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2018年2月の記事

『ジキル&ハイド』通信 そして『ラ・カージュ・オ・フォール』からのお知らせ

2月27日(火)

 まず『ラ・カージュ・オ・フォール』からのお知らせ。

 出演者の小野寺創さんが、怪我のため休演することになった。代わりに下道純一さんの出演が決まった(公式のお知らせはこちら)。

 小野寺さんの1日も早い回復を祈らずにはいられない。

 で……東京国際フォーラム ホールCへ。

 『ジキルハイド』は、昨日に引き続き仕込みと調整作業。そして照明のフォーカス合わせ。

 フォーカス合わせは、何百灯もある照明機材を「どこに向けて」「どのように光を当てるのか」、1灯ずつ調整して行く地道で時間のかかる作業である。
 『ジキルハイド』は照明のデザインも見どころのひとつ。照明デザイナーは高見和義さんであるが、『ジキルハイド』照明デザインはとにかく格好いい。

 フォーカス合わせですら格好いい。

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『ラ・カージュ・オ・フォール&ジキル&ハイド』通信

2月26日(月)

 『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場へ。ピアノでの通し稽古。

 鹿賀さん&市村さんの『ラ・カージュ・オ・フォール』が今回で10周年、4演目であることはご承知の通りである。『ラ・カージュ・オ・フォール』は、10年に渡って“変わらぬ楽しさ”をお届けしてきた。
 しかし、10年間“何も変わらなかった”わけではない。鹿賀さん、市村さんを始め、キャストの皆さんの芝居は、演じるたびにアップデートされている。

 アップデートのほとんどは、並べて比べてみないと気づかないような種類のものである。が、その気づかれないようなアップデートの積み重ねが、10年に及ぶような長期公演では大きく物を言う。
 『ラ・カージュ・オ・フォール』が“変わらぬ楽しさ”をお届けできるのは、1度として同じ芝居であったことがないからだと思う。

 チラシにもあるように、今回の『ラ・カージュ・オ・フォール』は正に“ヴィンテージ公演”と呼ぶに相応しい仕上がりである。必見!

 そして東京国際フォーラム ホールCへ。

 『ジキルハイド』は終日仕込み作業。私が顔を出した時には山本浩一さん率いる音響チームがシステム調整の真っ最中であった。

 明日も終日スタッフ・ワーク。夕方までには『ジキルハイド』の世界が建ち上がっているだろう。

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『ジキル&ハイド&ラ・カージュ・オ・フォール』通信

2月25日(日)

 まず『ジキルハイド』へ。稽古場最終日で2回目のオケ付き通し稽古。

 ここに来て、ニュー・キャストの皆さんの成長が著しい。ルーシーも、エマも、アターソンも、ダンヴァース卿も、サベージ伯爵も、皆さんが前任者とは異なるやり方で、それぞれの役をものにしている。
 そして、それを受け止める続投キャスト。稽古場見学会の際に石丸さんが「相手役が変われば、自分も手の内から出すカードが変わる」と言うようなことをおっしゃっていたが、続投キャストの芝居運びも以前とは違っている。

 2001年から『ジキルハイド』の舞台美術をデザインしてくださっている大田創さんが通し稽古をご覧になって、「深まってますねえ」とおっしゃった。
 それは、「キャストももちろんだが、何年もこの作品を支えているスタッフやオーケストラの“作品への理解”が一層深まったから」だろう、と大田さんはおっしゃった。

 新鮮で深まった新しい『ジキルハイド』。いよいよ明日は小屋入りである。

 そして『ラ・カージュ・オ・フォール』へ。

 こちらは幾つかの場面を抜き稽古。明日の“ピアノ通し稽古”に向けて備える。

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『ラ・カージュ・オ・フォール&ジキル&ハイド』通信

2月24日(土)

 まず『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場へ。1幕は通して、2幕は場面毎に確認しながら稽古。

 今日の1幕はとてもよかった。
 スピーディで、メリハリもあり、タップリすべきところはタップリとし、なおかつ細やかで繊細であった。ショー場面のノリもテンションも“今期1番”と感じた。やはり『ラ・カージュ・オ・フォール』は素晴らしい。

 そして『ジキルハイド』の稽古場へ。オケ付き通し稽古。

 前回(2016年)の上演時には「やれることは全てやった」という気持ちになっていたのだが、あれから2年経って、その気持ちが「まだ色々やれることがある」と言う風に変わってきた。
 私の話ではない。私を含むスタッフ、そしてキャストの気持ちが、である。そんなそれぞれの「ああしよう」「こうしよう」を積み重ねてのオケ付き通しである。良くないはずがない。

 しかし「まだやれる」と言う思いは尽きず、通し稽古終了後に色々と粘る。

 明日は稽古場最終日なのに。

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ミュージカル『レベッカ』!

