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2020年10月の記事

『ローマの休日』 東京公演千穐楽

10月28日(水)

 ミュージカル『ローマの休日』東京公演が無事に千穐楽を迎えた。

 無事にこの日を迎えられたことは奇跡でもなんでもなく、関係者のひとりひとりが感染症対策に地道に取り組んだことの結果だと思う。関係者にはキャストやオーケストラ、舞台裏のスタッフだけでなく、劇場の表を預かる皆さん、そしてお客様も含まれる。皆さんの冷静な行動に心から敬意を表したい。

 劇場にお越しくださった皆さん、改めてご来場ありがとうございました。そして劇場にお越しにならなかった(或いは“なれなかった”)皆さん、遠くない将来にきっと劇場でお目にかかりましょう。その日が来ることを私は希望を持って待っています。

 『ローマの休日』カンパニーは少しのお休みをいただいた後、12月には名古屋の御園座へ、1月には福岡の博多座へ参ります。その時には今よりも状況が少しでも良くなっていることを願ってやみません。

 最後に、東京公演で全出演回を終えた平方元基さん、本当にお疲れさまでした。いつかまたローマで再会できますように!

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『ローマの休日』通信 ダブル・キャスト初日

10月5日(月)

 ダブル・キャストの朝夏さん、平方さん、藤森さんの初日。

 開演前の客席が昨日ほど緊張感をみなぎらせていないように感じたのは、お客様が昨日よりもくつろいでいらしたからなのか。それとも私自身の緊張が昨日ほどではなかっただけなのか?
 それはともかく、今日が初日の3人はきっと大変な重圧の中にいたであろうはずなのに、そんなことを全く感じさせない堂々としたパフォーマンスを見せてくれた。そして今日も“昨日に勝るとも劣らない”素敵な初日であった。観劇中の私の「ヒヤヒヤ」度も格段に低かったし。

 明日からキャストのシャッフルが始まる。ご来場くださった皆さんにはぜひ“異なる組み合わせ”でもご覧いただきたいと思う。違う楽しさ、違う感動に出会えるはずである。

 これで『ローマの休日』通信は終了である。ご愛読ありがとうございました。
 今の心境を告白すれば「20年前に出された宿題をようやく提出し終えたみたいな感じ」である。ただし、提出しただけで採点はこれからであるが。(いい点数がつくといいなぁ…)

 ミュージカル『ローマの休日』東京公演は10月28日まで。12月には愛知/御園座、1月には福岡/博多座に参ります。

 皆さん、どうぞ劇場へ!

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『ローマの休日』通信 初日

10月4日(日)

 初日である。

 昨日のうちにGPの確認・修正は済ませているので、今日の公式メニューは「初日のお祓い(おはらい)」からとなる。が、昨日のGPで上手くいかなかったシーン・チェンジがあるので、お祓いの前にスタッフのみで該当個所を再度テクリハ。
 お祓いの後も、小道具の直しが出た個所をキャストとあたったり、オーケストラの音を確認したり……と、開幕に向けての最終調整は続く。

 初日の今日は17時開演である。

 開演前の場内は、“会話を控えるよう”に劇場からお客様にお願いが出されていることもあって静かである。1ベルが鳴り、皆さんが着席されてもその静けさは続く。場内の緊張感も私の緊張感もいやがうえにも高まる。
 チューニングと共に場内が暗くなる。スポットライトが指揮の若林さんを照らし出す。と、客席から思いのほか力強い拍手が。私の緊張は安堵に変わった。

 今日は脚本の堀越眞さん、作詞の斉藤由貴さんと並ぶ席で観た。初日の演出家につきものの「ヒヤヒヤしながら」の観劇ではあったのだが、終わってみれば素敵な初日であったと思う。

 終演後には乾杯も無く楽屋を訪問するお客様もいない。まだ稽古が続いているように錯覚しそうになるが、幕は開いたのである。
 明日はダブル・キャストのもうひと組、朝夏さん、平方さん、藤森さんの初日である。

 明日も素敵な初日になりますように。

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『ローマの休日』通信

10月3日(土)

 GP。

 グランプリ(仏語/Grand Prix)ではない。ゲネラルプローベ(独語/Generalprobe)である。日本の演劇界では「ゲネプロ」「ゲネ」などと称することが多いのだが、ほぼすべてを本番と同様に行う“初日前の最後の通し舞台稽古”のことである。

