『ヘアスプレー』通信
8月30日(火)
残されていた最後のビッグ・ナンバー「ビートは止められない――パート2」を振り付け。担当は原田さん&MEDUSAさん。
そののち2幕5場(ミュージカル・ナンバーが4つもある!)を、芝居パートを含めて整理。
更にそののちNOPPOさん担当のナンバーをブラッシュ・アップ。
今日は“振付チーム全員集合デー”でした(超豪華!)。
これでほぼ全場面に手を着けた。まだまだ粗削りだが、クォリティは日々確実にアップしている。
……と思う。
8月30日(火)
残されていた最後のビッグ・ナンバー「ビートは止められない――パート2」を振り付け。担当は原田さん&MEDUSAさん。
そののち2幕5場(ミュージカル・ナンバーが4つもある!)を、芝居パートを含めて整理。
更にそののちNOPPOさん担当のナンバーをブラッシュ・アップ。
今日は“振付チーム全員集合デー”でした(超豪華!)。
これでほぼ全場面に手を着けた。まだまだ粗削りだが、クォリティは日々確実にアップしている。
……と思う。
8月29日(月)
2幕5場を立ち稽古。そののち「愛こそすべて」の続き。
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞シリーズその16「グレン・ミラー」。
グレン・ミラーは1930年代末から40年代にかけて大人気を博したバンド・リーダー/ミュージシャンである。第2次大戦中、戦地慰問に向かうために搭乗した航空機が消息を絶った。その半生は『グレン・ミラー物語』(アンソニー・マン監督、ミラー役はジェームズ・スチュワート)として映画になっている。代表曲に「ムーンライト・セレナーデ」など。
劇中では“古き良きもの”に愛着のあるらしいエドナが「ふたりはいつまでも」の歌詞で触れている。
8月28日(日)
8月7日に宮城県名取市文化会館大ホールで幕を開けた2022年の『アニー』夏のツアーが愛知県芸術劇場大ホールで千穐楽を迎えた。
キャスト、オーケストラ、スタッフ、並びに全ての公演関係者の皆さん、本当にお疲れさまでした。酷暑、台風、そしてコロナと、一瞬たりとも気の抜けないひと月だっただろうと想像するが、何よりもまずその労をねぎらいたい。
そして各地の劇場に足を運んでくださった皆さん、遠くから応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
そしてそして、アニー役、孤児役の子供たち、ダンスキッズたちを支えてくださったご家族の皆さん。この1年は(ダンスキッズのご家族は3年)神経をすり減らすようなことばかりだったのではないだろうか。いま一度、皆さんに感謝を表したい。
さて。
これで2022年の『アニー』は全行程を終了した。
と言うことは“2023年の『アニー』募集のお知らせ”が近々届くと言うことである。
(あ、まだクリスマス・コンサートがありましたね)
来年こそは通常通りの『アニー』に戻れますように。
8月27日(土)
ミュージカル・ナンバー「愛こそすべて」に着手する。担当はMEDUSAさん。
稽古後は演出部の皆さんとミーティング。『ヘアスプレー』は新作なので、「(舞台上の、或いは舞台裏の)いつ・どこで・誰が・何をしているのか」を共有しておくことは極めて重要になる。限られた時間内でクォリティを上げるためにも、安全のためにも。
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞シリーズその15「ローザ・パークス」。
ローザ・パークスはアメリカの公民権運動史においては極めて重要な名前である。1955年、アフリカ系アメリカ人であるローザはバスの座席を白人のために譲らなかったことから逮捕された。“モンゴメリー・バス・ボイコット事件”とも“ローザ・パークス事件”とも言われるこの事件は、その後の公民権運動に大きな影響を及ぼすことになる。
劇中ではシーウィードの妹=リトル・アイネス(荒川玲和さんが演じる)がこの名前を持ち出している。
8月25日(木)
「ビッグ・ブロンド・アンド・ビューティフル」をブラッシュ・アップ。そののち「ビートは止められない――パート1」を振り付け。原田さんとMEDUSAさんの共同作業である。
連日のように新しいナンバーを振り付けている。が、振り付けても振り付けても振り付けても振り付けが終わらない。
(……けど終わりが見えてきた!)
明日(26日)のNHKテレビ『あさイチ』(8:15~)に渡辺直美さんがご出演。稽古場風景が見られる……かな?
