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『貴婦人の訪問』通信 シアタークリエ編 初日!

11月12日(土)

 初日。

 開演は17時である。
 その2時間前、15時より舞台にて、公演の安全と成功を祈念してお祓(はら)い。それに先立つ14時より、やはり舞台にて、キャストとオーケストラで何曲かを合わせる。
 更にその以前は各セクションのチェックと直し。大きくは、昨日時間が捻出できなかった照明の直しと調整であった。

 17時の定刻を3分ほど押して(遅れて)、舞台袖に控えるオーケストラのチューニング音と共に場内が暗くなる。
 一瞬の静寂の後、心臓を鷲掴みされるような激しい音楽。朽ちかけた駅舎がしょんぼりと浮かび、ぼろ雑巾の様な人影がとぼとぼと集まって来る……。

 “ほぼキャストの変わらない再演”であることもあり、シアター1010でのプレビューの時点から“芝居”は大変落ち着いていた。今日もそうであった。加えて今日は、今までにない“勢い”のようなものが感じられた。
 照明と音響に若干の不具合があり、それが大いに心残りなのだが、それを差し引いても、大変充実した素晴らしい初日であったと思う。

 カーテン・コールでは出演者を代表して山口さん、涼風さん、瀬奈さんがご挨拶。
 瀬奈さんはやや緊張感を漂わせ、涼風さんは本編とは打って変わって、明るく力強くご挨拶をされた。山口さんは、そのお2人に挟まれるのが「お芝居で良かった」とおっしゃった。私もつくづくそう思う。

 昨年の初演を終えてから今日までの間に、世界は大きく変化した。

 昨年は“絵空事だ”と思われた劇中の台詞や出来事が、今では“全くありえないこと”とは思えない。フリードリヒ・デュレンマットが『老貴婦人の訪問』を著したのは60年も前のことであるが、この物語の中で描かれていることは決して過去のことではないだろう。

 これで『貴婦人の訪問』通信 シアタークリエ編はおしまいである。ご愛読、本当にありがとうございました。次は『シスター・アクト』通信 西へ!(仮)。始まるのはひと月後……くらいですが。

 シアタークリエでの『貴婦人の訪問』は12月4日まで。その後、福岡、名古屋、大阪へと参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

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