの身に変化が訪れる。この船上での出来事は実話だと言われている。2幕2場では再びイギリス軍との戦い。1幕前半の戦闘に比べれば短時間だが、もちろん渥美さんの出番である。そして2幕3場。グレイスの人間関係が大きく変化する。そしてそれは新たなドラマの始まりでもあるのだが、ここでは触れない。

  稽古スケジュールが発表された時、今日の終了予定は20時になっていた。が、実際には2時間以上早く終えることができた。
  私も学習しているのである。

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『パイレート・クイーン』通信

10月27日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。相変わらず欠席者が多い。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。今日も新しい場面、1幕13場、2幕4場、5場をあたる。昨日とは打って変わって少人数の場面ばかりが並んだ。

  1幕13場と2幕4場はロンドンのエリザベスの王宮場面である。
  弱冠25歳で即位した女王は次第にその統治能力を発揮し、やがて大英帝国に大いなる繁栄をもたらす大女王となって行く。そのプロセスが『パイレート・クイーン』では対アイルランド政策の進行によって表される。
  女王の命を受けアイルランドに赴くのがリチャード・ビンガム卿である。この時代のアイルランド政策については公式ページの「もっと知りたいアイルランド」コーナーに連載中の「グレイス・オマリーが生きた世界」に詳しい。史実では何人かが引き継いだアイルランド総督の役割を、『パイレート・クイーン』ではビンガム卿が一手に引き受けることになる。
  涼風真世さんと石川禅さんは今までにも幾度となく共演されて来たが、今回は主従の関係である。どちらも歌、演技、共に申し分のない実力者同士、お2人の場面も否応なしにボルテージが上がる。『パイレート・クイーン』のハイライトのひとつになる筈である。

  2幕4場はグレイスとティアナンの場面。内容には触れないでおくが、保坂さんと山口さんのデュエット場面である。お2人のデュエットと言うだけで、学生時代からお2人を見続けて来た私はもう胸がいっぱいである。
  観劇という行為には、観客の過去、そして現在が強く影響する。「思い入れ」と言い換えれば理解し易いと思うが、そういう観客ひとりひとりの「思い」が加わって、ようやく作品は完成するのだと思う。

  『パイレート・クイーン』はそういう作品でありたい、と思うのである。

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『パイレート・クイーン』通信

10月26日(月)

  顔寄せ。だがその前に保坂知寿さん、涼風真世さんとタカラヅカ・スカイ・ステージの収録。毎度のことだが、こういうことに私は向いていない、とつくづく思う。

  顔寄せの方は公式ブログにその様子がUPされているのでそちらを参照されたい。因みに、私が挨拶で述べたのは、
  「遣り甲斐のある作品を演出する機会を与えられて感謝している。が実際に稽古に入ってみると遣り甲斐がありすぎる……」
  みたいな、ウケ狙いなものであった。
  稽古は1幕5場をさらった後、新たに1幕12場と14場をあたる。
  12場は、ドーナルと結婚し今ではオフラハティ一族の街「ロックフリート」に暮らすグレイスが、オマリー一族の暮らす「クルー湾」に向かうことになるエピソード。ここのナンバー「進め  クルー湾へ」は、ブーブリル&シェーンベルク作品としてはやや異質な、ちょっとソウルっぽい雰囲気も感じられる楽曲である。とにかくコーラスが格好良い。
  14場は1幕の幕切れ。グレイスが名実共にオマリー一族の族長となる感動的で美しい場面である。

  稽古は順調に進行している(と思う)が、今の私は十分に「いっぱいいっぱい」である。そうは見えていないかもしれないが。

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『パイレート・クイーン』通信

10月25日(日)

  1幕7場、そして8、9場をすっ飛ばして1幕10場~11場をあたる。

  1幕7場は「ロックフリートのもぐり酒場」である。
  「ロックフリート」とは、オフラハティの一族が暮らすアイルランドの一地方の名前である。その地方のもぐり酒場に、海賊の女王との結婚が決まったドーナル・オフラハティを祝うために悪友たちが集っている。そこにお店の女の子たちも加わって……。
  当然、賑やかで陽気なナンバーが繰り広げられることになるのだが、今日ステージングしたのはその前半部分のみである。後半はアイリッシュ・ダンスの掛け合いになるので、この続きはキャロルが再来日する11月に入ってから手を付ける予定。

  1幕10場はとても短い場面だが、グレイスとドーナルの新婚生活がどの様なものであったかを垣間見ることができる。そして、続く11場ではロックフリートの街に重大な危機が訪れる。その時グレイスがとった行動は……。
  どちらのシーンも青木美保さんの手を煩わせた。加えて、10場では渥美博さんの手も。

  稽古後は、明日予定されているシーンのために盆を回して色々なことをシミュレーション。遅くまで付き合ってくださった青木美保さん、小川美也子さん、そして演出部の皆さん、ありがとうございました。

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『パイレート・クイーン』通信

10月24日(土)

  1幕5場、6場をあたる。

  5場はイギリス。エリザベスが女王に即位した日である。
  エリザベス1世も、グレイスに負けず劣らず波乱万丈の生涯を送った人物であった。国王ヘンリー8世とその2番目の妻アン・ブーリンの間に生まれたが、国王は後に妻の首をはねる。一時は王位継承権を剥奪されロンドン塔に幽閉されたが、1558年、遂にイギリスの女王となる。『パイレート・クイーン』はその1558年から始まる。
  『パイレート・クイーン』の台本の冒頭には次のように記されている。
  「『パイレート・クイーン』は、女性が無力だった時代に生きた、二人の強力な女性の物語である。」
  つまり、物語の冒頭では、グレイス・オマリーもエリザベスも、無力な女性のひとりに過ぎないのである。『パイレート・クイーン』は、2人の挫折と成長の物語でもある。

  6場は再びアイルランド。
  アイルランドへの圧力を強める近代国家イギリスに対抗するためには、有力部族同士が手を結ぶしか方法はない。が、昨日まで敵味方に分かれていた部族がそう簡単に手を結べる筈もない。そんな時に選ばれるのは政略結婚である。
  オマリー一族は、オフラハティ一族と同盟を結ぶことになった。これはグレイスにとっては2つの苦しみが訪れることを意味している。ひとつは、ようやく手に入れた「海で暮らす」夢を取り上げられること、もうひとつは、最愛の人・ティアナンと別れなければならないということである。さて……。

  稽古スケジュールは情け容赦ない。明日も更に先へ進む。

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『パイレート・クイーン』通信

10月23日(金)

  午前中はPRGさんへ。『レベッカ』のために、ある照明機材のテストを見せてもらう。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。1幕4場をあたる。
  4場はパイレート・クイーン号と英国軍の戦闘場面。時間にすれば僅か1分ちょっとのアクションを1日がかりで作る。アクション・コーディネーターはもちろん渥美博さんである。
  この戦闘を通して、グレイスはオマリー一族の中で次のリーダー候補として認められて行くことになる。そして、イギリス側からは「女王陛下に歯向かう厄介な人物」として認識されることになる。

  明日の稽古は、そのイギリス側の反応、など。

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『パイレート・クイーン』通信

10月22日(木)

  午前中は日藝所沢。

  私の受け持つ「演出実習Ⅱ」に、「演劇」を授業科目に持つ高校などから先生が「研修」にいらっしゃることがある。多くの場合、先生方は1年間、日大の学生たちと演劇についての様々な授業を受けられるのである。
  私のクラスにも過去お2人の先生が研修にいらした。今年度もその様な先生が参加されている。
  夏休み明けの「演出実習Ⅱ」では「ある芝居のワンシーンを演出してみる」を継続中なのだが、今日はその先生が演出にチャレンジされた。先生は高校演劇を指導されて来た経験が豊富な方なので、大勢の生徒に役割を与えたり、芝居作りが停滞しないように常に新しい指示を追加したりなど、稽古の進め方がとてもユニークで、私はとても面白く拝見した(このブログでは説明の都合上「先生」と記しているが、「演出実習Ⅱ」ではあくまでも生徒として参加されているし、私も他の生徒と同様に接している)。
  「演劇は面白い」「稽古は楽しい」と言う根本的なことに改めて思いを巡らすことができた貴重な時間であった。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。

  昨日手を付けた1幕1場をおさらいした後、2場と3場をあたる。
  1場は、アイルランドの「海賊」たち=オマリー一族が新造した船の命名式から始まる。船の名前はもちろん「パイレート・クイーン号」である。
  当時の海賊船は女性禁制であった。海賊たちは「女性が船に乗ると不吉な事が起こる」と、頑なに信じていたのである。そんな海賊船にグレイスがどうして乗り込むことになったのか、が1場では語られる。
  昨日7時間かけて段取った1場も、通せば僅か10分である。だがその10分を価値ある時間にするためには昨日の7時間が必要だったのである。「新作を作る」と言うのはそういうことの連続なのである。
  2場、3場は1場から連続するシークェンスで、グレイスを乗せて処女航海に出たパイレート・クイーン号の船上で、2場ではグレイスと父・ドゥブダラの、3場ではグレイスとティアナンの、それぞれの思いを託したナンバーが展開されることになる。

  新作の稽古始めは緊張する。「上手くやれているだろうか」とか「別のやり方があるのではないか」とか、余計な事が頭をよぎり、平常心ではいられない。
  劇場の神様、どうか『パイレート・クイーン』号の航海をお守りください。私が進路を誤りませんように!

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『パイレート・クイーン』はお休み

10月20日(火)

  東宝ミュージカルアカデミーへ。
  欠席者が増えて来たのが気がかり。季節の変わり目で体調を崩しやすい時期であるのに加えて、インフルエンザの流行である。
  舞台を務める者にとって、毎年のように襲い来るインフルエンザは正に脅威である。舞台に穴は開けられないからである。これから逃れるには予防を徹底するしかない。
  舞台俳優には難儀な時代になった。

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『パイレート・クイーン』通信

10月19日(月)

  稽古場には回り舞台(我々は「盆」と呼ぶ)が仮設されている。日本版の『パイレート・クイーン』では、大がかりな舞台装置は用いない代わりに、「盆」を回すことで様々なシーンを作ってみたいと考えている。
  で、稽古前にステージングの青木美保さんと、様々なタイミングで盆を回してみて色々なシーンのシミュレーション。頭の中で想像しているのと実際に目の前で回るのとでは、やはり大違い。稽古場に「盆」があることのありがたみを実感。

  稽古は昨日に引き続き、全体でのヴォーカル稽古。ナンバーの間に挿入される台詞も入れて、全場面をひと通りあたる。これでヴォーカルをメインとした稽古は終了、いよいよ明後日より立ち稽古に入る。

  稽古後は休館日の帝劇の舞台袖をお借りして、やや規模の大きいテクニカル・テスト。想定通りの結果にひと安心。
  更にその後、舞台美術の松井るみさん、照明の高見和義さんと美術・照明についての打ち合わせ。細部が具体的になって来た。

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『パイレート・クイーン』通信

10月18日(日)

  稽古前に「ミュージカル」誌の取材を受ける。私の後には涼風さんが取材を受けていらした。12月号……かな?

  稽古は全体でのヴォーカル稽古。
  全体での、と言ってもまだ何人かが『レ・ミゼラブル』に出演中である。その何人かを除いて、今までアンサンブル、ソロ・パート別々に進めて来たヴォーカル稽古を合体させての稽古であった。物語の進行に沿って、セリフも端折らずに、ある程度繋げながら稽古したので、今まで自分のパートしか聞いたことのなかった殆んどの人々にも、ようやく全貌が伝わったことだろう。

  稽古後は音響デザイナーの山本浩一さんと打ち合わせ、更に照明デザイナーの高見和義さんと打ち合わせ。それぞれが現時点で気にしている事項を確認する。

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『パイレート・クイーン』通信 超ミニ

10月17日(土)

  ヴォーカル稽古。私は欠席。

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『パイレート・クイーン』通信

10月16日(金)

  アクション・デー。
  アクション・コーディネーターの渥美さんに、3時間みっちりしごかれる。最初はいつもの様に基礎の動作から。そして最終的にはひとり対大勢の手を付けて、実践に近い集団戦。目付きや剣のさばきなど、ひとりひとりが様になって来た。
  並行して青木美保さんとステージングの打ち合わせ。1幕前半の舞台の使い方を、模型を使用してシミュレーション。

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『パイレート・クイーン』通信

10月15日(木)

  午前中は日大藝術学部所沢。「ある芝居のワンシーンを演出してみる」の続き。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。アイリッシュ・ダンスのレッスンとヴォーカル稽古と、クリエの舞台をお借りして「帆」の素材テストが並行して行われる。
  「帆」の素材テストは、クリエに大型送風機2台を持ち込んで、想定されている大きさの帆を吊り、実際に風を当てながらその見え方や効果を検証。我々の『パイレート・クイーン』では、大規模な舞台美術は使用せず、なるべくシンプルな表現を目指そうと考えている。どうすれば余分なものを削ぎ落とせるのか、今日の様な検証作業が欠かせないのである。

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『パイレート・クイーン』通信

10月13日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。
  受講生たちは次の試演会へ向けて動き出している。私の担当ではないが、次はミュージカル作品である。

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。
  ヴォーカル稽古も後半に入り、かなり良い具合に仕上がって来た。特にコーラスの厚みなどは、ブーブリル&シェーンベルクならではだと思う。
  『パイレート・クイーン』には歴史上に実在する人物が次々登場する、と昨日の日記に記したが、このミュージカルのストーリーは事実にインスパイアされた「フィクション」である。ただし、ストーリー上にも実際の出来事がいくつもちりばめられている。ネタバレになるのでひとつひとつには触れないが、あのエピソードもこのエピソードも実際に起きたことがストーリーに取り入れられているのである。もちろん脚色が施され、時間経過などは史実の通りではないのだが。

  明日は稽古OFF。場面ごとの演出プランをもう一度練り直すつもり。

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『パイレート・クイーン』通信

10月12日(月)

  ヴォーカル稽古。今日は石川禅さん、涼風真世さん、保坂知寿さん。

  石川さんが演じるのはエリザベス女王の忠実なる僕、リチャード・ビンガムである。ビンガム卿はエリザベスの命を受け、アイルランドの掃討に乗り出すことになる。
  『パイレート・クイーン』に登場する主要人物の大半は実在の人物である。グレイス・オマリー、エリザベス女王はもちろん、リチャード・ビンガムも実在の人物である。グレイスの父・ドゥブダラも記録に残っているし、グレイスの夫となるドーナルも実在している。が、史実ではグレイスの結婚は1度ではなかった。
  『パイレート・クイーン』には主要な人物がもうひとり登場する。グレイスの幼馴染・ティアナンだが、この人物が実在していたのかどうか、現時点で私の調べはついていない。

  ご存知の方はご教示ください。

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『パイレート・クイーン』通信

10月11日(日)

  ヴォーカル稽古。まずは今井清隆さん。

  今井さんはグレイス・オマリーの父で、オマリー一族の族長・ドゥブダラを演じる。
  16世紀中頃のアイルランドがどんなであったかは公式ページの「もっと知りたいアイルランド!」コーナー内の文章「グレイス・オマリーが生きた世界」をお読みいただきたいのだが、近代的な国家として統一される前夜、有力な部族が群雄割拠していた様な時代である。オマリー一族はアイルランド西方を拠点に、「海」をその生業の場所としていた人々であった。
  因みに、その頃の日本は安土桃山時代であり、グレイス・オマリーは上杉謙信と同年生まれなのであった。

  今井さんの後のヴォーカル稽古は宮川浩さん。

  今井さんの稽古が終わり宮川さんが現れると、宮川さんが先日まで出演していたミュージカル『The Musical Aida アイーダ』の話題になった。今井さんの観劇の感想が意外に白熱し、聞いていた宮川さんが少々うんざりしていたのが私には愉快であった。

  宮川さんのソロをあたった後は宮川さんと保坂知寿さんのデュエット曲をあたり、更にその後、保坂さんのソロをさらって今日のメニューは終了。もうしばらくはヴォーカル中心の稽古が続く。

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『パイレート・クイーン』通信

10月10日(土)

  ヴォーカル稽古。昨日に引き続きアンサンブルの皆さん、その後、荒木里佳さん。

  今日までの稽古では、帝劇地下の小ぶりな稽古場だったり、新宿の貸しスタジオだったり、日々稽古場を移動していた。そのためにスタッフも膨大な資料をその都度移動させたり、キャストも稽古着やシューズを持ち帰ったりしていたのである。錯覚をおこして、その日稽古が行われていない場所に向かってしまう人もいた。
  だが、それも今日までである。明日からは帝劇公演の本拠地、帝劇内にあるメインの稽古場(通称「9階稽古場」)での稽古が始まる。もっとも、明日はヴォーカル稽古のみ、しかも少人数で、であるが。

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『パイレート・クイーン』通信

10月9日(金)

  ヴォーカル稽古デー。今日はアンサンブルの皆さん、そして涼風さん。稽古は着々と進行している。
  公式ページの方も着実に進化している。ブログはこまめに更新されているし、特に「もっと知りたいアイルランド!」コーナーの充実ぶりが目覚ましい。
  公式ページと言えば、『レベッカ公式ページもリニューアルされた。よければ覗いてみてください。

  夜、久しぶりに佐藤B作さんにお目に掛かる。とてもお元気で安心しました。

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『パイレート・クイーン』通信

10月8日(木)

  台風18号の上陸に伴い、日大藝術学部は昨日の早い段階で臨時休校が決定。因って『演出実習Ⅱ』も休講。今朝の首都圏の交通機関の様子を見れば、正しい判断であった。

  さて、『パイレート・クイーン』の方は午後からであったので、予定通り稽古メニューを消化。
  今日はヴォーカル稽古に宮川浩さんが登場。宮川さんは、グレイスを妻に迎えるアイルランドの有力一族・オフラハティ家の息子ドーナルを演じる。音楽監督の山口さんは今日も快調なスピードで稽古を進行、持ち時間の半分ちょっとで宮川さんの稽古を終えた。
  その後は保坂知寿さんのヴォーカル稽古、さらにその後、荒木里佳さんのゲール語レッスン。
  荒木さんはオマリー一族の長老格の女・イヴリーンを演じる。イヴリーンには1曲、ゲール語で歌うナンバーがあり、しかしゲール語といわれても我々にはその知識がない。なので、専門の方をお招きしてその発音を教えていただいたのであった。

  稽古後は衣装打ち合わせ。小峰リリーさんが素敵なデザイン画を描いてきてくださった。

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『パイレート・クイーン』通信

10月6日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。
  試演会『濹東奇譚』を終えた受講生たちは一皮むけた様に感じる。それとも私の見方が変わっただけなのか?

  午後は『パイレート・クイーン』の稽古場へ。
  今日はアイリッシュ・ダンス・デー。歌稽古、アクション、アイリッシュと、出演者たちは連日充実した稽古メニューを消化している。シーンの稽古が始まった時、今やっていることが生きて来る筈である。
  とは言え疲労もそれなりに蓄積していることであろう。明日は稽古OFF、ゆっくりと体を休めて欲しい。きっと台風接近で大荒れだし。

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『パイレート・クイーン』通信

10月5日(月)

  『パイレート・クイーン』の舞台美術打ち合わせと『レベッカ』のそれとがかち合ってしまった。
  が、『パイレート・クイーン』の方は今日は技術的な話が中心なので、冒頭の1時間だけ参加することにして、後は『レベッカ』の打ち合わせに専念することに。

  『パイレート・クイーン』の美術デザイナーは松井るみさんである。
  舞台奥にミュージシャンのエリアを置き、直径7間(けん/1間は6尺、1尺は約30.3cm)の盆を仮設した基本舞台のデザインは至ってシンプルなものである。『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』の様に巨大な構造物が出たり入ったりする、と言うことは今回はないので、ここのイメージも早めに軌道修正されることをお勧めする。
  一方、『レベッカ』の美術デザイナーは伊藤保恵さんである。
  こちらも既に数回打ち合わせを重ねたので、デザインはかなり具体的になって来ている。今日は簡単な舞台模型を使用して、幕開きから順番に各場面を追いかけて、必要とされる要素や転換方法などについて細かく意見交換した。

  現代のミュージカルは場面数が多い。どちらの作品もその例外ではないので、1回の打ち合わせに要する時間もそれなりに必要だ。しかし、それなりに時間をかけたにも関わらず、大抵の場合、1幕が終わった辺りで時間切れ、となるケースが殆どである。なので、今日の様な打ち合わせを何回も重ねなければならないのである。
  話は全く変わるが、「誕生日が同じ人がこのカンパニーには多い」と言うネタをもうひとつ。このブログでも今までに幾度となく触れて来たのだが、私と照明デザイナーの高見和義さんの生年月日が同じなのである。つまり私と高見さんは「同じ星の下に生まれた」2人なのである。
  高見さんはまだ誕生日嬉しい?

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『パイレート・クイーン』通信

10月4日(日)

  アクション・デー。

  『パイレート・クイーン』は、残念ながら大冒険活劇ではない。なので、「海賊たちが風光明媚な南の海で、血沸き肉踊る戦いとロマンスを繰り広げる」みたいなイメージをお持ちの方は、早目に軌道修正されることをお勧めする。
  とは言え、やはり戦いの場面は登場する。アイルランドのオマリー一族と、アイルランドを植民地化しようと目論む英国軍との戦いである。なので、今日はアクションの基礎的なレッスン。剣を使ったアクションをこなすために必要な20の基本動作を、アクション・コーディネーターの渥美博さんに仕込んでいただく。
  剣を使ったアクション(つまり立ち回り)には様々なルールが存在する。そのルールのお陰でアクションがリアルに見え、なおかつ舞台上の安全が保たれるのである。なので、立ち回りに参加する俳優は、まずこのルールをしっかり体に叩き込まなければならない。今日はみっちりと3時間、基本動作とその発展形を情け容赦なく教えていただいた。

  ところで、「誕生日が同じ」という昨日の話題の続きだが、出演者のタカ・ハヤシさん、真樹めぐみさん、そして穴田有里さんの3人が、何と同じ日生まれなのだそうだ。それも、おめでたいことにクリスマス・イヴ、『パイレート・クイーン』東京公演の前楽! である。
  3人はまだ誕生日が嬉しいだろうか?

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『パイレート・クイーン』通信

10月3日(土)

  ヴォーカル稽古デー。

  今日は涼風真世さんから。
  涼風さんはイギリスの女王・エリザベス1世を演じる。『パイレート・クイーン』は、エリザベスが即位した年、1558年から物語が始まる。
  稽古に入る前、涼風さんは、「照明で私を真っ白にしてくださいね」とおっしゃった。映画などに登場するエリザベス1世は一様に、白塗り、と言うか、顔が真っ白に見える様な化粧を施している。なので、涼風さんはそのことをおっしゃっているのだ、と思って話を聞いていたら、『パイレート・クイーン』のエリザベスのナンバーはどれもこれもキーが高く、顔を真っ赤にすることなしには歌えない、と言う話なのであった。
  確かにエリザベスのナンバーはどれもこれもキーが高い。今回は涼風さんの美しくパワフルなソプラノをたっぷりと堪能していただけるはずである。

  2番目は保坂知寿さん。保坂さんはタイトル・ロールの海賊の女王、グレイス・オマリーを演じる。
  保坂さんが稽古場に入っていらした時、涼風さんはちょうど帰り支度を終えられたところであった。保坂さんも涼風さんも、日本のミュージカルの第一線に立ち続けて来られた方である。そしてほぼ同世代でもある。
  お2人は稽古場の片隅でしばし談笑されていたのだが、僭越ながら私も同世代で、なのでお2人の舞台は何度となく拝見して来た。このお2人が並んで楽しそうに語り合っている姿にはちょっと感慨深いものがあったのであった。

  更にその後、アンサンブルさんたちのヴォーカル稽古。
  前回は音を取る作業で時間切れとなっているので、今日はもう少し細かく、ニュアンスや約束事を確認しながら歌い込む。
  それにしても、音楽監督・歌唱指導の山口琇也さん(皆は愛と尊敬をこめて「ビリーさん」と呼ぶ)の稽古は猛烈なスピードで進む。見ている私にはとても気持ちがいいが、歌う方は付いて行くだけで大変なエネルギーが必要だろう。
  ところで、9月30日は山口さんのお誕生日であった。『レ・ミゼラブル』の稽古場で、山口さんの似顔絵入りのケーキが振る舞われたことが関係者のブログなどに報告されている。訳詞の竜真知子さんも9月30日がお誕生日なのだそうである。どうやらこのカンパニーには誕生日が一緒な人たちが結構多そうだ。
  遅ればせながら竜さんに「おめでとうございます」と申し上げたら、「もうそれほど嬉しくはありませんけど」とのことであった。

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『パイレート・クイーン』通信

10月2日(金)

  昨日、今日はアイリッシュ・ダンスのレッスン・デー。まだアイリッシュ用のシューズが揃わないので、各自自前のタップ・シューズで代用している。
  タップ・ダンスとアイリッシュ・ダンスは一見とても似ている。どちらも靴底の固いチップで床を踏み鳴らし、軽快なリズムを刻みながら踊る。が、アイリッシュ・ダンスとタップ・ダンスは似て非なる踊りである。
  6月から行っていたアイリッシュ・ダンスのレッスンの中でも、指導を受け持つタカ・ハヤシさんは「そうやるとタップ・ダンスになってしまうから」と、繰り返しタップとアイリッシュの違いを説明していた。大半の出演者はなまじタップの経験があるために、そこから離れることに苦労しているように見える。
  とは言え、レッスン開始から既に4か月が過ぎた。私の眼には、一同それなりに様になって来た様に映る。少なくとも、今の日本でこの人数でアイリッシュ・ダンスを見せられるチームは他にはないのではないだろうか。
  どうか開幕を楽しみにお待ちいただきたい。

  夜は東宝ミュージカルアカデミーの試演会『濹東奇譚』へ。今回の経験を、これから先のレッスンにどう生かすか。全てはひとりひとりの意識の持ち方次第である。
  Just do it!