8月24日(水)
振り付けデー。
まずはタイトル・ソング「ヘアスプレー」。
良き時代のレビュー・スタイルのショー……のように仕上がった。原田さんのご担当。
なんてゴージャス!
そののち「バイ菌」を振り付け。
1962年の“ミス・ティーンエイジ・ヘアスプレー”を“視聴者による電話投票で決める”スペシャル番組で披露されるナンバー。担当はNOPPOさん。
なんてキュート!
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞シリーズその14「アイゼンハワー大統領」。
ドワイド・D・アイゼンハワーはアメリカの第34代大統領である。在任期間は1953年から1961年で、『ヘアスプレー』の時代設定(1962年)当時の大統領=ジョン・F・ケネディの前任者。
この名前もエドナとトレイシーの会話の中で登場する。
8月23日(火)
稽古前に振り付け打ち合わせ。今日は原田さん&MEDUSAさんと。
稽古はまず2幕2場をおさらい。そののち「ビッグ・ドール・ハウス」のブラッシュ・アップ。更にそののち2幕4場を作る。
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞シリーズその13「ガボール・シスターズ」。
姉のザザ・ガボールと妹のエヴァ・ガボール(もう1人、長姉のマグダもいる)は、共にハンガリー出身のハリウッド女優である。派手な私生活でスクリーンの外でも世間を騒がせた。劇中ではエドナがトレイシーに向かって「ガボール・シスターズを有名にしたのは誰? お母さんじゃないはずよ」と語り掛ける。
ザ・ザとエヴァの母親=ジュリーはステージ・ママとして有名であった。
久野綾希子さんの訃報が届いた。
久野さんとは2020年~2021年に上演されたミュージカル『ローマの休日』でご一緒したばかりであった。それ以前には2000年の12月~2001年の1月にかけて(世紀をまたいで)上演されたミュージカル『ウディ・アレンの世界中がアイ・ラヴ・ユー』でご一緒している。
『ローマの休日』では“アン王女の養育係”のヴィアバーグ伯爵夫人を演じてくださった。マイペースな伯爵夫人を、時にユーモラスに、時には情感たっぷりに演じ、観客を極上の観劇体験に誘った。
私が芝居を本格的に見始めた頃、久野さんは劇団四季のリーディング・レディであった。四季時代の舞台も、退団された後の作品も、久野さんのお姿をまざまざと思い浮かべることができる。
どうぞ安らかにお眠りください。
8月21日(日)
2幕に着手。2幕1場を作る。
まずはミュージカル・ナンバー「ビッグ・ドール・ハウス」をステージング。MEDUSAさんの担当である。そののち芝居部分を作る。
ミュージカルでは「ミュージカル・ナンバーが1曲終わった後に短いアンコールのような“おまけ”が付いている」ことが時々ある。これをミュージカル用語では“プレイオフ”と言うのだが、「ビッグ・ドール・ハウス」の直後にも「ビッグ・ドール・ハウス プレイオフ」が付いている。
「ビッグ・ドール・ハウス プレイオフ」では“メインのシンガーがアドリブ的にスキャットを歌う”と“それ以外の全員がそのスキャットをまねして歌う”と言うくだりが登場する。
これは1930年代~40年代にかけて人気を博した黒人のバンド・リーダー=キャブ・キャロウェイの十八番(おはこ)だった「ミニー・ザ・ムーチャー」と言う楽曲の中で、キャブ・キャロウェイとバンド・メンバー(または聴衆)がやっていることへのオマージュであろうと思われる。キャブ・キャロウェイとメンバーの掛け合いは徐々に難易度が上がって行き、まねして歌うのも難しくなって行く……と言うのがお約束になっている。
キャブ・キャロウェイもボルティモアにゆかりのあるミュージシャンのひとりである。
「ミニー・ザ・ムーチャー」の映像はこちら。(0'50"位からやってます)
8月19日(金)
「ようこそ六十年代へ」振り付けの続き。そののち1幕ラストのナンバー「ビッグ・ブロンド・アンド・ビューティフル」をステージング。
今日も長時間に及ぶ稽古になった。皆さん本当にお疲れさまでした。
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞シリーズその12「デビー・レイノルズ」「エディ・フィッシャー」。
