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2019年10月の記事

『シスター・アクト』通信

10月30日(水)

 2幕の後半をおさらい。

 2幕の後半は物語が畳み掛けるように展開する。デロリスをめぐる状況も目まぐるしく動く。それも当然である。クライマックスだからね。
 色々なできごとがあった後、デロリスと修道院長が2人きりで取り残される場面がやって来る。2人は物語の中でことごとく対立してきた。正に水と油である。

 その2人のシーンの最後で、お恥ずかしいことにちょっぴり貰い泣きしてしまった。久しぶりで忘れていたのだが、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』は無防備に観ていると“そうなってしまう”芝居であった。こんな照れ臭いことは2度とするまい……と静かに誓う。

 2幕後半に修正を加えた後、通し稽古。

 初めての通しだったのでギクシャクとした部分も無いではなかった。が、物語の骨格はしっかりと表現されているように感じた。ニュー・キャストの面々も魅力全開で、そのことが作品全体を更に生き生きとさせているように思う。

 通し稽古後、全体でノート。更に幾つかの場面を抜き稽古。

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『TDV』通信

10月29日(火)

 オケ付き通し2日目。稽古場最終日。

 今までの稽古で積み重ねてきたものが実を結んだ“充実した”通し稽古であったと思う。なので私からのノートはとても少ない。ただしそれは“これで完成”と言うことではもちろんなくて、“稽古場でやれることはやり終えた”という意味合いでの話ある。
 ご承知の通り、『ダンス オブ ヴァンパイア』は“劇場入りしてからでないと処理できない”部分が他の作品と比べて桁違いに多い。そういう意味合いでは“まだまだ完成にはほど遠い”と言うことになる。

 道のりは遠い。

 キャストの皆さんと話していると、この作品の「初演を見ました」とか「再演を見ました」と言う人が少なくない。そして「いつかこの作品に出るのが夢だった」と皆さんが口をそろえて言う。
 今期の『ダンス オブ ヴァンパイア』カンパニーが“初演や再演から続投しているメンバー”と“今期から参加してくれているメンバー”の混成であることは以前記したが、その両者に“作品を通じての繋がり”があることを今さらのように知った。

 なんて幸福なカンパニーだろう。

 さて。

 明日から主戦場を劇場に移す。開幕まで1週間を切った。

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『TDV』通信

10月28日(月)

 オケ付き通し1日目。

 稽古場の酸素と居場所がなくなる日でもある。が、演出部の土屋さんが、私とミス・オンタイムのために稽古場の窓際に“腰かけられるスペース”を工作してくれた。ありがとうツッチー。
 オーケストラに包まれるようにして観た通し稽古は、控えめに言っても“悪くない出来”だったと思う。稽古後のノート(ダメ出し)も今までより少ない。

 オケ付き通しの後は若干の抜き稽古。細部のクォリティの底上げを貪欲に図る。

 劇場の方は、私が覗いた時には“宿屋の外観”と“お城のシャンデリア”が舞台上で作業中であった。本番中には見られない“ちょっとシュールな絵”である。

 そしてリー君のムービーにまたまた新作が登場(それはこちら)。公式ページではグッズのご案内が出た(こちらからどうぞ)。ご鑑賞の記念に“クロロック伯爵のクロック”はいかが?(セサミストリートの“カウント伯爵”みたい)

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訃報 八千草薫さん

 八千草薫さんの訃報が届いた。

 八千草さんとご一緒したのは1度きり、2000年の1月に三越劇場で上演された『私だって!』の時のことである。
 「跳ぶなら今 キネマの美女の物語」と副題の付けられたこの作品は斎藤雅文さんが書きおろしてくださったコメディで、“昭和初期のモダン東京”を舞台にしたこの作品で、八千草さんは主人公の帝劇女優=若宮初音を演じてくださった。

 若宮初音は、皆さんが思い描かれるであろう八千草さんのイメージよりもうんと傲慢で自己顕示欲の強い女優として描かれていた。いささか鼻持ちならない所のあるそんな主人公を、八千草さんはとても楽しそうに生き生きと演じていらっしゃった。ミュージカルではなくストレートプレイではあったのだが、八千草さんは歌声もちょっぴり披露してくださった。

 その後、直接お目にかかる機会は得られなかったが、テレビなどで拝見するお姿は最近になってもあのころと全く変わらず、世の中には“時が流れても色褪せることのない美しさ”もあるのだと思っていた。

 ご冥福をお祈りいたします。

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『アニー』よりお知らせ

 丸美屋食品ミュージカル『アニー』より“アニー役変更”のお知らせです。

 こちらからどうぞ。

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『TDV』通信

10月27日(日)

 オケ合わせ2日目。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』の音楽には「芝居や台詞とのタイミングがやけに細かく決まっている部分」が何か所かあって、今日はそこにちょっと手こずった。が、タイムテーブルの遅れを鮮やかに取り戻し、終わってみれば予定されていた時刻より少し早いくらいであった。我々には“ミス・オンタイム”が付いているからね(ミス・オンタイムについてはこちらこちらこちらをどうぞ)。

 帝劇では『ラ・マンチャの男』が千穐楽。『ラ・マンチャ……』のセットが解体・搬出されると、入れ替わりに『ダンス オブ ヴァンパイア』の搬入・仕込みである。

 稽古場は残りあと2日。明日と明後日は“オケ付き通し”である。

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『シスター・アクト』通信

10月26日(土)

 全場面をひと通り当たり終え、立ち稽古の2巡目に入る。今日は1幕の前半を。『ダンス オブ ヴァンパイア』と同様に、幾つかの場面をつなげて物語の“流れ”を重視しつつ、来たるべき通し稽古にも備える。

