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2017年1月の記事

『クリコレⅢ』通信

1月29日(日)

 「闇が広がる」、「私が踊る時」、「大勢のナンバー」、「デュエット・ナンバー」をステージング。

 稽古中はキリのよいところで短い休憩が入る。と、すかさず誰かがおさらいを始める。
 歌の確認だったり動線や振りの思い出しだったり、単独だったり単独で始まったのがいつの間にか大人数になったり……、その内容は様々であるが、休憩時間が休憩だったためしは殆んどない。
 連日“発表されている稽古メニュー以上に稽古が行われている”みたいなことになっているのだが、稽古終了後は稽古終了後で誰かが自主稽古を始める。稽古の量は更に増える。

 ……まるで部活。

 稽古と並行して今日は衣裳合わせも。どんな衣裳が選ばれた……かな?

 さて。

 博多座の『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』が、昨日無事に千穐楽を迎えた。
 ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。あとは浜松(2月3日、4日)と長野(2月10日、11日)を残すのみとなった。

 『シス・アク』ロスの皆さん……どうぞシアタークリエへ。

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初日 『田茂神家の一族』通信

1月28日(土)

 所沢ミューズ/マーキー・ホールへ。『田茂神家の一族』の初日。

 直し作業の大半は昨日、ゲネプロの後に済ませている。なので、今日は大きな作業などはない。
 開演の2時間前に全体集合。体を動かした後、注意事項の確認と事務連絡。その中で“今日はほぼ満席”であることが報告される。天候にも恵まれ幸先のよい初日である。

 今日の開演時刻は14時。だが『田茂神家の一族』は“なんとなく始まってしまう”芝居なので、私自身には高揚感のようなものはない。その“なんとなく”が上手く行くことを願う緊張感のようなものはなくはないが。
 幸い、芝居は上手く“なんとなく”始まった。そして、始まってしまえばもう止めようがない。『田茂神家の一族』の命運はキャストの皆さんに委ねられた。

 今日のお客様は、この“どう楽しめばよいのか”いささか分かりにくい(かも知れない)芝居を、とても上手に楽しんでくださった。劇団東京ヴォードヴィルショーがここで公演を打つのは5回目なのだそうだが、そのお陰かも知れない。
 所々、初日らしい“ヒヤヒヤ”もなくはなかったが、それでも芝居の終わりにはたくさんの拍手を頂いた。

 カーテン・コールでは劇団を代表して佐藤B作さんがご挨拶。その幕が下りるや否や、キャストもスタッフも一斉に撤収作業にかかる。
 連日自宅から劇場に通っていたので錯覚しそうになるが、今日は紛れもない旅(ツアー)初日なのであった。

 劇団東京ヴォードヴィルショー第71回公演、三谷幸喜/作『田茂神家の一族』の旅が始まった。次の目的地は厚木である。

 皆さん、どうぞ良い旅を!

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『田茂神家の一族』通信

1月27日(金)

 所沢ミューズ/マーキー・ホールへ。

 午前中は照明合わせの続きとテクニカル・リハーサル。午後から後半部分の場当たり。場当たり終了後、ゲネプロ。

 『田茂神家の一族』は寓話である。物語の舞台も登場人物も出来事も架空のものである。だから、その全てが滑稽に思えるし、私たちも心置きなく笑って眺めていることができる。
 だが一方、架空の出来事だからこそ、観客はそれと何かを重ね合わせてみることもできる。同じ“寓話”である『貴婦人の訪問』がそうであったように、ご覧になる方、上演されるタイミングによって“見えてくるもの”も“感じられること”も違ってくるだろう。

 2017年の『田茂神家の一族』。いよいよ明日、その幕が上がる。

 「これはもう新作である」……と言えるほどには一新されてはいないのだが(1月15日のブログを参照のこと)、ヴァージョン・アップは確実にしています。

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『田茂神家の一族』通信

1月26日(木)

 今日から3日間は『田茂神家の一族』通である。

 『田茂神家の一族』カンパニーは既に稽古場での作業を終え、昨日から劇場入りして仕込みや道具調べ、照明合わせなどを進めてきた。会場は所沢市民文化センター・ミューズのマーキー・ホールである。