デビー・レイノルズは1950年代から長きに渡って活躍したハリウッド女優である。傑作ミュージカル映画『雨に唄えば』(ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン監督/1952年)のヒロイン=キャシー役が有名だが、『スター・ウォーズ』シリーズでレイア・オーガナ姫を演じたキャリー・フィッシャーの母と言った方が分かり易いかも知れない。
そしてエディ・フィッシャーは大人気を誇ったアメリカの歌手である。1950年代にはミリオン・ヒットを連発し、自身の名前を冠したTVショーも持っていた。エディとデビーは1955年に結婚し、2人の間に生まれたのがキャリー・フィッシャーである。
『ヘアスプレー』の中では、エドナがトレイシーに向かって「甘い声で歌う歌手には気を付けなさい。デビー・レイノルズだって捨てられたでしょ」と忠告している。別の場面では「この世はエディ・フィッシャーみたいなダメ男だらけね」とも言っている。
デビーとエディは“おしどり夫婦″として有名であった。が、エディはデビーを捨て、同じくハリウッド女優であったエリザベス・テイラー(デビーの親友だった)と1959年に再婚した。芸能ゴシップを大いに賑わせた事件であった。
8月18日(木)
ミュージカル・ナンバー「ようこそ六十年代へ」を作る。振り付けはMEDUSAさんと原田さんである。
「ようこそ六十年代へ」は1幕中盤にあるビッグ・ナンバー。今日1日、様々な試行錯誤を積み重ねてアウトラインが見える辺りまでたどり着く。皆さん、長時間お疲れさまでした。
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞シリーズその11「名犬ラッシー」。
「名犬ラッシー」は、アメリカのサタデー・イブニング・ポスト誌に掲載された短編小説『名犬ラッシー』(エリック・ナイト/作)に登場する犬の名前である。犬種はコリー。
映画やTVドラマ、アニメ,児童文学……と様々なジャンルで長年に渡って繰り返し作品化されているので、日本でもある世代以上の方にはお馴染みのはずである。劇中ではヴェルマがコーニーに向かってその名前を持ち出す。
8月17日(水)
1幕を粗通し。
まだ未着手の場面やナンバーもあるのだが、このタイミングで思い切って。未着手個所は歌と台詞のみで繋ぐ。
繋がってみると色々と見えてくることがある。
それがまずは収穫である。見えてきたことをカンパニー全体で共有できるのがもうひとつの収穫。通常の稽古以上に高まるモチベーションと、その結果として引き出される説得力のある表現が3つ目の収穫と言えるだろう。
通してみて改めて感じたのは「凝ったナンバーが次から次へと押し寄せてくる」なんともゴージャスなミュージカルだということである。
それらのナンバーを生み出したくださった振付チームとキャストの皆さんに最大級の拍手を送りたい。
8月16日(火)
1幕の中盤をおさらい、ブラッシュアップ。そののち1幕後半の幾つかの場面に手を着ける。
今日は久々にエリアンナさんが稽古場に登場。歌入り読み合わせの日以来なので3週間ぶりである。エリアンナさんお待たせしました!(本来は8月13日に稽古が組まれていたのだが、台風接近でキャンセルされてしまったので……)
3週間前の歌入り読み合わせの日、エリアンナさんは帰り際に私におっしゃった。
エリアンナ 「しばらく稽古場に来ませんが、私(出番が)9場なので」
山田 「キューバに行かれるんですか!」
私は真剣に「次の稽古まで間が空くのでエリアンナさんはキューバにいらっしゃるのだ」と言う風に聞いていた。「キューバ」と「9場」は発音が一緒なんだなぁ……。
勘違いにも程があると言うものである。
8月15日(月)
1幕前半をおさらい、そしてブラッシュアップ。場面と場面の“繋ぎ部分″も整理。
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞シリーズその10「ロミオ」と「ジュリエット」、「サンタクロース」と「ミセスクロース」、「ドン・ホセ」と「カルメン」。リンクがコーニー・コリンズ・ショーの中で歌う「ふたりでひとつ」の歌詞に登場する。
「ロミオ」「ジュリエット」は、16世紀後半~17世紀前半に活躍したイギリスの劇作家=ウィリアム・シェイクスピアの代表作のひとつ『ロミオとジュリエット』の主人公とその愛する人の名前である(説明するまでもないかも知れないが)。