  『レベッカ』が帰ってくる(第1報はこちら)。

 ミュージカル『レベッカ』は、2008年にシアタークリエのオープニング・シリーズ第3弾として上演された、ウィーン発のロマンティック・ミステリーである。 2010年には〈大劇場版〉としてリニューアルされ、帝国劇場、中日劇場、梅田芸術劇場メインホールで上演された。

 今回は8年ぶり、シアタークリエの開場10周年を記念する公演である。ただし、初演ヴァージョンの再演ではなく、ニュー・プロダクションとなる。

 どうぞご期待ください。

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『ジキル&ハイド』通信

2月23日(金)

 オーケストラとキャストの歌合わせ。

 2001年の初演から数えると、『ジキルハイド』のオケ合わせは今回で7度目になる。
 が、7度目であっても“慣れる”と言うようなことは全くなく、毎回毎回オケ合わせの初日には、初めて生のオーケストラで『ジキルハイド』楽曲を聞いた時と同じように、全身に鳥肌が立ち、身体中を電流が駆け抜ける。

 『ジキルハイド』の魅力を一言で説明するのは難しい。稽古に入る前、宮澤エマさんに「『ジキルハイド』が繰り返し上演されるのはどうして?」と質問されたことがあったのだが、一言では説明できなかった。
 しかし、数ある『ジキルハイド』の魅力の中で最も大きなものは音楽だろう。生でこの音を聞いていただければ、そのことに異論は出ないはずである。


 今日のオケ合わせはプロローグから2幕2場まで、楽曲で言うとルーシーとエマの「その目に」までがメニュー。
 演出助手の小川美也子さんミス・オンタイム)の手際よい進行で、予定の時間よりやや早く、無事に1日目を終了した。

 明日はこの続き。そしてオケ付き通し稽古。

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『ジキル&ハイド』通信

2月22日(木)

 ピアノでの通し稽古、2回目。今日は衣裳付きで。

 昨日の通し稽古の経験と、その後の確認・調整の結果が反映された、内容の濃い充実した通し稽古であった。衣裳(と若干のウィッグ)を着用したことで新たに見つかった課題も無くはないが、それはこれからの稽古で解消されるだろう。
 通し稽古終了後はいつものようにダメ出し。更に、幾つかの場面を抜いて稽古。

 稽古終了後、稽古場の模様替え。

 今日までキャストと我々スタッフが座っていたエリアの長テーブルと椅子が片づけられ、その跡に指揮台と、それを取り囲むように椅子が並べられた。と、言うことは……。

 明日はオーケストラとキャストの歌合わせ。

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『ラ・カージュ・オ・フォール&ジキル&ハイド』通信

2月21日(水)

 まず『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場へ。2幕の後半=3場と4場をおさらい。

 2幕3場は、サントロペの超有名レストラン「シェ・ジャクリーヌ」の店内である。
 ついにやってきたアンヌの両親。堅物で俗物の父親=ダンドン議員(今井清隆さん)と、その妻=マリー(森公美子さん)である。ジョルジュたちとダンドン一家は、ジャン・ミッシェルとアンヌの結婚話を詰めるためにシェ・ジャクリーヌへと出かけるのだが……。

 この場面にはミュージカル・ナンバー「今この時」がある。このナンバーを歌い出すのはアルバンだが、やがてジャクリーヌが加わり、歌は店全体に広がって行く。
 このナンバーが始まるまでの芝居部分がまず良くできている。そして、ナンバーの中で起こる人間関係の変化。それが実に巧妙に描写されている。