 三谷幸喜/作『田茂神家の一族』の舞台設定は「村長選挙を前にしたある村の、候補者合同演説会の会場」である。
 台本に“有権者数=105名”とあるから何とも小さな村なのであるが、その村の、恐らくは公民館とか小学校の体育館とか、そういった場所が演説会の会場なのだと思われる。

 そういうワケで『田茂神家の一族』の舞台美術は、一見“何も無いような”舞台美術になっている。
 大道具として美術デザイナーの石井強司さんが用意してくださったのは、“村の公民館(或いは体育館)に元々あったであろう幕”だけである。そこに、公民館の備品と思しき“候補者用の椅子”や“小テーブル”“司会者用演壇”など、僅かな小道具が持ち出される。
 以上が『田茂神家の一族』の舞台美術の全貌である。

 で、今日と明日とで舞台稽古。今日のメニューは前半部分の場当たり。
 “ワン・シチュエーション”物の舞台稽古では、ひとたび芝居が始まってしまえば、誰かが止めない限りラスト・シーンまで止まらない。が、『田茂神家の一族』は照明のデザインが“ワン・シチュエーション”ではないので、要所要所で止めながら芝居と照明とを合わせて行く。

 場当たりを終えた後は“開演前の段取り”の確認。
 『田茂神家の一族』では、開演前の舞台上やロビーで「合同演説会の会場設営」や「投票に行くことを促す広報活動」などが散発的に行われている。その段取りの確認である。
 開演前の「会場設営」や「広報活動」を見逃しても『田茂神家の一族』鑑賞には何の支障もないのだが、少し早目にご来場いただければ物語をより深く楽しんでいただける……かも知れない。

 ご来場をお待ちしています。
 

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『クリコレⅢ』通信

1月25日(水)

 女性だけの曲、全員の曲、ソロ曲の3曲をステージング。

 “女性だけの曲”のステージングでは、今日も「セーブして歌うよう」にお願いをした。したのだが……「セーブしようとしたのに」「できない」「歌っちゃう」。なんてチャーミングな女子たち!
 その代償として、2つ目のメニューである“全員の曲”のステージング時には“抜け殻”のようではあったが。

 話は変わる。

 『クリコレⅡ』では『Ⅰ』に登場した楽曲は取り上げないようにしていたのだが、今回はその縛りは外すことにした。なので、『Ⅲ』には『Ⅰ』『Ⅱ』に登場した楽曲も再登場する。
 自分の予想では「再登場曲は全体の1/3くらいの数になるかも」と思っていたのだが、セットリストができあがってみると、それよりずっと少ない。

 であるにもかかわらず、『クリコレⅢ』のセットリストはかなり充実している、と思う。アレがあって、アレもあって、アレもあった上に、アレもアレもアレもあるのである。

 特に、“私に近い世代”の方には(以下自粛)。

 明日は稽古OFF。

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『クリコレⅢ』通信

1月24日(火)

 デュエット曲、男性だけの曲、ソロ曲の3曲をステージング。

 『クリコレⅢ』で取り上げるデュエット曲は全部で10曲(交互に歌われる「闇が広がる」「私が踊る時」は1曲とカウント)。ほとんどは男性と女性のデュエットであるが、そうではない組み合わせのものもある。

 今日ステージングしたのは男性と女性のデュエット曲。
 ちょっとヴォードヴィルっぽい(つまり、それほどロマンティックではない。が)楽しい楽曲である。“ヴォードヴィルっぽい”と言うことは、それなりに“振り”が付くと言うことでもある。
 振付の青山さんと振付助手の森実友紀さんが、楽しげな振りをお手本を見せながらテキパキと渡して行く。渡されるお2人も「楽しい!」を連発していらしたが、「覚られえたら……」と小声で付け加えることも忘れなかった。

 “男性だけの曲”は勇壮でとても活発なナンバーである。“女性だけの曲”と同様にとても高い音があり、やはりパワフルに歌わなければならない。
 ステージングをする時には繰り返し何度も歌うことになるので、喉の負担を考慮して「セーブして歌うよう」にお願いしている。いるのだが……本来が勇壮で活発な楽曲なので、動いている内につい「セーブして歌う」ことを忘れてしまう。

 その“稽古なのに手加減してない感じ”が、ものすごくチャーミングなのだが。

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『クリコレⅢ』通信

1月23日(月)

