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2019年3月の記事

『アニー』2019通信

3月30日(土)

 振り付けとおさらい。

 今日の稽古で「N.Y.C.」の中盤部分の修正を試みた。昨日のブログに記した箇所の修正である。その結果、このナンバーの中で「お客様に見ていただきたい」箇所が今まで以上に鮮明になった、と思う。
 ダンスキッズたちの“振り”そのものもブラッシュ・アップされ、「N.Y.C.」全体のクォリティが一段上がったようにも感じる。再演の意義はこう言う部分にある。

 『アニー』の稽古場には(最大で)26人の子供たちがいるのだが、ひとりひとりの個性も(少しずつだが)見えるようになってきた。子供たちの中で一番長い時間接しているのはアニーなので、やはりアニー役の2人(岡菜々子さん&山﨑玲奈さん)の性格が、中ではよく見える。
 現時点の岡さん&山﨑さんをオーディション時点(2018年10月)の2人と比較すると、受ける印象は結構違う。しかしまあ、それはそうだろう。

 オーディションは「限られた時間の中で自分の良いところを見せよう」とする場所である。一方、稽古場では「自分だけに視線が集中する時間」が限りなく続くし(主人公ですから)、「待ち時間」も同等かそれ以上に続く。オーディションの期間中には見えなかった(隠すことができていた)“素顔”も、長時間一緒にいれば見えてくるものである。

 子供たちから見た我々だって、きっと同様だと思われるが(自戒を込めて)

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『アニー』2019通信

3月29日(金)

 振り付けと1幕後半の立ち稽古。

 ダンスキッズは、ミュージカル・ナンバー「N.Y.C.」の中に登場する“踊る子供たち”である(ダンスキッズに触れた過去のブログはこちらこちら)。今年もオーディションを経て12名のダンスキッズが選ばれた。

 ダンスキッズに選ばれる子供たちが得意とするダンスの種類は様々である。ダンスキッズのオーディションでは“ダンスの種類”は指定していないからである。つまり、ダンスキッズにはどんな種類のダンスでも応募することが可能なのである。
 「N.Y.C.」の振り付けでも、「ダンスキッズたちがどこに登場してどのような動き方をするか」その構成は決まっているが、ダンスの振りそのものは年ごとに異なる。振付の広崎うらんさん(うーちゃん)が、その年のダンスキッズの得意なダンスを活かしながら新たに振付を施している。

 今年のダンスキッズの振り付けを見ていて、“キッズとそれ以外の登場人物の関係”を見直した方がいいのでは、と感じた。ニュー・ヴァージョンと呼ぶほどのことはない“ささやかな”修正かもしれないが、まあヴァージョン・アップには違いない。

 毎年、少しずつ。

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『アニー』2019通信

3月28日(木)

 大きなミュージカル・ナンバーの振り付け。

 大きなミュージカル・ナンバー(「ここが好きかもね」や「N.Y.C.」のような)の振り付けにはとても時間がかかることは昨日も記した通りである。それは“再演”でも変わらない。が、ゼロからすべてを生み出す“初演”の稽古と比べれば、再演の稽古はさすがに効率がよい。

 今日も予想されていた以上に振り付けが進んだ。そのお陰で明日の稽古メニューに少し余裕が生まれた。その余裕は作品のクォリティ・アップに振り向けることができるだろう。うれしい。

 明日も“予想以上に”捗ってくれるといいのだが。

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『アニー』2019通信

3月27日(水)

 立ち稽古は1幕の中盤へと進んでいる。“アニーたちが暮らす孤児院”から始まったこの物語も、その舞台を“オリバー・ウォーバックスの壮麗な屋敷”へと移すことになる。

 1幕の中盤には大きなミュージカル・ナンバーが2つある。「ここが好きかもね」と「N.Y.C.」である。
 どちらも“多くの登場人物が入れ代わり立ち代わり現われる”タイプのナンバーなので、稽古時間もやや長めに確保されている。今週の後半は、この2つのナンバーの振り付けを主体にした稽古メニューが組まれている。

 昨年と一昨年は、稽古期間の途中で稽古場の引っ越しがあった。“そこそこ広い稽古場”で稽古をスタートし、ある程度稽古が進んだところで“かなり広い稽古場”に移動して仕上げにかかる、と言うのが昨年までの作戦であった。
 今年は最初から“かなり広い稽古場”である。より実寸に近いスペースで芝居やナンバーを作れるので、これはとてもありがたい。と同時に、演出部の皆さんにとっては引っ越しの作業がまるっとなくなるので、作業効率も格段によくなるはずである。貴重な稽古日を引っ越しで丸1日潰すこともなくなるので、私たちにとっても大助かりである。

