『ラ・カージュ・オ・フォール』初日!
3月9日(金)
初日。
今日は18時開演である。なので、万全を期して、昼過ぎから幾つかの場面を舞台にて小返し。その後、初日のお祓い。
今日の東京地方は終日“降ったり止んだり”の天気であったが、日生劇場には大勢のお客様が詰めかけてくださった。
定刻を1、2分過ぎてオーケストラのチューニングが始まる。そしてオーヴァーチュアの演奏とともに場内が暗くなると、我らがマエストロ=塩田明弘さんが、楽しむ気満々の客席を煽りに煽る。
途中、手に汗握るような場面もなかったわけではないが、今日の『ラ・カージュ・オ・フォール』は、私にとっては過去10年で最良の『ラ・カージュ・オ・フォール』であった。
終演後は緞帳を下ろした舞台で初日の乾杯。キャストも、オーケストラも、スタッフも、主催者も……、その場にいた全員が、この仕事に携わる誇りを感じていたはずである。
この作品には心に残る台詞や歌詞が次から次へと出てくるが、今日の私に一番刺さったのはラスト・シーン。
ショーのフィナーレが終わり、ジョルジュがジャン・ミッシェルを温かく送り出した後、白のスーツで現れたアルバンがジョルジュに優しく歌いかける時の歌詞であった。
「時は過ぎたけれど 今よみがえる 若い日よ」
鹿賀さんと市村さんの45年に及ぶ足跡。そして(私事だが)『ラ・カージュ・オ・フォール』に初めて触れた33年前の日本初演……。
終演後の日生劇場は、地球上で一番愛の溢れる場所であった。
これで『ラ・カージュ・オ・フォール』通信はおしまいである。ご愛読ありがとうございました。次は『アニー』2018通信。来週あたりから始まります。
『ジキル&ハイド』の初日、そして今夜、劇場に小峰リリーさんの姿がなかったことが寂しい。『ラ・カージュ・オ・フォール』日本初演の演出家でいらした青井陽治さんの姿も。
ご冥福をお祈りいたします。
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