「サンタクロース」「ミセスクロース」はクリスマスにプレゼントを配りにやってくるあの人とその奥さん(説明するまでもないかも知れないが)。
「ドン・ホセ」「カルメン」は、19世紀フランスの作家=プロスペル・メリメの書いた小説『カルメン』、及びジョルジュ・ビゼー(作曲)によるそのオペラ化『カルメン』の主人公たちの名前(説明する……以下同文)。
ロミオとジュリエットも、サンタクロースとミセスクロースも、ドン・ホセとカルメンも“ふたりでひとつ”なんだから、僕たちも……というラブソング。
8月13日(土)
「声を上げて叫ぼう」振り付けの続き。ここはシーウィードの“見せ場”となるダンスナンバーである。
振り付けが終わって出来上がったものを通してみた後にNOPPOさんの口から出た言葉は「鳥肌が立った」であった。
私も同意見である。
その後は1幕9場の立ち稽古の予定だったのだが、台風8号(メアリー)が東京地方に近づいたため夕方からの稽古はキャンセル。
どうぞ安全に留意してお過ごしください。
8月12日(金)
稽古前に振り付け打ち合わせ。原田さん&MEDUSAさんと“1幕の中詰め(ちゅうづめ)”とも言うべきナンバーを検討。
稽古は2幕2場から。エドナとウィルバーのデュエット・ナンバー「ふたりはいつまでも」を振り付け。原田さんが素敵な夫婦のために素敵なステージングを施してくださった。
そののち1幕3場をおさらい。「鐘の音が聞こえる」と「ミス・ボルティモア・蟹」をブラッシュアップ。
稽古後は舞台美術の発注打ち合わせ。美術デザイナーは「大きいものが大好き」な松井るみさんである。舞台監督の北條さん、大道具を製作してくださる東宝舞台の打越さん、電飾を仕込んでくださるイルミカ東京の小田切さん、そして演出部の皆さんも参加してくださる。
8月11日(木)
1幕8場に着手する。まず前半の芝居部分を作り、そののちミュージカル・ナンバー「声を上げて叫ぼう」を振り付け。担当はNOPPOさんである。
『ヘアスプレー』では3人の振付家の皆さんとご一緒しているのだが、3人の生み出すダンスがそれこそ三者三様で、ダンス場面を繰り返し眺めていても見飽きることがない。ダンスを生み出して行くプロセスもそれぞれに異なっていて実に興味深い。
『ヘアスプレー』では多彩なダンス・ナンバーにもご期待いただきたい。
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞シリーズその9「ロケッツ」。
自己紹介をするように促されたトレイシーが“将来なりたい職業″のひとつとして挙げるのが「ロケッツのダンサー」である。ロケッツはニューヨークのロックフェラー・センターにある大劇場=ラジオシティ・ミュージックホール(近年はトニー賞の授賞式会場としておなじみ。収容人数は6000人近い!)に拠点を置くダンシング・チームである。ダンス大好きなトレイシーらしい選択であると言えよう。
ロケッツの公式サイトはこちら。
8月10日(水)
1幕6場のミュージカル・ナンバーをステージング/振り付け。担当は原田さんである。
まずはリンクがコーニー・コリンズ・ショーの中で歌う「ふたりでひとつ」。
“今週トップ・フォーティ入りした″と番組で紹介されているヒットソングで、男性コーラスを従えたリンクがプレスリー顔負けの甘い喉を聞かせる。
続いて「最高にいかしたやつら/リプライズ」。
コーニー・コリンズ・ショーのオープニングで毎回歌われるお馴染みのテーマ曲だが、ここでは新しいメンバーが。
このナンバーの途中で、ペニーに「大至急TVの前に集合するよう」命じられたエドナがビックリして「え、キューバが攻めてきたとか!?」と口走る瞬間がある。
『ヘアスプレー』の時代設定である1962年当時、世界は第二次世界大戦後に始まった東西陣営による冷戦のただなかにあった。1962年の秋には、東側の盟主であるソビエトが“極秘でキューバに核ミサイルの発射基地を作っていた”ことが西側の盟主であるアメリカの偵察飛行によって発覚し、米ソが一触即発の状況に陥る。
いわゆる「キューバ危機」であるが、エドナが口走っているのはこの時代のアメリカ市民が抱いていた漠然とした恐怖の表れ……かも知れない。
最後に“リプライズでない方”の「最高にいかしたやつら」をおさらい。
