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2018年1月の記事

『ジキル&ハイド』通信

1月30日(火)

 「どん底」の女の子たちによるショー「連れてきて」を振り付け。振付・ステージングは広崎うらんさん(うーちゃん)である。

 「どん底」の女の子たち(通称“どん底ガールズ”)は全員が2016年からの続投である。笹本玲奈さん演じるルーシーだけが、ガールズの中ではニュー・キャスト。

 いままでに笹本さんとご一緒したのは、『イーストウィックの魔女たち』(ジェニファー)、『ミー・アンド・マイガール』(サリー)、『ハゲレット』(オフェーリア)、そして前回までの『ジキルハイド』(エマ)であった。
 どの役も笹本さんらしい、控えめだが芯の強い女の子の役であった。が、ルーシーは、それらどの役とも違う。

 初日を迎える頃にはどんなルーシーになっているだろう?

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月29日(月)

 ダンス・ナンバー「男のレッスン」の振り起こし。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』には、ゲイ・クラブのきらびやかなステージを再現したショー・ナンバーが幾つも登場するが、「男のレッスン」は数少ない“そうではない”ダンス・ナンバーである。
 『ラ・カージュ・オ・フォール』の舞台は南フランスのリゾート地=サントロペ。地中海に面した港町である。「男のレッスン」では、港の男たちによる“男くさい”ダンスが展開される。

 ブロードウェイの初演で振付を担当したのはスコット・サーモンである。私たちの日本版では、そのオリジナル振付を再現している。日本版の振付は真島茂樹さん、振付助手は萩原季里さんである。

 今回、「男のレッスン」で活躍するダンサーの人選を前回とは変えてみている。
 今までも、再演の度に色々なナンバーで少しずつダンサーの入れ替えは行われてきた。そうやって、この歴史あるミュージカルを次の世代へと受け継いでいるのである。

 その後、1幕の抜き稽古。

 ジョルジュ、ジャン・ミッシェル、この家のボーイ(本人は“メイド”と主張しているが)=ジャコブ、そしてジャン・ミッシェルの婚約相手=アンヌの場面を抜き稽古。
 アンヌを演じるのは愛原実花さん、ジャコブ(本人は“クロディーヌ”と主張しているが)は花井貴佑介(きょうのすけ)さんである。

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『ジキル&ハイド』通信

1月28日(日)

 理事会と婚約披露パーティをおさらい。その後、パブ「どん底」へ向かうジキルとアターソン、そして「どん底」店内でのジキルとルーシーの出会いを稽古。

 「どん底」は、ロンドンのいかがわしい地区=カムデン・タウンにあるパブである。パブと言うと聞こえはいいが、実態は売春宿である。
 アターソンは失意のジキルを元気づけようと「どん底」へ連れて行く。店内ではちょうど女の子たちによるショーが始まったところ。そのショーでひときわ目立っていた女の子がルーシーである。
 ルーシーは、この店に似つかわしくないような上客に目を止める。ジキルである。ルーシーに声をかけられたジキルは……。

 前回(2016年)の『ジキルハイド』は、とても充実した仕上がりであった、と考えている。なので、今回はできるだけそのヴァージョンを踏襲しようとしている。
 だが、ニュー・キャストの5名(ルーシー、エマ、アターソン、ダンヴァース卿、サベージ伯爵)には、前任者のアプローチに囚われることなく、新作に挑むつもりで取り組んで欲しいと思う。

 稽古はまだ始まったばかりであるが、ニュー・キャストの5名が、あたかもオリジナル・キャストであったかのように感じられたら、嬉しい。

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沢島監督のこと

 映画監督の沢島忠さんが亡くなった。

 沢島さんが映画監督として活躍されたのは昭和30~40年代にかけてである。美空ひばりさんや萬屋錦之介さんの主演作をはじめ、約20年間で50本近い監督作品を生み出された。
 映画界を離れてからは舞台に活躍の場を移された。沢島さんの舞台での脚本・演出作品の1本に『赤ひげ診療譚』がある。

