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『貴婦人の訪問』通信

10月8日(土)

 ミュージカル・ナンバーのステージング。

 1幕7場「イルの雑貨店」にあるM7「贅沢しても」を、思い出しつつヴァージョン・アップ。
 このナンバーと2幕にある「モラルの殿堂」の2曲は、いかにも“賑やかで楽しいミュージカル・ショー”風のナンバーである。が、この2曲が愛憎渦巻く『貴婦人の訪問』のストーリーの中に置かれると、その明るさや楽しさが別の意味を見せ始める。
 そここそが『貴婦人の訪問』のユニークなところである。そして、そのユニークさが『貴婦人の訪問』を特別なミュージカルにしている。ちょっと似たような所がミュージカル版の『イーストウィックの魔女たち』にもあるかも知れない。

 しかし、そう言うタイプの作品を成立させるのは殊の外難しい。作り手や演じ手にとっては何とも手強い作品だと思う。

 だからこそ遣り甲斐があるのだが。

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