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『TDV』通信

10月9日(水)

 立ち稽古。1幕4場、そして1幕6場。

 1幕4場は「シャガールの宿屋の断面」。
 アルフレートたちの部屋、バスルーム、サラの部屋が並んでいる1幕3場は「シャガールの宿屋の2階」であった。そして「シャガール夫妻とマグダの部屋は屋根裏にある」と4場には記されている。つまりこの宿屋は3階建てで、4場では2階と3階(屋根裏)の様子が同時に描かれる。なので“断面”である。

 “幾つかの別々なストーリーが同時に描かれる”ことは芝居では時々ある。こういう場面の稽古は中々骨が折れる。
 “別々なストーリー”というのは、ここでは“アルフレート&サラのストーリー”と“シャガール&レベッカとマグダのストーリー”そして“プロフェッサーのストーリー”の3つなのだが、3つが同時進行していても観客が混乱することが無く、何が起きているのかが明快でなければこれをやる意味がない。そこにたどり着くまでに骨が折れるのである。

 骨が折れることはもうひとつあって、それは「稽古場では2階の上に3階を乗せたセットが作れない」ということである。
 “上下にあるはずの異なるフロア”のセットを“ワンフロアに飾って稽古する”ことになるわけなので、“稽古場で見えている景色”を脳内で補完して“劇場で見えるはずの景色”に置き換えることが常に求められる。こうなると、もう芝居の稽古どころではない。

 1幕6場は「シャガールの宿屋の前」。
 雪が止み、太陽が久しぶりに顔を出した。冬の山奥には貴重な、束の間の晴れ間である。宿の者たちは薪の準備や食材の調達に余念がない。が、そこに招かれざる客が現われて……?

 ここにはシャガール、レベッカ、マグダのナンバー「すべて順調」と、プロフェッサーのナンバー「人類のために」がある。
 ショーやレビューの世界には「中詰め(ちゅうづめ)」と言う言葉がある。「大詰め」に対しての「中詰め」なのであるが、「大詰め」が最終シーン(フィナーレ)のことであるのに対して、「中詰め」は全体の中ほどにある。なので「中詰め」なのである。

 「人類のために」はまさに中詰め。ショーが止まるほどの喝采(ショー・ストップ)が起きればうれしい。

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