 幕開きから快調なテンポでドラマは進行し、稽古だとわかって観ていてもなんとも小気味よい。ニュー・キャストの皆さんと続投キャストの皆さんも絶妙なブレンド具合で、以前からこの顔触れであったかのように自然である。
 その結果、今まで以上にリアルでありながら同時にメリハリもあるという、実に見ごたえのある『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』に仕上がりつつある。これは再演の理想的な形のひとつだと思う。

 ところで、ミュージカルの原作である映画版『天使にラブ・ソングを』でデロリス役を演じたウーピー・ゴールドバーグさんが「ミュージカル版『シスター・アクト』にデロリス役で登場する」というニュースが飛び込んで来た(それはこちら)。

 来年の夏、ロンドンで、39回のみ! だそうです。

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『TDV』通信

10月25日(金)

 2回目のピアノ通し。

 昨日と今日のピアノ通しを経て色々な事がクリアになってきた。現時点では“今までで最もシェイプアップされた”『ダンス オブ ヴァンパイア』になっているのではないだろうか?
 上演時間は1幕が1時間15分前後、2幕が1時間20分前後になりそうである。これはカーテンコールを含まない時間なので、終演後にご予定のある方はご注意いただきたい。

 稽古終了後、稽古場に楽器を搬入。明日よりいよいよオーケストラとの合わせである。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』のカーテンコール……と言えば「みんなで踊ろう」のコーナーが思い浮かぶのであるが、これはその名のごとく「カーテンコールで舞台上のキャストと客席のお客様が一緒に踊る」コーナーで、今年も行われることが決まっている。
 このコーナーのために振り付けも用意されていて、“2019年バージョン(新振付!)”の予習用のムービーが近日中に公開されるはずである。

 公式ページでは“スペシャル・カーテンコール”の開催も告知されているが、「みんなで踊ろう」は“スペシャル開催日”も“そうでない日”も、全公演のカーテンコールで行われるので、どうぞお楽しみに。

 リー君(『ダンス オブ ヴァンパイア』のマスコット的な“宣伝担当”コウモリ)からコメント映像「ヴァンパイアご挨拶」第3弾も届いた。こちらからどうぞ。

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『TDV』通信

10月24日(木)

 幾つかの場面を確認した後、ピアノで通し稽古。プロローグからカーテン・コールまで一気に通す……と言いたいところだが、稽古場では稽古用の道具を並び替えたりする都合があって、1幕で1か所、2幕で2か所、そこだけは止まる。

 今回の『ダンス オブ ヴァンパイア』はリニューアルされるとはいえ再演なので、舞台上や舞台裏でどのようなことが起こるのか、我々スタッフもある程度のことは想定できている。が、2006年の初演の時はそうではなかった。あらゆることが未経験で手探りで、想定外なことの連続であった。
 初演時の『TDV』通信が残されているが、道具調べ/照明合わせに入った6月29日のブログを見てみると(それはこちら)その時の窮状がそこはかとなく伝わってくる。その翌日、翌々日は書き込みがなく、次にブログが書かれるのは初日が開いた後のことである。

 今回は書き続けることができるだろうか?

 稽古終了後、照明打ち合わせ。
 照明デザイナーの高見さん、照明助手の奥野さん、舞台監督の廣田さん、演出助手の小川さんと。

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『TDV』通信

10月23日(水)

 振り固めと2幕のおさらい。

 稽古場には劇場で皆さんがご覧になるような舞台美術や照明は無い。衣裳やヘアメイクも無い。オーケストラもいない。伴奏はピアノ1台で、歌はマイクを使わない生歌である。代わりに稽古場にあるのは、生身のキャストによる歌やダンスや演技が手に取るように伝わる“距離の近さ”である。そして、好きな場所から(望むなら真後ろからでも、アクティング・エリアの中からでも)それを眺められる“自由な視点”がある。

 稽古場で「夜を感じろ」や「永遠」「フィナーレ」などを見ていると、人間の凄さや素晴らしさをひしひしと感じて時々私は胸が熱くなる。これと同じ感覚を劇場の客席でも味わって欲しい。稽古を見ながら私が考えているのはそんなことである。
 劇場には舞台美術があり照明があり、衣裳やヘアメイクもあり、オーケストラもPA設備もある。が、それらがお客様の心を動かすのではないだろう。それらと生身のキャストの表現が一体となった時、劇場でも稽古場で私が感じるのと同様な体験が生まれるのではないだろうか。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』がそんな作品の1本になりますように。

 別稽古場ではオーケストラのリハーサルが始まった。こちらの稽古場では明日から通し稽古である。

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『TDV』通信

10月22日(火)

 おさらい。1幕後半と2幕前半。

 昨日、今日、明日で全シーンを当たり振り固めも行う計画なのだが、この3日間は“1場面ずつ”ではなく“連続する幾つかのシーンをつなげて”稽古している。ひとつには「間もなく通し稽古が始まるので、その時にスムーズに進行できるように」するためであり、もうひとつには「主人公のドラマが1場面、1場面、積み重なっていくことを大切に演じて欲しい」からでもある。

 今回の『ダンス オブ ヴァンパイア』では「主人公=アルフレートと主人公を導くプロフェッサー・アブロンシウスのドラマ」を今まで以上に掘り下げようと企図している。必然的に2人の場面の稽古は今まで以上に熱が入ることになる(時間もかかる)。
 主人公と彼を取り巻く登場人物ちとの関係も洗い直してみている。今まで以上にシリアスで、笑えて、怖くて、感動的な『ダンス オブ ヴァンパイア』に仕上がったら嬉しい。

 稽古後、演出部のミーティング。
 舞台監督の廣田さんを囲んで「本番中、舞台裏で何が行われるのか?」「それは誰が行うのか?」の作戦会議。稽古と同じくらいの時間を費やす。

