『オトコ・フタリ』通信
11月2日(月)
山口祐一郎さんが演じるのは抽象絵画の巨匠・禅定寺恭一郎(ぜんじょうじ きょういちろう)である。
恭一郎は国内の名だたる賞を総なめにしたうえに、パリのエレーヌ世界展やイタリア現代美術展など海外の賞も次々と物にしている重鎮である。おまけに独身で「とにかく女性にオモテになる」(禅定寺家の家政婦・談)らしい。次作として、集大成ともなる「愛」をテーマにした大作を準備しているのだが……。
3人だけの出演者に私と演出助手の末永さん、舞台監督の山本圭太さんや演出部の皆さんを合わせても、稽古場内に常駐している人数は10人程度である。日生劇場クラスのミュージカルでも使用する稽古場なので、これは今までにちょっと経験したことのない“ゆとり”である。
スペースのゆとりが気持ちにも影響するのか、新作の稽古場に付き物の“緊張感”のようなものもまるでない。それは“稽古場のゆとり”だけでなく、キャスト3人のお人柄とお互いの信頼関係のお陰でもあるのだが。
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