 山本周五郎の同名小説を舞台化した『赤ひげ診療譚』は、1978年に東京宝塚劇場で初演された。タイトル・ロールの“赤ひげ”こと、小石川養生所の医師=新出去定(にいで・きょじょう)を演じたのは森繁久彌さんであった。
 1983年に名古屋の御園座で再演され、更には1991年に帝劇で、そして1994年に再び東京宝塚劇場で上演されている。私は91年の再演に演出部の1人として参加し、94年の公演では沢島さんの演出助手を務めた。

 沢島さんとのお仕事は『赤ひげ診療譚』1作品のみであった。が、演出助手を務めた94年の際には、常に沢島さんの横について、ダメ取り(演出家のダメ出しを書き留めること)などをさせていただいた。
 沢島さんは時おり私の耳元で「監督の心得」を囁かれた。沢島さんに代わって稽古を始める「よーい!」の声をかけさせてくださったり、その声にダメを出してくださったりもした。その時に教わり今でも守っている教えがいくつもある。

 『赤ひげ診療譚』以降、お仕事でご一緒することは無かったが、ご自身の脚本・演出された舞台に何度もお招きくださった。観劇後はいつも美味しい物を食べに出かけた。
 食べるお店、食べる物や食べ方にも一家言お持ちでいらした。ダンディで、洒脱で、とても優しく接してしてくださった。

 ご冥福をお祈りいたします。

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『ジキル&ハイド』通信

1月27日(土)

 立ち稽古。プロローグ~1幕1場、1幕3場、1幕4場を稽古。

 『ジキルハイド』は、田代万里生さん演じる弁護士=ガブリエル・ジョン・アターソンが観客の前に進み出て、彼の親友について語り出すところから始まる。それがプロローグである。
 場面はそのままセント・ジュード病院の閉鎖病棟へと移り、石丸乾二さん演じる主人公=ヘンリー・ジキルと、福井貴一さん演じるヘンリーの理解者=ダンヴァース・カルー卿が、“ひとりの患者”の治療法を巡ってディスカッションするのを私たちは目撃することになる……。

 1幕3場は再びセント・ジュード病院。今から最高理事会が開かれようとしている。
 理事会のメンバーは、ベイジングストーク大司教(宮川浩さん)、グロソッブ将軍(阿部裕さん)、サベージ伯爵(川口竜也さん)、アーチボルド・プループス卿(松之木天辺さん)、ビーコンズフィールド侯爵夫人(塩田朋子さん)、それにダンヴァース卿である。
 ヘンリー・ジキルから提出された「実験の許可願い」に対して、許可をするのか、しないのか。それが今日の議題である。畠中洋さん演じる理事会秘書官=サイモン・ストライドが議事の進行役を務め……。

 1幕4場はダンヴァース邸の大広間。宮澤エマさん演じるダンヴァースのひとり娘=エマの婚約披露パーティの真っ最中で、着飾った紳士淑女で賑わっている。
 エマと婚約した幸運な男はヘンリー・ジキルである。だが、パーティにヘンリーの姿は無く……。

 『ジキルハイド』には、大勢の登場人物が複雑に動く場面が頻出する。「理事会」や「婚約披露パーティ」の場面などがそうである。
 過去のブログでも幾度となく記しているが、こういう場面の稽古には中々時間がかかる。例え再演であったとしても、である。気が付いたら、今日も「あっ」という間に外は真っ暗になっていた。

 明日は今日のおさらい。そしてルーシー登場。

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『ジキル&ハイド』通信

1月26日(金)

 顔寄せ。

 キャスト、スタッフ、その他公演関係者が集まるセレモニーである。
 普段、稽古場で顔を合わすことはないが、『ジキルハイド』に欠かすことのできない人々にお目に掛かることができる貴重な日。舞台は、観客の目に触れない所で働くたくさんの人たちに支えられて成立している。

 顔寄せに続いて読み合わせ。

 美術デザイナーの大田創(おおたはじめ)さんが読み合わせにも付き合ってくださった。
 読み合わせ終了後、近づいていらした大田さんが「やっぱり面白いねえ」とおっしゃった。先日の歌稽古の後の私のように(その日のブログはこちら)。

