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2017年8月の記事

『アニー』通信/2017夏 名古屋初日

8月25日(金)

 名古屋公演初日。

 名古屋も初日から2回公演で、午前の部が11時開演、午後の部が15時30分開演である。
 会場の愛知県芸術劇場大ホールは、本格的なオペラの上演を想定した設備を備えている。そのため、オーケストラ・ピットも今までの会場に比べて格段に広い。通常のピットが新幹線の普通席程度の人口密度だとすると、ここはグランクラスか、それ以上である。
 そして、音の響きがまた良い。オーケストラのメンバーもおっしゃっていたが、この会場の響きはひときわ豪華でリッチである。

 ダブル・キャストは、午前が“里桜アニー&花奈モリー”で、午後が“百花アニー&貴空モリー”である。共演する“チーム・バケツ”の面々も、すでに仙台を経験済みだからか、いい感じに落ち着いている。
 最年長孤児のダフィを演じる宍野凛々子さんだけは、相変わらず「緊張する」と呟いていたが。

 さて。

 名古屋公演は27日(日)まで。残りはあと2日である。どうぞお見逃しなく!

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『アニー』通信/2017夏

8月24日(木)

 名古屋に来ている。愛知県芸術劇場大ホールである。

 仙台に続いて大きな会場である。座席数は仙台より更に多く2500席に及ぶ。舞台の高さや奥行きもであるが、何よりも客席の空間が大きい。今年の『アニー』の中で最大の会場である。
 それにしても暑い。日中の気温は、私が温度計を見た時は36℃を指していた。私たちの仕事は建物の中なので空調も効いているしまだよいのだが、表を歩き回る皆さんには堪えただろう。

 今日は、ちょっとした瞬間にトーマス・ミーハンさんのことを考えた。
 照明チームが明かりの調整しているのを眺めている時だったり、サウンド・チェックでオーケストラがワルツを演奏しているのを聞いている時だったり、舞台のセッティングが整うのを待っている時だったり……。
 しんみりとしたのでも、感情が高ぶったのでもなくて、ただミーハンさんのことが思い浮かんだ。お目に掛かったことは一度もないのであるが。

 さて。

 明日は名古屋公演初日。ミーハンさんに観に来てもらえたら嬉しい。その節は『ヤング・フランケンシュタイン』ではなく『アニー』へどうぞ。

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トーマス・ミーハンさん

 トーマス・ミーハンさんが亡くなった。

 現在、夏のツアーの真っ最中であるミュージカル『アニー』。その脚本を書かれたのがミーハンさんである。
 ミーハンさんはトニー賞のベスト・ミュージカル脚本賞に3度輝いている。『プロデューサーズ』(2001年/メル・ブルックスと共作)、『ヘアスプレー』(2003年/マーク・オドネルと共作)、そして『アニー』(1977年)である。『アニー』はミーハンさんのブロードウェイ・デビュー作であった。

 私は昨年、ミーハンさんの脚本に基づく『ヘアスプレーJr.』を演出させていただいた。そして今年は『アニー』である。
 ミーハンさんが脚本に参加したメル・ブルックス主演のコメディ映画『メル・ブルックスの大脱走』(1983年)や『スペースボール』(1987年)も、封切り時に映画館で見て強く印象に残っている。現在東京で公演中のミュージカル『ヤング・フランケンシュタイン』の脚本もミーハンさんである(これもメル・ブルックスと共作)。

 今年、『アニー』をリニューアルするにあたって私が立てた目標は「ミーハンさんの脚本に立ち返ること」であった。

 ミーハンさん、ミュージカル版の『アニー』を生み出してくださって本当にありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。

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『アニー』通信/2017夏 仙台初日

8月19日(土)

 仙台公演初日。

 大阪同様、仙台も初日からいきなり2回公演である。
 ダブル・キャストは、11時の回は“里桜アニー&花奈モリー”、15時30分の回は”“百花アニー&貴空モリー”で、後者は“チーム・バケツ”の孤児たち&ダンス・キッズとは初顔合わせ。レアな組み合わせなのである(稽古場ではこの組み合わせでも稽古しているが)。

 シアター・ドラマシティから一転、東京エレクトロンホール宮城はキャパシティ1500を超える大きな会場である。落成から既に50年以上経つ由緒正しいホールであるが、ここはオーケストラと客席との一体感が素晴らしい。
 オーケストラ・ピットのフェンスが他のホールや劇場と比べると思いのほか低く、演奏中のミュージシャンの様子が手に取るように分かる。そして、ホール自体の響きも美しい。つまり、このホールは視覚と聴覚の両方で、観客を音楽と一体化させてくれるのである。

