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2020年9月の記事

『ローマの休日』通信

9月29日(火)

 朝から道具調べ・照明合わせ、昨日の続き。その後、スタッフのみでテクニカル・リハーサル。更にその後、キャストも入ってテクニカル中心の舞台稽古。

【「全ての道はローマに通ず」第8回】
 大島さんとの顔合わせの2日後、1997年の6月12日に(私が参加してから初の)脚本打ち合わせが行われた。その時点で既に堀越眞さんの手になる“第1稿”が印刷されていた。
 その後“第2稿”、“準備稿”、準備稿に演出プランやセット・デザインなどを記入した“スタッフ用準備稿”、“決定稿(歌詞なし)”、“決定稿(歌詞入り)”が開幕までに印刷されることになる。
 最終稿となった“決定稿(歌詞入り)”であるが、王女が2幕で歌う「誓い」の歌詞は未掲載であった(まだ曲が仕上がっていなかったので)。

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『ローマの休日』通信

9月28日(月)

 終日道具調べ・照明合わせ。

 美術デザイナーの松井さん、照明デザイナーの高見さん、音響デザイナーの山本さんとは『ヘアスプレー』でもご一緒するはずであった。映像デザイナーの栗山さんには『巌流島』でもお世話になることになっていた。

 今回は皆さんとご一緒することができて本当に嬉しい。

【「全ての道はローマに通ず」第7回】
 大島ミチルさんに初めてお会いしたのは映画『ローマの休日』のビデオを鑑賞した翌日、1997年の6月10日であった。大島さんに会うので慌てて映画を見た、と言うこともできるのだが。
 お目にかかったのは帝劇の地下にあった日本料理店である。話がお互いの年齢のことになり大島さんと私が同年齢だということが判明すると、大島さんはしきりに「同世代の演出家とはやり難いんだよなぁ……」とおっしゃった。

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『オトコ・フタリ』 大阪公演・愛知公演決定

 『オリ』の大阪公演と愛知公演が決定した。日程はこちらからどうぞ。

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『ローマの休日』通信

9月27日(日)

 稽古場最終日。“オケ選抜メンバー”で2回目の通し稽古。

 昨日とキャストが異なるので、昨日とはまた“ひと味違う”『ローマの休日』であった。が、『ローマの休日』の楽しさ、華やかさは何ひとつ変わらない。
 通しの後はいつものように全体でノート。6週間に及んだ稽古場での作業を打ち上げた。

 稽古を終えて劇場のチームと合流。道具調べ・照明合わせに入る。

 今回の『ローマの休日』は舞台美術、その転換と照明・映像、そして音楽が密接に絡み合っている。道具調べ・照明合わせも、いつも以上に神経を使いながら。

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『ローマの休日』通信

9月26日(土)

 オケ合わせの翌日は本来ならば“オケ付き通し稽古”である。が、感染症対策のために今回はオーケストラの“選抜メンバー”で通し稽古。

 ここ何日かの(昨日のオケ合わせも含む)稽古の成果が表れた、収穫の多い通し稽古であったと思う。新鮮で、自然で、スピード感があって、笑いと感動に満ちた『ローマの休日』だった。
 通し稽古後はいつものように全体でノート、明日に向けての課題を共有する。その後、更にいくつかの場面をあたる。

 劇場では昨日に引き続き仕込み作業、そして照明のフォーカス合わせなどが行われている。

 劇場でのスタッフの作業もコロナ以前とは様相が異なっている。本来の今月公演が無くなっていることが大きいのだが、コロナ以前よりも仕込みの日程が前倒しされているのである。
 初日までの“延べ日数”が増えているのだが、その代わりに深夜に及ぶことが少なくなった作業時間帯を見直している。このやり方がニュー・ノーマルとなって行くのか否か、それはまだ分からない。

 さて。

 明日は2回目の“オケ選抜メンバーで”通し稽古。稽古場最終日である。

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『ローマの休日』通信

9月25日(金)

 オケ合わせ。

 生のオーケストラに接するのはいつ以来だろう? 緊急事態宣言の前なのは間違いない。『アニー』も『ヘアスプレー』も中止となってしまったので、今日は待ちに待った日であった。