 稽古の前後に立ち寄る飲食店が代り映えしない……のが難点と言えば難点ではあるのだが。

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『アニー』2019通信

3月26日(火)

 引き続き、1幕前半の立ち稽古。

 ところで、『アニー』と言えばメイキング特番、メイキング特番と言えば『アニー』と言われるほど、毎年たくさんの方が楽しみにしてくださっている『アニー』のメイキング特番であるが(え、言われてない?)、その放送日が決定した(こちらから)。

 4月13日(土)の午前10時30分~11時25分、日本テレビにて(関東ローカル)である。

 先日も稽古場に取材のカメラがやってきた。この先もやって来ることになっている。放送日ギリギリまで粘って、アニーたちの様子をとらえてくださるらしい。

 『アニー』のメイキング特番は、日本テレビで放送されているレギュラー番組の製作チームが年ごとに交代で担当してくださっている。私の1年目だった一昨年は『スッキリ』のチームが、昨年は『ズームイン!! サタデー』のチームが担当してくださった。
 元の番組のカラーが特番にも反映されるようで、雰囲気や出演者も年ごとに異なっているのが興味深い。

 さて、今年の担当はどの番組でしょうか?

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『アニー』2019通信

3月24日(日)

 『アニー』の稽古場はケータリング・コーナーがとても充実している。

 ケータリング・コーナーの内容はカンパニーごとに様々である。「お湯の入ったポットと喉飴」くらいしか置いていない稽古場もあれば、「コーヒー、紅茶、日本茶、冷水、温水にチョコレートやクッキー、おせんべい…」のように至れり尽くせりの稽古場もある。キャストや関係者からの差し入れが並ぶ稽古場も少なくない。

 『アニー』のケータリング・コーナーの“充実”はそれらとは少し趣きが異なるのだが、では「なぜ充実しているのか」と言うと、それは『アニー』が丸美屋食品ミュージカルだからである。

 丸美屋食品と言えば、誰もが思いつくのは「のりたま」だろう。『アニー』のケータリング・コーナーにも当然「のりたま」は常備されている。だが「のりたま」だけが丸美屋食品の商品なのではない。
 丸美屋食品の多彩な商品群は同社の公式ページでご覧いただくことができる。「商品情報」ページへのリンクを貼っておくので(それはこちら)、ご興味のある方はご覧いただくことをお勧めする。

 我々の稽古場のケータリング・コーナーの充実ぶりがご想像いただけるだろう。

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『アニー』2019通信

3月23日(土)

 桜の便りが各地から届き始めたが、東京でも昨日、開花宣言が出された。
 昨日の東京は午前10時には20度を超えていた。歩いているだけでも汗ばむような暖かさだったのだが、今日の午前10時は6.2度である。ちょっと極端すぎやしないだろうか?

 それはともかく、稽古は順調に進行している。いま現在は1幕の前半を立ち稽古中である。
 一昨日のブログで弱音を吐いた“1幕1場”は「ニューヨーク市立女子孤児院の共同寝室」。『アニー』の中で一番長い場面で、ここだけで17~18分かかる。ミュージカル・ナンバーも「メイビー」「ハードノック・ライフ」「ハードノック・ライフ/リプライズ」があるので、形になるまでにはそれなりに時間を費やすことになる。

 アニー役の2人(岡菜々子さんと山﨑玲奈さん)をはじめ、孤児役の子供たちは今年もすこぶる元気がいい。とにかくじっとしていない。それによくしゃべる。この圧倒的なエネルギーを、本番の舞台上までこのまま持って行くことが我々の使命なのだと思う。

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『アニー』2019通信

3月21日(木)

 今年の『アニー』で初登場となるキャストは、ハニガン役の早見優さん、グレース役の蒼乃夕姫さん、リリー役の服部杏奈さん、ルーズベルト大統領役などの阿部裕さん、そしてアンサンブルの後藤光葵さん、笹岡征矢さん、木村つかささんである。もちろんアニーの2人と、孤児とダンスキッズのほとんども『アニー』初登場である。