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日藝 → 東宝MA

10月1日(木)

  午前中は日藝所沢。

  先週に引き続き、ある芝居のワンシーンを「30分の持ち時間の中で演出する」課題を行なう。
  これはページ数にして10ページ、登場人物2名の、ある芝居の発端部分なのだが、このささやかなシーンをどう解釈して、それをどのように実行するか、演出に名乗りを上げた生徒ひとりひとりの個性が見えて私は飽きることがなかった。
  これは何よりも「対俳優」に関する訓練である。演出家の仕事領域は多岐に渡るが、その中で最も大きな比重を占めるのは「俳優との作業」であろう。演出家は自分のイメージをどうすれば他者に伝えられるのか、演出家が求めるものはどのようにすれば獲得できるのか、それを疑似体験することから「演出」について考察して行こう、と言う試みでもある。

  午後は東宝ミュージカルアカデミーの稽古場へ。

  今日、明日と4期生の試演会が行われており、それを観る。
  演目は永井荷風氏の小説を菊田一夫氏が劇化した『濹東奇譚』で、これは1期生、2期生、3期生の時も取り上げた。『濹東奇譚』は、若い俳優たちが取り組むには大変有益な戯曲だと思う。現代口語とは異なるが内容は容易に理解可能な台詞、市井の人々の日常の情景と、その人たちを襲う過酷な運命……。
  つまり、登場人物の喜怒哀楽を俳優自身の感情から導き出すことと、昭和初期の玉の井に暮らした人々をかっちりと造形することの2つが同時に求められるのである。
  指導は例年同様、山賀教弘先生である。何はともあれ、お疲れ様である。

  図らずも今日は、アラトゥ(なんて言葉があるのか?  「20歳前後の人々」の意のつもり)が演劇を学ぶ2つの学校を掛け持ちした。彼ら・彼女たちに伝えたいこと、求めたいものは山ほどある。何よりも、芝居がやりたいことであるならば本気でやって欲しい。
  が、彼ら・彼女たちから私が教わることもまた無数にある。今日も彼ら・彼女たちに感謝。

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『ミー&マイガール』CD発売!

9月30日(水)

  『ミー&マイガール』のハイライト・ライヴ録音盤CDが自宅に届いた。

  詳細はこちらをご覧いただきたいのだが、帝国劇場売店などで今日から発売になる。「オーヴァーチュア」から「フィナーレ」まで全20トラック。ミュージカル・ファンとしては、省略されがちな「アントラクト」が収録されているのが嬉しい。
  東宝ミュージックのWeb Storeでは、他にも『ラ・カージュ・オ・フォール』『ダンス オブ ヴァンパイア』『ジキルハイド』などのCDもお求めいただくことができる。

  この機会に大人買い?

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『パイレート・クイーン』通信

9月28日(月)

  アンサンブルさんの歌稽古始まる。

  それぞれの歌のパートを決めた後、今日はコーラス・パートの音取り。音楽監督・歌唱指導の山口琇也さんの要領の良い指示の下、猛烈なスピードで全編の音取りを4時間で終える。
  訳詞の竜真知子さんも立ち会ってくださり、皆の歌を聞きながら、気になった部分があればなお貪欲に修正を加えている。
  今までは、全編を1人で歌っているデモ音源を聞いていたので、こうして大勢で、そしてハーモニー付きで歌われると、見違える様にダイナミックに聞こえる。私自身のモチベーションも大いに上がった。

  稽古後、花組芝居の稽古場へ。

  花組芝居は現在『ナイルの死神』の稽古中。アガサ・クリスティ作のこのミステリーを以前私も演出したことがあり(その時のタイトルは『ナイル殺人事件』)、加納幸和さんとのプログラム向けの対談の相手にご指名いただいたのである。そもそも加納さんは大学時代の1年先輩でもある。
  花組芝居流のクリスティがどの様に仕上がるのか、クリスティファンである私も大いに楽しみにしている。

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『ダンス オブ ヴァンパイア』千穐楽

9月27日(日)

  博多座の『ダンス オブ ヴァンパイア』も遂に千穐楽。今年の夏も、これで本当に終わった。

  まずは3か月に及ぶロングランを無事に乗り切ったキャスト&スタッフの皆さんに感謝したい。本当にお疲れ様でした。そしてご来場くださったお客様。皆さんが今年の『ダンス オブ ヴァンパイア』を作ってくださったのでした。ありがとうございました。
  これでアルフレート少年の冒険も、クロロック城の宴も封印されることになる。が、いつの日か、「血」を求める多くの者の声に押されて、再び封印が解かれる時が訪れるかもしれない。

  訪れるといいな。

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『パイレート・クイーン』など通信

9月25日(金)

  渋谷へ。
  来年に予定されている新作ストレート・プレイの打ち合わせでEプロデューサーに会う。Eプロデューサーの下でこの作品を担当する今春入社の新人は、日大藝術学部演劇学科の卒業生。早い話が私の教え子である。
  卒業の折に、「いつか山田先生と仕事をするのが夢です」と言ってくれていたのが、こんなに早く実現するとは。私もちょっぴり嬉しい。

  その後、帝劇へ。
  『パイレート・クイーン』の舞台美術絡みの作業を今後どの様に進めて行くか、演出部の皆さんと意見交換。課題山積。

  お知らせ。
  9月26日発売の『ベストステージ』誌11月号に私のロング・インタビューが載っている。ご興味のある方はどうぞ。

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夏休み やっと終わる

9月24日(木)

  大学生の夏休みは長い。

  この話題も毎年書いているが、今年も書く。長すぎないか、大学生の夏休み?
  今日から日大藝術学部の後期の授業が始まった。いきなり1時限目に私の授業である。休み明けの1限は出席率も悪いだろう、と予測していたのだが、あに図らんや、かなり良い出席率であった。みんなのこと、根拠も無く疑ってごめん。
  それはともかく、今日からはあるテキストのワンシーンを学生たちに演出させている。前期はディスカッション主体で授業を進めて来たのだが、後期は「演出をする」と言う体験を通して様々なことを考察していこう、と計画しているのである。

  果たしてどのように発展して行くだろうか。

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『パイレート・クイーン』通信

9月22日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。

  アカデミーの2学期は既に8月の第3週から始まっている。私のクラスでは、最近上演されたミュージカルのワンシーンを素材にして、受講生たちに演じて(もちろん歌って)もらっている。1学期も同じ様にして来たのだが、2学期に入って素材を変えた。
  このやり方は、私にとっては大変やり易く、そして受講生に伝えたいことを過不足なく伝えられるので実にありがたい。ありがたいのだが、難点があって、このやり方では1コマの中で演じる機会が回って来るのはせいぜい2~3チーム。残りの大勢は見学しているだけになってしまうのである。
  もちろん、他者が演じるのを見ることは若い俳優にとって大変有益なことだと思っている。そして演出者の指示によって演技がどう変化して行くのか、演技の変化が見え方にどんな影響をもたらすのか、そのことをしっかりと観察して欲しいとも思う。
  だがしかし、欲を言えば、他者の演技を観察する機会の、せめて半分程度でも演じる機会を設けて上げられないものか、とも思う。
  うーん……。

  午後は帝劇へ。『パイレート・クイーン』のステージング打ち合わせ。

  『パイレート・クイーン』の作中にはアイリッシュ・ダンスが度々登場する。アイリッシュ・ダンスは、日本でも「リバーダンス」の来日公演などで知られる様になったと思うが、硬い木の底を持った専用の靴を履き、その靴で床を踏み鳴らしながら踊る、アイルランドの伝統的な民族舞踊である。
  『パイレート・クイーン』でアイリッシュ・ダンスのナンバーを振り付けるのは、「リバーダンス」での指導、振付の経験も豊富なキャロル・リーヴィ・ジョイスさんである。彼女は『パイレート・クイーン』のブロードウェイ公演でもアイリッシュ・ダンスの振り付けを担当された。
  ところで、『パイレート・クイーン』は、全編アイリッシュ・ダンスで進行する、と言う訳ではない。アイリッシュ・ダンスをご存知の方には言わずもがなことであろうが、あんな激しいダンスを2時間半も踊り続けるのは不可能である。あのダンスを踊りながらでは、そもそも歌うことさえままならないだろう。
  話が長くなったが、キャロルさんはアイリッシュ・ダンス以外のミュージカル・シーンのステージングを担当しないのである。それを受け持つのは青木美保さんである。なので、今日は青木さんとの打ち合わせなのであった。
  今年の5月に日生劇場で上演された『シラノ』もそうだったと思うのだが、ダンス・ナンバーと呼ぶ様なシーンが(アイリッシュ・ダンスのシーンを除けば)『パイレート・クイーン』には殆ど存在しない。なので青木さんのクレジットも「振付」ではなく「ステージング」なのである。だがしかし、この「ステージング」と言う言葉が示す領域は極めて曖昧で、なので今日の打ち合わせでも、このシーンを担当するのは私なのか青木さんなのか、そんな喧々諤々の連続なのであった。

  美保ちゃん、よろしくね。

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『パイレート・クイーン』通信

9月21日(月)

  帝劇へ。『ドリームボーイズ』の休館日を利用して、舞台を拝借して特殊効果機材のテスト。

  開始時刻の少し前に到着すると、既に様々な機材が広げられていて……、と言うより、広げられていた機材が片付けられようとしていた。
  種を明かせば、『パイレート・クイーン』の為の機材テストの前に、シアタークリエ10月公演『ガス人間第1号』のチームが、我々同様に様々な機材をセッティングしてテストを行っていたのであった。
  何しろあちらはガス人間である。色々なことが要求されているのであろう。一方、こちらは16世紀のアイルランドである。「特殊効果」と言っても「自然現象の一部をどう表現するか」と言う話であって、取り立てて驚くようなものではない。

  話は逸れるが、この秋の演劇界で私が最も楽しみにしているのが『ガス人間第1号』である。理由は……、
  なんだか面白そうじゃないですか?

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『パイレート・クイーン』通信

9月20日(日)

  今日はパイレート・クイーンデーであった。

  まず午前中は衣裳の打ち合わせ。
  我々の世界には「香盤表(こうばんひょう)」と言うものがあるのだが、これは「どの場面に誰が何の役で登場するか」が記された一覧表である。その香盤表を基に、どこでどの様な衣裳が必要になるのかを衣裳デザイナーの小峰リリーさんと打ち合わせ。
  今日の打ち合わせを基に衣裳のデザイン画が描かれることになる。

  午後はアクションの打ち合わせ。
  『パイレート・クイーン』は16世紀アイルランドの海賊たちの話である。当時のアイルランドはイギリスとの戦いを繰り返していた。なのでこの作品の中でも何度か戦闘場面が登場する。「海賊vs英国兵」の他にも、男たちのけんか、など、アクションが含まれる場面は多い。
  今日はその1回目の打ち合わせ。アクション・コーディネーターは渥美博さんである。

  その後、ミュージカル・ナンバーの録音。
  オーヴァーチュアからフィナーレまで、つまり『パイレート・クイーン』の全音楽を日本語の歌入りで録音する、と言う作業を行っている。日本語の歌詞をメロディに乗せた時に違和感が生じないかをチェックする為であると同時に、アクション・コーディネーターの渥美さんやステージングの青木美保さんが構想を練るために、そして私や演出部の皆さんが舞台の転換や着替えのための持ち時間などを計算する為に、この録音データが活用されるのである。
  今日はその最終回。訳詞の竜真知子さんの立会いの下、歌ってくださったのは音楽監督の山口琇也さん、そして全楽曲をピアノで弾いてくださったのは稽古ピアニストの間野亮子さんであった。

  6月から週2回のペースで行われていたアイリッシュ・ダンスのワークショップも先週でひとまず終了した。
  その成果の一部は8月17日に東京會館で行われた製作発表でも披露されたが(その時のムービーはこちらから)、ワークショップで講師を務めてくださったTakaさんによれば、ワークショップを終えた今現在はその時よりも格段の進歩を遂げているそうである。

  10月からは本格的な稽古が始まる。それに合わせて『パイレート・クイーン』通信もいよいよ本格的に始まる。11月28日の初日まで、どうぞお付き合いくださいませ。

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『ダンス オブ ヴァンパイア』博多座開幕!

9月3日(木)

  『ダンス オブ ヴァンパイア』が博多座で開幕した。

  昨日(2日)が初日で、初日のサラは知念さん。大塚サラは今日(3日)からで、アルフレートは博多座では泉見さんのシングル・キャストとなる。
  博多座は帝劇と比べると一回りコンパクトな劇場である。何よりも舞台と客席が近い。2階席、3階席からでも近い。そして音の響きが素晴らしい。また、2階席・3階席の前方サイドからは、帝劇には存在しなかった角度から舞台(と1階席の様子)を眺めることができる。この角度からの見え方はちょっと面白い。

  博多座さんの公式ページでも日々の情報が「最新ニュース」としてUPされて行くらしい。既に初日のカーテン・コールの映像がUPされている。
  それと、コーモリの女の子の姿をチラッと見かけたような……。

  博多座10周年記念公演『ダンス オブ ヴァンパイア』は9月27日まで。臨場感抜群の博多座へ、是非!

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『ダンス オブ ヴァンパイア』東京千穐楽

8月26日(水)

  帝劇7-8月公演『ダンス オブ ヴァンパイア』が無事に千穐楽を迎えた。

  何よりもご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。そしてスタッフ&キャストの皆さん、お疲れ様でした。
  今日の千穐楽は、音響機材のトラブルで開演が10分ほど遅れた。微妙な緊張感が客席に広がる中、開演前の舞台に団扇を手にしたクコールが。お陰で一気に千穐楽モードに切り替わり、監事室で事の成行きを見守っていた私も胸を撫で下ろした。
  カーテン・コールでは、いつもの様に駒田一さんの進行でキャストの皆さんがご挨拶。そしてその後、もう一度「フィナーレ」をオール・スタンディングの客席の皆さんと歌い踊った。
  エグズィット・ミュージックの演奏が終わっても、キャストは何度も舞台に呼び戻された。その内の1回に私も参加した(恥ずかしながら。何しろ精神的には裏方なので)。良い千穐楽であった。

  これで2009年の帝劇版『ダンス オブ ヴァンパイア』は終演である。観客にも出演者にも愛された、本当に幸福なミュージカルであった。
  と言っても今年の『ダンス オブ ヴァンパイア』はまだまだ終わらない。スタッフは休む間もなく博多座へ移動する。ヴァンパイア・ウィルスが遂に九州地方を襲うのである。

  博多座の初日は9月2日。禁断症状の深刻な方はこちらへどうぞ!

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『パイレート・クイーン』製作発表

8月17日(月)

  東京會館にて『パイレート・クイーン』の製作発表。

  取材陣、そして一般のオーディエンス550名を招いて開かれた今日の製作発表は、ブロードウェイ公演のメイキング&プロモーション・ビデオの上映から始まった。
  4分間の抜粋映像が流れた後、今日の出席者が登壇。保坂知寿さん、山口祐一郎さん、今井清隆さん、石川禅さん、宮川浩さん、涼風真世さん、アンサンブルの皆さん、アイリッシュ・ダンス振付のキャロル・リーヴィ・ジョイスさん、そして私である。
  それぞれが抱負を述べたあと、アラン・ブーブリル氏、クロード=ミッシェル・シェーンベルク氏からのメッセージが紹介され、更に取材陣との質疑応答。その後、何曲かのミュージカル・ナンバーが披露された。
  披露されたのは保坂さんの歌った「女って」、今井さんによる「我が娘よ」、そして涼風さんの「女王の務め」であった。そしてタカ・ハヤシさんに率いられたアンサンブル・キャスト全員によるアイリッシュ・ダンスのデモンストレーションも行われた。
  製作発表の最後はフォト・セッション。マスコミに配信されている居並びの写真はこの時に撮られたものである。

  製作発表終了後、保坂さん、山口さん、涼風さんと共に幾つかの取材を受ける。製作発表の様子と共に、いずれどこかに掲載、オンエアされるだろう。

  明日から3日間は、来日中のキャロルと集中ミーティングである。まだまだ先のことと思っている内に、『パイレート・クイーン』ももう目の前である。

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『TDV』通信

7月7日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。

  前期の私のクラスは今日で終了。なので今日は通常のカリキュラムを離れ、ひとコマ(2時間)全枠を受講生との質疑応答に当てた。日々のレッスンの中で感じていることや演劇製作上の疑問点、或いは、私が演出家としてどの様に作品作りをしているのか……、などなど、素朴だが真剣な質問が数多くなされた。
  今現在の彼ら・彼女たちを見てアドヴァイスをするとすれば、それはただひとつ、「やりたいんなら本気でやれ!」

  午後は帝劇へ。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』も本日より2回公演。昨日も記した通り、今日はアルフレートとサラがシャッフルされて、これで4パターンあるダブル・キャストの組み合わせの全てが初日を終えたことになる。
  カーテン・コールも挨拶の無い通常の形になり、いよいよ3か月に及ぶロング・ランがスタートする。

  さて、『TDV』通信も今日でひとまず終了である。ご愛読本当にありがとうございました。今後のヴァンパイア・ニュースは充実ぶりも目覚ましい公式ブログでどうぞ。

  さて、5月の『シラノ』、6月の『ミー&マイガール』、そして『ダンス オブ ヴァンパイア』と続いた大型ミュージカルの連続オープンもこれで一区切りついた。3月16日に『シラノ』の歌稽古を開始して以来、大変充実した3ヵ月半であった。
  次回はパイレート・クイーン』通信であるが、これが本格的に始まるのは10月に入ってからである。それまでは不定期に、書くべきことがあった場合にのみ書き込みます。

  皆さん、良い夏を!

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『TDV』通信 ダブル・キャスト初日!

7月6日(月)

  浦井アルフレート&大塚サラの初日。

  「2落ち」と言う業界用語がある。
  無事に初日を終えた次の日(つまり2日目)は、初日とは打って変わって低調な出来で終わってしまうことが多い、と言うことを言った言葉だが、ジンクスの様でもあるし、自戒を込めた戒めの様な言葉でもある。が、ダンス オブ ヴァンパイア』は今日も「2落ち」とは無縁の素晴らしい出来であった。
  そして浦井アルフレートも大塚サラも、昨日のコンビ、泉見さん・知念さんとは違ったそれぞれの持ち味を生かした役作りで、堂々たる初日振りであった。
  実際にはお2人とも相当緊張していたらしい。大塚さんは、1幕よりも2幕でそれが顕著であったと言う。が少なくとも客席からはそんな風にはこれっぽっちも見えていなかった。
  私はダブル・キャストの公演はこの様であるべきだ、と思っている。つまり、「どちらを見ても印象が変わらない」と言うのではなく、それぞれの個性やアイデアが反映されていて、どこを取ってもその人にしかできない表現がなされているべきだ、と言うことである。

  それはともかく、明日は初の2回公演。そしてキャストがシャッフルされて、昼は泉見アルフレート&大塚サラ、夜は浦井アルフレート&知念サラの顔合わせである。また一味違う『ダンス オブ ヴァンパイア』が見られる筈である。

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『TDV』通信 初日!

7月5日(日)

  大道具や照明、音響が最後の調整を続ける中、我々は昼過ぎから稽古場に集合。昨日のゲネプロ終了後は速やかに帰宅したので、その駄目出しを含む最後の確認であった。
  開演の2時間前、舞台にて初日のお祓い。2か月に渡る帝劇公演の成功と無事を祈願。
  そして17時30分。荘厳なオーヴァチュアが3年振りに帝劇に響き渡った。そして吹雪の中を、大小の荷物をぶら提げた少年が心細そうにトボトボとやって来た……。

  休憩中の「あの人」を含め、何から何までが楽しく、そして懐かしかった。上演中は、あの夏から既に3年も過ぎたとは思えない様な、少し不思議な感覚であった。
  終演後は通常のカーテン・コールに加えて初日のご挨拶。駒田一さんの司会で、知念里奈さん、泉見洋平さん、石川禅さん、そして山口祐一郎さんが短くコメントを述べた。
  そして総立ちのお客様は、何度も何度もキャストを舞台に呼び戻してくださった。一旦はエグズィット・ミュージックが演奏されたにもかかわらず、お客様は拍手を止めてくださらなかった。

  やはり『ダンス オブ ヴァンパイア』は楽しい。が、そのことは、お客様が客席を埋めてくださった時に初めて実感できる楽しさなのである。作品と観客の幸福な出会い。ダンス オブ ヴァンパイア』は、その出会いに恵まれた幸運な1本であろう。

  明日は浦井健治さんと大塚ちひろさんの初日。今日に劣らない、素敵な初日になります様に!

