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『アニー』通信

3月31日(金)

 1幕のおさらい。

 ブロードウェイでミュージカルの上演が企画されると、作り手たちは「その作品の製作資金を調達する」ために“バッカーズ・オーディション/backer's auditions”と言うものを開く。

 “バッカーズ”とは投資家のことである。バッカーズ・オーディションでは、「将来製作されるであろう作品」に出資を考えている投資家たちを稽古場に集め、脚本家や作詞家、作曲家が「現時点で出来上がっている素材(ミュージカル・ナンバーだったり、一場面だったり)」を、ピアノ1台の伴奏で歌い演じてみせるのである。
 投資家たちは、そのパフォーマンスを見て出資するか否かを判断することになる。

 『アニー』でもバッカーズ・オーディションが行われた。そして、その時の録音が残されていて、私たちもそれを聞くことができる。その貴重な録音を“ボーナス・トラック”として収録した“ブロードウェイ初演のオリジナル・キャスト・アルバム”が発売されているのである。(そのCDはこちら)。
 
 マーティン・チャーニンとチャールズ・ストラウスが歌い、演じ、演奏し、解説する『アニー』の“原型”には、私たちがとてもよく知っている曲と、よく知っているのとは少し異なる曲と、全く知らない曲とが混在している。
 「Tomorrow」が“初めて公の場で紹介された”時の様子も収録されていて、曲が終わった瞬間のオーディエンスの喝采も聞くことができる。その後の『アニー』の足跡を知っている者には“歴史的瞬間”に感じられるはずである。

 バッカーズ・オーディションが開かれたのは1972年ごろ、とCDには記載がある。が、これが1日ですべて行われたものなのか、別々に開かれたオーディションの音源をまとめたものか、それは分からない。
 が、この音源を初めて聞いた時は、自分も『アニー』のバッカーズ・オーディションに立ち会っているかのような感覚に陥った。

 ご興味のある方は聞いてみてください。

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