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2017年9月の記事

小峰リリーさん

 衣裳デザイナーの小峰リリーさんが亡くなった。

 来春に再演される『ジキル&ハイド』も『ラ・カージュ・オ・フォール~籠の中の道化たち~』も、衣裳デザインはリリーさんであった。

 リリーさんと初めてご一緒したのが2001年初演の『ジキル&ハイド』で、このヴァージョンは2003年、2005年、2007年と再演を重ねた。新演出となった『ジキル&ハイド』も衣裳デザインは引き続きリリーさんで、2012年の初演以来、来年で3演目となる。

 東宝版の『ミー&マイガール』もリリーさんのデザインで、こちらも2003年、2006年、2009年と繰り返し上演された。
 他にも『レベッカ』『シラノ』などのミュージカル、佐久間良子さんがタイトルロールを演じた『好色一代女』、米倉涼子さんがヒロイン=スカーレット・オハラを演じた帝劇開場100周年記念公演『風と共に去りぬ』などでリリーさんとご一緒した。

 リリーさんのデザインは端正でありながら遊び心に満ちていた。リリーさんは、私がどんなに無茶な提案をしても、いつもニコニコと「やってみましょう」とおっしゃった。

 リリーさんと私が『ラ・カージュ・オ・フォール』に参加したのは2008年からであった。以来2012年、2015年と再演を重ねて、来春で4演目であった。

 さようなら。リリーさん。

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『アニー』通信 2017年大千穐楽 そして2018年

9月3日(日)

 2017年の『アニー』が長野県上田のサントミューゼ大ホールで大千穐楽を迎えた。

 北陸新幹線上田駅から徒歩で約7分のサントミューゼは、大小のホールに様々な練習スタジオ、そして美術館まで併設された複合文化施設である。
 開館してまだ3年ほどだと言うサントミューゼは、広々とした敷地にそれぞれの施設が余裕をもって配置されていて、表(客席ホワイエなど)も裏(楽屋周りなど)も外光がふんだんに入る、とても気持ちの良い施設である。

 ここを設計されたのは、つい先月惜しくも他界された柳澤孝彦さんである。
 柳澤さんの代表作のひとつに、青山劇場無き後、『アニー』東京公演の会場となっている新国立劇場がある。そして、サントミューゼには空間造形やマテリアルなど、新国立劇場を連想させる部分が少なくない。今年の『アニー』は、柳澤さんの手がけた劇場で始まり、そして幕を閉じた。

 大千穐楽の今日も2回公演であった。午前の部は今まで一番早い10時30分の開演、午後の部も一番早い15時開演であった。
 午前は百花アニー&貴空モリーの楽で、午後は里桜アニー&花奈モリー、そして全キャストの楽であった。午後のカーテン・コールには、一足先に楽を迎えた百花&貴空も登場し、満席のお客様からは立ち上がっての拍手をいただいた。

 カーテン・コールではウォーバックス役の藤本さんの進行で、リリー=山本さん、ルースター=青柳さん、グレース=彩乃さん、ハニガン=マルシアさん、子ども代表でダフィ=宍野さん、そして藤本さんがご挨拶。いつまでも来なければいいと思っていた時間がついにやって来て、2017年の『アニー』は全公演を終了した。

 キャスト、スタッフ、オーケストラ、そしてすべての公演関係者の皆さん、お疲れ様でした。ご来場、ご声援くださった皆さん、心より御礼申し上げます。

 これで2017年の『アニー』通信はおしまいである。ご愛読ありがとうございました。
 そして、2018年の『アニー』に向けて、アニーと孤児たちのオーディション情報が発表されている(詳細はこちらからどうぞ)。

 ミュージカル『アニー』を末永くよろしくお願いいたします。

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