 1幕最初のナンバーと1幕ラストのナンバー、2曲をステージング。ミュージカルには幸せと喜びが満ちている! その後、全員で歌のおさらい。

 『クリコレ』シリーズは、毎回“日替わりキャスト1名のトーク”で幕が上がる。これは今回も変わらない。
 トークの内容は「『クリコレ』で自分が歌う楽曲にまつわる思い出やエピソード」と言うことだけが決められていて、実際にしゃべる中身は各人に任されている。カンパニー内では、“その日トークを担当する人”は「日直」と呼ばれている。

 この場面は「劇場で前の列に座った人が“お気に入りのミュージカル・ナンバー”を熱く語っているのが聞こえてくる」状況をイメージしている。
 正直に告白すれば、『クリコレⅠ』が開幕するまでは“成立するか”確信が持てなかった場面でもある。幸い不安は杞憂に終わり、『クリコレ』シリーズの“入口”として定着して今回まで生き延びた。

 毎回楽しいトークを披露してくださったキャストの皆さんに感謝。

 夜は『アニー』の舞台美術打ち合わせ。もう少し粘ります。

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『クリコレⅢ』通信

1月22日(日)

 『エリザベート』のスペシャル・ガラ・コンサートを終えられた瀬奈じゅんさんが登場。ソロ曲、デュエット曲、大勢で歌う曲をひと通り当たる。

 『クリコレⅢ』の歌唱指導は山口正義さん。演出補の小川さんが歌唱指導補も兼ねてくださっている。
 1月18日のブログでちょっと触れているが、山口さんは小川さんの劇団時代(“ミュージカル劇団フォーリーズ”=現在の“イッツ フォーリーズ”)の先輩である。と同時に、私の大学の先輩でもある。世間は狭い。

 そして、稽古ピアニストは栗山梢さん。
 ご一緒するのは今回が初めてなのだが、シアタークリエで先月上演されていた『ナイスガイ in ニューヨーク』の素敵なピアノ・トリオを率いていらしたのが(兼・音楽監督補)栗山さんである。ミュージカル業界的には“栗山絵美さんの妹さん”であることがトピックであろうか(栗山梢さんのブログはこちら)。

 瀬奈さんの歌稽古の後は、一昨日、一昨昨日ステージングしたナンバーのおさらい。だんだん形になってきた。

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『田茂神家の一族』通信

1月21日(土)

 午前中は『アニー』の振り付け打ち合わせ。

 『アニー』の本格的な稽古が始まるのは3月に入ってからであるが、3月から稽古を始めるために、現在、様々な準備や打ち合わせが進行中。
 今日は振り付けの打ち合わせ。作業をどのように進めるか、どんなアイデアでミュージカル・ナンバーを展開するか……などについて広崎うらんさんと意見交換。

 午後は『田茂神家の一族』の稽古場へ。

 今日は物語の後半部分をおさらい。
 物語も後半になると全ての登場人物が揃い、展開もまるでジェット・コースターのように目まぐるしい。それぞれの登場人物が抱える“個々のストーリー”が同時に進行しながら、“全体のストーリー”も幕切れに向かってそのテンションを上げて行く。
 三谷君お得意の“ワン・シチュエーション”物では、キャストの皆さんは舞台上のどこにいても気の休まる瞬間がない。観客は“いま喋っている人”に注目しながら、“周りの人がどう聞いているか”も見ているからである。

 今日も長時間の稽古になった。お疲れ様でした。

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『××××Ⅲ』通信

1月20日(×)

 ××稽古。

 今日はまず××さんの「×××××××××」をステージング。
 「×××××××××」はミュージカル『××××××××××』のナンバーである。『××××××××××』は日本で××に××された××ミュージカルであるが、この楽曲は××××である×××の××××が、××××な××を夢見て歌う、ちょっと×××なナンバーである。
 ××さんの××××は中々××××で、ちょっと×××でも××××い。××××で××む××××××××さんのハーモニーも××××である。

 続いて、××××××さんの「××××××××××」をステージング。
 「××××××××××」はミュージカル『××××××××××××』の1幕ラストを×る、ちょっと××しいナンバーである。×××では××を××る大××××なのだが、今回は少し××××でお届けする。

 昨日と今日で、××も××に××××××が付いた。その××に××する××××××さんの××に×××を送りたい。

 明日は稽古×××。(もうしません)