 『アニー』を演出していて一番「困難」を感じるのは「1幕1場を稽古する時」である。「なにが」「どう」困難なのかは『アニー』2018通信に記されている(それはこちらこちら)。
 『恋はデジャ・ブ』と言う映画があるのだが(どんな映画なのかはWikipwdiaなどをご参照いただきたい)、『アニー』を稽古していると、時々『恋はデジャ・ブ』の主人公と似たような感覚になることがある。「これ、前にやったことがあるぞ」と言う感覚である。

 『アニー』3年目となる今年は、その感覚に「これ、きっとまたあるぞ」が加わった。『恋はデジャ・ブ』のビル・マーレイにどんどん近づいている。

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『アニー』2019通信

3月20日(水)

 丸美屋食品ミュージカルアニーの稽古が始まっている。

 日本テレビさんが主催するブロードウェイ・ミュージカル『アニー』は今年で34年目を迎える。私が演出させていただいてからは3年目である。このブログ“『アニー』通信”も今年で3回目になるのだが、その初回に書くべきであろうことは既に2年前に書いてしまった。
 なので、その時のブログへのリンクを貼っておく(それはこちら)。そして、2年目=昨年の初回に書いた“言い訳がましいブログ”へのリンクも(それはこちら)。その両方を見ていただければ「ここに書くべきこと」はそこに書かれているはずである。

 と言うわけで、2019年の『アニー』である。例年と同様に、先ずは東京公演が4月27日(土)~5月13日(月)の日程で行われる。会場は初台の新国立劇場中劇場である。
 そして8月から9月にかけては夏のツアー公演である。今年は大阪を皮切りに、松本、仙台、広島、名古屋にお邪魔する。

 それでは東京公演の開幕まで、どうぞよろしくお付き合いください。

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『ダンス オブ ヴァンパイア』大阪へ!

 『ダンス オブ ヴァンパイア』の大阪公演が決定した。詳細はこちらからどうぞ。

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発表! 『ヘアスプレー』!

 ブロードウェイ・ミュージカル『ヘアスプレー』の上演が決定した。

 第一報はこちらからどうぞ。

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追悼 スタンリー・ドーネン/アンドレ・プレヴィン

 スタンリー・ドーネンとアンドレ・プレヴィンが相次いで亡くなった。

 スタンリー・ドーネンは、1940年代末から80年代に渡って活躍した映画監督である。
 1960年代に発表したオードリー・ヘップバーンの出演作『シャレード』や『いつも2人で』などがポピュラーだと思うが、それ以前の50年代にはハリウッド・ミュージカルを牽引する監督のひとりだった。
 その時代の作品には、ブロードウェイ・ミュージカルを映画化した『パジャマ・ゲーム』『くたばれ! ヤンキース』(共にジョージ・アボットと共同監督)をはじめ、『恋愛準決勝戦』『略奪された7人の花嫁』『パリの恋人』(これもオードリー)などがあるが、中でも重要なのは、ジーン・ケリーと共同監督(そして共同振付)した3本『踊る大紐育(だいニューヨーク)』(これは49年だが)『雨に唄えば』『いつも上天気』だろう。

 アンドレ・プレヴィンはクラッシック音楽の指揮者やピアニスト(クラッシック、そしてジャズの)としても有名だが、映画音楽の作曲家、そしてミュージカル映画の音楽監督としても大きな足跡を残した。
 音楽監督を務めたミュージカル映画には、『キス・ミー・ケイト』『絹の靴下』『恋の手ほどき』『マイ・フェア・レディ』『ジーザス・クライスト・スーパースター』などがあり、ソングライターとしては『いつも上天気』『ペペ』『ベンチャー・ワゴン』などに楽曲を提供した。

 1940~50年代は、ハリウッドではミュージカル映画の黄金時代であった。その時代のミュージカル映画を牽引したのはアーサー・フリードと言う名プロデューサーと“フリード・ユニット”と呼ばれる彼の率いるミュージカル製作チームであった(“フリード・ユニット”に触れた15年近く前の拙文はこちら 。その1で“フリード・ユニット”に触れている)。ドーネンもプレヴィンも、フリード・ユニットの重要なメンバーであった。

 ドーネンは1924年生まれで、プレヴィンは1929年生まれである。フリード・ユニットで活躍していた頃は、2人とも20代から30代と言う若さであった。

 ご冥福をお祈りいたします。

 

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