 この場面、このナンバーは、ミュージカル演出の“最良のお手本”だと思う。

 そして『ジキルハイド』の稽古場へ。ピアノでの通し稽古。

 いよいよ通し稽古である。今までの稽古以上にとても上手く進んだ場面もあれば、それほどでもなかった場面もある。が、全体としては悪く無い通し稽古であったと思う。
 通し稽古後は全体でダメ出し。明日の「2回目の通し稽古」をより良いものにするために、様々な部分を確認し調整。

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『ジキル&ハイド』通信

2月20日(火)

 まずはラスト・シーンを小返し(こがえし=修正を加えながら繰り返す稽古)。その後、2幕を粗通し(あらどおし=粗くてもいいので、とにかく通してみること)。

 ラスト・シーンでは“あんなこと”や“こんなこと”など、ドラマティックなことが次から次へと起こるのだが、そのあれこれを「音楽と同期」させなければならない、と言う縛りが存在する(何しろミュージカルなので)。
 登場人物にはそれぞれのストーリーがある。登場人物はそのストーリーに沿って反応や行動を起こしている。俳優は、その瞬間その瞬間の登場人物の状態を引き受けて再現するのである。

 人物の予期せぬ反応や咄嗟の行動などは、それがあらかじめ計画されていたように見えてしまっては興ざめである。
 なので、できるだけ自然に、新鮮な反応・行動に見えるように演じる必要があるのだが、その「自然であること」を「音楽と同期させる」のは大変困難な作業である。予期せぬ反応や咄嗟の行動を「何小節目の何拍目に起こしてください」と言う話だからである。

 ミュージカル俳優たちは、その作業を当たり前のこととして行う。その部分でギクシャクしてしまったり、俳優の努力が見えてしまったりしては、もうミュージカルにはならない。

 ミュージカルは、観客が気づかないような細部の積み重ねでできている。

 粗通しの後、ダメ出しとその修正作業。更にその後、1幕の幾つかの場面を小返し。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

2月19日(月)

 稽古前に顔寄せ。

 顔寄せは稽古初日に行われるのが自然だ、と思われる方もいらっしゃるだろうが、ほとんどの場合、稽古初日には行われない。
 キャストをはじめ、デザイナーやプランナー、製作会社の関係者、地方公演の主催者、マネジメント・スタッフ……などなど、集まる顔ぶれが多岐にわたり人数も少なくないからで、様々な条件を勘案して最善の日をはじき出すと、今日のようなタイミングになったりもするのである。

 それはともかく、まず主催者を代表して東宝の池田取締役とホリプロの堀社長がご挨拶。続いて我々スタッフとキャスト一同が紹介され、更に東宝/ホリプロのスタッフの紹介、地方公演の主催者の紹介と続き、最後に演出家の挨拶。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』は「愛することの大切さ、素晴らしさ」をテーマにしているが、物語の中で描かれるのは「それは簡単なことではない」と言う現実である。
 その「簡単ではないこと」を、どんなに困難でもやり続けよう、やり続ける勇気を持とう。それがお客様に持って帰っていただきたいメッセージである。

 ……みたいなことを挨拶で述べる。

 稽古は1幕後半のおさらい。5場~7場を場面ごとにさらう。

 稽古を見ていて私が今日やばかったのは、鹿賀さんが市村さんに「砂に刻む歌」を歌いかける場面と、市村さんの「ありのままの私」。涙腺は年齢とともに緩くなる、と言うが……。

 危ない危ない。

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『ジキル&ハイド&ラ・カージュ・オ・フォール』通信

2月18日(日)

 『ジキルハイド』の稽古場へ。稽古場見学会。

 平野プロデューサーの司会で見学会はスタート。まず私が登場し、稽古場のことや舞台美術のことなどをしゃべる。

 続いて見学会のハイライト。1幕2場「ロンドンの通り」と3場「セント・ジュード病院」をノーカットでご覧いただく。
 2場は丸ごとがミュージカル・ナンバー「嘘の仮面」であり、3場ではセント・ジュード病院の最高理事会の様子が描かれる。3場には「理事会」と「真実を追えば」の2つのナンバーがあるが、ノーカットなのでミュージカル・ナンバーだけでなく、その前後のドラマ部分もご覧いただいた。

 更に2幕2場「ジキルの研究室」の後半を、やはりドラマ部分も含めてご覧いただく。ここにはミュージカル・ナンバー「狂気」と「その目に」がある。
 そして最後に石丸さん、笹本さん、宮澤さん、田代さんによるミニミニ・トークショー。予定の終了時刻を15分ほどオーバーして見学会は無事に終了した。