 音楽担当の演出部・石川さんの手際のよい仕切りでオケ合わせは順調に進行。幕開きからエグズィット・ミュージックまで、全曲を今日1日で無事に合わせ終える。
 今日は「稽古場にスタンド・マイクを複数立て、キャストはマイクの前で(踊ったり動いたりせずに)“歌うこと”と“演奏を聴くこと”に専念する」というスタイルのオケ合わせであった。“音楽に特化して稽古する”ということでもあるし“密を避ける”ためでもある。

 20年ぶりに生のオーケストラで聞く『ローマの休日』の音楽は、大島ミチルさんの才能と愛情が隅々にまで行き渡ったそれはそれは素晴らしいものであった。音楽には人の心を直接動かす力がある。今日も動かされっぱなしであった。

 今回の再演で唯一心残りなのは、今日のオケ合わせに大島ミチルさんがいらっしゃらないことである。ニューヨーク在住の大島さんはギリギリまで来日の可能性を探ってくださったのだが、状況が好転せず来日を断念された。

 さて。

 稽古場も残すところ2日。10月も目の前である。

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『ローマの休日』通信

9月24日(木)

 ピアノ通し。

 ダブル・キャストが3名×2組なので、ピアノ通しも2回。2回公演である。
 今回は稽古がやや駆け足であったにもかかわらず、皆さんきっちりと仕上げてきてくれた印象である。と同時に新たな課題も見つかったので、通し後のノート(いわゆる“ダメ出し”)でそれらを共有する。

 上演時間は今日のところは1幕、2幕ともに1時間08分前後。最終的な仕上がり時間もそれほど大きくは変わらないだろう。これにカーテン・コールの時間がプラスされることになる。

 ダブル・キャストになっているアン王女、ジョー・ブラッドレー、アーヴィング・ラドヴィッチはキャストによって印象が結構異なる。そのことは稽古の初期にも記したが、仕上げの段階になって“違い”がよりはっきりしてきたように思う。
 相手役が変わると芝居の運び方も変わるので、できることなら“異なる組み合わせ”も楽しんでいただけると嬉しい。

 2回公演終了後、稽古場の一画が片付けられ楽器が運び込まれる。明日は待ちに待ったオケ合わせである。

 劇場では井上芳雄さんと中川晃教さんのコンサート『僕らこそミュージック』のバラシ作業が終わり、『ローマの休日』の仕込み作業が始まった。

 開幕の時が刻一刻と近づいてくる。

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『ローマの休日』通信

9月23日(水)

 稽古前に衣裳合わせ。
 まだ済んでいなかった何点かを合わせる。

 続いて“劇中で流れる声”の録音。
 あんな声やこんな声を録る。

 そして抜き稽古。
 昨日、一昨日で1幕、2幕をひと通りおさらいしたので、今日は幾つかの場面を抜き出して重点的に稽古。

 そののちカーテン・コールを作る。
 これは鈴木ひがしさんと桜木涼介さんの担当。私はニコニコ見ている役。

 3日間に及んだオケ・リハは無事に終了した模様。
 リハに立ち会っていた演出部の石川さんが、不安げな私を見かねて近寄ってきて「大丈夫です。楽しみにしていてください」とささやいてくれる。
 石川さんも20年前を知る数少ない“生き残り”のおひとりである。

 明日はピアノ通し×2回。台風の先行きが気がかりであるが……。

 どうぞ被害が出ませんように。

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『ローマの休日』通信

9月22日(火)

 ひと月ぶりに“あること”のレッスン。

 最初のレッスンに立ち会った時には何を聞いてもチンプンカンプンだった私も、多少のことなら聞き分けられるようになってきた。マルコ・ズバラグリ先生、ありがとうございました。

 そして1幕のおさらい。

 久しぶりの1幕である。とても上手に消化された場面もあれば、久しぶりだからねぇ……という場面もあった。が、稽古とはそもそもそう言うものである。明日もっと良くなればいいのである。

 稽古後は照明打ち合わせ。
 照明デザイナーの高見和義さん、舞台監督の佐藤博さん、演出助手の鈴木ひがしさん、演出部の永井誠さんと。

 高見さんが稽古場に現れると「いよいよだな」と思う。身が引き締まる。

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『ローマの休日』通信

9月21日(月)