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『TDV』通信 そして『ミー&マイガール』名古屋初日

7月4日(土)

  舞台稽古の続き、そしてゲネプロ。

  困難な3日間であったが、それでもタイム・テーブル通りに全行程を修了した。優秀で献身的なスタッフ陣にまずは感謝したい。
  再演で、しかも通常公演より多めに作業時間が確保されている今回でこの大変さである。3年前の初演は、良く無事に初日まで漕ぎ着けたものである。それこそ奇跡の様にして幕が開いたのだ。

  さて、いよいよ明日は初日。熱狂の3ヵ月の始まりである。

  名古屋・中日劇場の『ミー&マイガール』は本日初日。無事に幕を下ろすことができたそうである。スタッフ&キャストの皆さんお疲れ様でした。そしてご来場くださった皆さん、ありがとうございました。

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『TDV』通信

7月3日(金)

  舞台稽古2日目。

  昨日、幕開きから1幕7場までを終えているので、今日はその続き。1幕8場の幻想の舞踏会から2幕7場の図書館までを舞台稽古。
  『ダンス オブ ヴァンパイア』の舞台稽古では、やらなければいけないことの量が膨大である。今回は再演であるにもかかわらず、やはりそれなりの時間を費やしてしまう。ダンスに仕掛けに舞台転換に照明。1つ1つは決して大げさなものではないのだが、その総量が多いのと、それぞれをデリケートにシンクロさせなければならないのとで、手順を付けるのに手間がかかるのである。
  とは言え、タイム・テーブル的には至って順調。予定のメニューを無事時間内に終了した。

  明日は舞台稽古の残りとゲネプロ。「すべて順調、万事快調!」

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『TDV』通信 ミニミニ

7月2日(木)

  テクニカル・リハーサル、サウンド・チェックの後、舞台稽古。その後、再びテクニカル・リハーサル。昨日ほどではないけど深夜帰宅。また明日。

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『TDV』通信

6月30日(火)

  博多へ。博多座開場10周年記念公演となる『ダンス オブ ヴァンパイア』の製作発表であった。

  今日の博多は大雨警報と雷洪水注意報が発令される生憎の天気であったが、それでも大勢のマスコミの方が詰め掛けてくださった。ヴァンパイア・カンパニーから出席したのは岡本プロデューサー、山口祐一郎さん、石川禅さん、大塚ちひろさん、知念里奈さん、そして私で、それぞれが抱負を述べた後、質疑応答と写真撮影が行われた。
  更にその後は個別のインタビューなども設定され、各人が分刻みで応対した。私もKBCテレビとFM福岡のインタビューを受けた。
  これらの模様は、9月の博多座公演に向けて様々な媒体に登場することになると思われる。九州地方の方はお楽しみに。

  博多滞在4時間ほどで、私はとんぼ返りして帝劇へ。仕込み作業の進行状況を確認して、今日の所は早々に帰宅。明日が長い1日になりそうだからである。

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『TDV』通信

6月29日(月)

  オケ付き通し稽古2回目。舞台では本格的な仕込み作業が始まっている。

  全体での稽古は今日が最終日である。後は劇場で、扮装して、舞台美術や照明や音響と合わせての稽古に委ねたい。
  稽古後、開演アナウンスの録音。
  本当は初演時のアナウンスをそのまま使用するつもりだったのだが、その録音ソースが発見されず、仕方なく録り直すことに。なので文面は殆ど変わっていないが、一応新録音である。

  明日はヴァンパイア・ダンサーのみの振り固め。私は博多座へ出張。

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『ミー&マイガール』東京千穐楽 そして『TDV』通信

6月28日(日)

  『ミー&マイガール』が帝劇で千穐楽。ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。

  今日の千穐楽、私は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古で観劇できなかったのだが、稽古の始まる前に舞台袖から幕開きを、稽古の休憩時間にフィナーレを覗いた。
  フィナーレ時に舞台袖にいたのは、終演後に舞台裏で行われる恒例の手締めに参加するためだったのだが、成り行きで何度目かのカーテン・コールで舞台上に登場する羽目になった。今日ご観劇くださった皆さん、私は決して「出たがり」ではないので、どうか誤解の無い様に。
  終演後、舞台裏では東宝の増田専務がご挨拶、そして『ミー&マイガール』の作曲者ノエル・ゲイ氏のお孫さんで著作権を管理していらっしゃるアレックス・アーミテージ氏からもお言葉を頂戴した。そして井上芳雄さんの音頭で3本締め、帝劇公演を打ち上げた。
  さて、『ミー&マイガール』は名古屋に旅立つ。中日劇場にて7月4日から15日まで、東宝版としては初めて帝劇を離れての公演である(詳細はこちら)。
  キャスト&スタッフ&オーケストラの皆さん、どうか良い旅を。次は中日劇場が世界で1番幸福な場所になります様に!

  『ダンス オブ ヴァンパイア』はオケ合わせの2日目。昨日の続きで2幕の後半を合わせる。
  休憩を挟んだ後、オーケストラで1回目の通し稽古。とてもいい出来であったと思う。通し稽古後の駄目出しでもそのことを全員に伝えた。

  舞台ではヘアフォード邸が着々と解体されている。そしてその跡に運び込まれるのはクロロック城である。『ダンス オブ ヴァンパイア』開幕は1週間後に迫った。

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『TDV』通信

6月27日(土)

  オケ合わせ。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』のオーケストラは25名。壮大な楽曲、美しい楽曲、ミステリアスな楽曲、激しい楽曲……。昨日までピアノだけで演奏されていたミュージカル・ナンバーの世界観が一気に広がった。
  今日は1日かけて2幕半ばまでを消化。明日は残りのオケ合わせを終えた後、オケ付き通し稽古。

  稽古後、帝劇の奈落作業場に下りて、「霊廟」の場面で教授に降りかかる「アクシデント」のテスト。教授の場所に上がってみると、結構高く感じるのである。

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『TDV』通信

6月26日(金)

  稽古前に東宝の社内誌「宝苑」の取材。『ダンス オブ ヴァンパイア』の見どころなどを語る。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』は通し稽古の2回目。今日は泉見アルフレートと大塚サラ。2人も全体も着実に進化している。
  通し稽古後は駄目出し。更にその後、『ミー&マイガール』終演後の舞台を拝借して“ベッド・シーン”の稽古。
  稽古後、稽古場には楽器が搬入された。昨日、今日と別のスタジオでオーケストラ・リハーサルが行われていたのだが、明日からはここでオーケストラとの合わせである。指揮は西野淳さんである。

  『ダンス オブ ヴァンパイア』の後は『パイレート・クイーン』の舞台美術打ち合わせ。台本の要請、音楽の要請、ダンスの要請に、それぞれどう応えるか……。

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『TDV』通信

6月25日(木)

  午前中は日藝所沢。

  演劇には「空間」の概念と「時間」の概念がある、と言う話をする。
  前回の授業で考察したのは「空間の概念」で、近代演劇以降に持ち込まれたその概念が演劇に「時間の概念」をもたらし、そしてそのことが「演出」と言う仕事を独立、発達させたのではないか、と言う様なことを、ある空間の中で人物を動かしながら実例を上げて解説。珍しくアカデミックな授業であった。

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。1回目の通し稽古。

  通し稽古の合間に、岡本プロデューサーから「特に心配な所はないだろう?」と言われた。その通り、順調な仕上がりだと感じている。『ダンス オブ ヴァンパイア』が備えている祝祭的な楽しさと哲学的な深さの両面が、理想的なバランスで醸し出されていると思う。
  通し稽古終了後は駄目出し、そしてダンスシーンの抜き稽古。明日はキャストを入れ替えて2回目の通し稽古。因みに今日のアルフレートは浦井健治さん、サラは知念里奈さんであった。

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『TDV』通信

6月23日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー。

  私は歌えないし踊れないし演技経験も無い。なので歌やダンスや演技の技術を教えることはできない。では私のクラスでは何をやっているのか、と言うと、私は演出をしている。あるミュージカルのある場面を、プロの現場でミュージカルを作るのと同じプロセスで受講生たちに体験させている。
  歌、ダンス、演技。個々のレッスンは私以外の先生方が充実したカリキュラムを組んでくださっている。なので、私のクラスでは、個々のレッスンで受講生たちが獲得したスキルを総合的に見ることに主眼を置いている。
  「何のためにレッスンを重ねるのか」が、私のクラスのテーマなのである。

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。昨日整理した1幕を通す。その後、ダブル・キャストを交代してもう1回通す。

  1幕は初演とほぼ同じ、1時間12~3分に仕上がりそうである。今回から新たに加わってくださったキャストの皆さんも、それぞれの持ち味が活かされて良い感じになって来た。初演からの皆さんは、その魅力に益々磨きがかかっている。
  明日は稽古場最後のOFF(イベントのある方はご苦労様です)。明後日より通し稽古態勢に入る。

  稽古後は『レベッカ』の舞台美術打ち合わせ。『レベッカ』の舞台美術は、シアタークリエ版とはコンセプトを一新することになる。さて……。

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『TDV』通信

6月22日(月)

  1幕を場面毎に、丁寧にさらう。

  何しろ、最後に1幕を稽古したのは1週間以上前のことだ。場面によっては2週間近く前になる。どうなることやら……と言う気持ちは、恐らく俳優たちも私も大差なかっただろうと思う。
  予想通り、芝居が上手く流れなかったり、手順を忘れてしまったていたり……はあった。が、そうなるのは当たり前のこと、心配はしていない。そのことよりも、2幕ラストまでひと通り手を付けたことによって、それぞれのキャラクターが抱えるドラマがより具体的に表現される様になったことが大きな収穫であった。

  ところで、今日は他にも幾つかご報告が。

  まず、『ミー&マイガール』のハイライト・ライブ録音CDの発売が決定した。詳細は未定だが、第一報はこちらからどうぞ。
  次に『パイレート・クイーン』のアンサンブル・キャストが発表になった。こちらからどうぞ。

  最後に、この記事の左、私の顔写真の下に存在している小さな7桁のカウンターであるが、この数字は、このブログを訪問してくださった方のアクセス数の総計である。
  ココログでこのブログを始めたのが2006年4月。以来、足掛け3年と3カ月で1.000.000人を超えることとなった。
  この場をお借りして、このブログを覗いてくださった皆さんに御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

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『TDV』通信

6月21日(日)

  前半はダンス・ナンバーの振り固め。その後、2幕をおさらい。

  1幕をやるより先に、2幕を台本順に全場面当たった。今まで場面ごとにブツ切れで稽古していた為に掴み辛かった繋がりや流れが、これで理解し易くなっただろう。
  明日は久々に1幕に戻る。1幕を稽古してから随分と時間が経っているので、果たして覚えているだろうか?

  公式ブログには久々のリー君登場。もうご覧いただいたであろうか?

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『TDV』通信

6月20日(土)

  2幕10場、11場を稽古。

  10場はクロロック城で行われる舞踏会。
  このシーンも細かい約束事の連続で、場面にすれば10分足らずなのだが稽古は1日がかりである。とは言え、初演の時の苦労に比べれば再演の稽古は楽なものだが。
  そして11場。ラスト・シーンである。
  全ては終わった。そして教授は歩き始める。彼が再びトランシルバニアを訪れることはないだろう。……本当に?

  今日でとりあえず全シーンを当った。明日からは2順目。「とりあえず」当った各シーンをより精密に仕上げて行きたい。『ダンス オブ ヴァンパイア』開幕まであと2週間である。

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『TDV』通信

6月19日(金)

  『ダンス オブ ヴァンパイア』のもうひとつのハイライト、2幕9場を稽古。

  2幕9場はクロロック城の尖塔と墓場である。
  城の最上部まで上り詰めたアルフレートと教授。外は既に陽が落ちていた。果たして2人はヴァンパイアvs人類の戦いに勝利することができるのか……?
  一方、墓場では今夜の舞踏会に向かうヴァンパイアたちが続々と蘇っていた。この場面のミュージカル・ナンバーは、永遠に死ぬことの無い死者たちによる「永遠」と、7分に及ぶ伯爵の「抑えがたい欲望」である。どちらもが2幕後半のハイライトだと思う。

  明日はいよいよ舞踏会に潜入!

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『TDV』通信

6月18日(木)

  午前中は日藝所沢。

  学生たちに「好きな劇場はどこか」尋ねてみたら、即答した者は少なく、「まだ色々な劇場に行ったことがないので……」と言う者が多かった。それはそうだ。半年前までは受験生だった訳だし、全員が関東圏出身でもないのだから。
  「でも理想の劇場なら……」あります、と言うことで、それぞれが様々なことを答えてくれた。私はこの仕事を始めて既に四半世紀。好きな劇場もあれば、それ程でもない劇場もある。観客としてはいいが、仕事では……と言うところもある。もちろんその逆も。
  劇場は1点ものである。同じ劇場は2つとない。だから面白い。皆さんの好きな劇場はどこだろうか?

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。

  まずは2幕2場、アルフレートの悪夢シークェンス「夜を感じろ」を当る。
  ここは『ダンス オブ ヴァンパイア』のハイライトである。伯爵の城に泊まったアルフレートが深夜に見た悪夢がダンスで表現されている。初演の時、脚本・作詞のミヒャエル・クンツェ氏から「ウィーン版より素晴らしい」とのお言葉を頂戴したシーンである。エキサイティングなダンスとヴォーカルをお楽しみに。
  続いて2幕7場、8場を稽古。
  7場は、失意のアルフレートが、アブロンシウス教授から「人生をやり直す勇気」を与えられる場面である。そこへ再びミステリアスな歌声が聞こえて来て……。
  8場は、その歌声の聞こえる場所を探し求めるアルフレートが、思い掛けないキャラクターに遭遇してしまう場面。そのキャラクターはアルフレートに近づくと……。

  稽古後、声の録音。誰の声かはここでは言えない。更にその後、シャガールがマグダを○○○す場面の○○○をテスト。結果は良好であった。

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『TDV』通信

6月17日(水)

  2幕の3場から6場までを稽古。

  2幕3場は、アルフレートとアブロンシウス教授にあてがわれたクロロック城内の客間である。
  悪夢にうなされて寝覚めの悪いアルフレート。対する教授は至って爽やかに目覚めた様子。陽の高い内にクロロック伯爵の棺を見つけ出し、その心臓に杭を打ち込むことにした教授はアルフレートを従えて霊廟(れいびょう)へと向かう。
  2幕4場はその霊廟。
  伯爵の棺を見つけ出した教授とアルフレート。アルフレートは手にした杭とハンマーで伯爵の心臓に狙いを定めるが……。
  続く5場は城内の図書室。
  古今東西の書物が収蔵されているのを目の当たりにした教授は、興奮を押さえ切れずに本の山へと分け入って行く。一方、サラの歌声を聴いたアルフレートは、声の主を求めて城内をさ迷い歩く……。
  6場は城内のバス・ルーム。
  遂にサラとの再会を果たしたアルフレート。入浴中のサラに「一刻も早く城を抜け出そう」と持ち掛けるが……。

  客間から霊廟へと向かう教授とアルフレートのナンバー、そして霊廟でのシャガール&マグダのナンバーは、上島雪夫さんによって今回マイナー・チェンジが施された。それに、先日の「クロロック城 スペシャルナイト イベント」にお越しくださった方にはすでにご報告したが、城内のバス・ルームも、よりゴージャスに(当社比)デザインし直された。

  その辺りのことも、どうぞお楽しみに。

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『TDV』はお休み

6月16日(火)

  『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古は休み。午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。ここの所はあるミュージカルのワン・シーンを取り上げている。

  そのシーンは、台詞からデュエットへと発展する、ミュージカルの典型的なシーンである。
特に工夫を凝らさなくても、そのまま喋って、そのまま歌って、そのまま動けばミュージカルのワン・シーンが出来上がりそうに感じるくらい、典型的なシーンであると思う。
  なのに、受講生たちにはそれが簡単なことではないのである。何故か? それを 受講生たちとじっくりと考えた。

  夜は日暮里サニーホールへ。東宝ミュージカルアカデミーを卒業した者たちの中から選ばれた「アドバンス・コース」の試演会であった。

  演目は『ミス・サイゴン』で、今回は1期生、2期生、3期生の初合同公演であった。そして1期生たちはこの試演会を最後にアドバンス・コースを卒業する。
  1期生たち、お疲れ様でした。しんどい時や辛い事もあったでしょう。それでもあなたたちは良く頑張りました。これからも今まで同様に頑張って、後に続く者たちの目標となってください。応援しています。

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『TDV』通信

6月15日(月)

  『ミー&マイガール』の休館日を利用しての『クロロック城 スペシャルナイト イベント』

  19時の開演だが、スタッフは昼前から舞台の設営に忙しい。15時からはキャストも参加して舞台稽古。照明、音響、そして帝劇の舞台機構も動かして、本番の流れをひと通り当たる。
  そして本番。
  その様子は、リー君かリー子ちゃんが公式ブログでリポートしてくれるだろうから、そちらに譲る。が、大いに盛り上がったことはご報告しておこうと思う(私が登場した部分以外は)。ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。リー君渾身のイベント、楽しんで頂けましたでしょうか?
  なお、昨日の日記に記した応募総数「5.000近く」は、「8.400」が正解らしい。お詫びして訂正いたします。

  さて、初日まで3週間を切った。アツイ(暑い)アツイ(熱い)夏はもうすぐそこまで来ている。

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『TDV』通信

6月14日(日)

  1幕10場、そして2幕1場を立ち稽古。

  1幕10場は、アルフレートとアブロンシウス教授が遂に伯爵の居城に辿り着いた場面である。思い掛けない形の出迎えを受けた2人はこの城に投宿することにするのだが……。この場面ではクロロック伯爵、その息子ヘルベルト、そして伯爵の忠実なる下僕・クコールが登場する。
  2幕1場はお城の大広間。夥しい数の肖像画が飾られているが、それはこの城の先祖たちの姿なのだろうか。その大広間へ足を踏み入れたサラは、遂に招待主と面会する……。今回は肖像画のライト・アップ方法を変更してみようと考えている。それに伴って、この場面のステージングも微調整。
  どちらの場面にも大きなミュージカル・ナンバーがあるのだが、1幕10場には、噂の伯爵の超ロング・トーンが聞ける「Act 1フィナーレ」が、2幕1場には伯爵とサラの「愛のデュエット」が存在する。お楽しみに。

  その後は、明日に迫った「クロロック城 スペシャルナイト イベント」のリハーサル。
  このイベントには5.000名に近い数のご応募があったと伺った。当選された方は明日、帝劇で大いに盛り上がりましょう。残念ながら外れた方は、7月を首を長くしてお待ちいただきたい。

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『TDV』通信

6月13日(土)

  1幕のラスト、クロロック城の近くに出没する女性ヴァンパイア・ダンサーの振り付け。その後、1幕8場、1幕9場を当る。

  1幕8場はシャガールの宿の外。夜、1人で部屋を抜け出したアルフレートは、そこでサラに声をかけられてびっくり。一瞬、ロマンティックな雰囲気になりかける2人だったが……。
  1幕9場はシャガールの宿の食堂。昨晩ある事件が起こって、宿の女房・レベッカは一睡もしていない。村の人々も心配して集まって来ているが、そこに木こりたちが運び込んで来たものは……。
  この場面では、様々なアクションやリアクションのタイミングが音楽で決められている。ミュージカルなのだから当然と言えば当然なのだが、やや過剰にそれがなされているので、ともすればアニメーションを見ている様な気にさせられる。
  こういう場面の稽古は大変である。出来上がった場面はとてもファニーで楽しいが、出来上がるまでは何度も試行錯誤して、芝居の間尺を調整するしかないからである。

  初演の時は猛烈に早いペースで稽古が進行していたのだが、今回の稽古も猛烈に速いペースで進行中。今回から参加の皆さんは付いて来てくださっているだろうか?

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『TDV』通信

6月12日(金)

  1幕6場、1幕7場、そして1幕5場を当る。

  1幕6場はシャガールの宿の表。久し振りの晴れ間にシャガールたちが家事を片づけていると、不気味な人物が現れて……。この場面のハイライトは、アブロンシウス教授が科学者としての心得と決意を語るショー・ストップ・ナンバー「すべて順調」。石川禅さんの大真面目な熱演が楽しい。
  1幕7場はシャガールの宿のバス・ルーム。アルフレートがお風呂の支度をしていると宿の娘・サラが現れて……。更にその後、思いがけない賓客が……。この場面の泉見洋平さんと浦井健治さんは、お2人ともアルフレートを演じるために生れて来たとしか思えない。一生アルフレートだけをやっていて欲しい位である。
  そして1幕5場。深夜のシャガールの宿。伯爵さまの初登場場面である。どこからともなく現れたクロロック伯爵は、建物の外からサラに呼びかけると、再び何処かへと去って行く……。

  セットも照明も無いただの稽古場が、音楽が流れ俳優たちが演技を始めると、雪に閉ざされたトランシルバニアの山奥に思えて来る。舞台は面白いなあ。

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『TDV』通信

6月11日(木)

  午前中は日藝所沢。「演出家と俳優の関係」について学生たちとディスカッション。

  午後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。1幕2場、1幕4場を当る。

  1幕2場は、トランシルバニアの僻村にある、シャガールが経営する宿屋の食堂が舞台。異様に精力的な村人たちが「ガーリック!  ガーリック!」と歌い踊る「ニンニク」のシーンである。そこへ、雪の中で遭難しかかった主人公・アルフレートが助けを求めて飛び込んで来るのだが……。
  1幕4場は宿屋の5つの部屋が舞台。アルフレートが教授と宿泊する部屋、宿屋の主人夫妻・シャガールとレベッカの部屋、宿屋の娘・サラの部屋、宿屋のウェイトレス・マグダの部屋、そしてバス・ルームである。ミュージカル・ナンバー「初めてだから」の中で、6人それぞれのドラマが微妙に交錯しながら同時進行する。
  どちらもそれほど長いシーンではないのだが、細部の調整を繰り返している内に、あっという間に1日が終わる。そうだった。3年前の初演の稽古も、そんな風にして「あっ」という間に過ぎて行ったのだった。

  稽古後は『パイレート・クイーン』の訳詞打ち合わせ。訳詞の竜真知子さん、音楽監督の山口琇也さん、プロデューサーの坂本義和さんと。

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『TDV』通信

6月8日(月)

  顔寄せ。

  いつもの通り、公演関係者が一堂に会し、ひとりひとり紹介されるセレモニー。一見ダークな『ダンス オブ ヴァンパイア』であるが、稽古場の雰囲気はとても明るい。今日も和気あいあいとした顔寄せであった。

  顔寄せの後は早速立ち稽古。

  まずは雪深い山中をアルフレートがさ迷うプロローグを当る。「雪の中で遭難寸前」と言う設定なのに、両アルフレートが汗びっしょりなのが(特に泉見アルフレートが)面白い。
  続いて、山奥の宿屋でアルフレートが宿屋の娘・サラと出会う場面を当る。ここには宿屋の亭主でサラの父親・シャガールが歌う「きれいな娘を持ったなら」がある。
  その後、アルフレートとサラが宿の風呂場で再会する場面を当る。ここのミュージカル・ナンバーはサラとアルフレートの「あんたは素敵」である。

  音楽が鳴り、俳優たちが動き、そして喋ると、3年前の様々なことが鮮やかに蘇って来る。どんな気持ちでその場面を作っていたのか、とか、その場面で何を表現しようとしていたのか・・・・・・とかである。

  再演の稽古は面白い。そして同じくらい難しい。

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オープニング・ナイト 『ミー&マイガール』

6月3日(水)

  初日。だが、まずは通し舞台稽古(ゲネプロ)。

  開演前のロビーでの「お楽しみ」からカーテン・コール後のエグズィット・ミュージックまで、全て本番通り、25分の休憩を挟んで3時間余りのゲネプロであった。
  ゲネプロ後は全体で最後の駄目出し。そして舞台にて初日のお祓(はら)い。お祓いが済んでしまうと、もはや私は用無しである。開場時刻まで近所を散歩して時間を潰すことにした。

  本番は18時30分の開演。

  これまで、演出家としては100点満点で初日が開いた試しは無いのだが、今日はかなり満足度の高い初日のひとつであった。温かいお客様の声援にも大いに励まされたと思う。
  終演後、カーテン・コールでは井上芳雄さんがカンパニーを代表してご挨拶。
  「初演の時は余りの大変さでミュージカル・コメディを嫌いになりかかったが、今日はミュージカル・コメディを続けて来て本当に良かったと思った」
  と言う様なことを話された。

  さて、ここからは演出家としてではなく、いちミュージカル・ファンとして感じたこと。

  今夜は幾つかのミュージカル・ナンバーで、自然発生的に手拍子が起こった。が、その大半は途中でうやむやと手拍子が消えて行った。
  で、思うのだが、ミュージカルの場合、私は「原則的には手拍子はしない方が良い」と考えている。

  ミュージカル・ナンバーの途中には音楽的な、或いは演劇的な様々な仕掛けが施されている。例えばテンポや音量が次々と変化する様なことであったり、それらを利用して人間関係が大きく転換したことを暗示したり……であるが、つまりミュージカル・ナンバーには、観劇時に見落とすことのできない様々な重要な情報が盛り込まれているのである。
  そのことに敏感でいるためにも、私はミュージカル・ナンバーでは「手拍子」はするべきではない、と思う。叩くなら「手拍子」ではなく、ナンバー途中のクライマックス部分か、ナンバーの終りで盛大に「拍手」を、である。

  例外は1幕ラストの「ランベス・ウォーク」。ただし、このナンバーの中でもドラマとしては見逃せない様々な人間関係の変化が描かれている。
  「ランベス・ウォーク」で「手拍子」が許されるのは、全ての人間関係の変化が終わった後、舞台上で起こった奇跡が帝劇全体に広がって行く瞬間からだと思うのだが、いかがなものであろうか。

  閑話休題。

  昨日のブログで「開演の20分前くらいまでには到着しているのが良いだろう」と記したのだが、開演前の「お楽しみ」を全て堪能するつもりなら、もう少し早い到着が必要であることが判明した。余裕を持つなら開演の30分前くらいに到着するのが良さそうである。

  これで『ミー&マイガール』通信は終わりである。いつもながらご愛読ありがとうございました。次は『TDV』通信。今度の週末辺りからスタートの予定である。

  今月ひと月、帝国劇場が世界で最も幸福な場所であり続けます様に。それでは劇場で!