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『TDV』通信

10月21日(月)

 振り固めと1幕のおさらい。

 おさらいでは“とても上手く行っている”部分と“段取りは悪く無いがドラマとしてはもうひとつ”な部分、そして“段取りそのものに課題が残っている”部分が混在していて、“もうひとつ”と“課題”の処理に奔走しているうちに予定の時刻より押せ押せに。台風で失われた1日が恨めしい。

 稽古場でのメニューを終えたのち帝劇の客席へ。
 帝劇では現在『ラ・マンチャの男』を上演中である。その終演後に客席をお借りして、客席を使用する幾つかの場面の段取りをつける。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』が「劇場入りしてからでないと確認ができないこと」が膨大にある作品であることは以前にも記した。仕込みやテクニカル・リハーサルや舞台稽古は常に“時間との戦い”になる。
 いや“戦い”にならない作品などないのだが、『……ヴァンパイア』での“戦い”は他のどの作品よりも厳しい。その状況をいくらかでも補うために、前倒してやれることはどんなことであろうとやっておきたい。

 話は変わるが、稽古場から今度はこのご夫婦のコメントが届いた。

 こちらからどうぞ。

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2020年のアニー!

10月20日(日)

 『アニー』のオーディションは、昨年まで長い間、日本テレビ放送網麹町分室の中にあるリハーサル室を会場として行われてきた。その建物は日本テレビが汐留に移転するまでは本社であった建物である。しかし周辺の再開発に伴い閉鎖され、現在は解体作業中である。
 旧本社の解体と前後するように、その建物の裏側に日本テレビ番町スタジオが新たに建てられた。今年から『アニー』のオーディションはこの番町スタジオ内のリハーサル室で行われる。

 アニーと孤児たちを選ぶオーディションは、今年も大変難しい判断を求められる困難な仕事であった。
 今日会場に来ているのは、1次審査、2次審査、そして昨日の審査を経た子供たちである。全員が“誰が選ばれてもおかしくない”力を持っている。その中から誰かを選ぶことなど、どうすれば可能だというのだろう……?

 そうも言っていられないので、審査する者全員で様々な可能性を繰り返し検討し、ようやくのことでアニーと孤児たちを選び出した。その選ばれた子供たちがこちらである。

 2020年の『アニー』は4月25日(土)から5月11日(月)まで、東京・初台の新国立劇場中劇場での上演が予定されている。その前に、恒例のクリスマスコンサート(それはこちらから)!

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『アニー』2020 オーディション

10月19日(土)

 ブロードウェイ・ミュージカル『アニー』については多くを語る必要はないだろう。
 『アニー』は、この国で上演されているミュージカルの中でもっとも題名を知られている作品の1本だと思われる。が、もし『アニー』について色々とお知りになりたい方がいらしたら、このページ右側の“カテゴリー”欄にある『アニー』をクリックしていただければ、過去にこのブログに記した『アニー』に関する記事をひと通りご覧いただくことができる。ちなみに作品解説的な記事の類は初年度の(年度の入っていない)『アニー』通信が充実している。

 その『アニー』の2020年の“アニー役”と“孤児役”のオーディションが先週末と今週末で行われている。
 『アニー』に登場する子供たちのオーディションは、1次審査としてまず書類審査が行われる。書類審査である程度人数が絞られると次は2次審査。参加者には2次審査からオーディション会場に足を運んでいただくことになる。

 先週末に行われたのが2次審査なのであるが、予定では10月12日(土)と13日(日)の2日間で行われることになっていた。
 が、ご承知の通り12日は台風19号が列島を通過した日である。12日のオーディションはキャンセルとなり、13日(日)と14日(月)に予定をずらして(開始時刻も大幅に変更された)何とか2次審査を終えた。
 天候や交通事情の悪い中、ご参加くださった皆さんには心から御礼申し上げたい。そしてご参加いただけなかった皆さんには、何と申し上げればよいのか……言葉もない。

 さて最終審査であるが、今日と明日の2日間で行われる。審査が順調に進めば、明日の17時には新しいアニーが決まっているはずである。

 今年も素敵なアニーと出会えますように。

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『シスター・アクト』&『TDV』通信

10月18日(金)

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の稽古場へ。

 顔寄せ。キャスト、スタッフ、関係者がそろい、公演に向けて気持ちを新たにする。
 各地の主催者の皆さんもお集まりくださったのだが、交通機関の事情により富山の皆さんのご参加が叶わず、翻訳・訳詞の飯島早苗さんも涙をのんでご欠席。台風の影響の大きさを改めて思い知る。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』の稽古場へ。

 2幕11場を立ち稽古。
 ついに最終場面である。“アルフレートが雪の中を心細そうにやってきた幕開き”から(物語の上では)5日目の夜明けである。この5日の間にアルフレートは今まで経験したことのないような冒険をした。その冒険も終わりが近づいている。ここにはミュージカル・ナンバーは「外は自由(リプライズ)」と「フィナーレ」がある。

 「フィナーレ」は“真っ赤に流れる血が欲しい”でお馴染みのあの曲。10月7日のブログでリンクを張った“アレ”である。『ダンス オブ ヴァンパイア』のフィナーレに相応しく、登場するキャスト全員が踊る、踊る、踊る!

 全体の稽古を終えた後、いくつかの場面を抜き稽古。芝居の精度を高める。

 今日で全場面を(駆け足もいいところであるが)とにかくあたった。台風で1日失ったことを思えば上出来であろう。
 2人のアルフレートとヘルベルトは、稽古を終えると3人で仲良く帰って行った。先に出番の終わった人は自分以外の人の稽古が終わるまで静かに待っていて……である。

 やさしい。

 それとも、あやしい?