 稽古前に東京ミッドタウン日比谷へ。

 地下1階の日比谷アーケードで『ローマの休日』の特別ビジュアルが公開されているので、遅れ馳せながらそれを見学に。公開は9月27日までなので未見の方はどうぞお早めに。

 稽古は2幕のおさらい。

 1幕をおさらいした時と同様に、2幕を4つのブロックに分けて稽古。
 ただし、2幕は今までの稽古の中で“複数の場面を繋げること”をやっているので、1幕の時とは異なり最初から3~4場面を繋げて(通して)みる。

 『ローマの休日』で語られるのは“わずか1日半”の間に起こったことである。なので、私たちのミュージカル版でも大半の場面が“直前の場面”と繋がっている。
 どんな作品でも“前後の繋がり”は大切なものであるが、『ローマの休日』では(上記の理由で)“特に”大切だと思う。なので、どんどん繋げてみるのである。

 別稽古場ではオーケストラのリハーサルも始まった。そちらも順調でありますように。

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藤木孝さん

 藤木孝さんの訃報に接した。

 藤木さんは現在稽古中の『ローマの休日』が1999年に名古屋と博多で上演された時に、アン王女の髪を切る美容師のマリオ・デラーニを演じてくださった。

 藤木さんはミュージカル『マイ・フェア・レディ』の初代フレディである。以後、数々のミュージカルになくてはならない方であった。私が演出助手時代にご一緒したミュージカル『シー・ラブズ・ミー』で演じたカフェ・インペリアルのウェイター役も忘れ難い。
 ミュージカルだけでなく数々のストレート・プレイでも存在感を発揮されていた。時に“怪演”とも言うべき濃厚な演技を見せたかと思うと、冷静でリアルなお芝居もきっちりとなさった。ご本人は知的で上品で奥ゆかしい方でいらした。

 近年ではミュージカル『パレード』を拝見した。その時にお話しさせていただいたのが最後となった。『パレード』は来年1月の再演が決まっていた。

 ご冥福をお祈りいたします。

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『ローマの休日』通信

9月19日(土)

 2幕8場、2幕9場、2幕10場を作る。そしてミュージカル・ナンバーの固め。

 これでラスト・シーンまで行き着いた。まずは胸を撫で下ろす。
 2幕の後半は物語が急速に展開する。陽気で軽やかだった休日も、切なく、胸を締めつけられるような趣きに変わる。登場人物の少ない場面が続くので、稽古場の空気もしっとりとしたものになる。

 かつて手掛けた作品を、20年の時を経て再び演出するのはとても不思議な感覚である。

 当時のこと――台本や音楽を作るプロセス、稽古の過程など――はつい昨日のことのように覚えている。その20年前にやったことを、20年分の経験を重ねた現在の私が添削しているような感覚である。
 或いは、まったく記憶から欠落していたような出来事を稽古中に突然思い出す、と言うようなことも時々起こる。

 どちらにせよ、そのたびに私の感情は大きく揺さぶられる。が、揺さぶられていては演出はできないので稽古場では平静を装っている。

 明日は稽古OFF。連日長時間の稽古が続いているので、ちょっと嬉しい。

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『My Story -素敵な仲間たち-』千秋楽 そして『ローマの休日』通信

9月18日(金)

 スペシャル・トークショー『My Story -素敵な仲間たち-』2日目にして千穐楽。素敵な仲間は昼・夜ともに中川晃教さんであった。
 
 今回のトークショーを演出するにあたって心を砕いたのは“帝劇を存分に生かすこと”、そして“希望に満ちたショーにすること”であった。
 前者の実現については、美術の野村真紀さん、照明の古澤英紀さん、音響の碓氷健司さんら、帝劇を熟知したクリエイティブ・チームの皆さんと、舞台監督の廣田進さん、そして劇場スタッフの皆さんが果たしてくださった役割が大きい。
 そして後者は、同じ場所・同じ時間を共有してくださったお客様の存在が、何よりも“希望そのもの”であるように私には思われた。

 この企画が実現したのには“コロナ禍で本来の公演が開催されなかった”ことが大きく作用している。そう考えると“今後2度と観ることのできないトークショー”であったのかも知れない。

 『ローマの休日』は2幕5場B、2幕6場、2幕7場を作る。その後2幕5場Aをブラッシュ・アップ。

 ラスト・シーンが見えてきた。

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『My Story -素敵な仲間たち-』初日 そして『ローマの休日』通信