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『ミー&マイガール』通信

6月2日(火)

  舞台稽古2日目。

  昨日の続きで、1幕ラストからフィナーレまでをブロックごとに当たる。そして通し舞台稽古(ゲネプロ)は……、残念ながら時間切れで、明日の昼間、初日公演の前に行なうことに。
  もちろん「今日中にやってしまいたかった」と言うのが偽らざる気持ちだが、初日にずれ込むケースも想定されていたことなので、それほどの困惑はない。

  ところで、帝劇にお越しいただく時は、できれば少し早めに、時間に余裕を持って到着されることをお勧めする。できることなら、開演の20分前くらいまでには到着しているのが良いだろう。
  前回の『ミー&マイガール』(2006年の帝劇公演)をご覧いただいた方にはお馴染みの、「開演前の楽しいひととき」が今回も用意されている。

  それでは帝劇でお待ちしています。

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『ミー&マイガール』通信 ミニ

6月1日(月)

  舞台稽古1日目。

  午前中はサウンド・チェック、引き続いてお昼より舞台稽古。
  今日の目標は「1幕を全場面当り終えること」だったのだが、達成できず。
  明日は今日の続き。その後、通し舞台稽古(GP)の予定……だが、果たして?

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『ミー&マイガール』通信 ミニ

5月31日(日)

  終日スタッフ・ワーク。朝はサウンドチェック、お昼前から道具調べ・照明合わせ。

  予定通りの深夜作業ではあったが、予定以上のペースで進み、明日以降のスケジュールに幾らかの余裕を確保して作業を終えることができた。スタッフの皆さん、ありがとうございました。

  明日から6月。舞台稽古1日目。

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『ミー&マイガール』通信

5月30日(土)

  オケ付き通し稽古。

  これで稽古場での全メニューを終了。劇場での最終調整を残すのみとなった。
  『ミー&マイガール』はミュージカル・コメディである。素晴らしいソング&ダンス、思わず吹き出すシチュエーションやギャグ、そして心温まるラブ・ストーリー。劇場で体験することのできる最良のもの全てが揃っている。
  『ミー&マイガール』はエンターテインメントである。が、この中で描かれているのは「価値観の異なる者同士がお互いを認め合うことの大切さ」である。
  現実の世の中では相変わらず様々な対立が未解決で、世界のあちこちで紛争が絶えない。だが『ミー&マイガール』の中では、対立する者同士が最後にはお互いを認め合い和解する。それは現実の世界では実現困難な理想かもしれない。が、その実現は困難ではあるかもしれないが決して不可能なことではない筈だ。
  『ミー&マイガール』でその困難を可能にしたのは「愛」である。愛の力が、愛する心が世界を変えて行くのである。

  稽古後、出演者の有志は「稽古打ち上げ」と称して有楽町の街に繰り出した模様だが、私は劇場へ。舞台では大道具の建て込み、照明、音響、オーケストラ・ピットの仕込み等が始まっている。
  今日もスタッフは深夜まで照明のフォーカス合わせ。明日も終日スタッフ・ワークである。

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『ミー&マイガール』通信

5月29日(金)

  稽古前に「キネマ旬報」誌の取材を受ける。

  今回は「キネ旬MOOK」などの別冊ではなく「キネマ旬報」本誌である。「キネ旬」本誌に「私を舞台に連れてって」と言う連載コーナーがあり(今回の取材を受けるまで知りませんでした。ごめんなさい)、「映画を基にした舞台作品」について取り上げて行くらしい。ただし、毎号ではなく、隔号毎の連載の様だ。
  今日話したのは『ダンス オブ ヴァンパイア』について。基になっているのは、1967年に製作された映画『ロマン・ポランスキーの吸血鬼』である。
  記事の内容は掲載号をご覧いただきたいのだが、7月の上旬に発売される号だそうなので、興味を持たれた方は是非どうぞ。

  さて、『ミー&マイガール』はオケ付き通し稽古。

  決して狭くはない帝劇の稽古場だが、オーケストラが配置されると、さすがに我々の居場所はない。僅かな隙間に肩を寄せ合いながら通し稽古を見守った。
  塩田さんがタクトを振り下ろし、オーヴァーチュアの最初の音が鳴り響いた瞬間に、早くも私の目頭は熱くなった。3年前の芳雄&玲奈コンビの初演のことや、6年前の東宝版の初演時のこと、宝塚歌劇団による初演の時のこと、そしてブロードウェイの公演のことなど、『ミー&マイガール』の様々な思い出が一気に込み上げて来たからである。
  ちなみに東宝版のオーヴァーチュアは、音楽監督の佐橋さんが編曲してくださった東宝版だけのオリジナルである。どの『ミー&マイガール』よりもゴージャスで華やかなオーヴァーチュアだと自負している。

  帝劇5月公演『放浪記』も、本日無事に千穐楽を迎えた。と言うことは、いよいよ『ミー&マイガール』の仕込みが始まる訳である。
  明日は稽古場最終日。2回目の、そして最後のオケ付き通しである。

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『シラノ』東京千穐楽

5月28日(木)

  日生劇場の『シラノ』が千穐楽を迎えた。

  ご観劇くださった皆さん、ありがとうございました。キャスト&スタッフの皆さん、ひとまずお疲れ様でした。浦井さんは今日で本当の千穐楽。ご苦労様でした。
  この後『シラノ』は大阪へ、そして広島へと向かう。カンパニーの皆さん、どうぞ良い旅を。

  さて、私は午前中、日藝所沢へ。今日は学生たちと「演出家と戯曲」についてディスカッション。午後は東京芸術劇場へ。鴻上尚史さん、片瀬那奈さんと『僕たちの好きだった革命』のトークショーに出席。その後、あるミュージカルの打ち合わせへ。

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『ミー&マイガール』通信

5月27日(水)

  通し稽古の前に草刈さん、貴城さん、阿部さんの衣裳合わせ、衣裳を着用して「ランベス・ウォーク」のリフトをチェック、パブのシーンの抜き稽古、コーラス稽古……などなど。そして、例によって『放浪記』の終演を待って2度目の通し稽古。

  1回目の通し稽古より4分ほど縮まった。快調な仕上がりで、全体的には好印象。メリハリが更に付き、ひとつひとつの出来事を全員が新鮮に感じられる様になれば文句なしの『ミー&マイガール』が出来上がるのだが。

  稽古終了後、楽器の搬入とセッティング。明日はいよいよオーケストラとの合わせ。

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『ミー&マイガール』通信

5月25日(月)

  通し稽古の前にコーラス稽古。そして、『放浪記』の終演を待って(パーチェスターとチャールズが『放浪記』に出演中のため)通し稽古。

  初めて通した『ミー&マイガール』は、良く知っている、お馴染みの『ミー&マイガール』そのままであった。と同時に、まったく新しい、見たことの無い『ミー&マイガール』でもあった。
  抽象的で、混乱させるような言い方で申し訳ないのだが、今日の通し稽古の感想を述べればそう言うことになるのである。それは、3年振りの再演に十分意義があった、と言うことでもあるだろう。つまり私は嬉しかったのである。

  『ラ・マンチャの男』全行程を終えた塩田さんも『ミー&マイガール』に戻って来た。明日からはオーケストラのリハーサルも始まる。いよいよ追い込みである。

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『ミー&マイガール』通信

5月24日(日)

  昨日あたらなかった1幕4場、1幕5場、2幕1場、2幕3場を稽古。昨日と今日で全場面をさらった。

  その後に予定されていた振り固めがキャンセルとなったのだが、連日長時間の稽古が続いていることもあり、ここはきれいに稽古を終了することにした。なので、今日は久し振りに明るい内に稽古場を出た。

  明日はいよいよ通し稽古。気が付けば初日まであと10日である。

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『ミー&マイガール』通信

5月23日(土)

  帝劇の奈落に降りて、奈落の作業スペースに組み立てられた書斎のセットを使って「ヘアフォードの歴史」の一部を当る。
  初めてご覧になる方の為に詳細には触れないが、このセットは結構複雑にできている。2003年の東宝版『ミー&マイガール』初演の時は、このセットのテクニカル・リハーサルが難航し深夜まで及んだ。なので、2006年の再演時からこのセットは早目に組み立て、前もってあたって置くことになっているのである。

  稽古場に戻って、1幕1場、1幕2場、1幕3場、2幕2場、2幕4場を稽古。
  週明けより通し稽古態勢に入る。なので、今日と明日で全場面をひと通り当たり、通し稽古までに潰しておかなければならない部分を重点的に調整する。幸いなことに全体的には順調な仕上がりなので、明後日からは目標通り通し稽古に入れそうである。

  稽古後は『ダンス オブ ヴァンパイア』の舞台美術打ち合わせ。今週は舞台美術打ち合わせが多かった。
  『ダンスオブヴァンパイア』と言えば、こんなイベントが発表になっている。ご応募お待ちしています。

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『ミー&マイガール』通信

5月22日(金)

  午前中、公演プログラム用に井上芳雄さん、剣幸さんと対談。

  『ミー&マイガール』が宝塚歌劇団で日本初演された時、ビルを演じたのが剣さんである(因みに、その公演で私は舞台監督を務めていた)。その剣さんと、現在のビル・井上さん、それに私で、舞台裏のエピソードや初演時の苦労話などを語りあった。
  剣さんは現在、シアタークリエの『この森で、天使はバスを降りた』に出演中。その本番前の貴重なお時間をいただいた。剣さん、ありがとうございました。

  午後はアンサンブルさんの衣裳合わせ。稽古は無し。

  『ミー&マイガール』の衣裳デザイナーは小峰リリーさん、ヘアメイク・デザイナーは宮内宏明さんである。お2人の指揮の下、衣裳、持ち物、装飾品、そしてウィッグなどを決めて行く。
  今まで頭では分かっていたつもりの人物像が一気に具体的になる。劇中の人間関係も、より具体的になってくれると嬉しいのだが。

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『ミー&マイガール』通信

5月21日(木)

  午前中は日大藝術学部、今日はいつもの所沢。演劇の公演パンフレットから、演劇製作にかかわる様々な仕事を拾い出してみる。
  「床山」ってなんですか?  「ムービング・プログラマー」って何するんですか?  「コレぺティトール」って……?
  お分かりになるだろうか?

  午後は『ミー&マイガール』。2幕の後半をおさらいし、その後、振り固め。
  稽古場にパティシエさんが現われ、美しくデコレートされたケーキが運び込まれた。貴城けいさんのバースデー・ケーキであった。本当の誕生日は明日なのだが、明日は全員が集まらないので、1日早いお誕生日となったのである。
  ケーキはパティシエさんによってきれいに切り分けられた。カシちゃん(貴城さんの愛称)おめでとう!

  稽古後は『パイレート・クイーン』の舞台美術打ち合わせ。
  台本に籠められたイメージをどの様に具体化するのか。相反する多様な要請にどうやって応えるのか。課題は多い。

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『ミー&マイガール』通信

5月20日(水)

  午前中は日大藝術学部の江古田の方のキャンパスへ。

  毎週受け持っている授業とは別に今日だけの特別講義を依頼され、150名ほどの学生の前で「アート・マネジメント」について喋る。
  通い慣れた江古田キャンパスは現在全面建て替え工事の後半に突入しており、在学時の面影は既にほとんど無い。校舎の大半は新しく建った物で、私はほぼ浦島太郎状態であった。個人的な郷愁はともかく、素晴らしい環境で学べる学生たちを羨ましく思った。
  戸田先生、どうでしょう、私の受け持ちも江古田にしてもらえませんか?

  午後は『ミー&マイガール』の稽古場へ。

  2幕1場、1幕1場をおさらい。その後、まだ手を着けていなかった最終場面とフィナーレをあたる。
  ミュージカル・ナンバーでも芝居でも、ちょっとしたことで見違えるように輝いて見えることがある。その「ちょっとしたこと」を見つけようと必死にもがき続けることが即ち稽古なのだが、歯痒いことに「ちょっとしたこと」はちょっとやそっとでは見つからない。
  「ちょっとしたこと」はピーター・パンの魔法の粉みたいなもので、それ自体はどうってことの無い代物なのだが、それを振りかけるだけで、その場面が空中に浮かびあがる位に見違える。
  残念ながら我々は魔法の粉を持っていない。なので、その場面を空高く舞い上がらせる為には繰り返し稽古を重ねるしかないのである。

  夜は来春に上演されるミュージカルの舞台美術打ち合わせ。豪華絢爛、スペクタクルな仕上がりを目指したいのだが……。

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『ミー&マイガール』通信

5月19日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。

  このひと月半で4期生たちも随分と落ち着いて来た。そして僅かずつではあるが着実に成長している。が、しかし……である。
  アカデミー生でいられる期間は1年である。1年は、過ぎてしまえば「あっ」という間である。もっともっと成長のペースを上げないと!

  午後は『ミー&マイガール』の稽古場へ。

  稽古場に熱いアイツがやって来た!
  『ラ・マンチャの男』大阪公演を終え、次の公演地・富山へ移動する間を利用して、指揮者の塩田明弘さんが稽古場にやって来たのである。塩田さんの今日の使命は、音楽的な約束事やニュアンスをクリアにすることと、稽古場のテンションを一気に高めること、の2つであった。
  東宝版『ミー&マイガール』をご覧になった方ならお分かりだと思うが、塩田さんはこの作品には欠かせない。塩田さん抜きの『ミー&マイガール』は考えられない。そのくらい私たちにとって大切な人なのである。まだご覧になっていない方は、ぜひご自身の目でご確認いただきたい。
  で、塩田マエストロの使命だが、もちろん2つとも無事に達せられた。そして特に2つ目の達成度が高かったことを付け加えておく。

  稽古の終了時刻が遅くなる日が続いている。
  歌あり、ダンスあり、コメディありの、『ミー&マイガール』の様な作品ほど、仕上げるためには時間を必要とする。初日まで2週間余り。最後まで全力投球で行きたいと思う。

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『ミー&マイガール』通信

5月17日(日)

  2幕2場をさらう。その後、2幕3場に手を付ける。

  2幕3場はロンドンの下町、ランベスのキャプスタン・ストリートが舞台。サリーがヘアフォードからひとりで戻って来てしまった。そのサリーを追いかけて来たのは……。
  ここには6分半に及ぶダンス・ナンバー「街灯の下で」がある。ロマンティック、且つ幻想的な、『ミー&マイガール』中で私の最も好きなナンバーである。

  今日は稽古場に音楽監督の佐橋俊彦さんが登場。
  佐橋さんとは『風と共に去りぬ』『フラガール』(共に作曲・編曲)でご一緒した。ミュージカルの音楽監督としては『ウェディング・シンガー』でもお世話になった。東宝版『ミー&マイガール』のオーヴァーチュア(序曲)は、佐橋さんの手による(ブロードウェイ版とも宝塚版とも異なる)独自のアレンジである。
  今日佐橋さんがいらしたのは、タイトル・ナンバー「ミー&マイガール」間奏のタップ部分のアレンジを微調整したい、と言うリクエストが玉野さんから出されたからである。3演目となる今回も細部まで手を抜かず、執拗にクォリティ・アップを図っているのである。

  明日は稽古OFF。なのでキャストの皆さんは稽古後、JRガード下のビールの美味い店へ。私も小一時間だけ顔を出す。

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『ミー&マイガール』通信

5月16日(土)

  「ヘアフォードの歴史」をさらった後、「ハンティング・スタイルの舞踏会」(通称「ギャロップ」)を振付。そして2幕2場をさらった後、振り固め。

  ところで、前回、2006年の『ミー&マイガール』では、この時期どんなことをしていたのだろうか。気になって、当時の『ミー&マイガール』通信を見てみた。そこから辿ってその前後の様子も見てみたのだが、やっていることは今とほとんど変わらない。
  同じ作品を同じチームで作っているのだから当たり前と言えば当たり前なのだが、それでも比較すれば、今回の方が前回よりはやや先に進んでいる。ちょっと安心した。

  振り固めでは、今までに手を付けたナンバーの殆どを細かくあたり直した。今日も長時間の稽古であった。皆さんお疲れ様でした。

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『ミー&マイガール』通信

5月15日(金)

  2幕2場、ヘアフォード邸の書斎を稽古。

  ここは前半がビルとサリーの場面、真ん中がビルとマリア公爵夫人の場面、後半はビルとジョン卿の場面になっている。前半には「もしもハートをとられたら~リプライズ」があり、真ん中には「ヘアフォードの歴史」が、そして後半には「愛が世界を回してる」がある。
  ビルとサリーの場面はとにかく笑える。公爵夫人との場面も可笑しい。そしてジョン卿との場面もまた同様である。つまり2幕2場は全編愉快なのである。『ミー&マイガール』はミュージカル・コメディなのだから愉快で無くては困るのだが。

  稽古メニューの最後は「ヘアフォードの歴史」のステージング。このナンバーでは、跡取りとしてのビルの余りの不甲斐なさに、ついに痺れを切らしたあの人が……。
  一見シンプルに見えるナンバーだが、実は細かく計算された複雑なステージングで組み立てられている。移動のタイミングやスピード、動線などにも、相当の精密さが要求される。なので、今日もひと通りステージングが付くまでに3時間は費やした。
  これをゼロから作った初演時の事は、思い出すだけで気が遠くなる(と言っても作ったのは私ではなく玉野さんだが)。

  先日帝劇で行われたイベント「777人のランベス・ウォーク」の時に撮影された出演者とオーディエンスの皆さんの集合写真が公式ページにUPされた。
  もうご覧になられたであろうか。

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『ミー&マイガール』通信

5月14日(木)

  午前中は日藝所沢。

  演劇の話題で学生同士のディスカッションを試みているのだが、いまひとつ議論が活発にならない。が、毎年前半はそんなものである。
  芝居作りとはディスカッションの連続である。ことに演出家は、俳優に、デザイナーに、スタッフに、やりたいことを、やるべきことを説明し続けなければならない。未来の演出家たちが、早くディスカッションの達人になります様に。

  午後は『ミー&マイガール』の稽古場へ。

  「愛が世界を回してる」をさらった後、1幕5場を稽古。
  1幕5場はビルが貴族としてお披露目されるガーデン・パーティの場面である。ミー&マイガール』のハイライト、「ランベス・ウォーク」ががいよいよ登場する。
  既にステージングは終わっているのだが、場面冒頭の「準備のフーガ」から幕切れまで、細かな芝居のニュアンスなどを調整し直した。それにしても、何度見てもこの場面では目頭が熱くなる。ここにはミュージカルの素晴らしさ、ミュージカルに携わる人々の美しさが詰まっているからだろう。

  続いて2幕1場を稽古。ここには「熱いアイツがやって来た」「スマイル! スマイル!」がある。
  「熱いアイツがやって来た」は2幕の幕開きに相応しい、ゴージャスでエキサイティングな大タップ・ナンバーである。ここでは往年のハリウッド・ミュージカルの様な(「アステア&ロジャース」や「バスビー・バークレイ」風の)華やかな世界が蘇る。
  「スマイル! スマイル!」はサリーがジャスパー卿に歌いかけるナンバーだが、「このナンバーが『ミー&マイガール』で一番好き」と言う人が結構多い。演出助手の落石(おちいし)君もその1人である。

  更にその後、1幕2場をおさらい。稽古の終了時間がだんだん遅くなって来た。

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『ミー&マイガール』通信

5月13日(水)

  「愛が世界を回してる」をステージング。

  これはビルとジョン卿によるヴォードヴィル・スタイルの愉快なナンバーである。
  ブロードウェイで観た『ミー&マイガール』では、2人がアル・ジョルソンやビング・クロスビーの物真似を織り込みながら歌い踊っていた。が、今の日本の観客にジョルソンやクロスビーは伝わらないので、ご覧頂く形になった。
  今回が初参加となる草刈正雄さんは「ミュージカルは久しぶりだから」とおっしゃりながら、実に楽しそうにジョン卿を演じている。身長もあり、見栄えも貴族に相応しい。そして稽古場の草刈さんはとても熱心である。「難しい難しい」と連発しながら、しかし待ち時間を惜しんでコツコツと振りをさらっていらっしゃる。
  新コンビ「ビル&ジョンちゃん」をお楽しみに。

  その後、1幕4場を稽古。更にその後、1幕3場をおさらい。

  1幕4場はヘアフォードにあるパブ。下々の者たちの店にご領主さまがお忍びでやって来て・・・・・・。ここにはサリーのナンバー「もしもハートをとられたら」がある。
  笹本玲奈さんの歌は相変わらず観る者の心を打つ。どう歌うか、どう動くかではなく、「サリーがどんな気持ちなのか」を何よりも大切にしているからであろう。
  貴重なミュージカル俳優のひとりだと思う。

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『ミー&マイガール』通信

5月11日(月)

  1幕1場の「ヘアフォード一族がビルを迎え入れる」ブロックをさらう。その後、1幕3場後半の「マリア公爵夫人によるビルを伯爵にするためのレッスン」場面を稽古。その後、振り固め。

  東宝版『ミー&マイガール』が今回で3演目であることは5月8日の日記でも触れた。つまり再々演である。
  ある作品の再演が決まると、必ず「再演ではどこが変わりますか?」と質問される。3月の『ザ・ヒットパレード』再演の折にも記したが(こちらこちら)、私は、再演ではできるだけ「変わった」ことに気付かれない様な変更、修正を心掛けるべきだ、と思っている。
  その気持ちは、今回の『ミー&マイガール』でも変わらない。もちろん稽古場では貪欲に、もっと面白いものを、より高いクォリティで、と思って稽古をしている。が、その「もっと」や「より高い」も、前回を全てチャラにしてしまう様な再演では、その達成は限りなく不可能に近い。

  と言う訳で、今回の『ミー&マイガール』もいつもの『ミー&マイガール』と変わらない。ただし、今までで一番完成度の高い『ミー&マイガール』になる筈であるが。

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『ミー&マイガール』通信

5月10日(日)

  『放浪記』休演日の帝劇の舞台をお借りして、ファン感謝イベント「777人のランベス・ウォーク」が行われた。
  内容はきっと公式ブログに掲載されると思うので割愛するが、短い時間ながらとても楽しい催しであった。私が「楽しい」と感じたのは、このイベントの準備にまったく関わっていなかったからかもしれないが。

  イベント終了後は1幕1場の中盤をおさらい。
  このブロックは、10人近い登場人物が勝手なことを喋り散らしながら、それぞれの動機とタイミングで移動し、なのに全体としては筋が通っている、と言う、演じる側にとってはかなり難易度の高い場面である。何しろ、自分の番で台詞を止める訳にはいかないし、喋っていない間も反応はし続けなければならないし……、一瞬たりとも集中を切らす訳には行かない場面なのである。
  時間にすればごく僅かなこの場面を、今日は細かく区切りながら、何回も何回も繰り返し稽古した。そしてこの場面、明日の稽古メニューにも入っている。

  ミュージカル・コメディは、観るのは楽しいが、演るのは本当に大変なのである。

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『ミー&マイガール』通信

5月9日(土)

  1幕2場、1幕3場の前半、そして1幕1場のビルとサリーのブロックを稽古。

  1幕2場はヘアフォード邸の厨房。ミュージカル・ナンバーは「イングリッシュ・ジェントルマン」がある。
  ロンドンの下町、ランベスに育ったビルは、自分がヘアフォード伯爵家の唯一の跡取りだと知らされる。その気になってお屋敷に乗り込んだビルを待ち受けていたのは……。

  続く1幕3場はヘアフォード邸の応接室が舞台。応接室ではビルの後見人マリア公爵夫人の娘ジャッキーがセクシーな衣裳でビルを待ち受けていて……。
  今回ジャッキーを演じるのは貴城けいさんである。貴城さんのジャッキーはゴージャスでセクシーで美しい。数年前まで「男」をやっていた人とはとても思えない。こんなジャッキーならビルでなくても夢中になってしまうだろう。特に「指先」がセクシーで美しいことを今日の稽古で発見した。
  この場面には「その気になればできるはず」と「この手をとって」の2つのミュージカルナンバーがある。前者はジャッキーがビルを誘惑するナンバーで、後者はビルとサリーのラブソングなのだが……。

  最後に1幕1場の、ビルがガール・フレンドのサリーをヘアフォード邸に連れ込んで「自分の家だ」と自慢する場面を稽古。
  ここにはタイトルになっているナンバー「ミー&マイガール」がある。このキュートなナンバーは明日のイベント「777人のランベス・ウォーク」でも披露される予定。

  話は変わるが、帝劇で上演中の『放浪記』が上演回数2000回を迎えた。『ミー&マイガール』は帝劇の稽古場で行われているのだが、今日の帝劇はいつになく賑やかであった。
  『放浪記』には『ミー&マイガール』のパーチェスター武岡淳一さんと、チャールズ丸山博一さんも出演されていて、今日も公演とセレモニーを終えてから稽古に駆け付けてくださった。武岡さん、丸山さん、お疲れ様でした。

  森光子さん、そして『放浪記』の関係者の皆さん、心よりお祝い申し上げます。

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『ミー&マイガール』通信

5月8日(金)

  既に記した通り、『ミー&マイガールの稽古は4月13日から始まっている。後ればせながら、私も本日より『ミー&マイガール』の人である。

  今日のメニューは「顔寄せ」から。
  全キャストと公演関係者が集まり、吉田プロデューサーがひとりひとりをご紹介。その後、東宝の増田専務、私、そして井上芳雄さんが関係者を代表して一言ずつ挨拶。公演の成功を目指して誓いを新たにした。

  顔寄せの後は、明後日のイベント「777人のランベス・ウォーク」のリハーサル。
  「777人のランベス・ウォーク」では私も観客のひとりである。当日は抽選で選ばれた777人のオーディエンスの皆さんと共に、一足早い「ミーマイ」気分を味わわせていただくつもりである。楽しみ楽しみ。

  更にその後、立ち稽古。
  既にステージングが終わっている幕開きの「ヘアフォードの週末」と、それに続く「わたしさえ良ければ」。その2つのミュージカルナンバーと、その前後にある芝居部分を稽古。更にその後、3つ目のミュージカル・ナンバー「弁護士におまかせ」をステージング。
  東宝版『ミー&マイガール』は、2003年、2006年と帝劇で上演されており、今回はそれに続く3演目となる。井上芳雄さんと笹本玲奈さんのコンビは2006年からで、2003年の初演から出演している方もいれば、今回が初参加の方もいる。
  なので稽古も半分は「思い出し」であり、半分は「新規に段取りを作る」である。すべてをゼロから始めた初演や、主役2人が初めてだった前回と比較すれば、さすがに今回の稽古場には余裕があるように感じられる。

  が、そう感じられたのは、どうやら演出助手の寺崎君と落石君の計らいだったらしい。明日の稽古メニューを見たところ、「余裕」なんて感じている暇はまず無さそうだ。今日の余裕あるメニューは、『シラノ』から駆け付けることになる私を不安に思った2人が組んだ「リハビリ・メニュー」だった様である。

  早く皆さんに追い付ける様に頑張ります。

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『シラノ』通信

5月7日(木)

  午前中は日大藝術学部所沢へ。
  学校行事のため先週は休みだったので、今日が今年度3回目の授業。努力の甲斐あって(?)顔と名前がほぼ一致した。果たしてこれを長期記憶に無事移行させることができるのか?