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『TDV』通信

10月17日(木)

 立ち稽古。2幕9場と10場。

 2幕9場は、台本にはクロロック伯爵の城の「塔と墓場」と記されている。が、実際にはまず「塔」の場面があり、そののち「墓場」に移行する。ミュージカル・ナンバーは「永遠」があり、そして「抑えがたい欲望」がある。
 「永遠」は既にダンサーズの振り付けは終えているので、今日はアンサンブルさんたちの部分を振り付け、そののちダンサーズと合体。

 「抑えがたい欲望」は、『ダンス オブ ヴァンパイア』の中でも特に忘れ難いナンバーだろう。
 こういうシーンを稽古する時は、“最低限必要な確認を簡潔に済ませ、あとは1回やってみる”のが最善であるように思う。なので今日もそのようにした。今期の稽古場での特に忘れ難い時間となった。

 ナンバーを終えた後、伯爵の影として踊った森山開次さんがおっしゃった。

 「からだが憶えてました。」

 2幕10場はいよいよお城の舞踏会である。物語もついにクライマックスを迎える。張られた伏線もできる限り手際よく回収しなくては。

 連日、長時間の稽古が続いている。
 今回はさまざまな部分がリニューアルされているので“新作ミュージカルの初演の稽古”のように時間がかかっている。

 時間をかけた甲斐のある作品に仕上げなくては。

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『TDV』通信

10月16日(水)

 立ち稽古。2幕5場~8場。

 クロロック伯爵の城の「図書室」「浴室」「図書室」「浴室」が連続するシークェンスである。いつもは大人数の稽古場も、このシークェンスを稽古する時には極めて少人数になる。舞台上には最大でも3人しか登場しないからである。
 ミュージカル・ナンバーはプロフェッサーの「本だ!」があり、アルフレートの「サラへ」があり、さらにアルフレートとヘルベルトの「恋をしているなら」がある。

 アルフレートの歌う「サラへ」は『ダンス オブ ヴァンパイア』の中でも特に印象に残るナンバーだと思う。
 このナンバーは“アルフレートに起きていることを観客に伝える”という意味でとても大切なナンバーだと考えているのだが、このナンバーが2幕3場で(「夜を感じろ」の後で。霊廟に向かう前に)歌われるヴァージョンの『ダンス オブ ヴァンパイア』を観たことがある。
 それはウイーン劇場協会による上演だったので変更もオフィシャルなものであるはずである。が、私はもともとの(我々が上演しているヴァージョンの)位置にこのナンバーがある方がしっくりと来るように思う。そのタイミングで歌われた方が“このナンバーの役割”が明快になるように思われる。

 話は変わって、稽古場から伯爵さまのコメント映像が届いている。まだご覧になっていらっしゃらない方はこちらからどうぞ。

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『TDV』通信

10月15日(火)

 ミュージカルの稽古場では全員で発声をしてから稽古に入ることが多い。身体をほぐしたり呼吸を意識したり巻き舌をしたり……しながら色々な声を出してみたりする。

 巻き舌は、できる人にとっては特に意識することも無くできるものだろう。が、できない人にとってはどんなに苦労してもできないものである。私もできない方の1人なのだが、意外なことに石川禅さんも巻き舌ができない。
 今日も発声のメニューに巻き舌が出てきた。参加している人の大半は何の苦労もなく巻き舌をしながら声を出している。と、突然禅さんが大声で叫んだ。なんと、巻き舌が生まれて初めて――それも何の前触れもなく――できたのである。
 「55歳になっても人間まだまだ進歩するんだなぁ……」
 というのが“初巻き舌”直後の禅さんのお言葉である。

 生まれて初めて巻き舌ができたから10月15日は巻き舌記念日

 稽古メニューは2幕3場と2幕4場。

 2幕3場はアルフレートとプロフェッサー、そしてクコールが登場する場面。ここには難易度が高いことで悪名高い“プロフェッサーの着替え”がある。アルフレートよろしく。

 2幕4場は「霊廟(れいびょう)」。“霊廟”とひとくくりにされているが、ここは大きくは「アルフレートとプロフェッサー霊廟へ」「霊廟のアルフレートとプロフェッサー」「シャガール、マグダ、そしてクコール」に分けられる。ちなみに霊廟とは尊い人の霊を祭る場所のことである。ここは“稽古に手間がかかる場面”で悪名高い。

 そののち1幕7場をおさらい。お風呂への入り方を何度も何度も稽古する桜井玲香さん。

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『シスター・アクト』通信

10月14日(月)

 台風19号の接近に伴い稽古を1日お休みにしたので稽古メニューが組み直された。東京のあらゆる稽古場で同様の組み直しが行われているに違いない。

 組み直された今日のメニューは1幕4場、5場、6場の立ち稽古。

 1幕4場は「警察署」である。
 “ギャングが仲間の1人を射殺する”現場をたまたま目撃してしまったデロリス(森公美子さん/朝夏まなとさん)が、やっとのことで逃げ込んだのがフィラデルフィア警察である。デロリスはそこで高校時代の同級生エディ(石井一考さん)と偶然再会する。エディは今では警官になっていた。
 エディによれば、デロリスが裁判で証言をすれば犯人を逮捕することができるらしい。と同時に、犯人たちはデロリスの口を封じるために命を狙うだろう。裁判で証言する環境が整うまで、デロリスはどこかに身を隠さなければならない。……どこへ?