9月17日(木)

 “ミュージカルの帝王と仲間たちが繰り広げる、予測不能なスペシャル・トークショー”という触れ込みの『My Story -素敵な仲間たち-』が初日を迎えた。

 今日と明日で計4回行われるトークショーのホストは“帝王”山口祐一郎さんで、山口さんは全ての回にご出演。そして本日の素敵な仲間たち。昼の部は浦井健治さんと保坂知寿さんで、夜の部は加藤和樹さんと平方元基さんであった。

 ご来場くださった皆さん、配信でご覧くださった皆さん、ありがとうございました。そして……楽しんでいただけただろうか? ご感想をTwitterでつぶやいていただけると嬉しい。(こちらを見てね)

 さて『ローマの休日』は2幕4場ABのおさらいから。
 今日も少人数の稽古場なので、“その場面で起こっていること”をいつも以上に丁寧に掘り起こす。

 そののち抜き稽古。
 今までに手を着けた場面の中で、稽古が足りていないと思われる場面を“抜き出して”稽古。

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『オトコ・フタリ』公式サイト リニューアル

 シアタークリエで12月12日に初日を迎える『オリ』の公式サイトがリニューアル。扮装したキャストの写真、公演日程やチケット情報など詳細が発表された。

 公式サイトへはこちらからどうぞ。

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『ローマの休日』通信

9月16日(水)

 アクションの渥美博さんが登場。存分に腕を振るってもらう。

 渥美さんの生み出すアクションや殺陣が“シリアスなもの”から“ユーモア溢れるもの”まで実に幅広いことは9月5日のブログでも触れた。今回は、どちらかと言えば後者である。
 アクション自体は至って真剣なものなのだが、真剣なアクションを絶妙のタイミングで組み合わせて行くと、そこはかとないユーモアが生まれる。渥美マジックである。加えてアクションを組み立てて行く過程が(すなわち稽古自体が)前向きで陽気である。なので今日も稽古場では笑いが絶えることが無かった。

 願わくば稽古場は楽しい場所でありたい。劇場入りした後の舞台裏も同様でありたい。私はそう思っている。クリエイティブ・チームを編成する時に真っ先に考えるのはそのことである。

 アクションを整理した後は2幕2場と2幕3場のおさらい。ドラマが少しずつ立体的になってくる。

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『My Story -素敵な仲間たち-』通信

9月16日(水)

 帝劇で朝から仕込み作業。

 『My Story -素敵な仲間たち-』は2日間だけのトークショーなので、大きなセットも無いし演奏者もいない(もちろん稽古もない)。
 が、予定されている90分間“何も変化が無いのも如何なものか”と思うので、ささやかながら今日はその準備。

 今回のトークショーはLiveで映像が配信されるのだが、アーカイブや見逃し配信などは行われない。平日なのでお仕事などの方には大変申しわけないのだが、どうかご了承くださいますように。

 私自身がその時間に仕事をしているので4回公演の全てを観ることができない。稽古中にこっそりLive配信観るか?

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『ローマの休日』通信

9月15日(火)

 今日は3つの作業が同時進行していた。

 ひとつ目は帝劇の舞台を借用しての作業。
 帝劇の休館日を利用して『ローマの休日』で使用する舞台機構を稼働させてチェック。そして稽古場で確認することが困難な幾つかの場面を稽古。

 ふたつ目は大道具発注の最終確認。
 こちらは美術デザイナーの松井るみさんと舞台監督の佐藤博さん、そして大道具を製作する東宝舞台の担当者さんで。大道具製作の細部を詰める。

 そして稽古場である。私は稽古場の担当である。
 稽古では2幕3場、2幕4場AB、そして2幕5場Aを作る。

 2幕3場は「事故現場」。つまり……事故ったのである。
 ここは“脚本に書かれていること”を実現するのは難易度が高いな、と感じていた場面なのであるが、キャストの皆さんの創意工夫のお陰でとても印象深い場面になったと思う。私的にはこの場面だけでも「再演になってよかった」と感じられる場面である。

 2幕4場Aは「サンタ・マリア・コスメディン教会へ続く道~真実の口」(長いな)。Bは「祈りの壁」である。
 ここにはアン王女、ジョー、アーヴィングの3人しか登場しない。広大な帝劇の稽古場で“キャスト3人だけ”の場面を稽古するのはちょっとした贅沢感がある。実際には稽古場内のキャストの数は(3役ともWキャストなので)3人ではないのだが。

