『貴婦人の訪問』通信
10月16日(日)
立ち稽古。
まず、M20「モラルの殿堂」をヴァージョン・アップ。続いて、M20を含む2幕4場を稽古。更に2幕5場、そして6場を稽古。
2幕の4場、5場、6場は、ともに「イルの雑貨店」である。
原作者のデュレンマットは『老貴婦人の訪問』を“悲劇的な喜劇”と呼んだが、物語もこの辺り(2幕の中盤)まで来ると、今まで喜劇的に見えていたギュレンの街の出来事も、もはや笑い話として片づけるわけには行かなくなるだろう。
それはともかく、今日の稽古場は、前半と後半とで随分とその雰囲気が違っていた。
前半は大人数で、賑やかな音楽と華やかなステージング満載の、とてもミュージカルらしい稽古場であったが、後半は一転、少人数で緊張感の途切れることのない、シリアスな人間ドラマのような稽古場であった。
その両面が『貴婦人の訪問』の中では同居している。そこも『貴婦人の訪問』の面白さのひとつなのだと思う。
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