8月9日(火)
昨日の続きで「グッドモーニング・ボルティモア」の振り付け。そののち1幕4場と5場のおさらいとブラッシュ・アップ。更にそののちコーラス稽古。
1幕5場が“高校で開催されるダンス・パーティ”の場面であることは前回記した。ここで高校生たちが踊るのは「マディソン」と呼ばれるダンスである。
パーティのMCにはコーニー・コリンズが招かれ、音楽が流れるとコーニーが参加者の高校生たちに「次に踊るダンス」の名称を告げて行く趣向になっている。そのMCの中で……
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞シリーズその8「ジャッキー・グリーソン」。
ジャッキー・グリーソンはアメリカの俳優、コメディアン、作家、作曲家、レコード・プロデューサー……である。映画ファンの方ならポール・ニューマン主演のビリヤード映画『ハスラー』(1961年/ロバート・ロッセン監督)でビリヤードの名手ミネソタ・ファッツを演じたのをご記憶かも知れない。
劇中ではコーニーが高校生たちに「ジャッキー・グリーソンの真似して……」と言っている。
8月8日(月)
幕開きのナンバー「グッドモーニング・ボルティモア」の振り付けに着手。ステージング&振付は原田さんである。
続いて1幕1場のおさらい。更に1幕6場の立ち稽古と2幕2場のプレ稽古。
1幕6場は再び“コーニー・コリンズ・ショー”の場面である。ここにも3つのミュージカル・ナンバーがあるが、今日は芝居部分の段取りのみを先行して。
2幕2場はトレイシーの母=エドナ(山口祐一郎さんが演じる)と父=ウィルバー(石川禅さんが演じる)の2人だけしか登場しない場面。物語の流れ通りに行けば稽古するのはもうしばらく先のことになるのだが、このタイミングでざっくりと手を着けておくことに。
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞シリーズその7「ペイトン・プレイス」。
『ペイトン・プレイス』(または『ペイトン・プレイス物語』)は1956年にアメリカで出版された大ベストセラー小説である。作者はグレース・メタリアスで、1957年には映画にもなっている。
後にアメリカでテレビドラマ化され、6シーズン続く人気番組となった。このドラマは日本でも何度か放送されたが、それらは全て『ヘアスプレー』より後の時代の話である。
その“ペイトン・プレイス”が、劇中では「ダンスの名称」として出てくる……のだが、「“真夜中の”ペイトン・プレイス」と、固有名詞の前に“真夜中の”が付いてくるのである。
……どういうことだろう?(ご存知の方、教えて!)
8月7日(日)
2022年の『アニー』夏のツアーが宮城県の名取市文化会館大ホールで開幕した。まずはそのことに安堵である。
ツアーはこのあと大阪、金沢を巡って8月28日(日)の名古屋まで続く。
どうか、どうか無事でありますように。
8月6日(土)
1幕4場と5場を立ち稽古。
4場は「ヘアスプレーで髪の毛を盛大に盛ったために学校で居残りを命じられたトレイシーが、黒人生徒のシーウィード(平間壮一さんが演じる)やその仲間たちと出会う」場面。
ここには“ミュージカル・ナンバー”ではないが、ラジオから流れる音楽に合わせてシーウィードやトレイシーたちが軽~く踊るシークェンスがある。振付と言うことではないのだが、その“踊る”感じを振付のMEDUSAさんに作ってもらう。
続く5場はトレイシーたちが通うパターソン・パーク高校で開かれたダンス・パーティの場面。ダンス・パーティなので場面の殆どの時間で生徒たちが踊っている。そのステージングと振り付けを、こちらもMEDUSAさんに。
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞その6「ケネディ大統領」「ニュー・フロンティア」。
ケネディ大統領は1962年当時のアメリカ大統領で、固有名詞シリーズその3で取り上げたジャクリーンの夫である。「ニュー・フロンティア」は、1960年の大統領選挙に立候補したケネディが民主党候補に指名された際の指名受諾演説で提唱した政策。戦争、偏見、貧民、差別などの解消を謳っている。
8月5日(金)
「もう子供じゃない」をおさらい。そののち1幕3場にあるもうひとつのナンバー「ミス・ボルティモア・蟹」を振り付け。