 2幕5場Aは「船上の舞踏場」。
 ローマ市内を流れるテヴェレ川に艀(はしけ)を浮かべて、そこが舞踏場(ダンス・ホール?)になっている。川の向こう側にサンタンジェロ城を望むロマンティックな場所である。
 ここではあんなことやこんなことが起こるのだか、もう物語も終盤なので内容には触れない。

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『ローマの休日』通信

9月14日(月)

 午前中から衣裳の仮縫い。アン王女、ジョー、アーヴィング、伯爵夫人、そして将軍。

 稽古場は2幕に突入。まず2幕1場を作る。

 2幕1場は大使館の「伯爵夫人の部屋」。
 アン王女の姿が見えなくなりヴィアバーグ伯爵夫人は気が気でない。将軍が手にする今日の新聞には「アン王女急病」の見出しが躍っている。そこに現れた大使が連れて来たのは……。

 続いて2幕2場を作る。ここは3つのセクションに分かれている。

 2幕2場Aは「ロッカズ・カフェ」。ローマの街角にある“テラス席のあるカフェ”である。
 ジョーの案内でやって来た王女は念願のテラス席に座る。そこにアーヴィングも登場。アーヴィングは電話でジョーに呼び出されたのだが……。

 ここにはミュージカル・ナンバー「ローマ最新観光案内」がある。まずナンバー前の芝居部分を整理し、そののちステージングに進む。

 2幕2場Bは「スクーター・シークェンス・パート1」。ジョーが後ろにアン王女を乗せてヴェスパでローマ市内を回る、映画でも有名なシークェンスである。
 このシークェンスは「ローマ最新観光案内」の一部になっている。王女、ジョー、アーヴィングが市内の名所をスクーターで(アーヴィングは自分の車で)巡っていると、ホイッスルがけたたましく吹き鳴らされ……。

 そして、2幕2場Cは「スクーター・シークェンス・パート2」である。が、残念ながら今日は時間切れ。宿題となる。

 稽古場にヴェスパがやって来た。想像していた以上にいい感じ。嬉しい。

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『ローマの休日』通信

9月12日(土)

 1幕のおさらい。1幕を4つのブロックに分けて稽古を進める。

 3~4場面で1つのブロックにし、まずは個々の場面で確認・修正を行う。その後、ブロック内の3~4場面を繋げて(通して)みる。それが終われば次のブロックに移り、同様のことを繰り返す。この方法で1幕の全場面のおさらいを何とかやり終える。

 ブロックごとの稽古の最後に“通す”ことで作品の“流れ”を(ある程度は)体感できるわけであるが、今日の経験は将来の稽古で効いてくるはずである。
 それはキャストの皆さんだけでなく、稽古場を回す演出部の皆さんの手順にも言えることである。通し稽古が近づいてきた暁には少なくない恩恵を感じられることだろう。

 さて。

 明日は稽古OFF。皆さん、どうぞ良い休日を。

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『ローマの休日』通信

9月11日(金)

 今日は女性アンサンブルの皆さんの、ドレスの仮縫いから。
 冒頭の“アン王女歓迎の舞踏会”場面で着用されることになるドレスである。上品でシックな色遣いが素晴らしい。衣裳デザイナーの前田文子さんもご満悦。(もちろん私も!)

 稽古では1幕10場B、そして1幕11場を作る。

 1幕10場はアン王女が訪れる「美容院」の場面。10場Aは店の表で、10場Bは店内である。
 10場Bにはステージング済みのミュージカル・ナンバー「カット!」があり、今日はそのブラッシュ・アップを入念に。更にナンバー前後の芝居部分を作る。

 そして1幕11場。「スペイン広場」である。

 スペイン広場はローマの名所の中でも最も有名な場所のひとつである。スペイン広場で思わぬ再会を果たしたアン王女とジョー。ジョーは王女に「今日1日、好きなことをやって過ごす」ことを勧める。王女の表情がひときわ輝いて……。ここで歌われるナンバーは「ローマの休日」である。

