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2022年5月の記事

『My Story, My Song ~and YOU~』公演終了

5月22日(日)

 シアタークリエで開催された『My Story, My Song ~and YOU~』が4日間、6ステージの公演を無事に終えた。

 ご来場くださった皆さん、ご声援くださった皆さん、そして配信でご参加くださった皆さん、ありがとうございました。山口祐一郎さんはじめ、ゲストの皆さん、ミュージシャンの皆さん、プランナーの皆さん、スタッフの皆さん……関係してくださった全ての皆さん、お疲れさまでした。

 特に「ゲスト」とは名ばかりの「前説」兼「司会進行」を務めてくださった石川禅さん、上口耕平さん、大塚千弘さん、保坂知寿さん、吉野圭吾さん。皆さんのお力で6ステージの1回1回が内容の濃い充実したショーになりました。

 そしてその1人となるはずだった平方元基さん。元気になって戻っていらした時には今回以上に楽しいことを何かやりましょう。その日を心待ちにしています。

 劇場街も少しずつ以前の日常を取り戻しつつある。

 ……そう感じ始めていた今月になっても各地の劇場から「公演中止」の知らせが相次いだ。これには私も思わず天を仰いだ。
 が、落ち込んでばかりもいられない。劇場には、ショー・ビジネスにはこんな時に果たさなければならない役割があるのである。

 『My Story, My Song ~and YOU~』はその役割をしっかりと果していた。

 私はそう感じている。

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『奇人たちの晩餐会』通信 そして『My Story, My Song ~and YOU~』初日

5月19日(木)

 立ち稽古8日目。
 1幕に戻って一昨日稽古した場面をおさらい。

 ルブランに続いてこの場面に登場するのは「ものすご~く“いわくのありそうな”女性」マルレーヌ。演じるのは野口かおるさんである。
 そのマルレーヌが登場してから去っていくまでのシークェンスを今日は若干手直し。一昨日試してみたやり方もそれなりに面白かったのだが、このシークェンスで起きていることはその程度ではないだろう……と丸1日空いてちょっと冷静さを取り戻した脳みそが訴えてくる……ような気がしたのでその声に従ってみることに。

 野口さんと、昨日ご紹介した坂田さんのお2人も今回初めてご一緒するキャストさんである。なのでお2人の芝居の生み出し方がとても新鮮に感じられて、稽古を見ながらニヤニヤしてしまう。

 さて。

 構成でお手伝いしたMy Story, My Song ~and YOU~がシアタークリエで初日を迎えた。山口祐一郎さんと日替わりゲスト2名(本日は石川禅さんと保坂知寿さん)によるトークショー&ミニライブである。

 5月22日(日)までやってます(千穐楽公演の「ライブ配信」あります!)。

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『奇人たちの晩餐会』通信

5月18日(水)

 立ち稽古7日目。試みに2幕に入ってみる。

 この場面にはフランソワの職場仲間=リュシアン・シュヴァルが登場する。演じるのは坂田聡さんである。
 シュヴァルを迎えるのはフランソワ、ピエール、ルブランの3人。シュヴァルがなぜここに来たのか? そのことには触れられないのだが、この男4人による場面は中々楽しい。

 難易度のそれなりに高い場面なので今日の前半では稽古もそれなりに難航した。が、最終的にはキャストの皆さんの奮闘によって楽しい場面に見えてきた。この場をお借りして皆さんに感謝。

 シュヴァルが何しに来たのか、お知りになりたい方はどうぞ劇場へ。

 話は変わるが、『奇人たちの晩餐会』では“電話”が重要な役割を演じている。しかしそれはスマホでもガラケーでもなく固定電話である。

 その電話には「留守番電話機能」が付いていて、更には「スピーカーホン」の機能もある……というのが戯曲の設定である。固定電話の全盛時代をよく知る私たちにとってはごく当たり前の風景なのだが、それ以降に生まれた皆さんにはどう映るだろう?