 稽古場での“ピアノ通し”もそうであったが、ダブル・キャストのため今日のGPも2回である。シングル・キャストの皆さんやオーケストラ、公演スタッフの皆さんにはちょっと過酷なスケジュールである。
 が、「鉄は熱いうちに打て」という言葉もあるように、“1回目の感触が残っている状態での2回目”というのは、稽古としてはかなり有益である。スタッフ・サイドのテクニカル面も含めて、1回目と比べてあらゆる部分が洗練された2回目であった。

 1回目、2回目ともにGP終了後、キャストと演出チーム、歌唱指導チーム、振付チーム、そしてアクションの渥美さんは稽古場に集合して確認と修正。舞台ではテクニカル面の修正と調整が重ねられる。

 さて。

 明日は初日。ダブル・キャストは土屋さん、加藤さん、太田さんの登板である。幕間の休憩は30分で、カーテン・コールを含めて全体では3時間弱の上演時間を想定している。

 今回の『ローマの休日』の上演が決まったのは何年も前のことである。その時点で「世の中がこんな風になっている」とは誰ひとり想像しなかった。が、こんな風になってみて改めて思うのは、『ローマの休日』は今の私たちに必要な作品なのだ、ということである。

 帝劇をはじめ、劇場街では何か月にも渡って予定されていた公演がキャンセルとなった。『ローマの休日』は図らずも帝劇の通常公演再開の第1弾となる。

 千穐楽まで何が何でも無事でありますように。

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『ローマの休日』通信

10月2日(金)

 午前中は道具調べ・照明合わせの続き。その後、テクニカル・リハーサルの続き。そしてその後、舞台稽古の続き。

 4日間にわたる舞台稽古を無事に終了。明日はゲネプロ。

【「全ての道はローマに通ず」第11回】
 ミュージカル『ローマの休日』は海を越えた。韓国のソウルで、2000年の10月28日から11月5日まで“シンシ・ミュージカル・カンパニー(Musical Company,Seensee)”により韓国語に翻訳されて上演されたのである。
 手元にその時のチラシがあるのだが、当然ながらハングルで記されていて、ハングルにまったく馴染みのない私には残念ながら解読不能である。理解可能なのは「Based on The Paramount Pictures Film"Roman Holiday"」と「Book by MAKOTO HORIKOSHI」「Music by MICHIRU OHSHIMA」「Lyrics by YUKI SAITO」「Original Production TOHO MUSIC co.LTD」のみである。
 著作権者ではない私の名前は当然ながら無い。(第2部終わり/あるのか第3部!?)

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『ローマの休日』通信

10月1日(木)

 午前中はスタッフのみでテクニカル・リハーサル。午後から舞台稽古、昨日の続き。

 『ローマの休日』は劇場入りしてからでないと試せないこと、決められないことが膨大にある。なのでテク・リハも舞台稽古も一筋縄では行かない。

【「全ての道はローマに通ず」第10回】
 『ローマの休日』初演の製作発表が行われたのは1997年10月29日であった。会場に選ばれたのは高輪プリンスホテルの貴賓館で、冒頭で“劇中のワン・シーンを再現する”など、なかなか力の入った製作発表であった。
 再現されたのはラスト・シーンである。
 式武官に扮したキャストのひとりが製作発表に集まってくださった取材陣の前に進み出る。式武官がアン王女のお出ましを告げると、アン王女役の大地真央さんが(本番さながらの扮装で)音楽とともにらせん階段を下りてくる。階下で待ち受ける取材陣の中にジョー・ブラッドレー役の山口祐一郎さんが(やはり扮装で)紛れていて、アン王女に質問をすると……という趣向であった。
 今回は時節柄製作発表が行われなかったのでちょっと寂しい。

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『ローマの休日』通信

9月30日(水)

 午前中はオーケストラと音響チームのサウンド・チェック。午後からスタッフだけでテクニカル・リハーサル。そののち舞台稽古。

【「全ての道はローマに通ず」第9回】
 『ローマの休日』のミュージカル・ナンバーは曲先行で(歌詞が後から)作られて行った。
 大島さんから届いた候補曲についてのミーティングが1997年の10月18日にあった。この時には確か3~4曲の候補があり、その中から2曲が採用となった。後に幕開きの「謁見の歌」になる曲(今回は不使用)と、後に「ローマの休日」になる2曲である。
 「ローマの休日」になった曲は、この時点では今とは異なるAメロ(最初の部分のメロディ)を持っていた。が、Bメロ(中間部分のメロディ)とCメロ(最後の部分のメロディ)は現在皆さんが知っている「ローマの休日」である。Bメロ、Cメロがことのほか素敵だったので、Aをやり直していただくことでこの曲も採用となった。翌年10月に迎える初日のほぼ1年前のことである。

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