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2025年3月の記事

『TDV』2025 Weekly

3月28日(金)

 品川プリンスホテルへ。『ダンス オブ ヴァンパイア』の製作発表。

 製作発表ではクロロック伯爵役の山口祐一郎さんと城田優さん、サラ役のフランク莉奈さんと中村麗乃さん、そしてアルフレート役の太田基裕さんと寺西拓人さんがご登壇。ご応募くださった方の中から抽選で選ばれた300名のオーディエンスの皆さんにもご参加いただいた。

 最初に2人のサラと2人のアルフレートによるデュエットナンバー(つまり4人で)「外は自由」が披露されて製作発表がスタート。そののち全員が揃っての質疑応答へと進む。キャスト一同は本番さながらの扮装での登壇であった。

 製作発表の様子は既に様々な媒体が記事にしてくださっているのでそちらをご参照いただきたいのだが、中には私が「釣り竿のようなもの」を掲げている写真を添えた記事もあり……。
 製作発表で釣りをするはずもなく、『ダンス オブ ヴァンパイア』を以前からご存知の皆さんにはお馴染みの“アレ” を持たされているのである(泣)。

 製作発表を終えて稽古場へ。

 既に顔寄せと歌入り読み合わせを終え本格的な稽古がスタートしている。今日までに1幕前半の3場面に手を着けた。
 稽古をしながら過去の上演時の「生みの苦しみ」が少しずつ蘇ってきた。この「苦しみ」は『ダンス オブ ヴァンパイア』特有の感覚である。

 公演が終わると「楽しかった事」だけが記憶に残り「困難だったこと」などは忘れてしまうが、今回は忘れないようにしよう。

 ……と思う。

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『アニー』2025 Weekly

3月24日(月)

 1幕をひと通り当たり終え、2幕の稽古に着手した。

 今年からの新キャストの皆さんがそれぞれ素敵なお芝居を見せてくださっていて、今年も新しい風が随所で吹いている。特にハニガン・ルースター・リリーの3人組は「3人中2人が新キャスト」なので、今までとは結構印象が異なるチームになるだろう。
 ハニガンと劇中で大きく絡むことになるグレースも新キャストになり、この2人のやり取りも実に新鮮。今までとは一味違う駆け引きが連日繰り広げられている。

 ハニガンを振り回すアニーと孤児たちももちろん今年からの新キャスト。なのでハニガン役の須藤理沙さんは新キャストに囲まれまくっていて、稽古場での立ち位置が「新キャストのひとり」であった昨年とは180度変わっていて、そこがなんとも面白い。須藤さんご本人は「面白い」どころではないかも知れないが。

 40年目の“新しい”『アニー』

 どうぞお楽しみに。

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『TDV』2025 Weekly

3月21日(金)

 歌稽古と並行して、『ダンス オブ ヴァンパイア』の見せ場であるダンスナンバーの稽古もスタート。広い稽古場に稽古用の大道具(ベッド……とか)も運び込まれた。

 前回(2019年の再々々……演)までの稽古場は帝劇の9階であった。
 『THE BEST』通信でも触れたが、帝劇の「9階稽古場」は広いようで実はそこまで広くはなく、天井高もそこまで高くはなく、搬入条件もそれほど良いとはいえなかった。なので過去の稽古では「稽古用の大道具をダンボールで作る」という俄かには信じがたいような方法などで悪条件を乗り越えた。

 現在の稽古場は9階稽古場に比べると諸条件が良いので、晴れてダンボールではない大道具での稽古が実現した。

 ちょっと嬉しい。

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開幕目前! 『ライフ・イズ・ミュージカル』

3月19日(水)

 新国立劇場中劇場へ。石川禅さんのソロ・コンサートライフ・イズ・ミュージカルのサウンドチェック/舞台稽古。

 コンサートは明日20日(木)の13時と17時の2公演。ゲストは既報の通り13時の回が瀬奈じゅんさん、17時の回が浦井健治さんである。瀬奈さん、浦井さんも駆けつけてくださって、和気あいあいとしたリハーサルであった。

 禅さんらしさが隅々まで詰まった、とても素敵なコンサートになっている……と思う。前回までコンサートが行われていたよみうり大手町ホールとは雰囲気が異なる会場なので、その辺りも楽しんでいただけると嬉しい。