 Twitterには、ご参加くださった皆さんのつぶやきがたくさん寄せられている(こちらからどうぞ)。また、見学会のダイジェスト映像が早くもアップされている(それはこちらから)。
 是非ご覧ください。

 見学会を終えて『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場へ。

 今日は1幕前半のおさらい。1場~4場を場面ごとにさらう。
 鹿賀さんも市村さんも、今までになく「力の抜けた感じ」で演じていらして、“長年連れ添った本当の夫婦”を見ているような気にさせられる。

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『ジキル&ハイド』通信

2月17日(土)

 1幕に戻っておさらい。特に、前回のおさらいで駆け足になってしまった後半を(その日のブログはこちら)しっかりとさらう。

 その後、明日の「稽古場見学会」のリハーサル。

 「稽古場見学会」は、“特典付きチケット”をご購入くださったお客様の中から抽選で50名を稽古場にお招きするスペシャル・イベントである。
 短い時間ではあるが、稽古場の様子や『ジキルハイド』のハイライト場面の幾つかをご覧いただこうと思っている。

 ご来場いただける皆さん、稽古場でお目に掛かれるのを楽しみにしています。

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『ジキル&ハイド』通信

2月16日(金)

 2幕7場を稽古。ラスト・シーンである。

 2幕7場はダンヴァース邸の大広間。1幕で“エマとヘンリー・ジキルの婚約披露パーティ”が行われた場所に物語は戻ってきた。
 あれから6週間が経ち、2人は無事に結婚式を挙げた。そして2人の門出を祝福するパーティが開かれている。そのパーティの途中で……。

 何はともあれ、これで全場面に手を付けた。これからは「手を着けたまま」になっている多くの場面を「説得力のある場面」にして行かなければならない。

 と言うことで、2幕の頭に戻っておさらい。

 ドラマの運びを中心に、ステージングやアクション、仕掛けとその段取り、歌と音楽の約束事……などなど、気も遠くなるような数の調整を施す。

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『ジキル&ハイド』通信

2月15日(木)

 2幕3場B、2幕5場、2幕6場を稽古。

 3場Bは「嘘の仮面/リプライズ2」。昨日稽古した「罪な遊戯」から繋がるナンバーである。
 ここは“ちょっと異質な”場面だと思っている。登場するのはロンドンの市民たちだが、いつもの彼らとはちょっと様子が違って見える。もしかしたら、ここはストーリーの中ではないのかもしれない。

 5場は「“どん底”の上階にあるルーシーの部屋」。
 ルーシーの元をある人物が訪ねてくる。その人物はルーシーに「急いでこの街を出るように」忠告すると、ジキルから託された手紙を渡して去る。手紙を読んだルーシーから生きる希望が溢れ出て(「新たな生活」)……。

 そして6場。
 ここにあるのはミュージカル・ナンバー「対決」である。ヘンリー・ジキルとエドワード・ハイドの2人が文字通り対決する。

 昨日も記したが、この前後は畳み掛けるように物語が進む。重要なナンバーも次々と歌われ、正に見せ場の連続である。
 キャストも“あれ”や“これ”など、色々なことを消化しなければならないし、スタッフサイドも総がかりで“それ”を支えている。

 翻訳ミュージカルのマイルストーンである2016年の『ジキルハイド』を凌ぐべく、あらゆる部分でブラッシュ・アップ作業が続く。

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『ジキル&ハイド』通信

2月14日(水)

 2幕2場をおさらい。そして2幕3場A、2幕4場を稽古。

 2幕3場Aは「“どん底”の店内」。2幕4場は再び「ジキルの研究室」である。
 3場Aには
ミュージカル・ナンバー「あたしは誰」と「罪な遊戯(あそび)」があり、4場には「苦悩2」がある。

 2幕2場から先は物語に加速度がついて、6場の“ヘンリー・ジキルとエドワード・ハイドの対決”まで一気に駆け抜けるかのような印象である。
 その間にジキルの親友(そして弁護士の)アターソンは、登場人物の中でただ1人、ジキルがひた隠しにしている“秘密”を知ることになる。

