『ローマの休日』通信
9月19日(土)
2幕8場、2幕9場、2幕10場を作る。そしてミュージカル・ナンバーの固め。
これでラスト・シーンまで行き着いた。まずは胸を撫で下ろす。
2幕の後半は物語が急速に展開する。陽気で軽やかだった休日も、切なく、胸を締めつけられるような趣きに変わる。登場人物の少ない場面が続くので、稽古場の空気もしっとりとしたものになる。
かつて手掛けた作品を、20年の時を経て再び演出するのはとても不思議な感覚である。
当時のこと――台本や音楽を作るプロセス、稽古の過程など――はつい昨日のことのように覚えている。その20年前にやったことを、20年分の経験を重ねた現在の私が添削しているような感覚である。
或いは、まったく記憶から欠落していたような出来事を稽古中に突然思い出す、と言うようなことも時々起こる。
どちらにせよ、そのたびに私の感情は大きく揺さぶられる。が、揺さぶられていては演出はできないので稽古場では平静を装っている。
明日は稽古OFF。連日長時間の稽古が続いているので、ちょっと嬉しい。
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