 1幕5場は南フィラデルフィアにあるという設定の「クイーン・オブ・エンジェルス教会の拝廊」。
 この教会には修道院が併設されていて、厳格な修道院長(鳳蘭さん)の下、シスターたちが神様へのお勤めに日々勤しんでいる。
 教会を監督する立場のオハラ神父(小野武彦さん)が修道院長を訪ねてきて、「大司教区がこの教会の閉鎖を検討している」と告げる。近頃では信者の数が大幅に減ってしまい教会の存続が難しいのだ。教会の閉鎖を認めない修道院長。そこにエディがデロリスを連れて現れて……。

 1幕6場は「教会の食堂」。
 エディの発案でデロリスは修道院に身を隠すことになった。しかし修道院は“修道女”と“修道女になるために修行中の者”以外は入ることが許されない。デロリスがここに入ることができたのは……?

 5場には修道院長とデロリスのナンバー「ここ、壁の内こそ」があり、6場にはデロリスとシスターたちのナンバー「シスターになるのは素敵」がある。今日は各場面の芝居の稽古だけでなく、それぞれのナンバーもステージング。

 稽古場では前回公演にも出演していらしたおなじみのキャストと今回から参加してくださるニュー・キャストが仲良く座っている。“懐かしい感じの空気”と“新鮮な感じの空気”が混在していて、ちょっと不思議な感覚になる。
 稽古していても、見覚えのある『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』だと思っていたら、突然見たことのない『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』が現われる。

 劇場で見たらどんな感じになるだろう?

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『TDV』通信

10月13日(日)

 台風の被害にあわれた方にお見舞い申し上げます。
 1日も早く平穏が戻りますように。

 東京は交通機関の運転再開が始発に間に合わなかったり、再開されても通常より本数を減らしていたり……といった状況であった。なので開始時刻を1時間遅らせて稽古スタート。

 今日から2幕の立ち稽古である。まず2幕1場。

 2幕1場は「クロロック伯爵の城の広間」である。
 初めて『ダンス オブ ヴァンパイア』をご覧になる方には“物語の展開”を知らずに楽しんでいただきたい。なので、ここから先はストーリーには触れないでおこうと思う。ここにはサラと伯爵さまが登場し、2人のナンバー「愛のデュエット」がある。

 続いて2幕2場。

 2幕2場は「悪夢」と名付けられた場面。
 この場面全体がミュージカル・ナンバー「夜を感じろ」になっている。そしてナンバー全体が誰かの見る“悪夢”である。『ダンス オブ ヴァンパイア』に登場する重要なダンス・ナンバーのひとつであることは以前記した通り。すでに振り付けはひと通り終わっているので、今日はダンス以外の部分を作り、そしてダンスと合体。誰の見る悪夢なのか……はどうぞ劇場で。

 そののち1幕のおさらい。

 本来は昨日予定されていたメニューなのだが今日に持ち越しである。ただし全場面ではなく何場面かを抜粋しておさらい。抜粋したにもかかわらず稽古終了はちょっと遅い時刻になった。

 皆さま、大変お疲れさまでございました。

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『TDV』通信

10月11日(金)

 立ち稽古。1幕9場、そして1幕10場。

 1幕9場は「シャガールの宿屋の食堂」。1幕2場でアルフレートたちが遭難寸前で飛び込んだ“あの場所”に物語は戻る。
 アルフレートたちは宿屋を出発することにするが、次に向かうべき場所の手がかりが得られない。食堂に会した村人たちの表情は暗く、アルフレートたちが何を尋ねてもその口は重い。そこにある人物が担ぎ込まれて……。

 9場は15分を超える結構長い場面である。大きくは3つのエピソードに分けることができ、芝居上の段取りや約束事も多い。つまり「稽古するのがなかなか大変」な場面なのである。今日もこの場面だけに4時間以上を費やした。が、費やした甲斐のある充実した場面になりそうである。

 1幕10場は「クロロック伯爵の城のファサード」。
 アルフレートたちは、気がつくと荘厳な城の門前に立っていた。何とかして中に入ることはできないか。アルフレートが苦闘していると城門が突然開き、中から人影が現われた……。

 10場は1幕のラスト・シーン。追う者(科学者)と追われる者(ヴァンパイア)がついに対峙する。
 ここにはミュージカル・ナンバー「ACT-1 フィナーレ」があり、ナンバーの最後には伯爵さまの見せ場のひとつが用意されている。伯爵さまは今日も絶好調。稽古場内の気温がまたまた5度くらい上がる。
 対するプロフェッサーであるが、今回、芝居の運びを少し変えてみてもらっている。作品のスケールと風格を今まで以上に高めたい。そう考えての試行である。

 さて。

 この1週間で1幕をひと通り当たった。“とても急いでいる”印象の稽古であることは間違いないが、今回はさまざまな部分がリニューアルされているので、できるだけ早い段階で全場面を当たり問題点を洗い出してしまいたい。その方針に沿って組まれた稽古スケジュールなのである。
 このハイペースについてきてくださったキャスト&スタッフの皆さん、ありがとうございました。特に今回が初参加の皆さん(中でも出ずっぱりのアルフレートさん)、おさらいの時間はちゃんととります。

 明日も立ち稽古……の予定だったのだが、台風の状況を鑑みて稽古は臨時OFF。
 
 皆さん、くれぐれもご注意くださいますように。

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『TDV』通信

10月10日(木)

 立ち稽古。1幕5場、1幕7場、そして1幕8場。

 1幕5場は「外から見たシャガールの宿屋」。いよいよクロロック伯爵の登場である。
 クロロック伯爵は、プロフェッサー・アブロンシウスが生涯をかけてその存在を追っている“ヴァンパイアの首領”とでも呼ぶべきキャラクター。演じるのはもちろん山口祐一郎さんである。
 幕開きから1幕4場までは、観客は主人公アルフレート共に“物語の中で起きる出来事”を目撃するのだが、5場では初めて“異なる視点”で物語を見ることになる。