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『クリコレⅢ』通信

1月19日(木)

 歌稽古の後、いよいよ立ち稽古に入る。

 立ち稽古は××さんのナンバー「×××× ××××××」の振り付けからスタート。××さんにアンサンブルの皆さんも加わって×××なシーンが繰り広げられる。
 『クリコレⅢ』の振付は青山航士さん。そして、このナンバーでは橋本好弘さんが×××の指導と振付で青山さんを補佐してくださる。

 近年では、こう言う“ミュージカルらしいミュージカル”が上演される機会は多くはない。そういう意味でも『クリコレⅢ』で「×××× ××××××」を取り上げる意味は大きい。
 特に“次の世代”のアンサンブルさんたちがこのナンバーを経験しておくことは、将来のこの国のミュージカル界にとっては、とても意義のあることだと思う。

 何より見ていて楽しいし。

 初日まで3週間。どうやってページを埋めればいいのだ……?

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『クリコレⅢ』通信

1月18日(水)

 歌稽古。今日は涼風さん、岡田さん、そしてアンサンブルの皆さん。

 涼風さんは、とても対照的なソロ曲2曲を歌われる。詳しくは書けないが……簡単にも書けない。
 なので、作品の内容にはまったく関係ない涼風さんの稽古中の発言を書こう……と思ったのだが、涼風さんからNGが出たので、「書いてもいいです」と言われた部分を書く。

 涼風「私、鳳蘭さんに憧れて宝塚に入ったんです」
 演出助手・小川「私は山口正義さんに憧れてフォーリーズに入ったんです」

 ……その前後が書きたかったのだが。

 岡田さんのソロ曲2曲もとても対照的な楽曲である。ひとつは(以下略)。そしてもうひとつは(以下略)。

 とても感動したことを告白しておきたい。

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『クリコレⅢ』通信

1月17日(火)

 歌稽古。山口祐一郎さん登場。

 まず山口さんのナンバーをひと通り当たる。
 まだ慣らし運転で、やや抑えて歌っていらっしゃるのだが、『貴婦人の訪問』を終えた後、少しゆっくりされたのが良かったらしく、なんだかとっても“いい感じ”。

 続いて、山口さんと全キャストが合流、大勢で歌うナンバーを合わせる(ただし瀬奈さんは公演中のためご欠席)。
 その後、涼風さん&山口さんの「私が踊る時」や、田代さん&山口さんの「闇が広がる」……など、デュエット曲を合わせる。更に、男性のみのナンバー、女性のみのナンバーなども合わせる。

 それにしても、『クリコレ』の稽古場はなんとも居心地が良い。
 キャストの皆さんがお互いのことをよく分かっていらっしゃるので気を使うことが無いし、“今やるべきこと”が共有されているので無駄な時間もない。
 “歌うこと”や“演じること”、“お客様に喜んでいただくこと”に対する皆さんのベクトルが同じ方向を向いていることも大きい。

 そんな稽古場で我々は、連日夢のような時間を過ごしている。ここに書くべきことも山ほどあるのだが……。

 書けない!

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『クリコレⅢ』通信

1月16日(月) 

 歌稽古。今日はアンサンブルさん、保坂さん、そして今さんが登場。

 『クリコレ』では様々な作品からミュージカル・ナンバーが集められている。取り上げる楽曲の“スタイル(音楽性)”も実に様々である。なので歌い手は、その多彩ななスタイルを“歌い分ける”ことを要求されることになる。
 特にアンサンブルさんは、異なるスタイルの楽曲が続く箇所もあったりするのだが、この“歌い分け”が一筋縄では行かない。なかなか手強い。今日も“連続する異なるスタイルの2曲”を本番同様に繋げて歌ってみたのだが……。

 話は変わる。

 稽古場では、我々スタッフは観客でもある。
 『クリコレ』には“よく知っているミュージカル・ナンバー”もふんだんに登場する。稽古場では、それを“本公演で歌っていた本人”がリ・クリエイトする瞬間を目撃する。或いは、“本公演とは別の誰か”が新たな生命を吹き込む瞬間に立ち会う。観客である我々の心は大きく揺さぶられる。
 歌は心に直接届く。だからでもあるだろうし、その歌を“特別な誰か”が届けてくれるからでもあるだろう。