 更にその後、昨日手を着けたミュージカル・ナンバー「ショッピング」をブラッシュ・アップ。今日も長い1日であった。

 さて。

 駆け足ではあるが、これで1幕をひと通り当たり終えた。しかし当たり終えただけなので、明日は1幕のおさらい。

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『ローマの休日』通信

9月10日(木)

 まず1幕4場をおさらい。続いて「船上のダンス・パーティ」の振り付けの続き。そして1幕9場を作る。

 1幕9場は「オープン・マーケット」。
 ここにはミュージカル・ナンバー「ショッピング」があり、アン王女が大使館へ帰る途中に通った“青空市場”での情景が描かれる。その振り付けから手を着ける。

 時間にすればわずか1分30秒ほどのナンバーなのだが、大勢の登場人物が別々の振りを踊ることになるので「今日は時間かかりますよ」と振付の桜木涼介さんが最初に宣言。
 が、一旦振り付けが始まると、桜木さんはものすごいエネルギーとスピードでこの複雑なナンバーをどんどん形にして行く。この人の頭の中は一体どうなっているのだろう……?

 ひと通り振りを付け終わるのには5時間ほどを費やした。それでもまだ“ざっくりと”付けたに過ぎないのだが。

 今日は全てのシーンに王女様とジョーが登場していた。長丁場の稽古で、覚えることも膨大で、歌って、踊って、演じて……本当にお疲れさまでした。

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『ローマの休日』通信

9月9日(水)

 稽古前に舞台美術と映像・照明の現状を確認・共有するための打ち合わせ。
 稽古もある程度進み、大道具や映像機材などの様子も見えてきたので、このタイミングでいま一度ミーティング。我々稽古場チームと各デザイナー・チームの意思疎通を図る。

 稽古は昨日の続き、ミュージカル・ナンバー「自由」のブラッシュ・アップから。
 昨日は“ゆっくりとしたテンポ”で“ブロックごとに止めて確認しながら”稽古していたのだが、今日は“本来のテンポ”で“全体を止めずに”やれるレベルにまで進歩。

 続いて1幕5場、そして1幕8場を作る。
 1幕5場、そして8場はどちらも「ジョーのアパート」。5場にはミュージカル・ナンバー「素敵な夢」と「悪い夢」がある。「素敵な夢」は既にステージングを済ませてある。

 映画の『ローマの休日』をジャンル分けするとすれば“コメディ要素のある恋愛映画”または“ロマンティック・コメディ”に分類されると思っているのだが、ミュージカル版はさしずめ“ロマンティック・ミュージカル・コメディ”だろう。
 1幕5場も8場も“ロマンティック・コメディ”と呼ぶのにふさわしい楽しい場面。稽古を見ている私もつい頬が緩んでしまう。

 別稽古場では並行して2幕のミュージカル・ナンバー「船上のダンス・パーティ」の振り付けに着手。進められる部分からどんどん進行。

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『ローマの休日』通信

9月8日(火)

 立ち稽古。1幕3場を作る。

 1幕3場はスペイン広場近くにある「ホテルの一室」である。今日はまず前半の芝居部分を作り、その後、既にステージングされている「それが人生」に繋げる。
 煙草の煙が立ち込める部屋でポーカーに熱中しているのはアメリカ記者クラブの面々。メンバーの中にはジョーとアーヴィングの顔もある。今夜独り勝ちしているのは……。

 続いて1幕1場をおさらい。
 一昨日より“舞台の実寸が取れる稽古場”に移ったので、立ち位置や動線などを実寸で調整。

 更に1幕2場Aをおさらい。その後、この場面にあるミュージカル・ナンバー「自由」をステージング。
 「自由」は物語前半のハイライトとなるナンバーである。ナンバーの中では“アン王女が大使館を抜け出す行程”が描かれる。

 表現手法は至ってシンプルなナンバーなのだが、シンプルなりに様々な要素を同期させる必要はある。なので、ステージングにはけっこう時間がかかる。が、時間がかかることは織り込み済み。で、今日はざっくりと全体を作るにとどめ、明日の稽古でブラッシュ・アップ、という作戦。

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『ローマの休日』通信

9月7日(月)