 アターソンがプロローグに「この物語の語り手」として登場するのは、その秘密を知っている唯一の人物だからに他ならない。

 「罪な遊戯(Dangerous Game)」は、とても大人っぽい(註1)雰囲気を持ったナンバーである。ハイドとルーシーの“駆け引き”を、振付のうーちゃん(広崎さん)が石丸さんと笹本さんに丁寧に(註2)手渡して行く。

(註1)「エロティックな」の婉曲な表現
(註2)「エロエロで」の意

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『ジキル&ハイド』通信

2月13日(火)

 「事件、事件」をおさらい。その後、2幕2場を稽古。

 2幕2場は「ジキルの研究室」。
 ここは物語の上でとても重要な場面である。ジキルとその周辺の人物との関係が大きく変化することになるからである。ジキルとエマの関係も、ジキルとアターソンの関係も、この場面を境に大きく揺れ動く。

 この場面にはエマのナンバー「あれは夢」があり、ジキルのナンバー「狂気」があり、そしてルーシーとエマのナンバー「その目に」がある。

 『ジキルハイド』のミュージカル・ナンバーは名曲ぞろいである。
  その中でもっとも有名なのはジキルのナンバー「時が来た(This Is The Moment)」だろうが、その他にも忘れられない楽曲が次から次へと登場する。
 ルーシーの2曲「あんなひとが(Someone Like You)」と「新たな生活(A New Life)」もそうだろうし、この場面の「その目に(In His Eyes)」もそうだろう。

 2016年の公演を収録した『ジキルハイド』ハイライト・ライヴ録音盤CDが現在発売中である。
 公式サイトの関連ページへのリンクを貼っておくので(それはこちら)、「もう一度聞きたい」と言う方も、「これを聞いて予習したい」と言う方も、ぜひどうぞ。

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『ジキル&ハイド』通信

2月12日(月)

 「事件、事件」デー。

 まず、昨日稽古した前半部分を確認、修正。その後、未着手の後半を稽古。

 この場面の稽古には、上演の度に毎回とても時間をかけてきた。
 正確には「かけた」のではなくて「かかってしまった」のだが、なので演出助手の小川美也子さん(このブログでは“ミス・オンタイム”でおなじみ)は今回もこの場面の稽古に3日間を割り振ってくださった。

 が、昨日も記した通り、今回はテキパキとスピーディに稽古が進んでいる。
 1月28日のブログ(それはこちら)にも記したが、今回は前回=2016年のヴァージョンを踏襲しようとしている(全編をそのまま再現しようとしているのではないが)。なので、その時のノウハウが利用できるのと、その時から続投しているキャストが少なからず残っていて、前回のヴァージョンの再現が比較的容易なのが、テキパキと稽古が進む理由である。

 今日も想定より早い段階で「事件、事件」の全貌が見えた。連日やや長時間の稽古になっているので、今日は予定より早めに稽古を終える。

 明日は「事件、事件」をブラッシュ・アップ。その後、その先に進むつもり。

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『ジキル&ハイド』通信

2月11日(日)

 稽古場に、三宅裕司さんのラジオ番組『サンデーヒットパラダイス』からお客様が。“街角ハンター田上”こと、スーパーエキセントリックシアターの田上ひろしさんである。
 番組は生放送で、「田上さんが私たちの稽古場をレポートする」という3分ほどのコーナーが稽古場よりオンエアされた。

 稽古場では、ちょうど石丸さんが「善と悪を分離する実験」に乗り出そうとする場面が行われていた。
 そこに街角ハンターの田上さんが潜入、稽古を中断して石丸さんと田上さんのおかしなやり取りが展開された。

 画像のないラジオで、私たちの稽古場風景はどんな風に伝わっただろう? お聞きになった方がいらしたら、どうぞ感想をお寄せくださいませ。

 さて。

 2幕の稽古に入る。

 2幕1場は、10分に及ぶ大ミュージカル・ナンバー「事件、事件」である。

 このナンバーでは、ハイドによる連続殺人と、恐怖のどん底に突き落とされるロンドン市民の姿が次々とモンタージュされる。
 振付の広崎さんがロンドン市民を恐怖におののかせ、殺陣(たて)の渥美さんが犠牲者を次から次へと血祭りにあげて行く。

