『ヘアスプレー』通信
7月20日(水)
『ヘアスプレー』は、当初2020年の6~7月に上演されることになっていた。なので、2020年が明けた頃から様々な準備も本格化していた。舞台美術、衣裳とヘアメイク、振付……などであるが、それらの全てが中途半端な形で止まってしまった(台本の翻訳と訳詞の作業は先行していたために作業を終えていた)。
今回の『ヘアスプレー』再起動に当たってまず手を着けたのは、止まったままになっていたそれぞれの作業を再開することであった。
打ち合わせと言うものは、大抵の場合「次回は2週間後ね」とか「次回までに“この部分”は具体的にしておいてね」などと言って終わるものである。
その次回が「2年後」になってしまった。話がどこまで進んでいたのか、解決すべき課題は何だったのか、そもそも何をしている途中だったのか……。
それぞれの作業を再開させてはみたものの私自身のモチベーションがイマイチ上がらない。これは一体……?
芝居作りは(ミュージカルでもストレートプレイでも)、開幕日に照準を合わせて、そこに向かってカンパニー全体の力を「寄せて」「集めて」「高めて」行く作業だ、と言えると思う。少なくとも演出家である私のアプローチはそのようになっている。
そのアプローチをとることが、どうやら自分でも気が付かないうちに自分のモチベーションを高めていたらしい。急に「再開!」と号令をかけてられても、モチベーションは「待ってました!」とはなってくれないようである。
面倒くさいヤツだなぁ。
仕事には長年の間に習慣づけされたやり方(ルーティーン)と言うものがある。ルーティーンにはルーティーンになるだけの意味があったのだなあ(遠い目)。
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