« 2021年11月 | トップページ | 2022年1月 »

2021年12月の記事

神田沙也加さん

 神田沙也加さんの訃報に接した。

 そのことを知った者は誰もが驚き、戸惑い、悲しんでいるだろう。私もそうである。

 神田さんと初めて言葉を交わしたのはどこかの劇場のロビーでだったように思うのだが(楽屋の廊下だったかも)、その内容は鮮明に覚えている。神田さんはまだ面識のなかった私に

 「『ダンス オブ ヴァンパイア』のサラをやりたいです!」

 と、ものすごい勢いでおっしゃった。2015~16年と2019~20年の『ダンス オブ ヴァンパイア』でその願いは叶えられた。

 稽古の出番がない日(つまりお休みの日)なのに稽古が観たくて稽古場に顔を出したり、ダブルキャストで自分の出番が無い回(つまりお休みの回)にチケットを買って観劇したり……そんな様子がこのブログの『TDV通信』に残されている。そんな人は神田さん以外に私は知らない。

 明るくて真面目で純粋な神田さん。

 どうぞ安らかにお眠りください。

| | コメント (0)

『ローマの休日』そして『アニー』

 J-LODliveの補助金を受けた舞台映像が相次いで公開されている。

 J-LODliveについてはこちらをご参照いただきたいのだが、そのお陰でたくさんの舞台作品の映像が(全編では無いとは言え)残され、そして公開されているのは喜ばしい限りである。

 私の演出した作品でも『ローマの休日』(こちら)や『アニー』(こちらこちら)の映像が公開されている。

 ご興味のある方はどうぞご覧ください。

| | コメント (0)

近況報告

12月1日(水)

 『ドッグファイト』の初日を開けた後、何をしていたのかを簡単に記しておきます。

 9月の後半~10月の末は日本芸術専門学校で学生たちが出演する公演ハイスクール・ミュージカルJR.を演出していました。

 ミュージカルを学ぶ専門学校生(一部高校生も)たちのための公演で、なので会場は学校内の劇場ですし、キャストも(ゲストのひのあらたさんを除いて)全員が在校生です。
 が、スタッフには翻訳・訳詞の高橋亜子さんをはじめ、音楽監督の玉麻尚一さん、振付の青木美保さん、舞台美術の松生紘子さん、照明の岡田勇輔さん、音響の大野美由紀さん、歌唱指導の西野誠さん・三木麻衣子さん……そして私と、錚々たるプロフェッショナルが揃っていました。

 11月の頭~現在は映画演劇文化協会が主催するミュージカル・アカデミー『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~JR.』の稽古中です。
 こちらもキャストはアカデミー生(と卒業生)で、稽古場での公演ではありますが、衣裳や照明やワイヤレス・マイクありの本格的な公演を目指しています。

 どちらの作品にも題名の末尾に「JR.」の文字が付いていますが、これはミュージカル作品の版権を管理しているMTIと言う会社が用意している「アマチュアや学生向けのライセンス作品」であることを示しています。
 そのオフィシャル・サイトへのリンクを張っておきますのでご興味のある方はご覧いただきたいのですが、この「ブロードウェイ・ジュニア」と呼ばれる作品群ではストーリーやミュージカル・ナンバーが短縮(或いはカット)されていて、「本物」よりも手軽にミュージカルの上演が体験できるようになっているのです。

 私は今までに『ヘアスプレーJR.』『フェームJR.』『ハイスクール・ミュージカルJR.』『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~JR.』そして『アニーJR.』(これは図らずもアマチュアではないカンパニーでの上演でしたが)を演出してきました。恐らく我が国で最も「ブロードウェイ・ジュニア」シリーズに精通している演出家だと思います。

 ミュージカル俳優を目指すためには歌やダンスのレッスンは不可欠です。しかしどんなに熱心にレッスンを積み重ねても、レッスンだけでは良い俳優は育ちません。なので今回のように“作品の上演”を通して「実際のミュージカルの現場で求められること」を体験してもらう必要があるのです。

 因みに、ディズニーの最新アニメーション・ミュージカル『ミラベルと魔法だらけの家』でミラベル役の日本語吹き替えを担当している斎藤瑠希さんは、前回(3年前)の『ハイスクール・ミュージカルJR.』でヒロインのガブリエラ・モンテス役を演じていました。

 今回のキャストの中からも将来のミュージカル界を背負って立つような才能が羽ばたきますように!

| | コメント (0)

« 2021年11月 | トップページ | 2022年1月 »