  午後は日生劇場へ。

  『シラノ』初の2回公演。その夜の部は中河内クリスチャンの初日であった。そして夜の部を、フランク・ワイルドホーンさんも初日以来のご観劇。
  自分以外は既に全員が初日を終えている中で、中河内君はとてもよくやったと思う。1幕が終わった所で本人は「思っていた以上に緊張しました」と言っていたが、客席からはそうは見えなかった。
  終わってみれば中河内君らしい、実に颯爽としたクリスチャン振りであった。これで私もひと安心。

  区切りの良い所で『シラノ』通信もひとまず終了。明日からは『ミー&マイガール』通信です。

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ワールド・プレミア ミュージカル『シラノ』

5月5日(火)

  初日。

  午前中から照明の直しなど、最後の調整。13時から昨日の通し舞台稽古の駄目出し、そしてミュージカル・ナンバー幾つかをオーケストラと合わせて調整。その後、舞台で初日のお祓い。更にその後、開場時間ぎりぎりまで各セクション調整作業。

  開演は17時30分。5分ほど遅れて客電が落ちた。
  誰もが固唾を飲んでいる、と言った空気の客席の最後列で、誰よりも固唾を飲んでいたのは私であったろう。こんなに緊張しながら見守った初日は他にちょっとない。
  演出助手の小川美也子さんが「奥さんが分娩室に入っている間の父親ってこんな感じなんですかねえ」と言っていたが、そうですそうです!  こんな感じ!
  結局、幕が下りるまで緊張のし通しであった。が、無事に幕は下りた。

  カーテン・コールはワールド・プレミア・スペシャル・ヴァージョン。
  作曲者のフランク・ワイルドホーンさんを紹介する為に、私も舞台に上がった(本来私は人前に出ることが苦手である。だからこそ裏方を職業にしているのだ)。
  ワイルドホーンさんはとても嬉しそうであった。そして温かい言葉をカンパニー全員に掛けてくださった。

  終演後、製作関係者とワイルドホーンさんを囲んだ。初日で疲労のピークであったろう鹿賀さんも同席された。鹿賀さんは余程嬉しかったに違いない。
  ワイルドホーンさんは別れ際に私に「次は何をやろうか?」と囁いた。私は「×××××××」と即答した。

  ミュージカル『シラノ』は5月28日まで日生劇場で上演中。その後、6月には大阪で、そして広島でも公演される。

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『シラノ』通信

5月4日(月)

  舞台稽古2日目。2幕を場面毎にあたった後、通し舞台稽古(ゲネプロ)。

  上演時間は1幕が1時間30分前後、2幕が1時間4~5分あたりに落ち着きそうである。休憩とカーテン・コールを合わせて、全体では3時間をちょっと回る位になるだろう。
  それにしても「きれいな」舞台である。物語も、音楽も、もちろん観た目にも。デザイナーの皆さんはもちろん、舞台美術、照明、衣裳、音響などの各スタッフに感謝したい。

  残念なお知らせが。
  レスリー・ブリカッスさんの来日が叶わないことになったそうだ。再会を楽しみにしていたし、何より私たちの日本版『シラノ』をどう思うか、それを聞いてみたかったのだが……。

  明日は初日。その前に、最後の調整を。

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『シラノ』通信 プチ

5月3日(日)

  舞台稽古1日目。1幕を冒頭より場面毎に。
舞台稽古後、道具調べ・照明合わせ、昨日の続き。
深夜作業、ただ今帰宅。おやすみなさい。

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『シラノ』通信 ミニ

5月2日(土)

  道具調べ、照明合わせ、サウンドチェック。
深夜作業、ただ今帰宅。おやすみなさい。

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『シラノ』通信

5月1日(金)

  今日、明日は『シラノ』の稽古は無し。スタッフのための2日間である。

  大道具はほぼ組み上がり、吊り物や照明バトンのタッパを決めた後、午後からは照明チームのフォーカス作業。並行して音響チームの調整。
  上手く進めば照明デザインに入れるか……とも思われたが、デザインに入ったことは入ったものの、幕開きのほんの1~2ページ分をデザインした所で今日は時間切れ。続きはまた明日。

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『シラノ』通信

4月30日(木)

  稽古場最終日。であると共にスタッフの劇場入り初日でもあった。

  なので、昨日まで稽古場に存在していた大道具の数々は劇場に運ばれてしまい、今日はビニール・テープのバミリと簡単な小道具だけで、但しオーケストラは有りで最後の通し稽古。
  日々細かな調整を続けて来た、今日はその集大成である。そして結果的にはとても良い出来の通し稽古であった。これで良い形で劇場入りすることができる。

  稽古後は日生劇場へ。大道具、照明、音響……等々の仕込み作業が進行中!

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『シラノ』通信

4月29日(水)

  2回目のオケ付き通し稽古。

  「オケ付きで通す」と言うこともあって、今日の稽古場にはいつもより多くのギャラリーが見受けられた(公演関係者です。念のため)。それらの人々の反応から推測するに、『シラノ』の仕上がりはどうやら悪くはなさそうだ。
  もちろん、自分では最良の『シラノ・ド・ベルジュラック』だと思って稽古しているのだが、「自分でそう感じている」ということと「客観的な仕上がり」はまた別問題な訳で。既にひと月半も稽古していると、中々客観的には作品を観られなくもなっているので、今日のギャラリーの反応にはひと安心。胸を撫で下ろした。

  明日は遂に稽古場最終日。3度目にして最後のオケ付き通し。

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『シラノ』通信

4月28日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー、午後は『シラノ』。両者は同じ稽古場ビルのフロア違いのスタジオなので楽チンである。が、今日は12時間以上ここにいた。

  さて『シラノ』はまずはオケ合わせ、昨日の続き。
  『シラノ』は「全編が歌で進行する」と言うタイプの作品ではない。ミュージカル・ナンバーの合間には台詞だけの部分も結構ある。そう言う意味ではオケ合わせの物量はそれほどでもないのだが、テンポの揺れ方が繊細だったり、舞台上と指揮者のコンタクトが困難であったりなどで、オケ合わせには思いの他時間がかかった。

  予定時刻を1時間ほど超過しはしたが、オケ合わせ終了後、オケ付き通し稽古スタート。
  因みに『シラノ』のオーケストラは……

Violin1、2
Viola
Cello
Flute
Oboe
Clarinet1、2
Trumpet
Trombone
Horn1、2
Drum
Percussion
Bass
Keyboard1、2

  の17名である。

  明日もオケ付き通し。劇場入りが近づいて来た。

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『シラノ』通信

4月27日(月)

  オーケストラがやって来た!

  と言う訳で、オーケストラの演奏と出演者の歌を合わせる、通称「オケ合わせ」。
  音楽監督の八幡茂さんが編曲してくださった、世界中でまだ誰も聞いたことの無い、オーケストラによる『シラノ』である。音楽の美しさ、音楽の力強さが一層輝きを増したように感じられる。
  以前にも触れたが、『シラノ』では劇場のオーケストラ・ピットは使用しない。なので客席最前列から舞台までは目と鼻の先である。今回、オーケストラは舞台上、セットの裏側の客席からは見えない場所で演奏することになっている。と言う事は、舞台から指揮者は見えず、指揮者からも舞台は見えない、と言うことで、これが双方にとって様々な困難を引き起こす。
  もちろんビデオカメラとモニターが双方に配置されていて、間接的にはお互いを視認できるのだが、直接コミュニケートできるのとではかなり条件が異なる。なので今日は、そのことにも気を配りながら、時間をかけて丁寧にオケ合わせが行われた。

  明日も引き続きオケ合わせ。その後いよいよオケ付き通し。

  お知らせ。『ミー&マイガール』公式ブログがオープン。覗いてみてください。

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『ミー&マイガール』通信

4月26日(日)

  『シラノ』の稽古は休み。なので『ミー&マイガール』の稽古場へ。

  今日のメニューはオープニングのナンバー「ヘアフォードの週末」のステージングであった。
  「週末のロンドンはテニスの試合も競馬も無いから退屈だ」と言うので、上流階級の人々がロンドン郊外のヘアフォードへ繰り出して行く楽しいナンバーである。
  ヘアフォードにはヘアフォード伯爵のお屋敷(カントリー・ハウス)がある。ヘアフォード家はイギリスで最も由緒正しい貴族の家系のひとつ。そのヘアフォード家には悩みがあって、それは、この由緒正しい家系を受け継ぐ「お世継ぎ」がいないことである。
  その「お世継ぎ」が発見された、と言う報告がヘアフォードにもたらされ、ではそれはどんな男なのか……とゲストや勤め人たちが大騒ぎするまでが「ヘアフォードの週末」の中で描かれる。華やかなオーヴァーチュアに続く、4分に及ぶゴージャスなナンバーである。

  今日はヘアフォード家の一員であるジャッキーを演じる貴城けいさんとアンサンブルの皆さんとで、1日掛かりでこのナンバーをステージング。私も束の間のイギリス旅行を楽しんだ。
  明日は再びフランスへ。『シラノ』はオケ合わせである。

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『シラノ』通信

4月25日(土)

  2回目の通し稽古。

  昨日のクリスチャンは浦井健治さんで、今日は中河内雅貴さんであった。それぞれの良さが出たクリスチャンだと思う。浦井さんは育ちの良さであるとか愛情の深さであり、中河内さんは物怖じしない強さであるとか甘さである。
  クリスチャンだけではない。シラノの鹿賀さんは言うまでも無く、朝海ひかるさんのロクサーヌ、鈴木綜馬さんのド・ギッシュ、戸井勝海さんのル・プレ、光枝明彦さんのラグノー等々、それぞれのキャラクターと演じる俳優の個性とが融け合って一層チャーミングになって来た。
  『シラノ』は日々進化しているのである。

  ここでお知らせ。

  脚本・作詞のレスリー・ブリカッスさんと音楽のフランク・ワイルドホーンさんが共に来日され、初日(ワールド・プレミアである)の舞台をご覧くださることになった。恐らく、終演後には舞台に上がってくださるのではないか、と密かに期待している。
  私はブリカッスさんとは『ジキル&ハイド』初演の初日に、ワイルドホーンさんとは『ジキル&ハイド』3演目の初日に(その後『シラノ』のミーティングでも)お目にかかったのだが、お2人揃ってとなると今回が初めてである。特にブリカッスさんとは8年ぶりの再会となるので楽しみもひとしおである。と同時に、私たちの『シラノ』をどう思われるのか、緊張感もひとしおなのであるが。

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『シラノ』通信

4月24日(金)

  1回目の通し稽古。

  ようやくここまで来たか、という思いと、もうそんな時期か、と言う思いが交錯している。
  昨年の5月6日と7日のブログ『シラノ』について触れているが、『シラノ』日本版上演に向けての実作業はあの時からスタートした。それからちょうど1年である。短い準備期間であった様にも感じるが、ずいぶん長かったという気もしないではない。
  それはともかく、こうして『シラノ』が目の前に形となっていることに今日は大きな安堵感を覚えた。もちろん、初日を迎えるまでにはまだまだブラッシュ・アップの作業が必要だが、このカンパニーでならそれもまた充実した、実りの多い作業となるだろう。

  明日はダブルキャストのクリスチャンを交代して再び通し稽古。別稽古場では本日よりオーケストラ・リハーサルが始まっている。

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『シラノ』通信

4月23日(木)

  午前中は日大藝術学部演劇学科へ。午後は『シラノ』の稽古場へ。

  私の受け持ちは所沢校舎なので、都心の稽古場への移動には1時間半~2時間は見ておかないと不安である。早朝都内の自宅を出て、135分間の授業を済ませ、昼過ぎに稽古場に到着した時点でその日のエネルギーの8割は消費済み、な感じである。

  それはともかく、『シラノ』は抜き稽古。

  昨日の1幕通しで見えた課題や稽古不足と思われる部分を再整理して稽古。最後に2幕1場の後半を大幅に手直し。何しろ新作ミュージカルの初演なので、「これだ」と思える形に辿り着くまでには紆余曲折、試行錯誤の連続である。
  手間暇かけて作り上げた場面でも、「何かが上手く行っていない」と言う感覚が拭いきれないことがあったりする。その「何か」がすぐには見つからなかったりもする。悩みに悩んだ末に、もう一度別のやり方を試してみる。

  『シラノ』を少しでも良くしたい一心で、粘れる限りは粘りたい。

 

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『シラノ』通信

4月22日(水)

  昨日できなかった2幕2場をさらった後、1幕を通す。

  随分と色々なことが整理されて、とても見易くなって来たと思う。
  格調高いのに親しみ易い。クスクス笑えるのに涙が溢れて来る。鹿賀さん演じる多面的なシラノ・ド・ベルジュラックのお陰で、そんな『シラノ』が出来上がりつつある。
  稽古後は照明打ち合わせを入念に。今回の照明は、事前の打ち合わせが通常より重要になる。劇場入りするまでに決めておかなければならないこと、用意しなければいけない素材が多いからである。

  話は変わるが、先日の『ダンス オブ ヴァンパイア』記者懇親会の様子が公式ページにUPされている。こちらからどうぞ。

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『シラノ』通信

4月21日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミー、午後は『シラノ』の稽古場へ。

  『シラノ』は1幕2場、3場、そして2幕1場をおさらい。
  昨日さらった1幕1場、そして今日のメニュー2幕1場はどちらも大勢の登場人物が舞台上に存在し、それぞれのドラマが同時進行する。こういう場面の稽古にはどうしても時間がかかる。なので、本当は昨日、今日で全場面をさらいたかったのだが、残念ながら時間切れ。大詰めは明日のメニューに。

  話は変わるが、今日は第34回菊田一夫演劇賞の授賞式であった。
  受賞者の内、シルビア・グラブさんへの賞が『レベッカ』の演技に対して贈られたものであった。今年はその他の受賞者も、保坂知寿さん、吉野圭吾さん、玉野和紀さんと、近々ご一緒する方ばかり。
  私はアカデミーと『シラノ』の稽古で残念ながら出席できなかったのだが、受賞者の皆さん、おめでとうございます。

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『ダンス オブ ヴァンパイア』記者懇親会 そして『シラノ』通信

4月20日(月)

  東京會館にて帝劇7~8月公演ダンス オブ ヴァンパイアの記者懇親会。

  今度の週末(4月25日)に7月分のチケット前売りが開始されるのを機に、新聞や雑誌の記者の皆さんと我々とで、通常よりやや長めに設定された質疑応答の機会が持たれたのである。出席者は山口祐一郎さん、石川禅さん、大塚ちひろさん、知念里奈さん、泉見洋平さん、浦井健治さん、そして私であった。
  これから初日が近づくに連れて、今日の模様は色々な所に掲載されて行く筈であるが、早くも本日、「初演の時に大塚さんは、身に着けていたヌーブラを落とした」という記事が速報された模様である。
  そんなアクシデントも含めて、『ダンス オブ ヴァンパイア』が楽しい夏を皆さんにお届けすることを保証する。前回見逃した方も、前回で虜になった方も、夏の帝劇をどうぞお楽しみに。

  懇親会を終えて『シラノ』の稽古場へ。

  一昨日(18日)は臨時の稽古休みであったが、昨日は初めから予定されていた稽古休みであった。休みの間にスタッフの皆さんが、稽古場内の大道具を本番仕様の物に入れ替えてくださった。これで稽古場道具の大半が本番で使用する物になった訳である。
  道具がより具体的になった所で、1幕に戻って1場と2場をおさらい。
  久し振りの1幕なので、細々とした約束事を再確認したり、手順が曖昧だった部分を整理したり、指揮者と音楽的な約束事を再構築したり……、以前と比較すると「より実践に即した稽古」と言う感じになって来た。
  オーケストラが稽古場にやって来るまでの今週1週間が、芝居を進化させる為の残り少ない貴重な時間、と言うことになる。今日・明日の2日間で、1幕、2幕をひと通り当たってしまいたい。それが達成できた暁には、やや乱暴だが、1度通してみたい、と考えている。

  『シラノ』が特集される『プレミアの巣窟』は、明日の深夜(正確には22日の午前2時08分より)に放送予定。見てね。

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『シラノ』通信

4月18日(土)

  稽古は休み。午前中は月刊『ミュージカル』誌の取材を受ける。午後は稽古場にて、照明と舞台美術の双方に関わる打ち合わせとテスト。

  『シラノ』の美術デザイナーは堀尾幸男さん、照明デザイナーは成瀬一裕さんである。
  『シラノ』の為に堀尾さんがデザインした舞台美術は、具体的な、或いは写実的な要素を大胆に排除している。台本に書かれている、または台本から連想される大道具の大半を、堀尾さんは無くしてしまったのである。代わりに1枚のパネル状の壁が常時舞台上に存在している。
  「この壁面をどう活用して行くか」が『シラノ』のビジュアルのハイライトなのだが、それは舞台美術の領域と照明の領域、その双方がオーバーラップする領域の話になって来る。なので今日も、両デザイナーに同席いただいて打ち合わせが持たれたのである。

  今回は本当にきれいな舞台にしたい。そうなるだろうか。

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『シラノ』通信

4月17日(金)

  ラストシーンを作る。

  3月16日に歌稽古が始まり、それからほぼひと月が経過した今日、ザッとではあるが、全場面をひと通り当たり終えた。まずまず順調だと言っても良いだろう。
  明日は2幕をさらう予定だったのだが、昨日、今日と順調に稽古メニューを消化できたので、明日の稽古はお休みすることに。出演者の皆さん、どうかゆっくりと体を休めてください。その代わり台詞は入れてね。

  稽古後、鹿賀さんの衣裳&ヘア&メイク合わせ。
  今日は衣裳や鬘(かつら)に加えて、「鼻」も装着していただいた。実は、今日付けた「鼻」は、チラシやポスターのヤツとは別物である。チラシやポスターの「鼻」は、見方によっては結構格好良い。が、本来シラノの「鼻」は、彼の劣等感、コンプレックスの象徴である筈である。格好良く見えてしまってはストーリー上、都合が悪い。なので、もう少しファニーに見える「鼻」を本番に向けて用意したのである。

  『シラノ』の後は、美術デザイナー・松井るみさんの仕事場へ。パイレート・クイーンの舞台美術打ち合わせ。

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演出実習Ⅱ そして『シラノ』通信

4月16日(木)

  先週の東宝ミュージカルアカデミーに続いて、日本大学藝術学部演劇学科演出コース1年生の授業「演出実習Ⅱ」が始まった。この授業を受け持って5年目、今年も20名ほどの新1年生と対面した。
  本格的な授業は来週からになるが、「演出」と言う、一言では説明の難しい仕事について、今年も学生たちと一緒に考えて行きたい、と思う。ただ……
  アカデミーの38名と合わせて、総勢60名の生徒たちの顔と名前が一致する日は果たして訪れるのだろうか。

  午後は『シラノ』の稽古場へ。2幕2場の前半を作った後、2幕1場をおさらい。

  2幕2場は『シラノ』の最終景である。2幕1場までは1640年の出来事で、2幕2場のみが「その15年後」と言う設定である。舞台はパリのとあるカトリック修道院の中庭。今では元帥にまで上り詰めたド・ギッシュの訪問を受けたロクサーヌは(以下自己規制)。
  ここも大変美しい、そして切ない場面である。「美しい」というのは筋書きのことでもあり、視覚的なイメージのことでもある。そしてラストの名台詞。あの名台詞は私たちの『シラノ』でもあの名台詞である。

  明日はいよいよ大詰めへ。

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『シラノ』通信

4月15日(水)

  2幕1場の後半ブロックを作る。

  今日も色々と試行錯誤を重ねた稽古であった。振付の前田清実さんやアクションの渥美博さん、歌唱指導と音楽監督を兼ねる(そして出演者でもある)林アキラさん、演出助手の小川美也子さん等の発想をお借りしながら、このブロックをどうにかこうにか形にした。
  ミュージカル・ナンバーのサイズを変更したり、エピソードの順番を入れ替えたり……と、『シラノ』の稽古場は、今やオリジナル・ミュージカルを作るのと同等のテンションである。

  明日はいよいよ最終景に突入。ようやく山頂が見えて来た。

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『シラノ』通信

4月14日(火)

  午前中は東宝ミュージカルアカデミーへ。最新のミュージカルをテキストにして、台詞をどう処理するのか、とか、役作りをどう進めるか、などについてレクチャー。

  午後は『シラノ』。2幕1場の真ん中ブロックを作る。

  2幕1場では、その場所にいる人たち全員で共有するストーリーと、シラノを中心とした2~3人だけで交わされるパーソナルな会話が交互に現れる。
  全員で共有している方のストーリーでは、ド・ギッシュ伯爵vsガスコン青年隊の因縁の行方や、刻一刻と迫り来る敵の総攻撃に向かって高まる緊張感、そして戦場に現れた「ある人物」が引き起こす波紋……などが語られる。もう一方のパーソナルな会話では、シラノやクリスチャンの個人的な心情やその変化が綴られて行く。
  両者がある時は別々に、時には密接に絡み合いながら、物語はクライマックスに向かって否が応でも盛り上がって行くのだが、これを舞台上で手際良く処理するのが(私にとっては)案外難しい。
  今日も色々と試行錯誤を繰り返していたのだが、その試行錯誤のプロセスが何よりも楽しい。新しいミュージカルを皆で作っている、と言う実感を抱かせてくれるのである。