ボルティモアはアメリカの東海岸、メリーランド州の大変に歴史のある街である。港街だけにシーフードが名物で、中でも蟹(カニ)料理が有名であるらしい。
日本でもご当地の名産品を冠したコンテスト「ミス・〇〇」などを目にすることがあるが、『ヘアスプレー』に登場するのは「ミス・ボルティモア・蟹」である。振付はこれも原田さんで、昨日の固有名詞「シャーリー・テンプル」はこのナンバーの歌詞に出てくる。
8月4日(木)
「鐘の音が聞こえる」の振り付け、昨日の続き。
その後「最高にいかしたやつら」のおさらい。
稽古後は振り付け打ち合わせ。今日はs**tkingzのNOPPOさんと。
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞シリーズその5「シャーリー・テンプル」。
シャーリー・テンプルは映画史に名を遺すアメリカの名子役である。が、子役としての全盛期は1930年代なので、1962年に舞台設定されている『ヘアスプレー』にその名が登場するのは少し違和感がある。
実はこれはヴェルマが“自分の若い頃と現代(1962年)の女の子を比較する” 中で出てくる固有名詞なのである。逆に言えば、ヴェルマが青春時代を過ごしたのが1930年代だったことがここから分かる。
8月3日(水)
稽古用のセット(大道具)が建て込まれた。嬉しい! 稽古の冒頭で舞台監督の北條孝さんからセットのご説明。
早速そのセットを使って1幕3場のナンバー「鐘の音が聞こえる」を振り付け。振付はここも原田さんである。
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞シリーズその4「バービー」「ケン」。
アメリカのおもちゃメーカー、マテル社が発売している着せ替え人形の名前がバービーである。日本でも長年にわたって親しまれているのでご存知の方も多いだろう。ケンはバービーのボーイフレンドで、どちらもミュージカル・ナンバー「もう子供じゃない」の歌詞に出てくる。
バービーの公式サイトはこちら。
8月2日(火)
今日も『アニー』へ。稽古場最終日。昨日とは子供キャストを変えて通し稽古。
今年の『アニー』は“途中休憩なしの1幕ショート・バージョン”である(東京初日のブログはこちら)。
一昨年(2020年)、『アニー』は1回の公演も開催することができなかった。昨年(2021年)は感染症対策のためにショート・バージョンでの上演を試みたが、多くの回が中止になった。幸いなことに今年は今までのところは中止にならずに済んでいるが……。
旅の無事を心より願っています。
8月1日(月)
『アニー』の稽古場へ。
丸美屋食品ミュージカル『アニー』恒例の“夏のツアー”が8月7日(日)の宮城公演を皮切りにスタートする。で、ツアーに向けた稽古が佳境なのだが、今日と明日で通し稽古である。
『アニー』に詳しい方はとっくにご存知だと思われるが、『アニー』の「アニーと孤児たち」はダブルキャストになっていて、春の東京公演では“チーム・モップ”と“チーム・バケツ”の2チームが交互に出演している。
だが夏のツアーでは「チーム・モップにチーム・バケツのアニー&モリー(いちばん歳下の孤児)」や、その反対に「チーム・バケツにチーム・モップのアニー&モリー」と言う風に、チームをシャッフルして出演する回がある。
夏のツアーに向けた稽古では、その“シャッフルした顔ぶれ”で稽古しておくことも大切なメニューになっている。
それにしても……。
今日の東京地方は暑かった。皆さん、体調管理には十分にお気をつけください。
7月31日(日)
立ち稽古。1幕2場のナンバー「もう子供じゃない」を振り付け。
このナンバーの担当も原田さんである。『ヘアスプレー』で振付助手を務めてくださるのは宮城友里香さんと船崎晴花さんのお2人。よろしくね。
『ヘアスプレー』に登場する固有名詞シリーズその3「ジャクリーン・ケネディ」。
これも多くの方がご存知だと思われるが、第35代アメリカ大統領ジョン・F・ケネディの夫人=当時のファースト・レディである。大統領との死別後、ギリシャの海運王アリストテレス・オナシスと再婚し、そのことでも話題に。
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