 ですよねえ。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月25日(木)

 歌稽古。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場にはフェミニンな空気がいつも流れている。
 が、その空気は女性キャストが不在の時でも流れているので、どうやら女性キャストが醸し出している空気ではないらしい。そもそも女性キャストは思いのほか少人数であるし。

 今日はその女性キャストのコーラス稽古。少人数なので精鋭ぞろいだし、全員が『ラ・カージュ・オ・フォール』経験者なので、稽古もサクサクと快調に進んだ。
 難易度は決して低くないコーラスだと思うが、既にいい感じに聞こえている。

 続いて、抜き稽古。

 主人公のひとり=ジョルジュと、その息子=ジャン・ミッシェルの場面を中心に、芝居部分の稽古にも入っている。今日は1幕前半の、2人を中心とした幾つかの場面をあたる。
 鹿賀丈史さんが演じるジョルジュは今までも十分“ダメ亭主”であったが、今回は軽薄さが増している様子。木村達成さんの演じるジャン=ミッシェルの“屈託のないワガママぶり”も、なんともチャーミング。

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『ジキル&ハイド』通信

1月24日(水)

 帝国ホテルへ。

 ご応募くださった中から抽選で選ばれたオーディエンスの皆さんと、取材の皆さんをお迎えしての製作発表記者会見であった。

 まず、石丸さん、笹本さん、宮沢さん以外のキャスト全員がステージに登場し、ミュージカル・ナンバー「嘘の仮面」を披露(その様子はこちら)。
 「嘘の仮面」は、最も『ジキルハイド』らしいナンバーではないかと思う。今日もピアノによるイントロが聞こえて来ただけで会場が一瞬にして『ジキルハイド』の世界に染まったように思われた。ピアノ伴奏は國井雅美さんである。

 続いて、石丸さん、笹本さん、宮澤さん、田代さん、畠中さん、花王さん、福井さん、それに私が登場。それぞれに抱負や見どころを語り、マスコミの皆さんと質疑応答。
 この7名は劇中の扮装での登場である
。今回のチラシやポスターでは扮装写真を使用していないので、ルーシーやエマ、アターソン、ダンヴァースの扮装姿はこれが初公開(……だと思う)。

 更にその後、笹本さんが「あんなひとが」をこちらをどうぞ)、そして石丸さんが「知りたい」を(そしてこちらを)歌い、最後に7名のキャストのフォト・コール。私も図に乗ってキャストの皆さんの目線を頂く(その写真はこちら

 ここはオーディエンスの皆さんも撮影OKだったので、沢山の写真がアップされることだろう。

 されるといいな。

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『ジキル&ハイド』通信

1月23日(火)

 歌稽古。

 今日は全キャストが集合(本番中の安福さんを除く)。主要なナンバーをひと通り歌ってみる。
 皆さんの歌を聞きながら改めて感じたのは、『ジキルハイド』って面白いなあ……と言う、演出家とは思えないような感想であった。でも面白かったのだから仕方がない。皆さんは『ジキルハイド』のどんなところが面白いと思われますか?

 それはともかく、今回が初参加の皆さんも少しずつこの作品に馴染んできた。馴染むにつれて表現も具体的になってくる。そこには今まで違ったニュアンスなども多数見受けられ、新たなキャストが加わることの楽しさや意義も感じる。

 明日は製作発表記者会見。オーディエンスとしてご参加くださる皆さん、会場でお待ちしています。

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『ジキル&ハイド』通信

1月22日(月)

 歌稽古。

 まずは宮澤エマさん。宮澤さんとは『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』『ドッグファイト』でご一緒した。
 『天使にラブ・ソングを』では、宮澤さんは見習いのシスター=メアリー・ロバートを、『ドッグファイト』では、しがないコーヒー・ショップの娘=ローズを演じてくださった。どちらも“自分の殻から抜け出せないでいる内気な少女”の役であった。