  明日は今日の続き。何とか2幕1場の終りまで漕ぎ着けたいが……さて。

  『ミー&マイガール』からはこんなお知らせが届いた。奮ってご応募ください。

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『ミー&マイガール&シラノ』通信

4月13日(月)

  ミー&マイガール稽古スタート。

  『ミー&マイガール』は、1937年にロンドンで初演されたミュージカル・コメディである。『ミー&マイガール』が現在の、私たちの知っている形に整えられたのは1985年のロンドンでのリバイバル時で、この成功によって 『ミー&マイガール』はブロードウェイへ進出、更には日本へも輸入されることになったのである。
  日本での初演は1987年、宝塚歌劇団の月組が行った。以来、繰り返し上演され、歌劇団の財産演目のひとつとなっていることは御承知の通り。そしてご覧頂く東宝版『ミー&マイガール』である。
  東宝版の初演は2003年。唐沢寿明さんのビル&木村佳乃さんのサリーと言う配役で始まった。井上芳雄さん&笹本玲奈さんの登場は2006年で、今回はその時に続く再演となる。

  今日はアンサンブルさんが全員集合。誰をどの場面、どのパートに当てはめるかを睨みつつ、歌稽古、及び振付を開始した。私はその冒頭に顔を出し、抱負の様なものを手短かに述べた。
  このブログの読者には明白なことだが、現在私は『シラノ』の稽古中である。無事に『シラノ』が開幕するまでは、残念ながら私は『シラノ』の人である。何と言っても『シラノ』は新作なので、『ミー&マイガール』チームの皆さんはどうかご理解いただきたい。

  と言う訳で、『ミー&マイガール』の稽古場を後にし『シラノ』の稽古場へ。

  『シラノ』は本日より2幕に突入。2幕1場を3つのブロックに分けた内の最初のブロックを作る。
    2幕1場の舞台は戦場である。シラノやクリスチャンが属するガスコン青年隊は、今では「アラス包囲戦」に参加している。その戦場に思いがけぬ人が現れて(以下自己規制)。
  このブロックには、男女のコーラスが美しい「パリの思い出」、ド・ギッシュの手柄話にシラノが茶々を入れる「名誉のスカーフ」、そしてクリスチャンとシラノの「さよならの手紙」と言う3つのミュージカル・ナンバーがある。

  昨日の予告通り、今日は忙しい一日であった。この忙しさは7月になるまで続きそうである。

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『シラノ』通信

4月12日(日)

  稽古前にプレミアの巣窟の取材を受ける。

  『プレミアの巣窟』は、毎週火曜日の深夜(正しくは水曜の午前2時台)にフジテレビで放送されているエンターテインメント情報番組である。『ザ・ヒットパレード』の時も取材を受けたあの番組である。
  今日は稽古場にもカメラが入っていたので、番組では稽古風景や出演者のコメントも流れるだろう。オンエアには誰かがスタジオにお邪魔するかもしれないらしい。そちらもお楽しみに。

  稽古は1幕をひと通りおさらい。

  まだまだ「段取りをこなしている」域ではあるが、何はともあれ1幕は見えた。本当はこのまま1幕を成熟させたい気持ちも無い訳ではない。が、その誘惑を断ち切って、明日からは2幕の稽古に入ることにする。
  稽古場での稽古は残り3週間を切った。が、このタイミングで、例え荒くでも「1幕が見えている」と言う状況は、新作ミュージカルの稽古としてはとても順調な方だと思う。

  明日は忙しい一日になりそうだ。その理由は明日のブログで。

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『シラノ』通信

4月11日(土)

  クリスチャンの登場シーンを抜き稽古。

  『シラノ』では(当たり前のことではあるが)主人公シラノ・ド・ベルジュラックの視点でストーリーが進行する。が、シラノ以外の人物にもその人物の「ストーリー」がある訳で。ロクサーヌにはロクサーヌの、そしてクリスチャンにはクリスチャンの「ストーリー」がある筈である。
  と言う訳で、今日はクリスチャンの視点で、クリスチャンの「ストーリー」だけを追いかけてみよう、と言う試みであった。その結果見えてくるものは何か?  その見えて来たものが、『シラノ』本編に立ち返った時のクリスチャンにとって「大切にすべきもの」である筈である。

  私たちの仕事は、まずは「台本在りき」である。が、台本を読み込む時に用心しなければいけないのは、先々の展開を先取りして出来事や台詞を解釈して演じて(演出して)しまうことである。
  結末を知っている所為でついそうなってしまうのだが、観客にしてみれば、先の読めてしまうドラマほど興醒めなものはない。

  観客の目の前で、今まさにドラマが進行している。そんな新鮮な『シラノ』でありたいのである。

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『シラノ』通信』 そして下馬二五七さんのこと

4月10日(金)

  顔寄せ。

  稽古は3月16日から始まっているので、もうみんな顔馴染みなんじゃないのか・・・・・・と言うことではなくて、普段は稽古場に登場することのない主催者、劇場関係者、券売や宣伝担当者、マネジメントの方、等々が一堂に会し、いつも稽古場にいる我々を含めて「よろしくお願いします」の交換をしたのであった。
  『シラノ』は、『ジキル&ハイド』に続く東宝・ホリプロ・フジテレビ3社の共同製作作品である。なので、通常の顔寄せよりも参集した人数が多い。数えはしなかったが100人は下らなかっただろう。これほど大勢の人が『シラノ』を成功に導くために力を合わせているのである。何としても良い作品にしなければ、と決意を新たにした。

  稽古は1幕3場をおさらい。

  段取りを付けただけに過ぎなかったシーンが、稽古を繰り返す度に血の通った場面に進化して行く。そのことを実感できた時が芝居作りにおける大きな喜びのひとつなのだが、先週、今週はその喜びの連続であった。
  どの登場人物もキュートでチャーミング、ちょっとお馬鹿で、切なく、そして愛おしい。思わず吹き出してしまう様なシーンの連続なのに、気が付くといつの間にか目頭が熱くなっている。『シラノ』はそんなミュージカルになる筈である。

  稽古後は下馬二五七(しもうまにごしち)さんのお通夜へ。

  下馬さんはとても優しく、そして面倒見の良い俳優さんであった。私の演出作品では『ローマの休日』に出てくださった。山口祐一郎さん扮する新聞記者ジョーのアパートの家主や、ラストシーンの記者会見場面のジャーナリストなどをやっていただいた。
  演出部時代には『エニシング・ゴーズ』で何年もご一緒した。私事だが、その頃結婚した私に、下馬さんは夫婦茶椀を贈って下さった。
  下馬さんはつい先月まで舞台に立っていらしたのだそうだ。斎場の一角には出演作のチラシが何枚も貼られていた。『ローマの休日』も。

  ご冥福をお祈りいたします。

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『シラノ』通信

4月9日(木)

  稽古前に、プログラム向けに鹿賀さんと対談。写真も何枚か撮られる。恥ずかしい……。

  稽古は1幕3場の後半を。これで1幕はひと通り手を付けた。
  以前にも記したが、『シラノ』は1幕が3場面、休憩を挟んで2幕が2場面で、全5場面である。最近のミュージカルとしてはかなり少ない場面数だと言えるが、これはエドモン・ロスタンの原戯曲通りの場面数なのである。裏返せば「1場面1場面が結構長い」と言うことでもある。
  5場面のうち3場面に手を付けた、と言うことは、全体の大よそ60パーセントまでは来た計算になる。残り40パーセント。これまで以上にエネルギーを費やして最高のミュージカルに仕上げたいと思う。

  内容に触れずに書くのは難しいなあ……。

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『シラノ』通信

4月8日(水)

  1幕2場をおさらい。その後、1場のアクションをさらう。

  『シラノ』ではオーケストラ・ピットは使用しない。オーケストラは舞台上の、客席からは見えない場所で演奏することになる。そのお陰で舞台と客席との距離が縮まり、臨場感や劇場内の一体感が増す訳だが、舞台上の出演者や指揮者にとっては喜ばしいことばかりではない。俳優と指揮者間のアイ・コンタクトが封じられてしまうからである。
  「息を合わせる」と言う言葉があるが、ミュージカルでは舞台上の出演者と指揮者、演奏者が「息を合わせる」ことは不可欠である。テンポが一定で変化しない楽曲ならば、テンポ感さえあれば歌い手が演奏に合わせて行くことはそれほど困難ではない。が、ミュージカルの場合、テンポが一定であることはまずあり得ない。
  舞台上では指揮者の姿が映し出されるビデオ・モニターを見、指揮者は舞台が映し出されるビデオ・モニターを見て意思の疎通を図ることになる訳だが、直接目視するのとモニターを通すのとでは情報量が余りにも違い過ぎる。それにモニターでは所詮は一方通行なので、瞬時にお互いが「何が起こっているか」を理解することは不可能に近い。

  今日さらった1場のアクションは(ミュージカルなので当然と言えば当然だが)音楽と同期しながら行われる。今日の稽古では、アクションを組み立てることもさりながら、指揮者とどの様にコミュニケートするかが重要な課題であった。

  ミュージカルは大変だあ!

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『シラノ』通信

4月7日(火)

  午前中は早速東宝ミュージカルアカデミーの授業。

  この授業が全授業のトップバッターになるので、今日は具体的なレッスンには入らずに、アカデミー生としての心構え(例えば「生徒であるという意識を捨てよ」と言う様な話)から始めた。
  アカデミーでのレッスンは来春まで1年間続く。その間、モチベーションを維持し続けることがどれだけ重要なことであるか。1年間、そのモチベーションをどうやって維持すればよいのか……。
  この1年を、本当に価値のある1年にして欲しいと思う。

  午後は『シラノ』へ。

  手を着けていなかった1幕2場の後半を作る。その後、更に遡って、同じく未着手だった1幕2場の中盤を作る。これでようやく1幕が3場の前半まで繋がった。
  1幕2場の後半にはシラノとクリスチャンが意気投合して歌う「完璧な恋人」がある。1幕2場の中盤にはシラノの「独りで」がある。この場面でのシラノは有頂天からどん底へ、再び有頂天へ、と振幅が激しい。でも恋する男子って、そんなところ、あるよねえ。

  稽古後、シアターガイド誌の取材を受ける。この記事は来月発売の6月号に載る……のかな?

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東宝ミュージカルアカデミー 4期生入学式

4月6日(月)

  『シラノ』の稽古は休み。だがいつもの様に稽古場へ。同じ建物の中に東宝ミュージカルアカデミーの稽古場もあるからである。

  4期生は38名。これから1年間、人生を左右するレッスンをみっちりと積むのである。
  ミュージカル俳優にとってレッスンは不可欠である。レッスンは、アカデミーを修了したってミュージカルを続ける限り付いて回る。だが、今アカデミーで学ぶレッスンと将来夢が叶った時のレッスンとでは、多少その目的が異なるであろう。
  今はとにかく身体の基本を作ることが急務である。受講生の中には今までも厳しいレッスンを続けて来た者もいるだろうが、大半は「ダンスは未経験」であったり「本格的に歌うのは初めて」であったり「演技はまったくやったことがない」であったりである。
  ミュージカル俳優として成長するために大切なのは、まずは自分の弱点を知ることである。弱点を知り、それをどうやって潰して行くかである。「どうやって潰して行くか」が、すなわち今必要なレッスンである。

  受講生ひとりひとりの夢が叶うことを心から祈っている。皆の夢が叶うことは日本のミュージカルを進歩させることに他ならないのだから。

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『シラノ』他、通信

4月5日(日)

  まだ手を着けていない1幕2場の後半を飛ばして、先に1幕3場の前半を稽古。

  1幕3場は小さな広場に面したロクサーヌの家の前。この場面には『ロミオとジュリエット』と双璧の、有名なバルコニー・シークェンスがある。
  ……ストーリーに触れずに書くことが段々と難しくなって来た。が、ここもとても素敵な場面であることは保証する。
  ここにはロクサーヌとド・ギッシュのナンバー「決して戦地に行かせない」があり、ロクサーヌとクリスチャンのデュエット「これが恋」、そしてシラノが真情を吐露する「俺の言葉でくちづけを」がある。
  ここには恋する男たち・・・・・・シラノ、クリスチャン、ド・ギッシュが交代で登場する。「恋は盲目」とは良く言ったもので、恋に夢中の男たちは皆周りのことが全く見えていない。そして情けないほど子供っぽい。シラノもクリスチャンもド・ギッシュも、そう言う意味では皆私たちと同じ種類の人間なのである。

  稽古後は帝劇に移動して『ダンス  オブ  ヴァンパイア』の打ち合わせ。再演に向けて見直すべき事柄や方向性をメイン・スタッフ間で再確認&共有。

  そして『ザ・ヒットパレード~ショウと私を愛した夫~』大阪公演千穐楽。『ザ・ヒットパレード』は、これで全ての行程を終了した。キャスト&スタッフの皆さん、お疲れ様でした。ご来場くださった皆さん、心より御礼申し上げます。

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『シラノ』通信

4月4日(土)

  1幕2場の続きを作る。

  昨日ステージングした「料理人で詩人」後の場面を立ち稽古。ラグノーの店にシラノがやって来て、そこにロクサーヌも現れて……。
  この場面ではシラノとロクサーヌのデュエット「ベルジュラックの夏」とロクサーヌのナンバー「運命の人」が歌われる。因みに、ベルジュラックとはフランス・ガスコーニュ地方の地名で、シラノはその地方の出身だ、と言う設定なのである。

  稽古の後半では更にその続き、ロクサーヌが帰ってガスコン青年隊が登場する場面を稽古。

  「ガスコン」とはガスコーニュ地方生まれの、と言う意味で、この地方の出身者たちは血気盛ん、勇猛果敢な性質な者が多かったらしい。日本で言えば「薩摩隼人」みたいなものであろう。その性質は、誰よりもシラノに色濃く表れている。
  ここには青年隊士たちによるナンバー「我らガスコン」があり、男声だけの迫力あるコーラスを聞くことができる。

  『シラノ』では次々と毛色の異なる楽曲が登場し飽きさせない。物語の方も楽曲同様、目まぐるしく移り変わって行くのである。

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『シラノ』通信

4月3日(金)

  1幕2場に入る。

  1幕2場はラグノーの料理屋兼菓子屋の店内である。
  光枝明彦さん演じるラグノーは料理人だが、多くの売れない詩人のパトロンでもあり、自身も詩人気取りの男である。加えて、詩人シラノの崇拝者でもある。
  場面は1幕1場の翌朝、開店準備に忙しいラグノーの店にシラノが現れて(以下自己規制)。
  今日はこの場面の冒頭にあるミュージカル・ナンバー「料理人で詩人」をステージング。タイトルの「料理人」で「詩人」とは店の主人・ラグノーのことである。
  このナンバーは、ラグノーが店の女の子たちを従えて歌う楽しい場面である。前田清実さんの手際の良い稽古場さばきで、その楽しさが見る見る形になって行く。

  ステージングの後は1幕1場前半のおさらい。オープニングが良い形になって来た。

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『シラノ』通信

4月2日(木)

  1幕1場の後半を作る。

  3月16日に始まった『シラノ』の稽古。稽古場を引っ越すごとにスペースが広くなって行き、3か所目のここでは遂に稽古用の大道具が建て込まれた。ここは広いだけではなく高いので(天井が。料金が、ではない)、2階部分もしっかり組み立てられている。これで有名なバルコニー・シークェンスの稽古も一安心。

  さて、今日稽古した1幕1場の後半は、前半とは打って変わって少人数でストーリーが進んで行く。シラノ・ド・ベルジュラックと言う異様な鼻の持ち主の、繊細でロマンティックな素顔が見えてくる場面である。
  ここにはミュージカル・ナンバーが2つある。シラノの「ロクサーヌ」と、シラノと仲間たちの「相手は百人」である。前後の芝居部分も含め、今日はこの2つのナンバーをステージング。
  『シラノ』では、ステージングはダンスであるよりも芝居の延長と捉えよう、と言うのが振付の前田清実さんと私の了解事項である。なのでここでも前田さんは、それぞれのナンバーを必要最小限の動きで構築して行く。最小限だが、清実さんの作り出す動きは最大の効果を発揮する。その動きのお陰で、登場人物の個性や、そのナンバーがどこに向かって行くのか、などがとてもはっきりと見えてくるのである。

  何よりも、ミュージカルとしての楽しさが倍加するのが素晴らしい。

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『ザ・ヒットパレード』大阪初日

4月1日(水)

  『シラノ』は稽古場が再度引っ越しのため稽古OFF。私は大阪のシアターBRAVA!へ。

  初めてのシアターBRAVA!である。大阪には演出部だった時代から何度も来ているが、梅田か上本町での仕事が殆どだった。なので、大阪城エリアは初めてである。
  JR大阪環状線の大阪城公園駅を降りると、何やら大勢の人でごった返している。『ザ・ヒットパレード』に詰め掛けるお客様がこんなに!?  とは思わなかったが、そうですか、大阪城ホールはここだったんですね。
  水上バス乗り場の脇を抜け、寝屋川を渡り、シアターBRAVA!へ。JRを降りる頃から雲行きが怪しくなり、風も強く、雨も降り出した。大阪城公園の桜もこれでは散ってしまうだろう。生憎な天気となったが、この雨は開場時刻までには上がった。

  大阪のお客様は暖かかった。面白いと感じれば声を出して笑い、そして至る所で拍手をしてくださった。出演者たちはル・テアトル銀座での反応との違いに、喜んだり戸惑ったりしていた。
  私は2階席から観劇した。シアターBRAVA!の2階席はル・テアトル銀座にはなかった距離と角度なので、どんな風に見えるのか、何が見えるのか、それを知っておきたかったのである。
  想像以上に舞台面が良く見えて、照明の変化がとても美しかった。2幕の「Get Back Good Days」の時のコタツの天板がとても幻想的に見えたのは新発見であった。同時に、大勢のフォーメーションが少しでもずれると、それもはっきりと分かる。何かと収穫の多い観劇であった。

  終演後、劇場を出ると大阪の空に虹が架かっていた。帰りの駅弁は何にしようかと考えながら帰路についた。

  『ザ・ヒットパレード』大阪公演は4月5日まで。お見逃しなく!

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『シラノ』通信

3月31日(火)

  「幕を上げろ」に続く場面を作る。

  ミュージカル『シラノ』は、ほぼロスタンの戯曲通りにストーリーが展開する。
  1幕1場の舞台はパリの劇場「ブルゴーニュ座」。バルタザール・バロー作の芝居『クロリーズ』初日の夜、と言う設定である。ここには芝居好きの老若男女が、貴族から平民まで、軍人からスリまで、大勢集まって異様な興奮に包まれている。人々がなぜ興奮しているのか、と言うと(以下、ネタバレを避けるため自己規制)。
  そして我らが主人公、剣豪にして詩人、巨大な鼻の持ち主、シラノが登場、『クロリーズ』の主演俳優である(以下自己規制)。

  このブログではネタバレを避けるため、いつも内容の詳細には触れないことにしている。どうしても知りたい方は原作戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』をどうぞ。
  光文社からは昨年、渡辺守章さんによる新訳が出たし(とても読み易い)、岩波文庫には長年親しまれた辰野隆さん、鈴木信太郎さん共訳の物がある。

  今日の稽古ではアクションの渥美博さんが大活躍であった。詳しいことには触れないが、剣豪の話、だからね。

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『シラノ』通信

3月30日(月)

  立ち稽古。1幕のオープニング「幕を上げろ」をステージング。

  振付の前田清実さんと、6分間のミュージカル・ナンバーを6時間かけて作る。
  ここにはほぼ全員に近い出演者が登場している。歌う人物も次々と入れ替わり、歌う内容も刻々と変化するので、どうしてもこういう場面の稽古には時間がかかってしまうのである。
  まずはナンバーを歌い継いで行く人々(それが「観客が無意識の内に追いかけるターゲット」になる訳だが)をどう見せるかを作り、それがある程度整理整頓された段階で、今度は別の動きをしているそれ以外の人々を組み込んで行く。試行錯誤の繰り返しなので、俳優の自発的な行動やアイデアに助けられることも多い。
  この手の場面を作る時は、肉体的な疲労も然り乍ら、精神的な疲労が大いに伴うものである(つまり「頭がウニ」)。今日もキャスト&クリエイティブ・チーム共々、大いに困憊(こんぱい)したのであった。

  明日はオープニングに続く芝居部分を作る予定。

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『シラノ』通信

3月28日(土)

  歌入り読み合わせ、2回目。

  今日は各場毎に止めて、その場面の狙いであるとか解釈であるとか課題であるとかを確認しながらの読み合わせであった。
  読み合わせも進み最終場面。幕切れがいよいよ近づいてくると稽古場のあちこちから鼻をすする音が。稽古終了後、訳詞の竜真知子さんと振付の前田清実さんがしみじみと「我慢できませんでした」とおっしゃっていた。
  『シラノ』は、とにかく良い話なのだと思う。

  稽古後はステージングの打ち合わせ。

  週明けより立ち稽古に入るが、ファースト・シーンはミュージカル・ナンバー「幕を上げろ」なので、そのナンバーをどのように組み立てるかを前田清実さんと打ち合わせ。のっけから6分に及ぶ大きなナンバーで、その中で主要人物の紹介と物語の説明が行われる。かなり込み入った場面になりそうなので、こうした事前の打ち合わせが欠かせない。

  明日は稽古OFF。じっくりと『シラノ』の構想を練りたいと思う。

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『シラノ』通信

3月27日(金)

  色々なことが一気に動き出した1日であった。

  まず、衣裳のデザイン画が届く。
  衣裳デザイナーの小峰リリーさんが、『シラノ』に登場する全キャラクターの衣裳デザインを描いて来てくださった。『シラノ』の舞台は1640年のパリ、そして終景はその15年後である。衣裳もバロックで始まり、それが終景ではロココに変わる。色彩設計が見事で、青年隊のユニフォームも実に洒落ている。このデザイン画通りに衣裳が仕上がるといいな。

  そして舞台模型が届く。
  美術デザイナーの堀尾幸男さんの工房から、舞台美術のミニチュア模型が送られて来た。『シラノ』は1幕が3場面、2幕が2場面の全5場面である。基本舞台は先日テストした「ある素材」で作られており、そこにそれぞれの場面で必要なセットが持ち出されることでシーンを作って行く。余分な説明を廃した、シンプルでスマートな舞台美術だと思う。

  稽古はついに全員が集合(若干の欠席者あり)。今まで別々に行われていた歌稽古を、今日は全員で(若干の欠席者あり)行なった。
  歌稽古に引き続いては歌入り読み合わせ。いよいよ『シラノ』の全体像が姿を現した。
  『シラノ』では、登場人物ひとりひとりが血の通った人間であって欲しい。そのひとりひとりが、心から笑い、怒り、恐れ、恥じらい、信じ、裏切り、そして愛して欲しい。そう思っている。

  『シラノ』は何よりも美しいミュージカルでありたい。そして血沸き肉踊る冒険物語でもありたい。そして、こよなくロマンティックなラヴ・ストーリーでありたい。
  今日はそれが言葉では終わらないと言うことが実感できた、収穫の多い、手応えのある1日であった。

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『シラノ』通信

3月26日(木)

  稽古の前に歌詞直しのミーティング。

  訳詞の竜真知子さんを中心に、鹿賀さん、歌唱指導の林アキラさん等と、幾つかのミュージカル・ナンバーの歌詞を手直し。
  歌詞を修正するミーティングは今までも随時行われて来た。譜面上でOKになった歌詞も、繰り返し歌っていると、或いは作品やキャラクターの理解が深化して行くと、他にもっと相応しい言葉があるのではないか、と言うことになる場合が多い。
  翻訳ミュージカルを日本語で上演する場合、イントネーションやリズムの問題、そして情報量の問題で、訳詞作りには相当な困難が伴う。時には日本語でミュージカルを作ることに絶望を感じてしまうことすらあるほどの困難である。
  が、ミュージカルで歌詞はやはり生命線。諦めずに、より相応しい言葉を探して、歌詞直しは初日まで続くことになるだろう。歌詞のことについては竜さんも鹿賀さんも頭が下がる位貪欲である。