 では東京・初台でお待ちしています。

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『アニー』2025 Weekly

3月17日(月)

 歌稽古を終えて絶賛立ち稽古中。

 『アニー』は毎年上演されることがお約束になっているので、キャストの皆さんも続投の方が少なくない。が、今年も「今回から新たに参加するニュー・キャスト」が何人かいらっしゃる。

 グレースを演じる愛原実花さん、ルースター役の赤名竜之介さん、リリー役の浜崎香帆さん、ルーズベルト大統領役の森田浩平さんがニュー・キャスト。アンサンブルの後藤裕磨さん、岩矢紗季さん、江崎里紗さんも今回からの登場で、望月凛さんはカムバックである。アニー役の2人を含む子供たちもニュー・キャストとなる。

 アニー役、孤児役、そしてダンスキッズの子供たちには「出演した翌年はオーディションを受けられない」というルールがあって(1年空けば再びオーディションに応募が可能)、なのでほとんどの場合、子供たちはニュー・キャストとなるのである。
 そのルールのせいもあるのか、子供たちの印象……というか雰囲気は、毎年面白いくらい異なる。今年も今までとは結構印象が違っているので、どうぞお楽しみに。

 大人のニュー・キャストの皆さんも印象は結構異なるので……

 楽しい。

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『TDV』2025 Weekly

3月14日(金)

 ミュージカルダンス オブ ヴァンパイアの稽古が始まっている。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』は1997年にウィーンで初演されたゴシックホラー・ミュージカルである。日本では2006年に帝劇で初演され、再演を繰り返してきたことはご存知の通り。このブログにも過去の記事が数多く残されている。

 今回のトピックは、今までシングルキャストであったクロロック伯爵を山口祐一郎さんと城田優さんがダブルキャストで演じること、そして今まで東京公演のフランチャイズであった帝劇を離れること、であろう。伯爵以外のキャストも大幅に顔触れが変わって……これはもう新生『TDV』であると言っても過言ではない。

 開幕は5月10日(土)。どうぞお楽しみに。

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『アニー』2025 Weekly

3月10日(月)

 丸美屋食品ミュージカルアニーの稽古が始まっている。

 日本テレビ製作のブロードウェイ・ミュージカル『アニー』は1986年に上演をスタートし、以後、毎年再演を繰り返してきた。なので今年は「40年目の年」ということになる。
 この40年の間には3つのヴァージョンが作られた。最初は篠崎光正さんの演出によるヴァージョンで、1986年から2000年まで続いた。2つ目はジョエル・ビショッフさんの演出によるヴァージョンで、2001年から2016年まで上演された。3つ目が現在ご覧いただいているヴァージョンで、その稽古が今年も始まったのである。

 このブログには私が演出を担当するようになってからの記事が残されている。ページ右側の「カテゴリー」欄にあるアニーをクリックしていただければ過去の記事をご覧いただけるので、ご興味のある方は覗いてみてください。

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『THE BEST/New HISTORY COMING』忘備録

 THE BESTが終演して1週間が経った。終わってから今日までがあっという間すぎて……。


 ちょっとびっくりである。

 大千穐楽には映画館でのライブビューイングも行われ、その幕間に私の音声も流された。2幕開演直前のほんの数分であったが、その時にしゃべったことと、用意していたがしゃべらなかったことをここに採録しておこうと思う。

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 ライブビューイングをご覧の皆さま、こんにちわ。『THE BEST』構成・演出の山田和也です。

 まもなく2幕が開演しますが、それまでの時間を少しいただいて『THE BEST』と帝劇の裏話をいくつかお話ししようと思います。

 ご覧いただいている『THE BEST』ですが、現在の構成/セットリストに落ち着くまでには様々なヴァージョンが検討され、そしてボツになりました。残されている「最初に書かれた構成案」の日付は2023年3月23日ですから……約2年前に書かれたものですね。

 まだ『THE BEST』というタイトルも決まっていなかった頃に書かれたこの「最初の構成案」には、「休憩ありの2幕構成にすること」や、「帝劇の舞台機構をフルに活用すること」、それから「緞帳とオーケストラ・ピットを使用すること」「オーケストラ・ピットをアップ/ダウンさせること」「衣裳の引き抜きのある、トニー賞のオープニングのような幕開きを作ること」、そして「客席降りをすること」などのアイデアが既に盛り込まれていました。
 それらのアイデアは生き延びて、今日ご覧いただいている形に実を結びました。