 その一体感のお蔭もあるであろう。カーテン・コールの後の、オーケストラによるエグズィット・ミュージックの演奏後にいただいた拍手が一際大きく感じられた。ご来場くださった皆さん、ご声援ありがとうございました。

 さて。

 仙台公演を終えると、残すは名古屋と上田の2か所である。9月3日(日)の大千穐楽まで、カンパニーの皆さん、どうぞ良い旅を。

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『アニー』通信/2017夏

8月18日(金)

 仙台に来ている。昨夏も『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』でお世話になった東京エレクトロンホール宮城である。

 仙台公演から最終地である上田公演まで、孤児たち/ダンス・キッズとして出演するのは“チーム・バケツ”である。アニーと最年少の孤児=モリ―の2人がダブル・キャストになっているのは大阪公演と同様である。

 仙台から先、スタッフの持ち時間は更に少なくなる。が、スタッフの皆さんはその限られた時間を大変効率よく使って、極めて短時間の内に舞台稽古に入れる状況を整えてくださった。
 舞台稽古自体も限られた時間の中で手際よく進行。無事にメニューを消化し終えた。

 さて。

 明日は仙台公演初日。午前の部が11時開演、午後の部が15時30分開演なのは大阪と同じである。

 仙台公演は明日(19日)と明後日(20日)の2日間限り。どうぞお見逃しなく!

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『アニー』通信/2017夏 大阪初日

8月10日(木)

 ミュージカル『アニー』の夏のツアーが開幕した。

 初日からいきなり2回公演で、11時の回は“百花アニー&貴空モリー”、15時30分の回は“里桜アニー&花奈モリー”の出演であった。2人以外の孤児たちとダンス・キッズは、昨日も記した通り“チーム・モップ”のみんなである。

 シアター・ドラマシティでの『アニー』は、新国立劇場中劇場の壮大な空間とは趣が異なりアットホームな感じである。東京、大阪、どちらの『アニー』も甲乙つけ難く、どちらも捨て難い。
 そして大勢のお客様が大阪でもご来場くださった。どちらの回も客席最後尾に座らせていただいたのだが、お客様はとても真摯にご覧いただいているように感じられて、嬉しかった。

 アニーとモリ―の2人は、ツアーの最後(上田公演)までダブル・キャストで出演する。が、2人以外の“チーム・モップ”のみんなは大阪公演まででお別れである。仙台以降、ツアーの後半は最終地の上田まで“チーム・バケツ”のみんなが登場することになる。

 モップのみんな、どうか素敵な千穐楽をお迎えください。

 さて。

 大阪公演は8月15日(火)までである。どうぞお見逃しなく。

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『アニー』通信/2017夏

8月9日(水)

 大阪に来ている。梅田芸術劇場シアター・ドラマシティである。

 大阪公演で孤児たち/ダンス・キッズとして出演するのは“チーム・モップ”である。アニーと最年少の孤児=モリ―の2人は、東京公演同様にダブル・キャストとなっている。

 今日は午前中から舞台稽古。新国立劇場中劇場とは物理的に条件が異なっている部分を中心に、登退場やシーン・チェンジ、裏導線などを確認。確認の後は夕方よりゲネプロ(通し舞台稽古)。
 ゲネプロ終了後、キャストの皆さんには駄目出し。舞台ではゲネプロで上手く行かなかった幾つかのシーン・チェンジを再整理。

 さて。

 明日は大阪公演初日。昼の部(というか午前の部)は11時開演、夜(というより午後)は15時30分開演である。

 一回り成長したアニーと子供たち、そしてカンパニーに、どうぞ会いにいらしてください。

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『アニー』通信/2017夏

8月5日(土)

 チーム・バケツで通し稽古。

 ……の前に、ラスト・シーンのステージングを微調整。喉に刺さっていた魚の小骨が取れたような気分。そしてその後、通し稽古。

 今日は特に1幕の出来が良かったように思う。
 新鮮で、自然で、丁寧で、なのにスピーディで、笑い所もばっちり。ミュージカル・コメディのお手本のような出来であった。

 通しの後は稽古場最後の駄目出し。これで稽古場での作業は全て終了した。

 スタッフの皆さんは明日から大阪である。シアター・ドラマシティでの作業は明後日の朝イチから始まる。

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『アニー』通信/2017夏

8月4日(金)

 チーム・モップで通し稽古。

 これまで細かい調整や組替え稽古などを重ねて来たが、いよいよ“通し”である。
 7月29日のブログでも記したが、ツアー公演と東京公演とで演出は変わらない(劇場条件の違いに起因する調整は行われている)。が、芝居の運びをより丁寧に、クリアにするようには心掛けた。
 何よりキャストの皆さんの「もっと良くしたい」と言う思いが熱く、とても良い感じに仕上がって来たと思う。そして、子供たちの場面。我々が指示を出していない部分が何か所も深まっている。その意欲と創意工夫に拍手を送りたい。

 さて。

 明日は稽古場最終日。

 ブロードウェイ・ミュージカル『アニー』。2017年夏のツアーは大阪/梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて8月10日(木)開幕です。

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『アニー』通信/2017夏

8月3日(木)

 「TWICE」と言う名前の“K-POPのガールズ・グループ”をご存じだろうか? では、彼女たちのヒット曲「TT」は?

