垣ケ原美枝さん
垣ケ原美枝さんが亡くなった。
垣ケ原さんは、来日した海外の演劇人の通訳として、あるいは演出家アシスタントとして、数々の舞台にかかわって来られた。また“吉田美枝″名義で多くの海外戯曲を翻訳された。私が演出させていただいた『南太平洋』(1999年/青山劇場)、『パイレート・クイーン』(2009年/帝国劇場、他)も美枝さんの翻訳であった。
私が演出を担当する以前の『ラ・カージュ・オ・フォール』では、垣ケ原さんはリンダ・ヘイバーマンと共同で演出を務められた。私は1997年の『ラ・カージュ・オ・フォール』では舞台監督だった。
もうひとつ忘れられないのは、『レ・ミゼラブル』の公演プログラムのために演出のジョン・ケアードさんと対談した時のことである。その対談の通訳を、『レ・ミゼラブル』でケアードさんのアシスタントを務めていた垣ケ原さんが引き受けてくださった。
「ほんとはやりたくないのよ」とおっしゃりながらも鮮やかに対談を進めてくださり、読み応えのある充実した対談に仕上がった。
垣ケ原さんは多くのキャスト、スタッフに慕われた。優しくて厳しい、私たちの「お母さん」であった。
ご冥福をお祈りいたします。
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