 1幕7場は再び「シャガールの宿屋の2階」。
 アルフレートがバスルームでお風呂の支度をしている。バスルームの隣はサラの部屋である。バスルームの音を聞きつけたサラは部屋を抜け出して……。ここには2つのミュージカル・ナンバーがある。「あんたは素敵」と「お前を招待しよう」であるが、“誰が誰を素敵だと思っているのか”、“誰がどこに誰を招待するのか”……はどうぞ劇場で。

 そして1幕8場。再び「シャガールの宿屋の前」。
 夜。雪は止み、月明かりが美しい。サラが部屋の窓から外を見ていると……。ここには1幕のハイライト「外は自由」がある。
 今日はまず冒頭の芝居部分から「外は自由」の前半を作る。その後、先行していたダンス・シークェンス(赤いブーツのダンス)と合体し、さらにその後の芝居部分を作る。

 今日稽古した場面は、どれもとても『ダンス オブ ヴァンパイア』らしい場面だと思う。ロマンティックであり、ドラマティックであり、エキサイティングでありながらファニー。ちょっぴりエロティックでもある。

 明日は1幕の最後までたどり着きたい。台風の進路が気がかりであるが。

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『TDV』通信

10月9日(水)

 立ち稽古。1幕4場、そして1幕6場。

 1幕4場は「シャガールの宿屋の断面」。
 アルフレートたちの部屋、バスルーム、サラの部屋が並んでいる1幕3場は「シャガールの宿屋の2階」であった。そして「シャガール夫妻とマグダの部屋は屋根裏にある」と4場には記されている。つまりこの宿屋は3階建てで、4場では2階と3階(屋根裏)の様子が同時に描かれる。なので“断面”である。

 “幾つかの別々なストーリーが同時に描かれる”ことは芝居では時々ある。こういう場面の稽古は中々骨が折れる。
 “別々なストーリー”というのは、ここでは“アルフレート&サラのストーリー”と“シャガール&レベッカとマグダのストーリー”そして“プロフェッサーのストーリー”の3つなのだが、3つが同時進行していても観客が混乱することが無く、何が起きているのかが明快でなければこれをやる意味がない。そこにたどり着くまでに骨が折れるのである。

 骨が折れることはもうひとつあって、それは「稽古場では2階の上に3階を乗せたセットが作れない」ということである。
 “上下にあるはずの異なるフロア”のセットを“ワンフロアに飾って稽古する”ことになるわけなので、“稽古場で見えている景色”を脳内で補完して“劇場で見えるはずの景色”に置き換えることが常に求められる。こうなると、もう芝居の稽古どころではない。

 1幕6場は「シャガールの宿屋の前」。
 雪が止み、太陽が久しぶりに顔を出した。冬の山奥には貴重な、束の間の晴れ間である。宿の者たちは薪の準備や食材の調達に余念がない。が、そこに招かれざる客が現われて……?

 ここにはシャガール、レベッカ、マグダのナンバー「すべて順調」と、プロフェッサーのナンバー「人類のために」がある。
 ショーやレビューの世界には「中詰め(ちゅうづめ)」と言う言葉がある。「大詰め」に対しての「中詰め」なのであるが、「大詰め」が最終シーン(フィナーレ)のことであるのに対して、「中詰め」は全体の中ほどにある。なので「中詰め」なのである。

 「人類のために」はまさに中詰め。ショーが止まるほどの喝采(ショー・ストップ)が起きればうれしい。

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『シスター・アクト』通信

10月8日(火)

 立ち稽古。1幕8場「警察署」と9場「路上」。

 ストーリーの冒頭でデロリスが目撃した“殺人事件”の容疑者としてカーティスが連行されている。が、証拠不十分で保釈になる。
 しかし、カーティスと子分たち=TJ、ジョーイ、パブロは「なぜカーティスが引っ張られたのか」が分からず気が気でない。エディ・サウザー巡査が言っていた「こっちには証人がいるんだ」という捨て台詞も気がかりである。
 「カーティスをぶち込むのに十分な、確かな証言」をする証人とは……?

 というのが1幕8場。ここにはカーティスと子分たちのナンバー「あいつを見つけたら」がある。ナンバーの中で4人は警察を出て、舞台はフィラデルフィアの路上へと変わる。それが9場である。

 稽古はまず8場の芝居部分から。芝居部分の整理がついたところで「あいつを見つけたら」の振り付けへ。『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の振付は田井中智子さんと大澄賢也さん。共作ではなくお2人で分担していただいているのだが、このナンバーは田井中さんの担当である。
 続投するキャストの大澄さん、泉見さん、KENTAROさんは“少しずつ思い出しながら”、新キャストの今さんと林さんは“少しずつ覚えながら”振り付け。いい感じの“チーム・カーティス”が出来上がりつつある。

 稽古の後半は朝夏まなとさんの歌稽古。

 朝夏さんは森公美子さんとダブル・キャストで主人公の“売れないシンガー”デロリス・ヴァン・カルティエを演じる。森さんは『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』には初演からの出演であるが、朝夏さんは今回が初出演。朝夏さんの前には瀬奈じゅんさん(初演)と蘭寿とむさん(再演)がデロリスを演じている。
 デロリスはほとんどの場面に登場し、それに比例してミュージカル・ナンバーの数も膨大である。明日以降の稽古に備えてミュージカル・ナンバーをひと通りおさらい。

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『TDV』通信

10月7日(月)

 顔寄せ。公演関係者一同が集まる。

 キャスト、スタッフ、主催者のひとりひとりが紹介され、キャストを代表して山口祐一郎さんが、主催者を代表して東宝の池田取締役がご挨拶。ご指名により私も一言、抱負のようなものを述べる。
 山口さんのご挨拶は、ご挨拶というよりシュプレヒコール……というか、運動部の主将が部員たちに檄を飛ばす……みたいな、稽古場の室温が一気に5度くらい上がったかのような気にさせられる熱くて激しいものであった。
 池田さんは、思い出の映画『ストリート・オブ・ファイヤー』(ウォルター・ヒル監督/1984年)に絡めたお話をされた。『ストリート・オブ・ファイヤー』には『ダンス オブ ヴァンパイア』この曲が使われているのである。

 『ストリート・オブ・ファイヤー』のこの曲が『ダンス オブ ヴァンパイア』に使われている、と言うべきか?