 何て幸福な観客なのだろう。

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『田茂神家の一族』通信

1月15日(日)

 田茂神家の一族の稽古場へ。

 以前も記したが、三谷幸喜/作『田茂神家の一族』は、劇団東京ヴォードヴィルショーが創立40周年記念興業と称して、創立42年目に当たる2015年の3月に上演したコメディである。
 初演は福島で幕を開け、続けて東京公演が行われた。今回はその再演で、所沢で初日を開けた後、日本各地を回る。
 劇団の公式ページではツアー前半の日程が発表になっているが、その大半は各地の演劇鑑賞会が主催する公演である。そのため、観劇には鑑賞会に加入することが必要になる場合が少なくない。ご観劇ご希望の方はどうぞご注意ください。

 さて。

 『田茂神家の一族』は、三谷君お得意の“1シチュエーション”の“1幕もの”である。

 “日本のどこかにある”と言う設定の架空の村「朳(えぶり)村」で、24年振りに村長選挙が行われることになった。
 前村長が24年にも渡ってその地位についていたため、これまで選挙らしい選挙は行われてこなかったのだが、その前村長が引退することになり、24年振りに“無風”ではない選挙が行われるのだ。
 で、『田茂神家の一族』では、その選挙に先立つ“候補者合同演説会”の一部始終が描かれる。今回村長選に立候補した面々は……。

 今日は物語の前半部分をおさらい。
 本来はノンストップである物語を(それでは稽古にならないので)幾つかのブロックに区切って、確認と修正を挟みながらひと通り当たる。
 そして、『田茂神家の一族』はミュージカルではないのだが、時折“歌”が挿入されたりもするので、前半部分を当たった後は“歌”の場面の整理と調整をひとしきり。

 『田茂神家の一族』の再演も、ただの繰り返しではない“大幅なヴァージョン・アップ”を目指している。初演をご覧くださった皆さんに「これはもう新作である」と言わせたい。

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『クリコレⅢ』通信

1月14日(土)

 歌稽古。

 今日は個人の歌稽古である。登場したのは吉野圭吾さんと大塚千弘さん。お2人とも『クリコレⅡ』に続いてのご出演である。

 ミュージカルで“役になりきっている”時とは違った表情や佇まいが見られるのも『クリコレ』の様なコンサートの楽しみのひとつだろう。舞台上だけでなく、稽古場での表情や佇まいにもその違いは現れる。まあ、それを言ったら私だって、ミュージカルの稽古の時とは違っているに違いないのだが。

 話は変わるが、大塚千弘さんと初めてご一緒したのはミュージカル『シンデレラストーリー』の時であった。
 初演は2003年だったから(当時は「大塚ちひろ」名義でいらした)、あれから既に14年近い年月が流れたワケである。当時10代半ばだった大塚さんも、今では(以下略)。

 そんな大塚さんを見て、演出助手の小川さんが「柔らかい感じになりましたね」とおっしゃった。
 大塚さんには以前からも“ほんわか”したところはあったと思うが、言われてみればなるほど、現在の大塚さんは以前にも増して“柔らかい”感じであるかも知れない。付き合いが長くなってくると、長いなりの発見や喜びがある。

 明日は稽古OFF。

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『クリコレⅢ』通信

1月13日(金)

 歌稽古。

 今日からプリンシパルの皆さんも登場である。
 前半は女子の皆さん、後半は男子の皆さんの歌稽古。ソロの曲よりも先に“大勢で歌う楽曲”に手を着けておこう、と言う作戦である。

 “女子だけ”の楽曲には“ちょっと手強そうな”ものが1曲あって、今日は歌稽古の大半をこの曲に費やした。
 パートが複雑に分かれていて、ハモりも難解で、とても高い音があり、しかもパワフルに歌わなければならない、そんな楽曲である。先行して歌稽古を進めて来たアンサンブルの女子たちも、最初にこの曲を当たった時には虚ろな表情になっていた。
 が、皆さんが歌い慣れた頃には“かなりいい感じ”になるだろう。

 ところで、昨年の12月26日のブログに記した「1曲だけ、日によって楽曲と歌い手が変わるナンバー」が公式ページで明らかにされている。

 自分の目と耳で確かめるまでは内容については一切知りたくない……と言う方以外はこちらからどうぞ。

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『クリコレⅢ』通信

1月12日(木)