 内容とは裏腹に、こういう場面の稽古場は思いのほか明るい。
 観客に見えるものはシリアスでショッキングなものかも知れないが、それを作り上げる作業はあくまでも建設的で、時にユーモラスで、かなり活動的だったりするからである。

 稽古も快調なペースで進み、予定より多くのメニューを消化して今日を終えた。

 明日も「事件、事件」。完成させるぞ。

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『ジキル&ハイド』通信

2月10日(土)

 1幕をおさらい。

 台本順に各場面をあたりつつ、稽古の1巡目で段取りを付けたままになっているような部分を修正、調整、整理。
 特に1幕の前半は、今の稽古場に移動する以前にやや狭い稽古場で稽古した場面なので、実寸で、本番用の道具で稽古をし直す。

 今後の稽古予定から逆算すると、1幕は当分の間稽古できそうにないので、今日は先を急がずに腰を据えて稽古に取り組んだ。腰を据え過ぎて、後半はやや駆け足となってしまったが。

 明日から2幕。「事件、事件」!

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

2月9日(金)

 振り固め。“大変充実している”ミュージカル・ナンバーの内、ダンス部分を固める。

 “振り”は既に各自に渡されているので、場面としては「止まることなく進行することができる」ところまで来ている。
 が、それに満足することなく、ダンス自体の精度を上げること、群舞のフォーメーションを精密にすること、ニュアンスや音の取り方をそろえること……などなどに取り組む。

 振付の真島茂樹さん曰く「だって、これはレビューだから」。ジョルジュも幕開きのスピーチの中で「世界に名高きレビューをおくりつづけて15年」と言っている。そういうダンス・ナンバーになりたいのである。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』のダンス・ナンバーは多彩で、複雑で、そして激しい。何度も繰り返して稽古できるようなものではないし、するものでもない。なので、稽古自体は比較的短時間で終了することが多い。

 もっと追及したい人や納得の行っていない人は、全体の稽古が終わった後で黙々と自主稽古を重ねている。

 大人っぽくて格好いい稽古場だと思う。
 

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

2月8日(木)

 1幕の後半をおさらい。

 このブロックには、幕開きの「ありのままの私たち」に続くショー場面がある。
 このショー場面で歌われるのはタイトル・ソングの「ラ・カージュ・オ・フォール」。ショーは大きくは3つのシークェンスに分けられる。

 最初のシークェンスは、ナイトクラブ“ラ・カージュ・オ・フォール”のスター=ザザ(アルバンの芸名)が、“妖しい鳥たち”に扮したカジェルたちを従えて歌い踊る、通称“鳥”シークェンス。
 続くシークェンスは、カン・カン・ガールズに着替えたカジェルたちが踊りまくる“カン・カン”シークェンス。本作最大のダンス・ナンバーである。
 3つ目は、衣裳を着替えたザザと、これもまた着替えたカジェルたちの“燕尾”シークェンス。このシークェンスの終わりでショーはクライマックスを迎える。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』は何よりも脚本が優れている(脚本はハーベイ・ファイアスティン)。が、それだけでなく、ミュージカル・ナンバーの“中身”が大変充実していることも見逃せない(オリジナル振付はスコット・サーモン)。それがこの作品の価値を一層高めている。

 ブロードウェイの底力を見せつけられるようである。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

2月7日(水)

 『ラ・カージュ・オ・フォール』も広い稽古場に移動した。本番用の大道具も、主要なものは運び込まれた。

 今日は1幕の前半をおさらい。

 幕開き=ジョルジュのオープニング・スピーチ~カジェルたちの最初のショー「ありのままの私たち」から、ジャン・ミッシェルがフィアンセ=アンヌと落ち合う場面まで、「アンヌと腕を」や「君と腕を」などのミュージカル・ナンバーも含めておさらい。

 ジョルジュはオープニング・スピーチの中で「これからフィナーレに至るまで、どの場面をとっても極上のシャンパンの味わい」だと観客に語りかける。その言葉の通り『ラ・カージュ・オ・フォール』は、どの場面も楽しく、そして物語上の意味を持っている。
 だから、どんなにささやかなエピソードも、観客を退屈させないように、そしてストーリーに貢献するように演じられなければならない。

 演じ手、作り手にとって『ラ・カージュ・オ・フォール』は、見た目以上に手ごわい作品なのである。

 明日は1幕の後半。お待ちかねの「カン・カン」!