 顔寄せに続いて立ち稽古。まず1幕1場。

 1幕1場は「吹雪の荒野」。昨日も記した通りトランシルヴァニアの山岳地帯である。
 ドラマティックなオーヴァーチュアに続いてひとりの少年が姿を現す。この物語の主人公アルフレートである。両手に荷物を抱えて吹雪の中を行く彼は不安気で心細そうで……。師と仰ぐプロフェッサー・アブロンシウスの姿を見失い、自分が今どこにいるのかすら分からないらしい。辺りは急速に暗さを増し、野生動物の遠吠えも聞こえる。果たして彼の運命は……?

 続いて、昨日「ニンニク」のステージングを済ませた1幕2場。未着手だったドラマ部分を作りながら、ステージングをブラッシュ・アップ。

 さらに1幕3場「シャガールの宿屋の2階」。

 宿屋の2階には3つの部屋が並んでいる。アルフレートたちが宿泊することになる客室と、バスルームと、宿屋の娘=サラの部屋である。客室とサラの部屋はバスルームを挟んでその両サイドにあり、なのでバスルームにはどちらの部屋からも入ることができる。
 アルフレートたちを案内してきたシャガールがバスルームのドアを開けると……。

 稽古後、照明デザイナーの高見和義さんと打ち合わせ。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』は“劇場に入る前に検討しておかなければならない要素”がとにかく多い作品である。なので、まだ立ち稽古に入ったばかりであるが、このタイミングで考え方や方法論などについて意見交換。舞台監督の廣田さん、演出助手の小川さん、そして照明助手の奥野友康さんと。長時間に渡りありがとうございました。

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『TDV』通信

10月6日(日)

 立ち稽古。1幕2場「シャガールの宿屋の食堂」にあるミュージカル・ナンバー「ニンニク」をステージング。

 シャガールの宿屋があるのは“トランシルヴァニア地方の山奥の、人知れぬ寒村”である。トランシルヴァニアは現在のルーマニアの中部に位置し、周囲をカルパチア山脈に囲まれている地方。ヴァンパイア伝説の多くに登場する地名でもある。
 ある冬の夕暮れ、村人たちが食堂に集まって騒いでいる。どうやらこの村の名物はニンニクで、名物料理もニンニク料理であるらしい。宿屋の主人シャガールとその妻レベッカが食堂を切り盛りし、ウェイトレスのマグダが給仕をして回っている。そこに転がり込んできたのは……。

 「ニンニク」は、この場面の冒頭から(途中で芝居をはさみながら)終わりまで続くナンバーである。日本初演の舞台稽古の時に、この場面を見たミヒャエル・クンツェさんから「ミュージカルの幕開きに相応しい活気のある場面になっている」とのお言葉を頂いた。クンツェさんは、ウィーン版ではなかなかそうならなかったことが気がかりでいらしたらしい。
 そのステージングをクリエイトしてくれたのは上島さんである。今回のリニューアルに当たり、オリジナルのステージングを尊重しながら細部を調整することが今日の主なメニューであった。

 稽古終了後、演出部の皆さんと“お風呂”のテスト。

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『TDV』通信

10月5日(土)

 (ほぼ)キャスト全員で歌入り読み合わせ。

 「舞台美術が変わる」という話はキャストの皆さんにも折に触れてしてきたのだが、今日は読み合わせに先立って舞台監督の廣田さんから「こんな風に変わる」という話を“舞台模型を駆使して”してもらう。私からも「今回のリニューアルの狙い」について説明し、カンパニー全体でイメージを共有したところで読み合わせスタート。

 入念に歌稽古を重ねただけのことはあってクォリティの高い読み合わせであったと思う。続投のキャストの皆さんがムードや流れを上手く作ってくださり、新キャストの皆さんはそこに新鮮さと勢いを持ち込んでくださった。そして伯爵さまのエネルギッシュでいらしたこと!

 明日からいよいよ立ち稽古に入る。“じっくり”“丁寧”だった昨日までの歌稽古とは打って変わって、一気呵成に芝居を作って行くことになるだろう。

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『TDV』通信

10月4日(金)

 大道具の発注。
 ……であるが、そちらは舞台監督の廣田さんにお任せするので、発注ミーティングの前に美術デザイナーの松井さんといくつかの確認。

 で、歌稽古。

 まず阿知波悟美さん。阿知波さんはシャガールの女房(サラの母親でもある)=レベッカを初演以来演じている。
 このレベッカは、あの『レベッカ』とは何の関係もない。なので、あのレベッカを思い浮かべたり関連を探ったりする必要はまったくない。そんなことをしても得られるものは何もないのである。
 あのレベッカについては、このページ右側にある『レベッカ』からどうぞ。

 その後、主要キャスト一同で歌稽古。
 アルフレート、サラ、プロフェッサー、シャガール、レベッカ、マグダ、ヘルベルト、そして伯爵さまが参集。主要なナンバーとナンバー中の台詞を合わせる。聞いていて、今までの歌稽古では感じたことの無かった“興奮”や“感動”が今日は次々と押し寄せる。今日の時点でそうなのだとしたら、初日が開く頃にはどんなことになっているだろう?

 話は変わるが、公式ページにスペシャル・カーテンコールのお知らせが!