 アンサンブルの皆さんを中心にした衣裳とウィッグの合わせ。

 衣裳デザイナーの前田文子さんとヘアメイクデザイナーの岡田智江さんのディレクションの下、東宝舞台衣裳部・小道具部の皆さんとスタジオADの皆さんが、膨大な数の衣裳とウィッグ、そして持ち物やアクセサリーなどを1点ずつ合わせて行く。1日がかりの大事な作業である(そのことに触れた前田文子さんのTwitterはこちら)。

 映画『ローマの休日』は現代劇として製作されている。したがって映画の時代背景は製作された“1950年代前半”ということになるのだが、私たちのミュージカル版も映画版を踏襲して1950年代の前半を物語の時代背景としている。

 今日用意された衣裳やウィッグの大半も1950年代の風俗に寄せて選ばれた(または製作された)物である。ある世代から上の皆さんには懐かしく、それ以外の皆さんには新鮮に感じられることだろう。

 キャストの皆さん、そしてスタッフの皆さん、長時間の衣裳・ウィッグ合わせお疲れさまでした。

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『ローマの休日』通信

9月6日(日)

 立ち稽古。1幕2場A、1幕4場、1幕6場、1幕7場を作る。

 1幕2場Aは、先日冒頭部分に手を着けた「王女の寝室」である。
 映画版で言えば“ヴィアバーグ伯爵夫人がアン王女に明日のスケジュールを教える”場面にあたる。ここで観客は王女の愛すべき一面を知ることになる。

 1幕4場はローマの人気(ひとけ)のない「街角」。
 ここではアン王女とジョー・ブラッドレーの出会いが描かれる。

 1幕6場は大使館内にある「大使の執務室」。
 アン王女の姿が見えなくなり困惑するヴィアバーグ伯爵夫人、プロヴノ将軍、それに駐イタリア大使の3人。果たして王女の身に何があったのか……?

 そして1幕7場はローマにある「アメリカン・ニューズ・サービス社」のオフィス。
 ジョー・ブラッドレーが勤務する新聞社のローマ支局である。支局長のジェイムズ・ヘネシーはどうやら機嫌が悪いらしい。それというのも……。ヘネシーを演じるのは松澤重雄さんである。

 ヴィアバーグ伯爵夫人を演じる久野綾希子さんとは実に20年ぶりのお仕事となる。
 私たちの世代では、久野さんはグリザベラであり、エビータであり、イヴ・ハリントンであった。その久野さんとこうしてご一緒できるのは、私にとっては夢のようなことである。

 数々の名場面が昨日のことのように思い出されます(山田談)。

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『ローマの休日』通信

9月5日(土)

 稽古前にアクションの渥美博さんと打ち合わせ。

 渥美さんには前回の『ローマの休日』でもアクションをデザインしてもらった。今回はキャストも舞台美術も全く異なるので、構想も新たにデザインをしてもらうことになる。
 渥美さんには本当に長い間お世話になっている。『浪人街』のような壮絶な殺陣から『ジキルハイド』のようなスタイリッシュな連続殺人まで、渥美さんの守備範囲は恐ろしく広い。今回はそれらとはまた違ったアクションが見られるはずである。

 稽古は、まず1幕1場「大使館の大広間」のおさらいを。ミュージカル・ナンバー「最高の夜、退屈な夜」と「舞踏会のワルツ」をブラッシュ・アップ。その後、Wキャストの皆さんを昨日とは異なる顔ぶれにして2回目の歌・音楽入り読み合わせ。

 Wキャストの2人の個性がけっこう違うことには以前も触れた。昨日と今日では読み合わせの印象もやはり異なる。
 今回はWキャストになっている役が3役あるので、その組み合わせは全部で8通り。8つの“異なる印象の『ローマの休日』”が観られることになる。

 どの組み合わせをご覧になりたいですか?

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『ローマの休日』通信

9月4日(金)

 まず全体で歌、台詞、音楽の確認。その後、歌・音楽入りで読み合わせ。

 台詞も、音楽も、物語の展開も、結末も、いつ・どこで・何が起こるのか全て知っている私でも、実際のキャストで、途中で止めることも途中を端折ることもしない『ローマの休日』に触れるのは今日が初めてである。そういう意味では、稽古前の私はとても興奮していたし、とても緊張してもいた。