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『ジキル&ハイド』通信

2月6日(火)

 1幕8場、9場を稽古。

 1幕8場は「ジキルの書斎~ロンドンの通り」。ジキルとエマの婚約披露パーティから1週間が過ぎている。
 その間に色々な出来事があり、人間関係も1週間前とは大きく違ってしまっている。そのことに戸惑い苦悩するエマ、アターソン、ダンヴァース、そしてジキル。4人の思いが交錯するナンバーが「仕事をするだけ」である。

 この場面の後半ではルーシーがジキルの書斎を訪ねてくる。ここでは「同情、愛情」が歌われ、「あんなひとが」へと続く。

 「あんなひとが」の終りには場面は9場「“どん底”近くの汚らしい通り」になっている。ここではルーシーの前に“あの人物”が現れ……。更に、たまたまそこを通りかかった“さる人物”が“あの人物”に……。

 今日は稽古場に殺陣の渥美博さんが登場。と言うことは……。

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『ジキル&ハイド』通信

2月5日(月)

 まず、1幕5場を稽古。

 1幕5場は「ロンドンの通り~パブ“どん底”」。
 「嘘の仮面/リプライズⅠ」から始まり、「連れてきて」を経て、ジキルとルーシーが出会う一連のシークェンスである。今までパーツ、パーツで稽古してきたたものを合体して、ひとつの場面として稽古。

 “どん底”の店内にはBGMが流れていて、その音楽のサイズと芝居の進行をリンクさせる必要がある。
 
今回、ルーシー役が笹本玲奈さんに変わったので、ジキルとルーシーの芝居の運び方も当然変わってくる。その新たな芝居運びとBGMをリンクさせる手続きが新たに必要で、そのために同じ場面を繰り返し繰り返し稽古。
 こういう場面の理想は、「BGMと芝居の進行がリンクしていることに観客は気づかない」であるが……苦労は報われるか?

 続いて、1幕6場、そして7場を稽古。

 1幕6場は「ジキルの書斎~研究室」。
 アターソンと共に“どん底”から帰宅したジキルは、ある決意を胸に研究室へと向かう。そして誰も経験したことのない実験へと踏み出して行く……。
 ジキルが書斎を出て研究室へと向かう間に歌われるのが、『ジキルハイド』最大のヒット・ナンバー「時が来た」である。初演以来、何度も見て来た場面なのだが、何度見ても(聞いても)ここは胸が熱くなる。

 7場は、場面全体がミュージカル・ナンバー「生きている」である。中盤のハイドとルーシーの接触”部分をヴァージョン・アップ。

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ミュージカル・アカデミー 08期生入試

2月4日(日)

 昨日と今日で、ミュージカル・アカデミーの08期生(2018年4月生)を選考する二次試験が行われている。
 1日目の昨日は歌とダンスの審査、今日は1日かけて演技の審査が行われた。

 一般社団法人映画演劇文化協会が運営する“ミュージカル・アカデミー”は、プロのミュージカル俳優を目指す人たちのためのスクールである。前身の東宝ミュージカル・アカデミー時代から数えると、既に10年を超える歴史がある。
 その間には多くの卒業生が巣立って行った。もちろん、卒業したからと言ってプロで通用する保証はないし、舞台から遠ざかった卒業生も少なくはない。が、舞台で活躍し続けている卒業生の姿も、あちらこちらで見ることができる。

 例えば、『ジキルハイド』の折井理子さんや川島大典さんは卒業生である。『ラ・カージュ・オ・フォール』の首藤萌美さん、榎本成志さん、松谷嵐さんもそうである。
 彼らがミュージカル・アカデミーで学んだことは、きっと今の彼らの血肉となっているに違いない。が、アカデミー卒業後の彼らの努力は、アカデミー時代のそれを遥かに凌ぐものであっただろう。

 アカデミーにできることは「ミュージカルの世界への門戸を開くこと」でしかない。そこから先は自分の足で歩いて行ってもらうしかないのがこの世界である。だが、だとしても「門戸を開いてくれる」ことには十分な意義があると私は思う。