 『奇人たちの晩餐会』は携帯電話が普及する以前に執筆された戯曲なので、そう思ってご覧いただけると嬉しい。

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『奇人たちの晩餐会』通信

5月17日(火)

 立ち稽古6日目。
 昨日の続き、1幕後半の“新しい人物が続々登場する(混乱の度合いが深まって行く)場面”に突入。

 新たに登場するひとり、ピエールの親友である(なのに2年間音信不通だった)ルブランを演じる原田優一さんは、今回ご一緒するキャストの中では「以前にご一緒したことのある」数少ない1人である。
 原田さんとは『イーストウィックの魔女たち』(2003年/帝劇)や『サウンド・オブ・ミュージック』(2004年/博多座)そして『ラ・カージュ・オ・フォール』(2012年/日生劇場・他)でご一緒した。今回は原田さんとの初ストレート・プレイ。歌わない原田さんが私にはちょっと新鮮。

 駆け足ではあるが今日で1幕のラストまでたどり着いた。まだまだ未消化な部分だらけではあるが、何はともあれ2幕ラストまで行ってみるつもり。

 と言うワケで明日は2幕へ。

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『奇人たちの晩餐会』通信

5月15日(日)

 立ち稽古5日目。
 昨日までに稽古した場面を幕開きからひと通りおさらい。

 幕開きからここまで“ほとんど出ずっぱり”の戸次さんは“しゃべりっぱなし”でもある。愛之助さんも登場してからは“しゃべりっぱなし”である。戸次さんが演じるピエールは“弁の立つ男”であり、愛之助さんが演じるフランソワも“話し好きな男”なので、お2人とも台詞の量は気が遠くなるほど膨大になる。

 1時間を超えてしゃべり倒す愛之助さんと戸次さんの驚異的な集中力とタフさに拍手を送りたい。

 『奇人たちの晩餐会』の登場人物は全部で7人。今までに稽古した場面にはその内の4人が登場した。今後、新たな人物が登場する毎に物語は混乱の度合いを深めて行く事になるだろう。

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『奇人たちの晩餐会』通信

5月14日(土)

 立ち稽古4日目。

 昨日手を着けた場面をおさらい。そしてその先に進む。
 今日も稽古のほとんどは愛之助さんと戸次さんの2人だけで進行した。陽が傾き始めるころ、今日のメニューも終わり近くになって、ようやくピエールが舞台から退場する瞬間がやって来た。幕開きからここまでおおよそ50分(あくまでも予想値です、念のため)。戸次さん、あなたはよくやった。

 退場したピエールと入れ替わるようにピエールの妻=クリスティーヌ(水夏希さん)が登場する。ここからは愛之助さんと水さんの2人芝居である。が、お2人の場面はそれほど長くはない。クリスティーヌはほどなく出て行き、入れ替わるようにピエールが戻る。戸次さんの“つかの間の休息”であった。

 水夏希さんとは『奇人たちの晩餐会』が初めてご一緒する作品である。そのことには以前も触れた。
 水さんが宝塚歌劇団雪組のトップスターでいらしたことは皆さんもご存知だろう。トップさん時代の水さんの相手役を務めた娘役さんは2人いらして、白羽ゆりさんと愛原実花さんである。私は白羽さんとは『アニー』(2018)で、愛原さんとは『ラ・カージュ・オ・フォール』(2012、2015、2018)でご一緒しているのだが、水さんとは今回が初めてなのである。避けていたワケではないのだが。

 それはともかく、今日で1幕の2/3ほどには手を着けた。

 順調……と言ってしまってもいいのではないだろうか?

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『奇人たちの晩餐会』通信

5月13日(金)

 立ち稽古3日目。

 一昨日と昨日やった場面をおさらい。そののち、その続きを立ち稽古。

 『奇人たちの晩餐会』の主人公は“売れっ子の書籍編集者”にして“大成功した出版社経営者”でもあるピエール・ブロシャンである。ピエール役の戸次さんとは今回初めてご一緒することは先日のブログでも記した。
 戸次さんの奥様は女優の市川由衣さんで、市川さんとは15年近く前に舞台どんまいマインドでご一緒したことがあるのだが、戸次さんとは今回が初めてなのである。そして皆さんがご存知の通り、戸次さんは演劇ユニットTEAM NACSのメンバーである。TEAM NACSのメンバーでは安田顕さんとナンシーでご一緒したことがあるのだが、戸次さんとは初めてなのである。