 『クリコレ』のコンセプトはPartⅠの時からから一貫していて、「お気に入りのミュージカル・ナンバーをみんなが持ち寄って披露し合う」である。つまり『クリコレ』は、“個人のコレクション”から選りすぐられた楽曲だけを集めた“コレクションのコレクション”なのである。

 「みんなが持ち寄って……」の“みんな”は、キャストのひとりひとりであり、クリエイティブ・スタッフの全員であり、そしてリクエストをお寄せくださった皆さんである。

 稽古と並行して衣裳の打ち合わせ。
 『クリコレⅢ』の衣裳デザイナーは『Ⅰ』『Ⅱ』と同じ前田文子さんである。『クリコレ』シリーズでは、キャストの皆さんの衣裳も見どころのひとつとなっている。今回は誰がどんな衣裳で登場するだろうか……?

 そして稽古後は舞台美術の打ち合わせ。
 美術デザイナーの松井さん、照明デザイナーの柏倉さん、音響デザイナーの碓氷さん、舞台監督の山本さん、そして大道具製作の東宝舞台さんと電飾のコマデンさん、それぞれの担当者が集まってくださった。

 今回の舞台美術のモチーフは○○○○。ヒントは……チラシ。

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『クリコレⅢ』通信

1月11日(水)

 稽古期間の最初の段階は歌稽古である。
 これはミュージカルでもコンサートでもあまり違いは無い。まずはキャストが歌そのものを理解し、覚え、そして自由に歌えるようにならなければ次の段階へは進めないからである。
 昨日、今日、そして明日はアンサンブルさんの歌稽古。演出補の小川美也子さんが歌唱指導も兼ねて、パート分け、音取りを手際よく進めてくださる。

 『クリコレ』シリーズでは、キャストの皆さんはそれぞれ“ソロ曲2曲とデュエット曲2曲”を歌うことになっている。プラス、3人以上で歌うナンバーが何曲かあり、それらを加えるとキャストひとりで9曲前後に参加することになる。
 アンサンブルの皆さんはもう少し多くて、陰コーラスも含めれば参加楽曲は15曲前後に及ぶ。『クリコレⅠ』の時にも記したのだが(その記事はこちら)、こう言うコンサートで誰よりもハードなのはアンサンブルの皆さんである。

 稽古後は『アニー』の音楽打ち合わせへ。
 新生『アニー』では使用する譜面を新たに用意しているので、その確認など。子供たちの歌稽古も今月中に始まる。

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『クリコレⅢ』通信

1月10日(火)

 『クリエ・ミュージカル・コレクションⅢ』の稽古が始まった。

  『クリエ・ミュージカル・コレクションⅢ』(通称『クリコレⅢ』)は、『クリコレ』(2014年)、『クリコレⅡ』(2015年)に続く、ミュージカル・コンサートのシリーズ第3弾である。
 公式ページの“Introduction”のページには「トニー賞の授賞式のように楽しくて、パリ・コレクションに負けないくらいお洒落」の文章が踊っているが、これは『クリコレⅠ』のチラシ裏に“演出家の言葉”として記した文章が元になっている。

 それはこんな文章であった。

 “『クリエ・ミュージカル・コレクション』は、『M.クンツェ&S.リーヴァイの世界』『ONE-HEART MUSICAL FESTIVAL』に続いてシアタークリエがお送りするミュージカル・コンサートです。
 この文章を書いている時点でセット・リストはまだ固まっていないのですが、とにかく楽しくて、そしてとびっきりお洒落なコンサートになれば、と思っています。トニー賞の授賞式の様に楽しくて、パリ・コレクションに負けない位お洒落。そんなコンサートになったらいいのですが。(以下略)”

 『クリコレ』シリーズはコンサートである。なので、通常のミュージカルとは稽古の進み方などもやや異なる。その辺りのことも含めて、2月9日(木)の開幕までお付き合いいただければ幸いである。

 どうぞよろしくお願いいたします。

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『シスター・アクト』通信 そして幕が上がる編(仮)

1月7日(土)

 初日。

 今日の博多座は補助席が出て、更にお立ち見のお客様もいらっしゃった。大勢のお客様にご覧いただけることは何よりも嬉しい。
 開演時刻は13時。オーケストラのチューニングと共に場内の明かりが落ち、マエストロ=塩田さん渾身のタクトが振り下ろされる。昨夏、8月7日の仙台公演千穐楽以来、5カ月ぶりの『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の開幕である。