 皆さんの前に門戸は開かれている。

 次回、09期生(2018年9月生)の募集は5月頃の予定。

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『ジキル&ハイド』通信

2月3日(土)

 まず、婚約披露パーティのワルツを抜き稽古。

 “エマとヘンリーの婚約”を披露するダンヴァース邸でのパーティは1幕4場である。台本には「ワルツが流れる中……豪華で瀟洒で洒落た正装パーティのたけなわ」とある。
 このワルツはあくまでもパーティの風景としての踊りで、ミュージカル・ナンバーとしてのダンスではない。が、ジキルやエマやアターソンが暮らす世界がどんな場所なのか、ワルツも雄弁に語ってくれるはずである。
 「美は細部に宿る」と言う言葉があるが、貴重な再演の機会である。今で以上にディテールの精度を上げていきたい。

 次に「生きている」をステージング。

 このナンバーで描かれるのは「ロンドンの街を歩き回る」ハイドの姿である。街は「不思議で歪んだ幻覚じみた世界に見える」と台本には記されている。
 このナンバーの基本的な構成は前回通りだが、細部には広崎うらんさんのマイナー・チェンジが入っている。より不思議で幻覚じみたナンバーを目指したい。

 そして「嘘の仮面」のおさらい。

 先日(1月24日)の製作発表記者会見で披露された「嘘の仮面」は、コンサート・ヴァージョン……と言うか、製作発表用のヴァージョンであった。
 本公演では、もっともっとスリリングでダイナミックなステージングになっている。以前のブログでも触れたが、「嘘の仮面」はもっとも『ジキルハイド』らしいナンバーだと思う。このナンバーだけでも『ジキルハイド』を見る価値はある、と思う。

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『ジキル&ハイド』通信

2月2日(金)

 広い稽古場へ。セットが建て込まれた。

 舞台床面と、舞台を“ハの字”形に囲んでいる回廊部分は本番で使用されるセットである。そのセットの中で、早速「嘘の仮面/リプライズⅠ」と「あんなひとが」を稽古。

 「嘘の仮面/リプライズⅠ」は、時間にすれば1分足らずの短いナンバーである。が、それまでの“貴族たちの世界”から一転、ロンドンの“最下層”に観客を(そしてジキルを)連れて行く役目を持った大切なナンバーである。
 ここでは“目を背けたくなるような”行為が日常的に行われている。暴力、差別、搾取、窃盗……などであるが、芝居とは言え、そんな人間のネガティヴな部分を露わにするのは中々シンドい作業である。
 であるが、私たちの『ジキルハイド』では、そう言う冷徹な部分を失わないようにしたいと思う。

 「あんなひとが」は、1幕の終わり近くでルーシーが歌うビッグ・ナンバーである。コンサートやライヴなどでも耳にする機会の多い楽曲であるが、こちらは4分に迫る大曲である。
 笹本玲奈さんは、現在新しいルーシー像”を模索中。「あんなひとが」の中でルーシーに何が起こっているのか”も、少しずつ掘り下げ中

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

2月1日(木)

 歌稽古。全ミュージカル・ナンバーを、台本順にひと通りおさらい。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』には珠玉のミュージカル・ナンバーが揃っている。「ありのままの私」「砂に刻む歌」「アンヌと腕を」「マスカラ」そして「今、この時」など、一度耳にすれば忘れることのないメロディが次々と登場する。作詞・作曲のジェリー・ハーマンの、これは紛れもない代表作である(ハーマンのもう1本の代表作は『ハロー・ドーリー!』だと思うが、こちらは現在ブロードウェイで大ヒット・リヴァイヴァル中)。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』が“特別なミュージカル”だと思うのは、ちょっとした場面転換の音楽や、さり気なく挿入される短いコーラスなどが“音楽的に非常に凝っている”ことである。
 仕事がら沢山のミュージカルに触れてきたが、その部分では『ラ・カージュ・オ・フォール』は他の追従を許さない。

 しかしそれは、逆に言えば、ミュージシャンや歌い手たちには「気を抜けない楽曲ばかり」と言うことでもある。ちょっとした何気ない音楽ほど、そのニュアンスを醸し出すのが案外難しい。

 因みに、私のお気に入りは、「マスカラ/アンコール」と、2幕の「“シェ・ジャクリーヌ”への場面転換」の音楽。

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