 ボツになった初期の案の中には「ストーリーのあるショーにする」ようなアイデアもありました。
 「ストーリー」というのは、例えば「いつかは帝劇のゼロ番に立ちたいと夢見る2人の少年が、アンサンブルとして帝劇に出演するチャンスをつかみ、だんだん人気が出て出番も増えて大きな役が付いて、ついに夢を叶えるまで……を、2人の友情や挫折、恋などを織り交ぜて、様々なミュージカル・ナンバーを通して描く」……みたいなことだったんですけど、ストーリーに相応しい楽曲を選ぶのが難しくて……ボツになりました。

 話は変わりますが、『THE BEST』で歌われている「歌詞」は……この場合の「歌詞」というのは「海外で上演された作品」が翻訳上演される際に作られる「訳詞」のことなんですけど……その「訳詞」は、『THE BEST』では、原則として「帝劇で上演された時のもの」を使用しています。
 今回登場する『シカゴ』や『ピピン』『オリバー』『スウィーニー・トッド』などのナンバーが「近年上演されているものと異なる訳詞」で歌われているのはそのためなんですが、近年の訳詞に馴染んでいらっしゃる方はちょっと違和感を覚えるかも知れませんね。
 1幕でご覧いただいた『ミー&マイガール』の「ランベス・ウォーク」の歌詞が、繰り返し上演されている「宝塚版」と異なっているのもそういう理由です。

 さて、現在の帝劇の最も大きな特徴は「巨大な舞台機構を備えていること」です。舞台機構というのは「回り舞台」や「迫り」などの「舞台面を動かしたり変形させたりする機能を持った装置」のことをいいますが、近年では『SHOCK』などを除くと使われることが少なくなっていました。
 その理由は「帝劇の舞台機構を活用して作品を作ってしまう」と帝劇以外での上演ができなくなってしまうから……なんですけど、近年は「帝劇で上演された作品が他の劇場でも上演される」ことが増えたために「宝の持ち腐れ」みたいなことになってしまったんですね。
 それはつまり「こんな舞台機構を備えた劇場は帝劇以外にはどこにもない」ということなんです。こんな劇場はもう2度と建設されることは無いでしょう。

 さて、まもなく2幕の開演です。最後までどうぞごゆっくりとお楽しみください。山田和也でした

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 以下は「保険」として用意はしていたが時間の都合で使われなかった文章である。

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 最後に緞帳のことに触れておきましょう。今日ご覧いただいている緞帳は「銀彩」という名前が付いていて、帝劇の設計を手掛けた谷口吉郎さんのデザインです。現在、帝劇にはこの緞帳しかありませんが、かつてはこの他に2枚の緞帳がありました。

 ひとつは「銀彩」に対して「金彩」という名前の付いた緞帳で、これも谷口吉郎さんのデザインでした。帝劇の思い出などを書いたお手紙を募集する「帝劇レターズ」という企画が行われていて、その企画でプレゼントされる「帝劇の緞帳」はこの「金彩」を切り取ったものなんですね。
 もう1枚は「緑の森とその森を映す湖、その畔を白馬が歩いている風景」が描かれている綺麗な緞帳でした。原画を描かれたのは日本画家の東山魁夷さんでした。

 それぞれ緞帳にはスポンサーがついていて、スポンサー企業の名前が緞帳の隅に記されていました。現在の緞帳にはスポンサー名は入っていませんが、この緞帳にも以前はスポンサーの企業名が記されていました。
 先日、用があって帝劇地下4階の大道具製作場を覗いたことがあったんですが、その時に、かつて「銀彩」を飾っていた企業ロゴが、取り外されて保管されているのを見つけて……なんだか甘酸っぱい気持ちになりました。

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 以上である。

 また何か記しておきたい事を思いついたら……更新するかも知れません。

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さようなら帝劇! 『THE BEST/New HISTORY COMING』千穐楽

2月28日(金)

 『THE BEST/New HISTORY COMING』が無事に千穐楽の幕を下ろした。

 全ての公演関係者の皆さま、そして帝劇の皆さま全員に心より御礼申し上げます。

 さようなら帝劇!

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