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『オトコ・フタリ』通信

12月5日(土)

 衣裳/ウィッグ付き通し稽古。

 まずはそれを実現してくれた衣裳チーム、ヘアメイク・チーム、そして演出部の皆さんに感謝したい。稽古場でこれがやれると劇場入りしてからが大変スムーズになる。
 そして音楽が“昨日録音されたもの”に差し替えられた。まだ最終的な仕上げ前の“仮ミックス”ではあるのだが、音楽の“表情”と言うか“情報量”が増し、一層雄弁になったように思う。

 今日はギャラリーの顔ぶれも豪華であった。

 衣裳デザイナーの前田文子さん、ヘアメイク・デザイナーの川端恵理子さん、音楽を携えてきてくださった江草さん、そして脚本の田渕久美子さんもいらっしゃった。

 脚本家はその作品の“生みの親”である。演出家はさしずめ“育ての親”と言うことになるだろうか。
 私が作品を作る時に心掛けているのは“お客様に楽しんでいただくこと”である。が、“作者に喜こんでもらいたい”という気持ちもそれと同じくらい強い。『オリ』では、誰よりも田渕さんに喜んでもらいたいのである。

 通し稽古終了後、お茶会(ノートのことです)の前に、稽古をご覧になった感想をキャストの皆さんと一緒に田渕さんから伺うことに。
 こういう時の私は全くもって意気地なしである。感想など伺わずに逃げ出してしまいたい。それが本心である。が、それもどうかと思うので、なんでもない顔をして田渕さんのご感想を伺った。

 胸を撫で下ろすご感想だったことをご報告しておきたい。

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