『ローマの休日』通信
10月3日(土)
GP。
グランプリ(仏語/Grand Prix)ではない。ゲネラルプローベ(独語/Generalprobe)である。日本の演劇界では「ゲネプロ」「ゲネ」などと称することが多いのだが、ほぼすべてを本番と同様に行う“初日前の最後の通し舞台稽古”のことである。
稽古場での“ピアノ通し”もそうであったが、ダブル・キャストのため今日のGPも2回である。シングル・キャストの皆さんやオーケストラ、公演スタッフの皆さんにはちょっと過酷なスケジュールである。
が、「鉄は熱いうちに打て」という言葉もあるように、“1回目の感触が残っている状態での2回目”というのは、稽古としてはかなり有益である。スタッフ・サイドのテクニカル面も含めて、1回目と比べてあらゆる部分が洗練された2回目であった。
1回目、2回目ともにGP終了後、キャストと演出チーム、歌唱指導チーム、振付チーム、そしてアクションの渥美さんは稽古場に集合して確認と修正。舞台ではテクニカル面の修正と調整が重ねられる。
さて。
明日は初日。ダブル・キャストは土屋さん、加藤さん、太田さんの登板である。幕間の休憩は30分で、カーテン・コールを含めて全体では3時間弱の上演時間を想定している。
今回の『ローマの休日』の上演が決まったのは何年も前のことである。その時点で「世の中がこんな風になっている」とは誰ひとり想像しなかった。が、こんな風になってみて改めて思うのは、『ローマの休日』は今の私たちに必要な作品なのだ、ということである。
帝劇をはじめ、劇場街では何か月にも渡って予定されていた公演がキャンセルとなった。『ローマの休日』は図らずも帝劇の通常公演再開の第1弾となる。
千穐楽まで何が何でも無事でありますように。
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