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『TDV』通信

10月3日(木)

 「夜を感じろ」の振り付け。並行して相葉さんの歌稽古。

 「夜を感じろ」は、2006年の初演時に来日されたミヒャエル・クンツェさんが絶賛してくださったナンバーである(そのことに触れた13年前の『TDV』通信こちら)。
 上島さんは、どちらかといえば“手際よく稽古を進める”タイプの振付家だと思うのだが、今日は細部にじっくりと時間をかけて――ベッド周りのことや振りそのものなど――納得の行くまでブラッシュ・アップ。そんな振り付け作業を、今日も神田さんが稽古場の片隅から食い入るように見つめていた。

 今日は出番ないのに。

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『TDV』通信

10月2日(水)

 振り付け。「外は自由」後半のダンス・シークェンス(“赤いブーツ”のダンス)。未整理だった箇所も整理がついて一応の完成を見る。

 別稽古場では歌稽古。今まで個別に稽古してきたアルフレートとサラを一緒に。
 神田さんと相葉さんは共に昨日がお誕生日であった。だからというわけではないのだが、昨日お誕生日を迎えた2人は便宜上“年長さん”と呼ばれ、桜井さんと東さんは“年少さん”と呼ばれることに。
 それはともかく、神田さんと相葉さんは1歳違いだそうである。どちらが上か……は各自調査されたし。

 そして歌稽古に伯爵さま登場。サラと絡むナンバーを合わせる。デュエット曲がようやく本当のデュエットに。
 歌稽古を終えた神田さんが“赤いブーツ”の振り付けを見学していったことは言うまでもない。

 演出部の皆さんは、まもなく始まる立ち稽古に向けて準備に余念がない。稽古場をバミったり、稽古道具を準備したり……。お世話になります。

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『TDV』通信

10月1日(火)

 歌稽古も仕上げ段階に入ってきた。立ち稽古が近い……ということでもある。

 で、まずはコーラス稽古。ヴァンパイア・シンガーズとアンサンブルの皆さんで“コーラス物”をひと通りさらう。
 そこにプロフェッサーと2人のアルフレートも合流。「フィナーレ」や「ニンニク」「ヴシャ ヴシャ(通称「悲しい“ガーリック”」)」などを合わせる。歌だけでなく、音楽の中でしゃべられる台詞も併せて確認。『ダンス オブ ヴァンパイア』は台詞をしゃべるタイミングが音楽で細かく決められている部分が少なくなく、それがなかなか厄介なのである。

 さらにその後、プロフェッサー&アルフレートのコンビで歌と台詞を確認。「人類のために」やアルフレートが悪夢を見た翌朝の「今日は完璧」、それに続く「霊廟」「本だ!」などを合わせる。
 「霊廟」は音楽の約束事が特に多く(BGMが“映画音楽”のように状況に沿って書かれているので)、台詞やアクションや気持ちとその“約束事”を両立させるのに一苦労する。

 歌稽古がひと段落すればいよいよ芝居の稽古である。歌から芝居にスムーズに移行できるように、稽古の合間に演出的な話も少しずつ。

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『シスター・アクト』通信

9月30日(月)

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』も歌稽古が進行中。

 今日はまず泉見洋平さん、KENTAROさん、林翔太さんの3人から。3人は「フィラデルフィアのカジノを牛耳っているらしいマフィアのボス=カーティス」の子分たち、TJ(泉見さん)、ジョーイ(KENTAROさん)、パブロ(林さん)を演じる。KENTAROさんは2014年の初演から、泉見さんは2016年の再演から、林さんは今回からの出演である。

 ミュージカル版の『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』では“1977年のフィラデルフィア”が物語の舞台として設定されている。
 原作である映画版『天使にラブ・ソングを』とミュージカル版とでは設定がやや異なるのだが(そのあたりのことについては過去の『シスター・アクト』通信で触れている。このページ右側の“カテゴリー欄”にある『シスター・アクト』からご参照いただける)、その結果、ミュージカル版の楽曲の大半が1970~80年代に世界的に流行った“ソウル・ミュージック”のテイストで作られることになった。

 マフィアたちが歌うナンバーも見事なソウル・ミュージックになっていて(ハモリが抜群に美しい!)、残忍な歌詞とは裏腹にサウンドはいたってジェントルなのがかなりおかしい(個人の感想です)。当時、ソウル・ミュージックの中心だったのがフィラデルフィアである。

 続いて、3人にボスも加わって歌稽古。ボス=カーティスを演じるのは大澄賢也さん(振付家としてミュージカル・ナンバー3曲を振り付けてもいる)と今拓哉さんである。大澄さんは初演から、今さんは今回からの出演。ボスが加わってもソウル・ミュージック!

 歌稽古の後半はシスターの皆さんと男性アンサンブルの皆さん。更に森公美子さんが加わり、森さん演じる主人公=“売れないシンガー”のデロリスとシスターたちのナンバーをひと通りさらう。
 「シスターになるのは素敵」「天国へ行かせて(シスター・バージョン)」「日曜の朝のフィーバー」「私は伝説になる! リプライズ」「愛を広めよ」……と、ものすごい熱量のナンバーばかりで、聞いているだけで圧倒される。「さあ、声を出せ!」と「私たちのショーに祝福を」ではグッときちゃった(個人の感想です)

 歌稽古の最後に幕開きの2曲「天国へ行かせて(ナイトクラブ・バージョン)」「私は伝説になる!」をさらう。
 この2曲は、デロリスと同僚のシンガー=ミシェル&ティナの3人で歌われる。ミシェルを演じるのは河合篤子さん(初演から出演)で、ティナは池谷祐子さん(今回が初出演)である。“女性3人のコーラス・グループ”と言うのがあの時代っぽくて、何ともいい感じ。

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