 『ジキルハイド』のエマは、打って変わって“芯の強い行動的な女性”の役である。
 婚約相手であるヘンリー・ジキルは“科学の力で世の中を変革する”使命に燃える医者であるが、その思いの強さのために常に誰かと衝突を繰り返している。そんなジキルを信じ、なだめ、背中を押し、愛し続けるエマを、宮澤さんがどう演じてくださるか?
 楽しみで仕方がない。


 次に、宮澤さんに福井貴一さんが合流。
 福井さんとご一緒するのはいつ以来だろう? もしかして、西田敏行さんがテヴィエを演じていらした時代の『屋根の上のヴァイオリン弾き』以来だろうか? ということは、演出家としては初顔合わせなのか? でも、そんな気がしないのはなぜだろう?

 そして石丸乾二さん。
 今日の東京地方、天気予報は午後から夜にかけて“雪”であった。石丸さんがいらした頃には雪は本降りになっていた。なので、稽古メニューをやや駆け足でサクサクと消化して、あまり遅くならないうちに今日の稽古を終了。

 皆さん、無事に帰宅することができたであろうか?

 ……私はやや難儀しました。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月21日(日)

 『ラ・カージュ・オ・フォール』の主人公は、ナイトクラブ“ラ・カージュ・オ・フォール”のオーナーで司会者のジョルジュ(鹿賀丈史さん)と、ナイトクラブのスター=ザザことアルバン(市村正親さん)のゲイ・カップルである。
 2人の間にはひとり息子=ジャン・ミッシェルがいて(厳密には、ジョルジュと“シビル”と言う女性の間に生まれた子供)、そのジャン・ミッシェルに結婚話が持ち上がったことでこの一家に波風が立つ。

 今回の再演では大半のキャストが前回から続投しているのだが、ジャン・ミッシェルはニュー・キャスト。演じるのは木村達成さんである。

 ダンス・ナンバーの稽古と並行してコーラスの稽古も始まっている。歌唱指導は今回から林アキラさんである。
 アキラさんは、今までもジョルジュ&アルバンの行きつけのカフェの亭主=ムッシュ・ルノーを演じていらした。今回はキャストとスタッフの兼任となる。

 ブロードウェイの大御所=ジェリー・ハーマン作詞/作曲のミュージカル・ナンバーには、いかにも“古き良きブロードウェイ”と言った感じのゴージャスでお洒落な楽曲がそろっている。
 終演後、劇場を出て行く観客が劇中のナンバーを口ずさんでいたら、そのミュージカルは成功だと言われるが、その意味では『ラ・カージュ・オ・フォール』は大成功の1本だろう。

 しかし、家路につく観客が口ずさめるからと言って『ラ・カージュ・オ・フォール』の楽曲が易しいかと言うと、そうでもない。
 現代のミュージカル(例えば、フランク・ワイルドホーン、シルベスター・リーヴァイ、クロード=ミッシェル・シェーンベルクなどの楽曲)と比べるとメロディはシンプルだし構成も単純である。が、シンプルで単純であるほど歌い手のセンスや解釈などが物を言う。

 再演であることに甘えることなく、丁寧に、丁寧に仕上げて行きたい。

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『ジキル&ハイド』通信

1月20日(土)

 渋谷の録音スタジオへ。濱田めぐみさんがMCを務めるネット・ラジオのトーク番組『劇場こそ我が家』(番組の公式ページはこちら)に呼んでいただいたので、稽古前にその収録。
 台本なしのフリー・トークだったのだが、濱田さんの演技がどのようにして生み出されるのか、その秘密に私が迫る……みたいな展開に。(編集されなければ)

 配信は2月9日~23日だそうです。

 さて、『ジキルハイド』は、現在、歌稽古が着々と進行中である。

 今回は、2012年に初演された石丸乾二さんがタイトル・ロールを演じるヴァージョンの2度目の再演である。が、キャストは前回から大幅に変わっている。

 まず、ジキルを巡る2人の女性が変わった。ジキルがパブ「どん底」で出会う娼婦=ルーシーには笹本玲奈さんが、ジキルの婚約者であるエマには宮澤エマさんが配役された。笹本さんは2012年と2016年の『ジキルハイド』ではエマ役であった。
 それから、ジキルの親友で、物語の語り手役でもあるアターソンには田代万里生さんが、エマの父親で、セント・ジュード病院最高理事会の議長であるダンヴァース・カルー卿には福井貴一さんが選ばれた。理事のひとりであるサベージ伯爵には、新たに川口竜也さんが加わった。