  歌稽古はシラノ、ロクサーヌ、クリスチャンで。

  歌詞だけでなく、音楽の方も随時更新されている。
  『シラノ』はまだどこでも上演されていないので音楽スコアが不完全だ、と言うことは以前にも触れた。イントロや間奏やエンディングなどがまだ仮の物なのである。それらが、実際の上演を想定した物に日々ヴァージョン・アップされているのである。
  今日の稽古では、そのヴァージョン・アップされたスコアを使って、ミュージカル・ナンバーの前後の台詞部分も含めて稽古した。歌稽古も少しずつ芝居の稽古に近づいて来ている。

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『シラノ』通信

3月24日(火)

  今日も歌稽古。だが、私は別の場所へ。

  出掛けたのは「LIGHTING  COMPANY  あかり組」の事務所、兼機材倉庫である。『シラノ』の舞台美術に使用が検討されている「ある素材」の見え方を、照明の条件を変えながらテストするのが今日の目的であった。
  舞台監督の北条さん、舞台美術製作を請け負ってくださる俳優座劇場舞台美術部の石元さん、それに「あかり組」の方々も手伝ってくださって、美術デザイナーの堀尾さん、照明デザイナーの成瀬さん、プロデューサー、そして私の立会いの下、テストは行われた。
  この素材は堀尾さんが提案してくれた物で、その実物を「あかり組」の機材倉庫に持ち込み、これまた使用が想定されている照明機材で照明してみて色々なことをチェックしたのである。
  テストの結果、無事に「これで行きましょう」と言うことになったのだが、ここから先もクリアしなければならない課題は多い。ネタバレを避けるために曖昧な書き方になってしまって申し訳ないのだが、クリエイティブ・チーム一同、常に新しい表現を目指して日々努力をしています、と言うことを感じて頂ければ幸いである。

  テスト後は音楽監督の八幡茂さんと音楽スコアについて打ち合わせ。

  一昨日(22日)、演出助手の小川さんと意見交換した作品全体の音楽構成について、実際に編曲とオーケストレーションを担当してくださる八幡さんと意見交換。
  八幡さんは、日本でオリジナル・ミュージカル作りを続けていらした数少ない貴重な人材のひとりである。ここ数年、日本ではミュージカルの上演本数が飛躍的に増加したが、その多くで八幡さんのお名前を発見することができる。ミュージカルのことを隅々まで知っている八幡さんの様な方がいよいよ貴重な存在となっているのである。
  八幡さんはミスター・ワイルドホーンの東宝での前作『ルドルフ』でも同様の仕事を経験されている。『シラノ』世界初演の成否は八幡さんが握っている、と言っても決して過言ではない、と思う。

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卒業式 そして『シラノ』通信

3月23日(月)

  東宝ミュージカルアカデミー3期生の卒業式。

  卒業公演『レ・ミゼラブル』も無事に終え、今日を持って3期生の全カリキュラムは終了する。
  卒業後の進路は様々である。すでに大きな舞台の決まっている者もあれば、全くの白紙状態な者もあろう。現実の俳優への道は過酷である。が、どうかこの1年間のことを忘れないで欲しい。この1年間の苦しさ、悔しさ、そして仲間たちのことを思い出せば、どんな困難も乗り越えることができる筈である。
  君たちの前には無限の未来が広がっている。卒業おめでとう。

  『シラノ』は今日も歌稽古。

  まずは浦井健治さん。浦井さんは中河内さんとダブルキャストでクリスチャンを演じる。
  現在『回転木馬』の本番中である浦井さんはワイルドな出立ちで現れた。『シラノ』の後も『ダンス  オブ  ヴァンパイア』『ヘンリー6世』と、今年の浦井さんは舞台が途切れる暇がない。とても充実した1年になるだろう。
  続いて鹿賀丈史さんの登場。
  鹿賀さんとは昨日もトークセッションでご一緒だったが、とにかくこの作品に夢中、と言った様子である。シラノ役は全編ほぼ出突っ張りで、台詞もミュージカル・ナンバーも膨大である。鹿賀さんが「夢中」なのには恐らく2つの意味があって、ひとつはこの作品とキャラクターをこよなく愛しているから、もうひとつは覚えることが余りにも多過ぎるから、であろう。
  がんばれ鹿賀さん!
  そして最後にコーラスの歌稽古。
  コーラスと言っても、このグループにはシラノの友人ル・ブレ役を演じる戸井勝海さんや光枝さんも含まれている。『ジキル&ハイド』同様、このカンパニーの歌唱力は抜群に高い。

  充実した舞台になるだろう。

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『シラノ』通信

3月22日(日)

  有楽町のニッポン放送imagineスタジオにて「シラノ・ド・ベルジュラック」トークセッション。

  セッションは1部と2部に分かれていて、1部では演出家でフランス文学者の渡辺守章さんが「シラノ・ド・ベルジュラック」の成立過程や特徴などを講義、2部では渡辺さんに加えて鹿賀丈史さん、朝海ひかるさん、そして私が登壇、司会者からの質問に答えて意気込みや見どころを語った。
  渡辺さんは昨年末に光文社さんより『シラノ・ド・ベルジュラック』の新訳を出されたばかりで、それでは……と、光文社さんとミュージカル『シラノ』チームとの言わばタイアップで実現した今日の企画であった。
  13時からと15時からの2ステージ(?)で、生憎の空模様にもかかわらず大勢にお越しいただいた。その様子は……どこかにUPされるのかな?

  トークセッションを終えて稽古場へ。

  今日は朝海さんと中河内さんの歌稽古。ロクサーヌとクリスチャンのデュエット・ナンバーを、今日は初めて2人顔を合わせてさらう。
  稽古後、ミュージカル・ナンバー以外の音楽をどうするか、演出助手の小川美也子さんと意見交換。世界初演、と言うことは、完成された音楽スコアが存在していない、と言うことでもある。
  今回の仕事はオリジナル・ミュージカルを1ゼロら立ち上げるのに近い。……と書いて、昨年5月にミスター・ワイルドホーンがミーティングで語った言葉を思い出した(こちらを参照)。

  今、自分でその日記を読み直して気持ちを新たにしました。

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『シラノ』通信

3月21日(土)

  稽古は休み。だが舞台美術の打ち合わせ。

  『シラノ』の舞台美術デザイナーは堀尾幸男さん、照明デザイナーは成瀬一裕さん、そして舞台監督は北条孝さんである。昨年末以来、既に何度か打ち合わせを重ねており、基本的な舞台美術の方向は定まっている。が、立ち稽古を開始するにあたって今一度細部の確認をして置きたかったので、今日は上記の3人に集合していただいた。
  私を含めこの4人は結構多忙である。なので、スケジュールを合わせることが一仕事なのだが、これは「4人が売れっ子だ」と言う話をしたいのではなくて、演劇のロングラン・システムが定着していないこの国で演劇を職業として行く為には、ひとつでも多くの仕事を取らなければならないのだ、と言う話である。
  閑話休題。舞台美術の方は、もう少しディテールを詰める必要はあるのだが、演出プラン練ることができる所までは来た。一安心。

  夜は世田谷パブリックシアターへ。東宝ミュージカルアカデミー3期生の卒業公演『レ・ミゼラブル』観劇。

  実に感動的な『レ・ミゼラブル』であった。感動の理由は多々あるが、生徒ひとりひとりの一年間の頑張りと成長を見続けて来たことがどの理由よりも大きい。早いものである。つい先日入学したばかりの様に感じていた3期生がもう卒業なのである。
  手探り状態で開校したアカデミーもいよいよ4年目に突入する。3期生と、それに続く未来の卒業生たちの将来が輝かしいものであります様に!

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『シラノ』通信

3月20日(金)

  歌稽古、今日は中河内さんとコーラス。

  稽古と並行して振付とアクションの打ち合わせ。
  『シラノ』の振付は前田清実さん、アクションは渥美博さんである。前田さんは『ペテン師と詐欺師』(演出は宮田慶子さん)で、渥美さんは『ジキル&ハイド』で、それぞれ鹿賀さんのミュージカルに参加されている。今回は、鹿賀さんのことを良く知っているチームで作品作りをしたかった。なのでお2人にも声を掛けたのである。
  今日はミュージカル・ナンバーをどういう狙いで作るのか、誰がそのナンバーを中心になって担当するのか、について意見交換。恐らく『シラノ』では、ダンスをメインとするナンバーはそれほど多くはならない。「踊る」のではなく、音楽を利用して、音楽に合わせて「動く」ナンバーが大半である、と言う意味である。
  その中でも、動きを積極的に様式化するナンバーは前田さんの担当、決闘や戦闘がメインになるナンバーは渥美さん、そして芝居の延長にあるナンバーは私、と言う考え方で、ではどのナンバーがそうなのか、と言うことを話し合った。

  打ち合わせ後、お2人に演出助手の小川美也子さんを加えた4人で食事へ。食べるのも忘れて打ち合わせていたので、みんな腹ペコだったのである。
  気が置けない仲間と喋るのは楽しい。今日は仕事の話は全く出なかったし。

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『シラノ』通信

3月19日(木)

  稽古前に衣裳とヘアメイクの打ち合わせ。

  衣裳デザイナーは小峰リリーさん、ヘアメイク・デザイナーは武田千卷さんである。
  お2人は『ジキル&ハイド』で鹿賀さんを19世紀イギリスの科学者と殺人鬼に、『ラ・カージュ・オ・フォール』で南フランスのゲイ・クラブのオーナーに変身させてくださったコンビである。今回は16世紀フランスの武人にして詩人である。デザインが上がって来るのが楽しみだ。

  稽古場に移動して歌稽古。前半は光枝さんと女性コーラス。後半は男性コーラス。

  『シラノ』には壮大なコーラスもあれば短いソロを歌い継いで行くナンバーもある。稽古では全体で音を確認する作業と同時に、ソロ・パートを色々な人に歌ってもらって、誰が適任かを確認する作業もしている。だが「誰が」と言っても全員が適任に思えてしまい、中々決められない。

  優柔不断な私をお許しください。

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『シラノ』通信

3月18日(水)

  歌稽古。今日は鈴木綜馬さんから。綜馬さんは恋敵ド・ギッシュ伯爵を演じる。

  『シラノ』の登場人物の何人かは実在の人物である。シラノ自身がまずそうだし、そしてこのド・ギッシュもまたそうである。ただし、実在した人物だと言っても作者エドモン・ロスタンの脚色が大いに施されている訳で、人物像もエピソードも史実通りと言うことではない。
  ド・ギッシュ伯爵は当時の実力者で、時の最高権力者リシュリュー枢機卿の姪を妻に娶っていた。それは事実である。が、実際のド・ギッシュ伯爵は『シラノ』に登場するような巨悪では無く、大変な聖人君子であったらしい。そしてフランス元帥にまで出世した。
  綜馬さんは稽古場に現れると開口一番「これ(『シラノ』のことです)すっごく面白いよねえ!」とおっしゃった。もちろん私も同意見なのだが、出演者にそう感じてもらえるのは演出家としては大変ありがたい。品があってエレガントで、知性も権力も身につけた男ド・ギッシュ。綜馬さんにぴったりの役だと思う。

  本日の歌稽古、2人目は中河内雅貴さん。中河内さんは浦井健治さんとダブル・キャストでクリスチャンを演じる。
  クリスチャンはとにかく「いい男」だ。そう言う風に脚本には書かれている。そして観客にそう信じてもらえないと話が進まない。難しい役だと思う。が、中河内さんなら心配はいらないだろう(もちろん浦井さんも)。
  『シラノ』は、自分を信じて疑わない純真な青年が成長して行く物語でもある。フランスの片田舎ガスコーニュから花のパリへとやって来た怖いもの知らずの「いい男」が、ある日人生の真実を知り、そしてそれまでとは違った行動をとる。
  中河内さんの今の素直さと、これからの稽古で身につけるであろう複雑さが、良い形で舞台に現れるのではないか、と今は密かに期待している。

  公式ページに既に記載されているのでご存知の方も多いと思うが、アフター・トーク・イベントが開催されることになった。5月8日、13日、26日のそれぞれ終演後で、詳細はこちらから「アフター・トーク・イベント詳細」をクリックしてください。

  おまけにもうひとつ。『ミー&マイガール』公式ページでは先日の製作発表で歌う芳雄君&玲奈ちゃんや前回公演のダイジェストなど、動画が続々とUPされている。
  更におまけで、『パイレート・クイーン』の新しいチラシが出来上がった。公式ページのデザインもチラシにならってリニューアルされたので、興味のある方は覗いてみてください。
  えーい、ついでにもうひとつ。『ダンス オブ ヴァンパイア』公式ページには「ニュースです。(その2)」と言う怪しげなリンク・ボタンが現れた。

  ……ガッカリしないと良いのだが。

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『シラノ』通信

3月17日(火)

  歌稽古。まずは朝海ひかるさん。

  朝海さんは『トライアンフ・オブ・ラヴ』『エリザベート』と、180度異なるキャラクターを鮮やかに演じ分けた(『Calli』は未見です、ゴメンなさい)。そして今回はロクサーヌである。プリンセス・レオニードともエリザベートとも異なる、朝海さんの瑞々しい一面がご覧いただけるのではないかと思う。
  ロクサーヌにはロマンティックなデュエットや情熱的なラヴ・ソングなど、ミスター・ワイルドホーンらしいダイナミック、且つ繊細なナンバーが幾つも用意されている。それぞれが、ロクサーヌの中で大きくうねり変化する感情の表れである。
  ストーリー上、彼女には人生の重大事が立て続けに降りかかる。それは喜びであったり、悲しみであったり、或いは尊敬であったり、不安であったり……、それらがみな素晴らしいミュージカル・ナンバーとなっているのである。

  朝海さんの後は、昨日に引き続いてコーラス稽古。

  昨日音取りしたM1をさらい、続いて2幕幕開きのナンバーを当る。更にその後、ラグノーを囲む女性たちのパートを稽古。
  ミュージカル『シラノ』の歌唱指導は林アキラさんである。アキラさんは今回出演者も兼ねているので、二足の草鞋で昨日も今日も結構忙しい。が、歌稽古はアキラさんの人柄同様、穏やかで丁寧で、着実に進んでいる。

  頼りにしています。

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『シラノ』通信

3月16日(月)

  ミュージカル『シラノ』の歌稽古が始まった。

  ミュージカル『シラノ』は、『ジキル&ハイド』を作り出したコンビ、レスリー・ブリッカス(脚本・作詞)&フランク・ワイルドホーン(音楽)による新作ミュージカルである。まだ世界のどこでも上演されていない。
  以前「この4月にスペインでオープン」との情報があったが、今日現在、ミスター・ワイルドホーンの公式ページを覗いてもそれらしい記述は見当たらない。どうやら私たちの日本版が世界初演と言うことになりそうである。

  ミュージカル『シラノ』の原作は、フランスの劇作家エドモン・ロスタンが19世紀末に発表した大ヒット作『シラノ・ド・ベルジュラック』である。元々が戯曲として書かれているせいもあるだろうが、そのミュージカル化である本作はかなり原戯曲に忠実に話が進行する。そういう意味ではオーソドックスなミュージカル化であると言える。
  今日の歌稽古は、オープニング・ナンバーとなるM1「幕を上げろ」のコーラス稽古から。世界初演作品なのでネタバレを避けて細部には触れない様にしようと思うが、まあ大勢が登場して、主要人物の紹介があって……と言う、やや手の込んだナンバーである。今日はこの1曲の音取りだけで3時間半を費やした。でもまあ、ミュージカルの稽古初めは大抵こんなペースである。

  コーラス稽古の後は光枝明彦さんの歌稽古。光枝さんは詩人気取りの菓子職人・ラグノーを演じる。
  私は光枝さんとは今回が初めての仕事なのだが、光枝さんの舞台は色々と拝見して来た。『アプローズ』のブロードウェイの劇作家、『エビータ』のアルゼンチン大統領、『キャッツ』の役者猫、『壁抜け男』の変テコな囚人……。どれもが光枝さんならではのじっくりと作り込まれた見事な役作りであった。
  今回のラグノー役では光枝さんの軽妙な部分を楽しんでいただけると思う。お楽しみに。

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『ミー&マイガール』製作発表

3月11日(水)

  グランドプリンスホテル赤坂にて『ミー&マイガール』の製作発表。

  『ミー&マイガール』は1937年にロンドンのヴィクトリア・パレス劇場で初演された大ヒット・ミュージカルである。1985年には大幅に改定が施されてロンドンでリバイバル、これまた大ヒットとなった。以後上演されているのは東宝版も宝塚版もこのヴァージョンに基づいている。
  ロンドンでの余勢を駆って1986年にはブロードウェイに進出し、ここでも大ヒット。更には1987年、日本でも宝塚歌劇団による上演が行われこれまた大ヒット。そして我々の東宝版ミー&マイガール』は2003年の3月に帝劇で初演。今回の上演は2006年に続く3演目である。

  今日の製作発表には井上芳雄さん、笹本玲奈さん、貴城けいさん、本間憲一さん、涼風真世さん、草刈正雄さん、そして私が出席した。
  まずは井上さんと笹本さんがタイトル・ソングをデュエット。続いて上記の面々が登壇し、それぞれ抱負を述べた後に演劇記者の皆さんと質疑応答。最後に写真撮影と囲み取材があり終了であった。

  今回は6月の帝劇での上演の後、東宝版としては初めて帝劇以外の劇場へ赴く。7月の中日劇場であるが、帝劇とは一味違った『ミー&マイガール』になるのではないか、と私自身も楽しみにしている。

  でも、その前に『シラノ』。来週から歌稽古が始まる。『シラノ』通信も来週からスタートの予定。

  2作品ともどうぞお楽しみに!

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『ザ・ヒットパレード』通信 初日!

3月5日(木)

  午前中からテクニカル・リハーサル。昨日のゲネプロで上手く行かなかったスタッフ・ワークをここでもう一度調整。
  午後、まずは昨日できなかった駄目出しを。そして何箇所か芝居を手直しし、更にその後バンドさんと何曲か合わせる。
  16時、舞台にて初日のお祓い。終了後、各セクションは最後の調整。

  19時、定刻に開演。途中20分の休憩を挟んで、カーテン・コールを終えたのは22時。良い初日であった。
  終演後、劇場ホワイエにてキャストとスタッフで初日の乾杯。乾杯後「一言挨拶を」と求められたが、2幕の緞帳が下りると同時に緊張の糸が切れた私は上手く挨拶できなかった。今回の再演で一番の心残りはそのことであった。

  これで『ザ・ヒットパレード』通信は終わりである。ご愛読ありがとうございました。
  次は『シラノ』通信。程なくスタートの予定です。

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『ザ・ヒットパレード』通信

3月4日(水)

  銀座では積もらなかった。

  昼過ぎまで各セクションの調整。14時より舞台稽古の続き。順調に消化して、19時より通し舞台稽古(ゲネプロ=戸田恵子さんのブログを参照されたし)。
  退館時間が迫っていたので駄目出しや直しは明日。

  明日はいよいよ初日。ル・テアトル銀座でお待ちしています。

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『ザ・ヒットパレード』通信

3月3日(火)

  大道具の調整に手間取り、舞台稽古の開始が1時間遅れる。が、巻きに巻いて1時間の遅れを取り戻す。

  仕事を終えて劇場を出ると、夕方から降り始めた雨がいつの間にか雪に変わっていた。桃の節句だと言うのに。積もるだろうか。

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『ザ・ヒットパレード』通信

3月2日(月)

  朝から道具調べ・照明合わせの続き。そして夕方より、まずバンドさんのみのサウンド・チェック。その後出演者も加わってのサウンド・チェック。舞台監督の幸光(こうみつ)さん(皆は愛をこめて「じゅんぺい」と呼び捨てにするが)による舞台上・舞台裏のオリエンテーションの後、18時より舞台稽古スタート。

  幕開きから1幕3場まで、まずは無事に予定を消化して終了。その後、明かりを少し直す。舞台稽古中、初演時の大変だったあれやこれやが蘇って来た。初演は幕を明けるまで連日大変だったのだ。あの時の我々は本当に良くやったと思う。

  明日も首尾良く運びます様に。

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『ザ・ヒットパレード』通信

3月1日(日)

  午後から道具調べ・照明合わせ。夜、1幕のテクニカル・リハーサル。

  さすがに再演なので劇場の雰囲気は落ち着いている。が、『ザ・ヒットパレード』は現代のミュージカルではあるから作業量が膨大であることに変わりはない。予定していた作業をやや積み残して本日は終了。
  以前も記したが、舞台美術や照明などに大きな変更はない。が、小さな変更は無数にある。その観客には気付かれないかもしれない様な変更のひとつひとつが、作品を大きく進化させるのだと思う。

  明日も朝から今日の続き。午後には俳優さんたちも入って来る。

  私信/礼央くんへ。私でした。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月28日(土)

  ル・テアトル銀座に戻って来た。

  ここも思い出深い劇場のひとつである。
  『鹿鳴館』『春が来た』『検察側の証人』『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』『ナイル殺人事件』『シンデレラストーリー』「創作舞踊劇場『予言』」、そして『ザ・ヒットパレード』がこの劇場から生まれて行った。
  今日は朝から搬入、そして仕込み。大道具、照明、音響、その他各セクションが与えられた仕事を要領よくこなして行く。今日は演出家の出番はないのだが、このブログをいつも読んでくださっている方にはもうお分かりの通り、今日も劇場に顔を出した。

  私の「劇場好き」の事は幾度となく記して来たので省略するが、まあつまり、劇場は楽しいなあ!

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月27日(金)

  今日の東京地方は雪交じりの雨であった。

  それはともかく、稽古場最終日である。バンド付きで2度目の通し稽古であった。
  時間は30秒くらいしか縮まなかったが、内容の方は充実していた。この分だと上演時間は1幕が1時間25分程度、20分の休憩を挟んで、2幕が1時間10分程度、プラス、カーテン・コールで、トータルして3時間弱と言った辺りに落ち着きそうである。つまり、初演とほぼ変わらない上演時間である。
  通し稽古終了後、稽古場最後の駄目出し。そして稽古場での全スケジュールを終了した。スタッフは引き続き稽古場の撤収。明日は朝からル・テアトル銀座で仕込み作業がスタートする。稽古は休みである。

  稽古後、東宝ミュージカルアカデミー3期生のダンス試演会へ。3期生たちの意外な粘り強さを見せられた。嬉しい誤算であった。 

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月26日(木)

  通し稽古、バンド付き。

  音楽との関係など、細部の調整は更に必要だが、全体としてはいい感じに仕上がって来た。ただ・・・・・・もうちょっと縮まないかなあ。
  通し稽古終了後、駄目出し。日々の課題は順調に消化されていると思う。駄目出しの後はカーテン・コールを作る・・・・・・と言うより、思い出す。更にその後、宮川彬良さんによるザ・ピーナッツのお2人の抜き稽古。
  稽古、と言うより、本当のザ・ピーナッツのことや、ザ・ピーナッツの楽曲を作った人たち――岩谷時子さんや宮川彬良さんのお父様のこと、等々を宮川さんは話された。

  明日は稽古場最終日。そして、いよいよ劇場へ!

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月25日(水)

  バンド合わせ。

  このブログでは「オケ合わせ」と書かれることが多いが、『ザ・ヒットパレード』ではオーケストラではなくてバンドなので「バンド合わせ」である。10人編成の、その名も「宮川彬良とザ・ヒットパレード」。因みに、私が名付けた訳ではない。
  今日1日を費やして、ミュージカル・ナンバーやBGMが鳴っている場面をひと通り、歌や演奏のニュアンスに修正を加えながら当たる。やっぱり生はいいなあ!