 どうやら子供たちの間で流行っているらしく、振り付きで、ものすごい勢いで(しかも集団で)、稽古の合間などに歌い踊っているのを良く見る。あまりに熱中しているので聞いてみたら、「TWICE」の「TT」なのだと言う。教えてもらって私は初めて知った。

 稽古開始から1週間ほど経って、子供たちが「TT」に興じる姿を以前ほどは見かけなくなった。もう流行りではないのだろうか? 今の子供たちはそんなに飽きっぽいのか? そもそも流行りでも何でもなかったのだろうか……?

 子供たちの“おやつ”に目を移すと、お気に入りは相変わらず「生ハム」と「カニかま」のようである。これは春の稽古の時もそうであったから、一過性のブームではなさそうである。

 大勢の子供たちと接していると、普段の生活では視界に入って来ない色々なことが目に入る。

 これは結構面白い。

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『アニー』通信/2017夏

8月2日(水)

 何日か稽古を重ねてみて段々分かって来たのだが、『アニー』の稽古場には2種類の俳優さんがいらして、ひとつは「芝居の運びやミュージカル・ナンバーの振り、立ち位置など、舞台上の約束事に関して細部にわたって記憶している人」で、もうひとつは「それほど記憶していない人」である。

 前者の人たちには当然ながら何の問題もない。後者の人たちはちょっと厄介で、彼ら、彼女たちは平然と、堂々と、約束と全然違うことをするので、正しいことをやっていた人たちが「いま自分は間違ったかもしれない」と疑心暗鬼に陥るのである。
 そもそも「自分が忘れている」自覚がないので堂々としているのは理にかなってはいるのだが、その分罪は重い。

 後者の代表的な人は誰か……はご想像にお任せするが、これは大人も子供も区別なく存在しているようである。いや、そもそも俳優さんだけの症状ではないのかも知れない。

 これは几帳面とか生真面目とか、性格に起因することなのだろうか。

 それとも歳のせい?

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『アニー』通信/2017夏

8月1日(火)

 東京公演の千穐楽からの二カ月半ほどの間に、子供たちの何人かは目に見えて身長が伸びた。一方、ほとんど身長が変わらなかった子供もいるので、子供たちが並んだ時の見え方が以前とはちょっと違って何だか新鮮である。大人たちは何も変わっていないのに。

 アニーと仲良しになる野良犬の“サンディ”を演じているのは、オールドイングリッシュ・シープドッグのオズとモンローである。

 オズは7歳なのでもう十分大人であるが、モンローはまだ2歳。育ち盛りである。
 2人(2匹?)が並ぶと、東京公演の時は体格にはっきりと差があった(オズの方が大きい)のだが、この二カ月半でモンローも随分と成長した。並べばまだオズの方が大きいが、その差はずいぶんと縮まった。夏のツアーが終わる頃には追い付いて(或いは追い抜いて)いるかも知れない。

 私たちは何も変わらないのに。

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『アニー』通信/2017夏

7月31日(月)

 『アニー』では、主人公アニーのほか、孤児たち、そしてダンス・キッズたちがダブル・キャストになっていることはご承知の通りである。
 ダブル・キャストは、それぞれ“チーム・バケツ”、“チーム・モップ”と呼ばれていることもご承知の通り。アニーを野村里桜さんが演じているチームが“バケツ”で、会百花さんが演じているチームが“モップ”である。

 東京公演では、チーム・バケツとチーム・モップは交互に、交代交代で舞台を務めていた。これが夏のツアーではそうではなくなる。
 アニーと孤児のモリーは東京公演と同様に交互出演なのだが、モリー以外の孤児とダンス・キッズたちは、公演地によって登場するチームが“バケツ”か“モップ”のどちらかに決まっているのである(つまりシングル・キャスト)。
 東京公演では「バケツはバケツ」「モップはモップ」で両者が交わることは一切無かったのだが、夏のツアーでは「東京では見ることのできなかった子供たちの組み合わせ」がある、と言うことでもある。

 と言うワケで、この稽古では「東京公演ではやっていない組み合わせ」での稽古もやっておくことになる。

 子供たちの新鮮な顔合わせも楽しみにしていただければ幸いである。

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