 それはともかく、今日も後半は2人芝居であった。2人芝居が過酷なのは「喋っている」と「聞いている」が交互にやってくる(当たり前だ!)からである。
 「聞いている」は「喋っている」と比べると“もう少し楽”であるように思いがちだが、それは誤解である。特に2人芝居では「聞いている」は「喋っている」と同等かそれ以上の集中力を要する重労働となる。

 3人以上が登場する芝居では「喋っている」と「聞いている」の他に「喋ってもいないが聞いてもいない」と言う状態が存在して、その「喋っても聞いてもいない」状態が俳優をちょっぴりリラックス&リフレッシュさせてくれる。しかし2人芝居では「喋る」と「聞く」が永遠に繰り返されるのでリラックス&リフレッシュ・タイムも永遠に訪れることはない。

 愛之助さん、戸次さん、本当にお疲れさまでした。

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『奇人たちの晩餐会』通信

5月12日(木)

 立ち稽古2日目。

 今日は愛之助さんと戸次さんのお2人だけしか登場しない場面を稽古。

 『奇人たちの晩餐会』は2幕構成で、上演時間は休憩を除いて2時間前後になると思われる(あくまでも予想値です、念のため)。その2時間の中には、このお2人以外には舞台上に誰も登場していない時間が結構存在する。これはつまり『奇人たちの晩餐会』には“2人芝居の要素”があると言うことで、今日の稽古場もさながら2人芝居の稽古場であった。

 『笑の大学』『バイ・マイセルフ』『I Do! I Do!』などの2人芝居に参加した経験から言わせていただくのだが、ひとり芝居、2人芝居、3人以上が登場する芝居を比較すると、俳優の負担が最も大きいのは2人芝居であると思う。

 愛之助さん、戸次さん、お疲れさまでした。

 以前に愛之助さんとご一緒したのは五辨の椿(2005年6月/明治座)の時なので、今回は実に17年ぶりの稽古場ということになる。前回は時代劇で山本周五郎さんの世界であったが、今回は現代劇で翻訳劇でコメディである。税務署の会計課に勤務するうだつの上がらない(着物姿ではない)愛之助さんを存分にご堪能いただきたい。

 稽古前に大道具の発注と衣裳の打ち合わせ。衣裳デザイナーは初めてご一緒するゴウダアツコさんである。

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『奇人たちの晩餐会』通信

5月10日(火)

 立ち稽古に入る。

 物語の舞台として設定されているのはピエール・ブロシャンが住む高級マンションのリビング。「年代物の家具、高額絵画、高価な置物で趣味良く装飾されたとても美しい一室」であると台本には記されている。

 稽古場には精巧に作られた舞台美術のミニチュアが置かれているのだが、初めて模型を目にしたキャストの皆さんから思わず「羨ましい……」とでも言いたそうなため息が漏れた。舞台美術デザイナーは『レベッカ』(シアタークリエ再演版)や『ハイスクール・ミュージカルJr.』などでもご一緒した松生紘子さんである(松生さんは優秀な舞台美術を表彰する“伊藤熹作記念賞”を受賞されたばかり)。

 稽古前の予想で私は、今日は初日だからキャストの皆さんは様子を見ながら「探り探り」で慎重にやって来るかな……?と思っていた。が、予想は裏切られた。キャストの皆さんは全員がアグレッシブで「グイグイ」とどこまでも行くのであった。

 頼もしい!

 お陰で想定していたより遥かに充実した内容の稽古初日となった。嬉しい誤算である。

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『奇人たちの晩餐会』通信

5月9日(月)

 そして今日も読み合わせ。
 2幕を、昨日の1幕と同様に要所要所で止めながら読んでみる。そののち1幕を通して読む。

 舞台の『奇人たちの晩餐会』(原題 Le Diner de cons)は、フランスではどのくらい人気のある芝居なのだろう。近年でも上演されているのだろうか?