 が、終わってみればとても素敵な読み合わせだった。

 今回の再演が決まってからずっと頭の中で描いていた作品のイメージが、キャストの皆さんの新鮮な表現によっていい意味で上書きされた。今日、読み合わせに立ち会いながら感じた全てのことを決して忘れずにひと月を過ごそう。読み合わせが終わった瞬間にそう決めた。

 稽古後はまだ“暫定”となっている個所の音楽の確認。更に大道具の確認。

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『ローマの休日』通信

9月2日(水)

 少人数での歌稽古。そしてミュージカル・ナンバー「素敵な夢」をステージング。

 「素敵な夢」は、大使館を抜け出したアン王女が、街でたまたま知り合ったジョーのアパートで歌うナンバー。子守歌のような、スウィートで優しい楽曲である。
 2人のアン王女(朝夏まなとさんと土屋太鳳さん)はどちらも“とてつもなくキュート”なお姫様である。稽古はまだ始まったばかりであるが、きっとそれぞれの個性的なアン王女になるだろう。

 その後、ジョーとアーヴィングと記者仲間たちの「それが人生」をブラッシュ・アップ。

 2人のジョーと2人のアーヴィング(こちらもWキャストなので)も個性は結構違っている。それぞれの個性がこの先どの方向に延びてゆくのか、それはまだわからない。
 が、(2人のアン王女も含めて)それぞれの考えるキャラクターでのびのびと進んでいって欲しいと思う。私の考えるWキャストの理想は「みんなちがって みんないい」である。

 話は変わるが、公式サイトがリニューアル。愛知と福岡の公演が決定し、新しいヴィジュアルが公開されている。

 もうご覧いただけただろうか?(こちらからどうぞ)

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『ローマの休日』通信

9月1日(火)

 (ほぼ)
全キャストが集合。

 (ほぼ)全ミュージカル・ナンバーを(ほぼ)全員で歌い(今までの歌稽古は少人数で進められていた)、(ほぼ)全BGMと台詞の関係を(ほぼ)全員で確認。

 今回の『ローマの休日』では今までのヴァージョン以上にコーラスを多用している。
 これまでの歌稽古では密を避けるために全員を集めずにいたのだが、そのためにコーラスを全体で聞くことができなかった。ようやく今日、初めてコーラスの全貌に触れることができた。

 その感想は“鳥肌もの”である。

 そして、全体での歌稽古を終えて「カット!」のステージングの続き。美容師マリオの“イタリア人度”が増している!

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『ローマの休日』通信

8月31日(月)

 立ち稽古。1幕1場を作る。

 1幕1場は「大使館の大広間」。ローマにある“ある国”の大使館である。
 主人公のひとりであるアン王女は「ヨーロッパ最古の王室の王位継承者である」と劇中で紹介されているのだが、その国名は最後まで明らかにされることはない。なので“ある国”なのであるが、その大使館で“ヨーロッパを歴訪中のアン王女”を歓迎する舞踏会が開かれようとしている。

 その夜は様々な国籍の人々が賓客として招かれていた。ローマ法王をはじめとする錚々たる顔ぶれである。やがてアン王女が登場し謁見の儀式が恭しく始まる……。

 アン王女を演じるのは朝夏まなとさんと土屋太鳳さん(Wキャスト)である。アン王女の側近であるヴィアバーグ伯爵夫人を久野綾希子さんが、同じく側近のプロヴノ将軍を今拓哉さんが、そして駐イタリア大使を港幸樹さんが演じる。
 この場面にはミュージカル・ナンバー「最高の夜、退屈な夜」があり、更に「舞踏会のワルツ」がある。それらのステージングにも着手する。

 続いて1幕2場の冒頭を作る。

 1幕2場は大使館内の「王女の寝室」。
 舞踏会を終え満足気なヴィアバーグ伯爵夫人。今宵のローマは聖ペテロのお祭りであるらしく、寝室にも窓外から賑やかな音楽が聞こえてくる。寝間着に着替えたアン王女が現れると……。

 更にミュージカルナンバー「それが人生・リプライズ」をステージング。
 もうひとりの主人公であるジョー・ブラッドレーのナンバーであるが、一昨日ステージングした「それが人生」の続編的なナンバーである。

 ジョーの人生に突然大きな転機が訪れた。その時ジョーがとった行動は……。

 部分的に先行して(やや変則的に)始まった今回の稽古場であるが、今日から本格的な稽古に移行する。

 突っ走るぞ!

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