『田茂神家の一族』通信
10月26日(木)
花巻に来ている。
花巻に降り立つのはこれが初めてである。学生時代に観た、井上ひさしさんによる宮沢賢治の評伝劇『イーハトーボの劇列車』の中で、登場人物のひとりである鉄道の車掌さんが、しきりに「花巻~、花巻~」と言っていたのを思い出す。花巻は宮沢賢治の生まれ故郷であり、「わんこそば」発祥の地でもあるらしい(盛岡発祥だ、という説もあるそうですが)。
2015年の『田茂神家の一族』初演では福島に初めて降り立った。劇団東京ヴォードヴィルショーさんとのお仕事では、東宝のツアー公演などではなかなか行かない土地に立ち寄るので楽しい。
スタッフさんは朝から搬入、そして仕込みである。
『田茂神家の一族』は、既に今年前半の旅で何カ所も回っているし、そもそも大道具と呼べそうな舞台美術がほとんど無い。なので、会場の花巻市文化会館では至って落ち着いた空気が流れていた。
スタッフの作業がひと段落した所で音楽場面の場当たり。
今までの稽古場では舞台の実寸が取れなかったので、奥行きや袖周りの出入りなどは若干嘘をついていた。その部分を、今日は実寸で改めて当たる。
予定されていたメニューを無事に消化して今日の作業は終了。明日は客席周りを当たり、リニューアルしたフィナーレを当たり、その後ゲネプロ。
更にその後、旅公演〈後半〉の初日である。
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