 映画化されているくらいなのでかなりのヒット作だろうと思われるのだが、ネットなどで調べよう……と思っても情報の殆どはフランス語で記されていて私では手も足も出ない。なので稽古場に顔を出してくださった翻訳の岩切正一郎さんにちょっと調べていただいた。

 調べてみると、フランスでは今でも毎年のようにどこかで上演されているようである。パリに限らず様々な都市で取り上げられているらしく、既に来年の夏の上演が日時入りで告知されていたりもする。初演より四半世紀が過ぎようとしているのだが、『奇人たちの晩餐会』の人気は衰えることを知らない様子である。

 私たちの『晩餐会』も、繰り返し繰り返し上演されるような人気作になるといいなぁ。

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『奇人たちの晩餐会』通信 そして『ラ・カージュ・オ・フォール』大千穐楽 『アニー』東京公演千穐楽

5月8日(日)

 今日も読み合わせ。
 今日は1幕を、要所要所で止めて内容の確認をしたりしながら読んでみる。

 芝居作りは「戯曲(台本)に書かれていることをひとつずつ実体化してゆく作業」であるとも言えるのだが、戯曲に書かれていることは実はたかが知れていて、芝居を作るに際して知っておきたい事は思いのほか書かれていない。

 なのでキャストも演出家も(デザイナーの皆さんも)想像力を最大限に働かせて「知っておきたいけど書かれていないこと」を考えることになるのだが、その作業こそが「解釈する」と言うことにほかならない。

 なかなか困難な作業だが、であると同時にとてつもなく楽しい作業でもある。今日も劇中の幾つかの“謎”に対して思わず膝を叩きたくなるような「解釈」が次々飛び出した。芝居作りが複数の人間の共同作業であることの醍醐味がそんなところにもある。

 さて。

 3月8日に東京の日生劇場で幕を開けた『ラ・カージュ・オ・フォール~籠の中の道化たち~』が埼玉のウェスタ川越/大ホールで大千穐楽を迎えた。途中、休演者や公演中止もあり「無事に」と言うわけには行かないが……それでもこの日を迎えることができた。

 公演の再開と維持に心血を注いでくださった皆さんに、この場を借りて御礼申し上げたい。そしてご観劇、ご声援くださった皆さんにも。

 そして。

 4月23日に開幕した『アニー』の東京公演も今日で千穐楽。昨年、一昨年と涙をのんだ『アニー』カンパニーであるが、これまでの所は順調であった。『アニー』にはまだ夏の全国ツアーが残されているので、どうかそこまで順調でありますように。

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『奇人たちの晩餐会』通信

5月7日(土)

 奇人たちの晩餐会の稽古が始まった。

 『奇人たちの晩餐会』は、1998年に製作され日本では翌年に公開されたフランスのコメディ映画の題名としてお馴染みであるが、私たちが取り組んでいるのはその映画の原作となった“舞台版”のコメディである。

 作者はフランシス・ヴェベールさんで、ヴェベールさんは“映画版”の脚本と監督も務めている。付け加えると、ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール~籠の中の道化たち~』の原作となったフランスのコメディ舞台劇『Mr.レディ Mr.マダム』(作者はジャン・ポワレさん)の映画版で脚本を書いているのもヴェベールさんである。

 私たちの舞台版には多彩なキャストが集まっている。

 晩餐会に招かれる“奇人”のフランソワ・ピニョンに片岡愛之助さん。フランソワを晩餐会に招くピエール・ブロシャンに戸次重幸さん。ピエールの妻=クリスティーヌに水夏希さん。ピエールの(2年ほど疎遠になっている)親友=タンニ・ルブランに原田優一さん。ピエールと“公言できない関係”にある女性=マルレーヌに野口かおるさん。フランソワの職場仲間=リシュアン・シュヴァルに坂田聡さん。そしてピエールのぎっくり腰を診る医師=アルシャンボーに大森博史さんである。

 実は、私が以前にご一緒したことがあるのは片岡愛之助さんと原田優一さんのお2人だけで、お2人以外の皆さんとは今回が初めてのお仕事である。稽古場へ向かう私の足取りも心なしか緊張しているように感じたのは気のせいではあるまい。

 それはともかく、稽古初日の今日はキャスト&スタッフのご紹介、そして読み合わせ。

 “手応え十分”であったことをご報告しておきたい。

 『奇人たちの晩餐会』は6月7日(火)に世田谷パブリックシアターで幕を開ける。それまでのひと月、どうぞよろしくお付き合いください。

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