 これだけ顔触れが変わっていると、同じ音楽とストーリーでも随分と違った印象になるだろう。その辺りも今回の見どころのひとつだと思う。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月19日(金)

 『ラ・カージュ・オ・フォール』
の稽古では、ダンス・パートから先行してスタートすることが通例である。

 ダンス・ナンバーが『ラ・カージュ・オ・フォール』の大きな見せ場になっている――ということもあるが、ダンス・パートの稽古を長めに取ることで「ダンサーたちの身体を作ること」と「この作品で必要とされるダンスのスキルを伸ばすこと」、更には「キャスト同士の繋がりを深めること」ができるから――でもある。

 私たちの世界では、その作品のために集まったキャストやミュージシャン、スタッフたちを“カンパニー”と呼ぶが、『ラ・カージュ・オ・フォール』では、それは“ファミリー”と呼ばれる。
 キャスト、ミュージシャン、スタッフのひとりひとりが深く繋がっていることは、この作品にとってはとてもとても大切なことなのである。

 今回も稽古はダンス・パートから始まった。稽古場では、30年以上この作品にかかわっているベテランから今回が初出演のフレッシャーまで、分け隔てなく同じように汗を流している。私などは、それだけでもう胸がいっぱいになる。

 そういうことに年々弱くなります。

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『ジキル&ハイド』通信

1月18日(木)

 ブロードウェイ・ミュージカル『ジキルハイド』の稽古が始まっている。

 『ジキルハイド』は、イギリスの小説家=ロバート・ルイス・スティーブンソンのホラー/ミステリー『ジキル博士とハイド氏』を原作とするミュージカルである。
 ミュージカル版は、レスリー・ブリカッスの脚本・詞、フランク・ワイルドホーンの音楽により、1990年5月にテキサス州ヒューストンのアリ―劇場で世界初演された。様々な改訂が施され、ブロードウェイのプリマス劇場に登場したのは1997年4月であった。

  日本版の初演は2001年の日生劇場。ジキル/ハイド役は鹿賀丈史さんで、このヴァージョンは2003年、2005年、2007年と再演された。
 石丸幹二さんのジキル/ハイドが登場したのは2012年。この時から演出も変わり、今回は2016年に続く2度目の再演である。

 私自身も『ジキルハイド』には数々の思い出がある。ブロードウェイで『ジキルハイド』を観劇してから既に20年近くの年月が流れた。
 しかし、それらの思い出は過去のブログ(2005年と2007年と2012年と2016年)で既にに書き尽くしてしまった。この期に及んで一体何を書けばよいのだろう?

 ……と言うことで、3月3日の東京公演初日まで――内容にはあまり期待せずに――おつき合いいただければ幸いである。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月17日(水)

 ブロードウェイ・ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール~籠の中の道化たち』の稽古が始まっている。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』は、フランスの劇作家=ジャン・ポワレによる同名の大ヒットコメディをブロードウェイでミュージカル化した作品で、作詞・作曲はジェリー・ハーマン、脚本はハーベイ・ファイアスティンである。
 ブロードウェイでの初演は1983年で、そのシーズンのトニー賞では「ベスト・ミュージカル」を含む6部門で受賞した。ブロードウェイでのリヴァイヴァルは2004年と2010年に行われ、どちらもトニー賞の「ベスト・リヴァイヴァル・オブ・ミュージカル」に輝いている。

 日本版の初演は1985年の帝劇。以来、様々なキャスト、様々な劇場で繰り返し上演を重ねて来た。
 鹿賀丈史さんと市村正親さんのゴールデン・コンビが登場したのは2008年の上演からで、以後、2012年、2015年と再演を重ね、今回が4度目の上演となる。そして今回は、お2人の“コンビ誕生10周年”を記念する公演でもある。

 私自身も『ラ・カージュ・オ・フォール』には数々の思い出がある。演出を担当する以前には舞台監督を務めたこともあった。
 しかし、それらの思い出は過去のブログ(2008年と2012年と2015年)で既に書き尽くしてしまった。この期に及んで一体何を書けばよいのだろう?