 博多座のお客様はシスターたちを“熱狂的に”迎えてくださった。その熱は舞台上の温度をいつも以上に上げた。カーテン・コールではキャストを代表して森さんが初日のご挨拶。待ち望んでいた博多座公演の開幕を、心の底から喜んでいらした。
 ご挨拶の後は「みんなで歌って踊ろう」コーナー。振り付け指導員=パブロ(上口耕平さん)からの2階席、3階席の皆さんへのアドヴァイスは「自分を明太子だと思って」であった(こちらの記事を参照のこと)。

 「歌って踊ろう」が終わり、オーケストラによるエグズィット・ミュージックの演奏が終わっても、お客様の拍手は鳴りやまなかった。カーテン・コールの全てが終わった時、時計は16時を5分ほど回っていた。

 これで2016年~2017年の『シスター・アクト』通信はおしまいである。ご愛読ありがとうございました。次は『クリコレⅢ』通信。数日後には始まります。

 博多座での『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』は1月28日(土)まで。お見逃しなく!

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『シスター・アクト』通信 明日は初日編(仮)

1月6日(金)

 舞台稽古2日目。

 午前中はスタッフのみでテクニカル・リハーサルの残り。午後は舞台稽古、昨日の続きを片付ける。そして大休憩を挟んで18時からゲネプロ。

 ゲネプロに先立って、ロビーでは“塩ちゃんと愉快な仲間たち”のリハーサルも本番同様に行われた。
 これが開催されるのは8日(日)と12日(木)の〈夜の部の開演前〉だけであるが、その日にご観劇の方は「開演30分前よりも前」にご来場されることをお勧めする。

 ゲネプロ終了後は全体で駄目出し。博多座には立派なリハーサル室があるので、そこをお借りして、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』を更に良くするために最後の確認。

 さて。

 明日は博多座の初日。開演時刻は13時である。
 細部に至るまでしっかりと練り込んだので、集大成と呼ぶに相応しい『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』になっていると思う。

 ご期待ください。

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『シスター・アクト』通信 筑前からこんにちは編(仮)

1月5日(木)

 午前中はオーケストラの皆さんと音響チームのサウンド・チェック。

 我らがマエストロ=塩田明弘さんは2日に福岡入りし、オーケストラ・ピットの設営やら何やらを指揮しつつ、RKBラジオなどの生放送にもご出演。
 更に、1月8日(日)と12日(木)の“夜の部・開演前”には、博多座のロビーで“愉快な仲間たち”を率いてのパフォーマンスも予定されている(詳細はこちら)。塩田さんファンの皆さん、どうぞお楽しみに。

 舞台稽古は午後から。

 舞台稽古は今日と明日とで終えなければならない。なので、進行もやや駆け足である。
 が、各セクションが手際よく作業してくださったお陰もあって、終わってみればタイムテーブル上の予定時刻より早く今日のメニューを消化した。

 舞台稽古終了後は、残っていた道具調べ・照明合わせの続き。
 今日頑張った分、明日の舞台稽古のスタート時刻が30分遅くなった。ちょっと嬉しい。

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『シスター・アクト』通信 博多座からおめでとう編(仮)

1月4日(水)

 新年おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 で。

 博多座に来ている。

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の仕込み作業は既に2日から始まっている。帝劇同様のフル飾り、オケピットのブリッジもめでたく復活である。
 今日は夕方から道具調べ・照明合わせ。それに向けて仕込み作業の続きと照明のフォーカス合わせ。並行してオケ周りのセッティングや音響チームの作業などなど。楽屋周りの衣裳チームやヘア・メイクチームも明日からの舞台稽古に向けて準備に余念がない。

 博多座の客席に座って『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の舞台を眺めてみると、とても収まりがいい……と言うか、なんだかしっくりくる。
 見え方は帝劇とは確かに異なるのだが、これはこれで“いい”のである。『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』同様に帝劇からやって来た『ダンス オブ ヴァンパイア』『三銃士』などの時もそうであった。この“安心感”の正体は一体何だろう?

 道具調べ・照明合わせは長時間に及んだ。お付き合いくださったスタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。

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