  残すところ稽古場はあと2日。明日はバンド付き通し稽古。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月24日(火)

  ミュージカル・ナンバー中心の固めデー。

  明日よりバンドさんたちが稽古場に入って来る。なので、音楽絡みで整理整頓が付いていない部分を今日の内に潰しておこう、と言う訳である。バンドさんたちが来ると稽古場で実寸を確保することができなくなる、と言うこともある。
  まずはザ・ピーナッツのお2人の部分を固め、その後「ヒットパレード・メドレー」など、全員でのナンバーを何曲か当たる。大勢のためにステージングされたナンバーは、ステップ自体はシンプルで決して難易度も高くはないが、全体でフォーメーションやタイミングを揃えるのは意外と難しい。揃うまで、こうして何度も何度もさらうのである。

  稽古と並行して鬘(かつら)合わせ。ヘア・デザインは宮内宏明さんである。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月23日(月)

  ザ・ピーナッツの抜き稽古。その後、劇場で流れるアナウンスの録音。更にその後、2回目の通し稽古。

  アナウンスを担当するのは初演と同じあの人。アナウンスの内容も本編同様、初演と大きくは変わっていない。が、新録音である。
  そして通し稽古。
  昨日施した細かい修正を、繋げてみるとどうなるのか?  こうなるのか。もう少し短くなっていると思ったが、あまり変わらなかったなあ。次回に期待。

  明日の『プレミアの巣窟』で(正確には2月25日の午前2時23分よりフジテレビにて)『ザ・ヒットパレード』の稽古場風景や原田さん、戸田さんのインタビューなどがオンエアされる予定。RAG FAIRのみなさんもゲスト出演。お楽しみに!

  追記/渡辺ミキさんのブログに書かれているから公にしてもいいと思うのだが、通し稽古の前にRAG FAIRの加藤慶之さんから本日入籍の嬉しい報告が。加藤さん、おめでとうございます!

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月22日(日)

  本編の稽古前に原田さんのウッド・ベースの稽古。

  原田さん演ずる渡辺シンさんは、若い頃ジャズ・バンドでベースを弾いていた、と言う設定である。劇中にも僅かだがベースを弾くシーンが登場する。なので今日はベースの持ち方、弦の弾き方など、演奏テクニックを本物のミュージシャンの方に教えていただいた。
  原田さんは初演の時も、何日もかけてベースの持ち方、弾き方をレッスンされた。今日は、もう一度初心に帰って基本からやり直そう、と言うことなのである。原田さんは至って真面目な方なのである。

  本編の稽古は場面毎に全幕を当る。
  一昨日の通し稽古で見えて来た課題を、今日1日かけて場面毎に整理、修正。より精密に、より繊細に、より大胆に。明日は2回目の通し稽古。良い結果が出ます様に!

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月20日(金)

  ザ・ピーナッツのお2人の抜き稽古、そして「ヒットパレード・メドレー」のステージングをさらった後、通し稽古。

  初演時とほぼ同じタイム。もう少し、1分でも2分でも縮めたい。もちろん初めての通しである。台詞が噛み合いテンポが出ればまだまだ短縮されるだろう。
  通し稽古の後、照明打ち合わせ。照明デザイナーは高見和義さんである。
  ここでも何度か記したが、今回の再演では大きな変更はしていないが細部には結構手を入れている。舞台美術や照明も基本は初演を踏襲するのだが、それでも本編の微調整に伴って、観客に気が付かれないような部分で色々と修正をするつもりである。その打ち合わせ。

  気が付けば、稽古場も残り1週間である。いい感じに仕上がって来ているので、さらに精度を上げて上を目指したい。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月19日(木)

  稽古前に三上さんの衣裳合わせ、そして「マダム・ロカビリーとベースマン」シークェンスの原田さんと戸田さんの衣裳合わせ。
  このシークェンスの衣裳は初演時の物に改造を施した。なのでその仕上がり具合を、実際のステージング通りに動きながらチェック、それを踏まえて衣裳とステージングに更に微調整を加える。

  衣裳合わせの後は、昨日の2幕に続いて、1幕をひと通りおさらい。
  段取りが曖昧なままだった部分や、久し振りでなんだかよく覚えていませんでした部分を固め直しながら、全場面を順番にあたった。
  ひと通り稽古を終えた所で、『ザ・ヒットパレード』の生みの親のひとり、宮川彬良さんによる歌稽古。
  宮川さんは『ザ・ヒットパレード』では作曲家であり編曲者であり音楽監督でありバンド・リーダーであり、そしてミュージシャンでもある。その宮川さんから改めて、楽曲のイメージやニュアンス、その楽曲の持つ意味合いやその表現方法などについて丁寧にレクチャーしていただいた。

  『ザ・ヒットパレード』に籠められた関係者ひとりひとりの思いが、どうかそのまま客席に届きます様に。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月18日(水)

  稽古前にフジテレビ『プレミアの巣窟』の取材を受ける。
  『プレミアの巣窟』は毎週火曜日の深夜に放送されているエンターテインメント情報の番組で、今日は稽古場にも取材のカメラが入った。その様子は2月24日の放送でオンエアされるらしいのでお楽しみに。

  さて、稽古はまだ手を着けていなかったラスト・シーンから。ここは何度見ても泣きそうになってしまう。鈴木聡さんは本当に素敵な台詞を書くなあ。
  その後、2幕をひと通りおさらい。ステージングのあいまいな部分や歌の約束事、そして芝居の細かいニュアンスやタイミングなどを確認。
  全体の稽古を終えた後、RAG FAIRは2幕後半にある彼らのナンバー「1975 to 86」を繰り返しさらっていた。この伴奏なしのア・カペラ・ナンバーは彼らの独壇場である。と言うより、これは彼らにしかできないナンバーである。
  普段の彼らはくつろいでいてユーモアがあり、同時に誠実で真摯で、彼らの音楽が醸し出す雰囲気そのまま、といった感じである。自分たちのア・カペラ・ナンバーを稽古する時の彼らには、それに真剣さとしつこさが加わる。

  決して妥協しない音楽のプロフェッショナルたち、と言った風情で、最高に格好いいのである。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月17日(火)

  またまたザ・ピーナッツの集中稽古デー。

  まずは、まだ手を着けていなかったザ・ピーナッツの「ラスト・コンサート」場面のメドレーをステージング。数ある2人のヒット・ソングの中から、ここでは4曲がメドレーで歌われる。
  その後は2人のミュージカル場面をひと通りおさらい。まだ17歳の2人が夜汽車に乗って名古屋から上京する場面や、アメリカに渡り当時の人気TV番組であった『エド・サリバン・ショー』や『ダニー・ケイ・ショー』に出演して歌った場面、そしてこのミュージカルのタイトルにもなっている伝説の歌番組『ザ・ヒットパレード』の場面、などなどをさらった。

  2人だけの稽古なので、当然瀬戸さんと池田さんは歌いっぱなし、踊りっぱなしである。加えてお2人は、双子らしく見せるために一挙手、一投足を揃えなければならないので、常に神経を張り詰めている。なので適度に休憩をはさんでリラックス、リフレッシュしながらの1日であった。
  幕が開いた時、2人の挙動は「揃っていて当然」と観客に思われなければ失敗である。2人が双子であることを観客に無条件に受け入れていただくために、今日の様な日々が重ねられて行くのである。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月16日(月)

  2幕中盤のナンバー、「GET BACK GOOD DAYS」をステージング、その後立ち稽古。

  川崎悦子さんにお願いして、今回「GET BACK GOOD DAYS」のステージングを新しくしてもらうことにした。基本コンセプトは変わらないので「全面改訂」と言うことではないのだが、このナンバーの狙いをよりシンプルに観客に届けたいと考えたからである。
  以前も記したが、今回の再演は、初演をご覧いただいた方に「どこが変わったのか気がつかれない」様な仕上がりにしたい。なので、どのシーンにも細々と修正は加えているが、全体としては「何も変わっていない」筈である。

  ステージング後は2幕前半をおさらい。さらに2幕4場、クレージー・キャッツのメンバーが登場する場面を稽古。
  通例、舞台上で登場人物が横一列に並び立つことはやってはならない、とされている。が、この場面ではその通例に反して、殆どの瞬間登場人物が横一列に並んで立っている。舞台の常識に照らし合わせてみれば、これは避けるべき不自然な構図なのだが、ここでは私は敢えてそう演出している。それはクレージー・キャッツの映画作品群に対する、私なりのオマージュなのである。
  『ザ・ヒットパレード』の主人公・シンさんのモデルである渡辺晋さんが東宝で製作したクレージー・キャッツ主演の映画群は、全て横方向にスクリーンが長大な「シネマスコープ」で製作されている。その横長の画面にクレージー・キャッツのメンバー全員が収まっているあの格好よさ、それをこの場面で僅かでも味わって頂ければ、と考えてのことなのである。

  『クレージー黄金作戦』のラスベガス・シークェンスの格好いいこと!

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東宝ミュージカルアカデミー 4期生

2月14日(土)

  今日と明日の2日間、東宝ミュージカルアカデミーの4期生を選ぶ最終審査が行われている。

  既に書類と歌を録音したMDによる1次審査、歌の2次審査が終わっており、人数は応募者の半分程度に絞られている。3次審査である今日は、まずダンスの能力を見せてもらい、その後演技の素養を見た。明日は更に台詞、そして再度歌を聞かせてもらうことになっている。
  最終的には35名程度が4期生として選ばれ、1年間のレッスンに励むことになるのだが、4期生に選ばれた受講生は、どうかそのことだけで満足しないで欲しい。ミュージカル俳優としての可能性が試されるのはむしろ4月以降なのである。
  また、選ばれなかった方も、そのことで落胆することはない。ミュージカル俳優を目指すための道は至る所にある。「ミュージカル俳優になりたい」と言う気持ちに嘘がないのなら、東宝ミュージカルアカデミーだけがそのための唯一の場所ではない筈である。

  ミュージカル俳優を目指す若き才能たちに素晴らしい未来が訪れることを祈っている。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月13日(金)

  2幕1場を立ち稽古。

  ここは、初演時に「もっと上手く処理できたのではないか」と気がかりだった場面である。なので今回、人物の動線や出入りのタイミングなど(演劇用語でミザンセーヌ)を何箇所か変更してみた。結果、観客の視線をより自然に誘導できる様になったのではないかと思う。
  私はこんな時、再演のありがたみをつくづくと感じる。

  ちなみに「ミザンセーヌ」について興味のある方はこちらをどうぞ。これは2年半前のブログで、『プライベート・ライヴズ』と言う芝居の稽古中に記したものである。
  当時、『プライベート・ライヴズ』の脚本を担当してくださった飯島早苗さんと演出の私とが同時に稽古場の様子をブログに書いていて、飯島さんのブログと私のブログの間で「ミザンセーヌ」についての論争があったのである。
  ただしそれは本当の論争ではなかった。あくまでも「演劇論を戦わせる演劇人」のふりをした演劇論争ごっこなのであった。私のミザンセーヌについて語る文章が硬くてアカデミック風なのはそのせいである。

  閑話休題。『ザ・ヒットパレード』の稽古場では風邪が流行っている。皆さんもどうぞご自愛ください。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月12日(木)

  ステージング・デー。

  まずは「マダム・ロカビリーとベースマン」。
  これは渡辺プロダクションが、創立からロカビリー・ブームを経て、その次のステップに踏み出そうとしている時代を表現したナンバーである。古いハリウッド製のミュージカル映画でよく見かける「ヴォードヴィル・スタイル」の愉快なナンバーなのだが、今回はここのステージングを手直し。
  続いて「ヒットパレード・メドレー」と「ピーナッツ・イン・アメリカ」のおさらい。更にその後、2幕2場を立ち稽古。
  ここには「Enything Goes」と呼ばれるナンバーがあるが、これはコール・ポーターによる同名の楽曲とは異なる、鈴木聡/作詞、宮川彬良/作曲のオリジナル曲である。
  初演の時にも記したが、『ザ・ヒットパレード』は既成のヒット曲を並べた「カタログ・ミュージカル」ではない。きら星の様なヒット・ソングもふんだんに登場するが、ミュージカルとして作品全体を支配しているのは鈴木さん&宮川さんによるオリジナル・ナンバーの数々である。『ザ・ヒットパレード』は堂々たるオリジナル・ミュージカルなのである。

  稽古後は戸田恵子さんの衣裳合わせ。時代の移り変わりと共に次々と装いを変える戸田さんも見どころのひとつ。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月11日(水)

  1幕後半、4場と5場を立ち稽古。並行して衣裳合わせ、北村岳子さん、升毅さん、そしてRAGの皆さん。

  今日から広い稽古場に引っ越した。同じ敷地内だが、舞台の実寸がとれる稽古場である。稽古用の道具も組まれ、ザ・ピーナッツの2人が上京する時に乗った夜汽車のシートや、渡辺家のあの長~い炬燵も運び込まれた。稽古場の環境は初演時よりも格段に良くなっている。
  『ザ・ヒットパレード』の中で8点の衣裳を取っ換え引っ換えするRAG FAIR。終戦直後の焼け跡の人々からクレージー・キャッツのメンバーまで、彼らの8変化もこの作品のお楽しみのひとつであるが、今回はメンバー何人かの衣裳の内、数点を差し替えることにした。

  初演をご覧になったRAGファンの方は、どこが変わったのか探してみてください。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月10日(火)

  ザ・ピーナッツの集中稽古デー。

  「ザ・ピーナッツ」は、1960年代から70年代にかけて活躍した双子のデュオである。1975年に引退し、以後、公の場に登場したことはないので、今ではご存知ない方も多いかもしれない。今日はそのザ・ピーナッツを演じる瀬戸カトリーヌさんと池田有希子さん、2人だけでの稽古であった。

  ミュージカルでは、俳優は覚えなければならないことが膨大にある。特に『ザ・ヒットパレード』の場合は楽曲の数が多く、そのハーモニーもステージングも複雑である。それだけでも難易度は十分高いのに、ザ・ピーナッツを演じるお2人は、ニュアンスやポーズを寸分違わず合わせる、と言う困難が加わる。
  今日はミュージカル・ナンバーを中心に、まずは「覚える」ために繰り返し繰り返し歌い踊った。その後、2人だけの短い場面を稽古し、最後に衣裳合わせ。
  2人の衣裳はどれもかわいくてキュート。これで本番通りにヘアメイクを施したら、遠目にはどっちが瀬戸さんでどっちが池田さんなのか本当に区別がつかないかもしれない。劇中で、升毅さん演ずる2人のマネージャー・山崎が「どっちがツキちゃんでどっちがヒデちゃんか」分からなくて混乱する場面が登場するが、舞台稽古では本当に混乱するかもしれない。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月9日(月)

  衣裳合わせやステージングや立ち稽古や。

  衣裳は、ごく一部を除いて初演と変わらない。なので、衣裳合わせも、前回使用した物を着用してもらって寸法や使い勝手の再確認である。
  今日の衣裳合わせは原田さんと杉崎さん。原田さんはシンさんの学生時代から晩年まで、昭和20年代から60年代までの時代の移り変わりを反映した衣裳を、杉崎さんは劇中で演じ分ける5役分の衣裳を、それぞれ着用してチェック。
  時代色とショー・ビジネス界の雰囲気の双方を巧みに反映させたキュートな衣裳の数々をデザインしてくださったのは黒須はな子さんである。

  ザ・ピーナッツのヒデヨを演じる瀬戸カトリーヌさんは『ドロウジー・シャペロン』の旅公演が継続中。なので、週末は東京を離れ、その間『ザ・ヒットパレード』の稽古場も留守になる。週が変われば瀬戸さんは稽古場に戻って来るので、月曜日には不在の間に進んだ稽古の内容をさらう「瀬戸カト特別メニュー」が組まれている。
  今日もまずは特別メニューをこなし、その後は全体で「マダム・ロカビリーとベースマン」をステージング。そして1幕3場全体を立ち稽古、最後に1幕1場をおさらい。

  『ザ・ヒットパレード』の初演は2007年の7月なので、既に1年半が経過している。案外覚えているものだなあ、と言う人と、その真反対の人がいる。
  面白いものですねえ。

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2月8日(日)

  昨日歌稽古した「ヒットパレード・メドレー」のステージング。

  この15分に及ぶヒット曲メドレーは、この作品のハイライトのひとつである。
  『ザ・ヒットパレード』には、幕が上がってすぐの「ファースト・メドレー」、そして2幕後半のRAG FAIRによる「1975 to 86」、そして「ヒットパレード・メドレー」の3つのヒット曲メドレーがあるが、中ではこの「ヒットパレード・メドレー」が最もヴォリュームが大きい。
  この場面、音楽的な構成は初演通りなのだが、ステージングは細かい部分がヴァージョン・アップしている。なので、DVDをお持ちの方はどこがどう進化したのか、それを発見していただくのも楽しいかもしれない。

  スマートでクレバーなステージング・振付は川崎悦子さんである。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月7日(土)

  歌稽古とステージング。

  1幕ラストの「ヒットパレード・メドレー」。ここでは昭和30年代から40年代にかけてのヒット曲25曲が次々に歌われる。
  メドレーは、歌い慣れてくると曲ごとの特徴やメリハリが消えてしまい、ともすると単調になりかねない。なので、曲ごとに、どんなニュアンスにそろえるのか、音楽的な約束事はどうだったか、ピッチは合っているか・・・などを改めて確認。

  その後、「昭和33年の東京」をステージング。更にその後、新「ピーナッツ」池田有希子さんのナンバー2曲をステージング。
  池田さんのお父様は、実は「ザ・ピーナッツ」のマネージャーさんを務めていらした方である。それで池田さんがキャスティングされたと言う訳ではないのだが、これを奇遇と言わずして何と言おうか。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月6日(金)

  立ち稽古。

  今日のメニューは1幕1場。RAGの皆さんによるオープニングから、シンさん、ミサさんの学生時代、そしてファースト・メドレーまでを稽古。
  昨日稽古した1幕2場も、今日の場面も、大きくは初演を踏襲している。が、細部にはそれなりに手を入れている。昨日も記したが、今回の再演にはそう言うスタンスで取り組んでいる。

  ある作品の再演が決まると、必ず「どこが変わるのですか?」と質問される。確かに「変える」ことを主目的とする再演も無いわけではない。が、昨日も記した通り、再演は変えるためにやるものでもない。
  目指しているのは「どこが変わったのか分からないでしょう?(一昨日の顔寄せでの鈴木聡さんのご挨拶より)」と言う様な、でも確実にクォリティ・アップしている、そんな再演である。

  公式ページではオフィシャル・ブログがスタート。出演者の皆さんが交替で書き込むことになっているので、そちらもお楽しみに。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月5日(木)

  顔寄せ、そして読み合わせ。更に立ち稽古。

  スタッフ、キャスト、公演関係者が参集し、ひとりひとりが紹介される顔寄せ。エグゼクティブ・プロデューサーの渡辺ミキさん、脚本の鈴木聡さん、そして私が挨拶をした。
  『ザ・ヒットパレード』には渡辺ミキさん、鈴木聡さんの熱い思いが籠っている。お2人の言葉を聞きながら、そのことを再確認した。私も気を引き締めなくては。

  読み合わせは全ミュージカル・ナンバー入りの完全版。
  出演者の殆どが初演の経験者なので当然と言えば当然だが、メリハリの利いた快調な読み合わせであった。このクォリティから稽古を始められる、と言うことが再演の最大の意義だと思う。
  ブロードウェイやウエスト・エンドと違って、日本にはトライアウト(試演)と言う習慣がない。日本では、再演こそがそれに代わる「作品を洗練させるための唯一の手段」なのである。なので私は、一度目の再演で演出を大きく変更することにはあまり賛成しない。
  再演は、やり残した部分や上演してみて発見されたことを作品に反映させることのできる千載一遇の機会である。この機会を大切にしたいと思う。

  読み合わせ後は、1幕2場を立ち稽古。
  ひと月後の3月5日は初日である。我々の持ち時間は4週間、なので「できることからどんどん」やるのである。
  幸い、再演では「俳優の中での発酵を待つ」と言う様な必要がない。顔寄せで戸田恵子さんもいみじくもおっしゃった。

  タイム・イズ・マネー!

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2月4日(水)

  歌稽古。

  昨日までは個別の稽古だったのだが、今日は出演者全員が揃っての歌稽古であった。この顔触れが揃うのは、実は今日が初めてである。なので、同窓会の様な挨拶が稽古場のあちこちで起こる。
  再会は昨秋の製作発表以来、と言う人もいれば、もっと久し振りの人、そして今日が初対面の人もあった。

  『ザ・ヒットパレード』には、ハモるミュージカル・ナンバーがふんだんに登場する。RAG FAIRの参加しているナンバーでは当然ハモるし、RAG抜きのナンバーでもしょっちゅうハモる。
  ハモりの稽古は、それぞれが自分のパートを正確に覚えないと始まらないのだが、それぞれが覚えた後は、今日の様に当事者同士が顔を合わせないとその先には進めない。

  ハモりは気持ちいい。聞いていても、恐らく歌っていても。気持ちの良いハモりの数々も、『ザ・ヒットパレード』の魅力のひとつであろう。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月3日(火)

  歌稽古。

  ひと通り歌稽古をしてみて分かったのは、自分のパートをほぼ完璧に覚えている人と、ほとんど記憶に残っていない人の、2つのタイプに分かれるということであった。誰がどっちのタイプなのかはここでは触れない。

  歌唱指導を務めてくださっているのは初演同様、小川美也子さんである。小川さんは『ザ・ヒットパレード』では演出助手でもある。
  これから先の1年間、私は殆どを小川さんと過ごすことになっている。『ザ・ヒットパレード』以降もミュージカル『シラノ』『ダンス オブ ヴァンパイア』そして『パイレート・クイーン』で演出助手をお願いしているのである。
  小川さんは音楽に強く、芝居が分かり、そしてミュージカル作りのプロセスを熟知しているので、当然のことながら引く手数多(あまた)である。その小川さんをほぼ1年独占してしまうことになるのである。

  大船に乗った様な私。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月2日(月)

  本日も歌稽古。

  歌稽古と言っても、ほとんどの人は前回1度やっているので、思い出すための稽古である。
  ソロ・ナンバーの場合、思い出すことはそれほど困難なことではない。が、大勢でハモっているナンバーの場合、たとえば1幕ラストの「ヒットパレード・メドレー」などはそうでもない様だ。
  楽曲によっては途中で4声とか5声に分かれており、その進行も「何でこんな音?」と言う音が続出する。そうすると、以前は自分がどのパートを歌っていたのか、そもそもそういう根本的なところが怪しくなってくるらしい。
  初演の時にひと月以上歌っていただろうに、と思わないでもないが、そういうものでもないらしい。

  なので、前回出演していた人の思い出しでもそれなりに時間がかかる。ハモりのプロ、RAG  FAIRのみなさん例外ではなかった。

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『ザ・ヒットパレード』通信

2月1日(日)

  『ザ・ヒットパレード~ショウと私を愛した夫~』の稽古が本格的に始まった。

  「本格的に」と言うのは、実は1月中にも何人かの歌稽古は先行して行われていたのと、さりとてその歌稽古は正式な稽古場での稽古ではなかったから、である。
  今日からは正式の稽古場での稽古である。とは言え、その内容は歌稽古であることに変わりはないのだが。

  さて、『ザ・ヒットパレード~ショウと私を愛した夫~』は2007年の7月に東京のル・テアトル銀座で初演されたミュージカルである。幸いなことにその初演は好評を博し、ありがたいことにこうして再演されることになった。
  ここで、今回の稽古場のことに触れる前にまずは幾つかおさらいを。
  まず『ザ・ヒットパレード~ショウと私を愛した夫~』の公式ページはここからどうぞ。そして初演の製作発表のことを書いた私のブログはここ。更に、初演時の稽古の様子に触れた私のブログはここから辿っていただくのがよいだろう。もうひとつおまけに、再演の製作発表時のブログはここにある。

  ではまた明日。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』千穐楽 そしてCD発売決定!

1月25日(日)

  とうとう『ラ・カージュ・オ・フォール』大阪公演も最終日。本当の千穐楽である。

  劇場に足を運んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。そしてキャスト&スタッフの皆さん、お疲れ様でした。
  今回の『ラ・カージュ・オ・フォール』は今日で終わってしまうが、今回の公演の大成功のお陰で、いつの日か、きっとまた『ラ・カージュ・オ・フォール』と再会できる日が訪れるに違いない。その時を首を長くして待ちたいと思う。

  そして嬉しいお知らせ。今回の公演のライブCDが発売されることが決定した。
 
シアタードラマシティの劇場ロビーで予約を受け付けていたので既にご存じの方も多いだろうが、これは私にとっても嬉しいニュースであった。詳細はいずれ発表されるだろうが、恐らく、東宝やホリプロさんのネット販売などで入手可能になるのではないかと思われる。

  それではまた、劇場で。

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