『オトコ・フタリ』通信
11月20日(金)
稽古は2巡目に入っている。ひとまずラストシーンまでたどり着いたので、幕開きに戻っておさらい、と言うか、更に深める作業に取り組んでいる。
キャスト3人の中で稽古場に一番乗りするのは決まって浦井健治さんである。私もどちらかと言えば早い方だが、浦井さんは私より早い。早く到着して浦井さんが何をしているのかと言うと、イヤホンを耳に1人で稽古場をうろうろと歩きながら芝居の予習、または復習をしている。
俳優には2通りあって、浦井さんのように「早く稽古場に入って(或いは遅くまで稽古場に残って)予習・復習を繰り返すタイプ」と「予習・復習は稽古場では一切やらないタイプ」とに分けられる。山口祐一郎さんはどちらかと言えば後者である。
山口さんは稽古場外で予習と復習を重ねていらっしゃると思われる。思われる……と言うのは、見たことがないし聞いてみたこともないからなのであるが、山口さんの台本を見れば徹底的に準備をされていることは明らかである。山口さんの台本はおびただしいほどの付箋で倍の厚さになっているし、書き込みも誰よりも多い。
保坂知寿さんは山口さん、浦井さんとはまた違ったタイプである。浦井さんほど早く稽古場にいらっしゃるわけでもないし、台本も付箋だらけではない。が、稽古が始まれば誰よりもしっかりと準備ができている。
保坂さんも「稽古場外で予習・復習をするタイプ」であると思われるが、山口さんの方法とはまた異なる方法でそれをなさっているのだろうと想像する。
たった3人のキャストでも芝居への取り組み方に個性が現れていて面白い。
たった3人だからこそ、いつもはあまり気にしていないそんな部分にも目が行くのであるが。
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