『ローマの休日』通信
8月26日(水)
そして歌稽古。
歌稽古も2巡目に入っている。“音取り”が中心だった1巡目と比べると歌がより“音楽的”になっているので、楽曲が秘めていた魅力がいよいよ光を放ち始めたように感じる。
次はより“演劇的”になりたい。
(「全ての道はローマに通ず」第5回)
ブロードウェイ・ミュージカルを演出する機会が私にも巡ってきた。『サウンド・オブ・ミュージック』(1998年3月~/日生劇場)である。
『サウンド・オブ・ミュージック』は実話をもとに製作されたミュージカルである。駆け出しの演出家だった私は「物語の舞台となった土地を見ておきたい」と考え、仕事の合間にザルツブルクに旅立った。
ザルツブルクからの帰り、立ち寄ったウィーンのホテルに日本から国際電話が入った。“視察”とはいえプライベートな旅である。その旅先にわざわざ国際電話……? 訝りながら電話に出た私に相手は告げた。
「『ローマの休日』を演出して欲しい」
それが1997年5月14日である。
(第6回につづく)
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