『ドッグファイト』通信“名古屋編”
1月5日(金)
明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて。
名古屋に来ている。愛知県芸術劇場 大ホールである。
昨年の12月8日に大阪のサンケイホール ブリーゼで開幕した『ドッグファイト』再演も、ついに明日で大千穐楽。嬉しいと同時に、ちょっぴり寂しくもある。
どんな作品でもそうなのだが、“再演”では「どこにどう手を入れるか」が難しい。
“初演”は、それが「初演だ」というだけで勢いも生まれるし求心力も働く。しかし“再演”では、それらは意図的に作り出さなければ生まれもしないし働きもしない。
“勢い”や“求心力”は、それだけでは作品は生まれないかも知れないが、それらが現場に“ある”のと“ない”のとでは、作品の魅力もクォリティも大きく違ってくる。それらなしでは、稽古場も舞台も「初演の単なる“コピー”」になりかねない。
『ドッグファイト』でも様々な個所に手を入れたが、一番注意を払ったのは「主人公=エディーとその相手=ローズの距離感とその変化」を丁寧に追うこと、であった。
ともに2度目の『ドッグファイト』となる屋良さんと宮澤さんは、「2度目であること」を利点として、2人の気持ちのすれ違いや変化を掘り下げてくださった。
やはり2度目となる他のキャストの皆さんも、“ナチュラル”でありながらも“物語がどこへ向かうのか”という部分の表現が大きく進化した。
そこに再演からのキャストの皆さんの“新しい発想”や“新鮮な反応”が加わって、初演に勝るとも劣らない“勢い”が生まれ“求心力”が働いた。『ドッグファイト』は、再演の“理想的な形”となったのである。
そんな『ドッグファイト』再演も明日で一区切り。
皆さん、どうかしっかりと目に焼き付けて。
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