 ……と言うことで、3月9日の東京公演初日まで――内容にはあまり期待せずに――おつき合いいただければ幸いである。

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『ジキル&ハイド』製作発表記者会見 オーディエンス募集中!

 ミュージカル『ジキルハイド』の製作発表記者会見が1月24日(水)に行われる。そのオーディエンスをただいま募集中! 応募締め切りは1月16日(火)のam10時。

 詳細はこちらからどうぞ。

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『ドッグファイト』通信“名古屋編” 初日にして大千穐楽

1月6日(土)

 『ドッグファイト』の名古屋公演は1回だけ。今日が初日であり、そして千穐楽である。そして2017-18年の『ドッグファイト』全行程のラストでもある。つまり大千穐楽である。

 だが「千穐楽だなぁ……」などと感傷に浸っている暇はなく、朝から照明合わせやサウンド・チェックや場当たり稽古。わずか1回の公演でも、必要な作業はいつもと変わらない。
 しかし、各セクションの手際のよい動きのお蔭で、照明合わせも場当たり稽古もタイム・テーブルより早めに終了。余裕をもってラスト1回に臨む態勢が整った。

 大千穐楽にも大勢のお客様がご来場くださった。カーテン・コールのご挨拶で場内が明るくなった時、屋良さんを始めキャストの皆さんが満員の会場を眺めて、暫し絶句するほどであった。
 終演後、楽屋に戻ってキャスト、バンドの皆さん、関係者一同で三本締め。『ドッグファイト』再演は無事に閉幕した。

 次にスリー・ビーズに会えるのはいつの日か。それは私にも分からない。が、会える日が来ることを信じたい。絶対にもう1度会いたい。

 これで『ドッグファイト』通信名古屋編”はおしまいである。最後までお付き合いくださってありがとうございました。
 次は『ジキルハイド』通信『ラ・カージュ・オ・フォール』通信。2作品同時進行なので……

 どうなりますことやら。

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『ドッグファイト』通信“名古屋編”

1月5日(金)

 明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて。

 名古屋に来ている。愛知県芸術劇場 大ホールである。

 昨年の12月8日に大阪のサンケイホール ブリーゼで開幕した『ドッグファイト』再演も、ついに明日で大千穐楽。嬉しいと同時に、ちょっぴり寂しくもある。

 どんな作品でもそうなのだが、“再演”では「どこにどう手を入れるか」が難しい。

 “初演”は、それが「初演だ」というだけで勢いも生まれるし求心力も働く。しかし“再演”では、それらは意図的に作り出さなければ生まれもしないし働きもしない。
 “勢い”や“求心力”は、それだけでは作品は生まれないかも知れないが、それらが現場に“ある”のと“ない”のとでは、作品の魅力もクォリティも大きく違ってくる。それらなしでは、稽古場も舞台も「初演の単なる“コピー”」になりかねない。

 『ドッグファイト』でも様々な個所に手を入れたが、一番注意を払ったのは「主人公=エディーとその相手=ローズの距離感とその変化」を丁寧に追うこと、であった。

 ともに2度目の『ドッグファイト』となる屋良さんと宮澤さんは、「2度目であること」を利点として、2人の気持ちのすれ違いや変化を掘り下げてくださった。
 やはり2度目となる他のキャストの皆さんも、“ナチュラル”でありながらも“物語がどこへ向かうのか”という部分の表現が大きく進化した。

 そこに再演からのキャストの皆さんの“新しい発想”や“新鮮な反応”が加わって、初演に勝るとも劣らない“勢い”が生まれ“求心力”が働いた。『ドッグファイト』は、再演の“理想的な形”となったのである。

 そんな『ドッグファイト』再演も明日で一区切り。

 皆さん、どうかしっかりと目に焼き付けて。

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