『ラ・カージュ・オ・フォール』通信
1月21日(日)
『ラ・カージュ・オ・フォール』の主人公は、ナイトクラブ“ラ・カージュ・オ・フォール”のオーナーで司会者のジョルジュ(鹿賀丈史さん)と、ナイトクラブのスター=ザザことアルバン(市村正親さん)のゲイ・カップルである。
2人の間にはひとり息子=ジャン・ミッシェルがいて(厳密には、ジョルジュと“シビル”と言う女性の間に生まれた子供)、そのジャン・ミッシェルに結婚話が持ち上がったことでこの一家に波風が立つ。
今回の再演では大半のキャストが前回から続投しているのだが、ジャン・ミッシェルはニュー・キャスト。演じるのは木村達成さんである。
ダンス・ナンバーの稽古と並行してコーラスの稽古も始まっている。歌唱指導は今回から林アキラさんである。
アキラさんは、今までも“ジョルジュ&アルバンの行きつけのカフェ”の亭主=ムッシュ・ルノーを演じていらした。今回はキャストとスタッフの兼任となる。
ブロードウェイの大御所=ジェリー・ハーマン作詞/作曲のミュージカル・ナンバーには、いかにも“古き良きブロードウェイ”と言った感じのゴージャスでお洒落な楽曲がそろっている。
終演後、劇場を出て行く観客が劇中のナンバーを口ずさんでいたら、そのミュージカルは成功だと言われるが、その意味では『ラ・カージュ・オ・フォール』は大成功の1本だろう。
しかし、家路につく観客が口ずさめるからと言って『ラ・カージュ・オ・フォール』の楽曲が易しいかと言うと、そうでもない。
現代のミュージカル(例えば、フランク・ワイルドホーン、シルベスター・リーヴァイ、クロード=ミッシェル・シェーンベルクなどの楽曲)と比べるとメロディはシンプルだし構成も単純である。が、シンプルで単純であるほど歌い手のセンスや解釈などが物を言う。
再演であることに甘えることなく、丁寧に、丁寧に仕上げて行きたい。
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