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2016年5月の記事

『ジキル&ハイド』CD発売日決定

 ブロードウェイ・ミュージカル『ジキルハイド』の2016年版キャストによる“ハイライト・ライブ録音盤CD”の発売日が決定した。

 それは6月28日!

 サウンド・デザイナーの山本浩一さんによると、元の音がとてもいいので作業が早く進んだ、らしい。

 詳細はこちらからどうぞ。

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『シスター・アクト』通信

5月24日(火)

 公演3日目。大澄賢也さんの初日である。

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』では、大澄さんはマフィアのボス=カーティスであると同時に振付家でもある。
 舞台稽古では、カーティスを演じる合間に、カーティスの扮装のままで客席からダンス・ナンバーの指示を出していらした。初日には、客席から(もちろん扮装なしで)ダンス・ナンバーに目を光らせてくださった。

 森さん、石川さん、蘭寿さんのデビューを見届けて、最後におひとりでご自身の初日を迎えられたのである。
 作品への多大な貢献に感謝すると共に、鮮やかな初日デビューに敬意を表したい。

 今日からは2回公演もスタート、昼の部は森デロリス&大澄カーティス、夜の部は蘭寿デロリス&大澄カーティスであった。これですべての組み合わせが初日を終えたことになる。

 大劇場の公演は、かつては“月頭に開幕し、月末に千穐楽”と言うのが常であった。が、近頃では“月半ばに開幕”したり“月を跨ぐ”公演も少なくない。
 そうなると、「いつまでやっているのか」を咄嗟に思い出せなかったり、「まだやっている」と錯覚したりすることが以前より増える。

 帝劇の『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』は6月20日(月)までである。どうぞお見逃しのありません様に。

 これで『シスター・アクト』通信はおしまいである。ご愛読ありがとうございました。
 次は『貴婦人の訪問』通信。始まるのは秋である。それまでの更新は不定期となるが、どうぞ悪しからず。

 それではまた。劇場で。

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『シスター・アクト』通信

5月23日(月)

 公演2日目。蘭寿とむさんの初日である。

 早くもUPされたカーテン・コールの映像をご覧いただきたい(こちらからどうぞ)。帝劇は今日も大いなる熱狂に包まれた。

 蘭寿さんのデロリスと森さんのデロリスが異なることは以前にも記した。蘭寿デロリスは、初演のもう1人のデロリスだった瀬奈じゅんさんとも異なっていて、言わば第3のデロリスである。
 歌劇団時代の蘭寿さんをよく知っている訳ではないのだが、“デロリス・ヴァン・カルティエ”と言う役は、蘭寿さんの“いいところ”がもれなく伝わって来る役だと思う。

 何はともあれ、蘭寿さんの初日が無事に開幕したことを祝したい。
 カンパニーの大半が初演からの続投と言う中で、しかも初帝劇、それも主人公である。どれほどのプレッシャーであったことだろう。
 しかし、そんなことは微塵も感じさせず、常に前向きで、冷静で、熱いまゆさんであった。

 明日は3日目。大澄カーティスの初日。

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初日! 『シスター・アクト』通信

5月22日(日)

 初日である。

 昼公演なので、殆どの作業は昨日の内に終えている。そう言うこともあって、劇場内の雰囲気は大変落ち着いている。
 初日のお祓いは開演の2時間前に行われる習わしである。今日は11時から。キャスト、オーケストラ、スタッフ、劇場の表方さん、裏方さんたちが参集し、公演の安全と成功を祈念する。

 初日公演には大勢のお客様にご来場いただいた。
 開演前のロビー・イベント“塩ちゃん&愉快な仲間たち”(詳細はこちら)開催日だったこともあり、いつもの初日以上に華やいだ開演前であった。
 ほぼ定刻通りに始まった『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』初日は、冒頭は舞台から硬さも感じられたれたが、客席がヒート・アップするに連れていつもの持ち味が現われた。
 1幕後半からは、これぞ『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』と言う盛り上がりが随所で見られ、ミュージカル・コメディはやっぱり「お客さんあっての物」だと言うことを再認識した。

 カーテン・コールでは初日だからと言って「特別なセレモニー」は用意されていなかったのだが、「歌って踊ろう」コーナーも終わり、場内が明るくなってエグズィット・ミュージックが演奏されても、拍手は鳴り止まなかった。
 そのカーテン・コールの様子が早くもUPされている。こちらからどうぞ。

 さて。

 明日は蘭寿デロリスの初日。今日に勝るとも劣らない盛り上がりになります様に。

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『シスター・アクト』通信

5月21日(土)

 舞台稽古3日目。

 午前中はスタッフのみで、テクニカルの変更、修正。午後からの舞台稽古では、2幕9場からカーテン・コールまで、残された部分をすべて終える。

 大休憩を挟んで、ゲネプロ。
 芝居、テクニカル、共に“取りこぼし”がないではなかったが、それを上回る“素敵な瞬間”があちこちにあって、私としては満足度の高い、良いゲネプロであった。
 終了後、稽古場に集まって全体でノート。課題をカンパニーで共有し、3日間に渡る舞台稽古を終了した。

 さて。明日は初日。

 歌で愛が世界に満ちますように。

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『シスター・アクト』通信

5月20日(金)

 午前中はスタッフのみでテクニカル・リハーサル。舞台稽古は午後から昨日の続き。

 1幕12場からスタートし、2幕に入り、食事休憩の後、2幕8場まで。今日も予定通り、順調にメニューを消化した。
 初演時の舞台稽古と比べると、舞台上も舞台裏もとても落ち着いている。確認すべきポイントも絞られているので、効率も良い。“気持ち”にも“持ち時間”にも余裕があるので、その分細部に踏み込んで稽古ができている。再演の利点である。

 明日は舞台稽古3日目。今日の続きからラストまでをやり、その後ゲネプロ。

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『シスター・アクト』通信

5月19日(木)

 午前中はオーケストラと音響チームでサウンド・チェック。午後イチで舞台稽古スタート。

 まず、舞台監督の佐藤博さんによる舞台上・舞台裏の説明。そして、1幕1場より場当たり。
 幾つかのシーンをまとめて場当たりし、確認が済んだところでオケ付きで流す。本日のダブル・キャストは、森さん&石川さん、蘭寿さん&大澄さんであった。

 途中で食事休憩を挟み、タイム・テーブル通り、1幕11場までを終了。続きはまた明日。

 帝劇の正面は『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』仕様に模様替え。お近くにお立ち寄りの際には、どうぞ足を延ばしてみてください。

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『シスター・アクト』通信

5月18日(水)

 午前中は音響チームの調整や大道具の直しなどを中心に。午後は道具調べ・照明合わせの続き。
 区切りのいいところで道具調べ・照明合わせを一旦終えて、テクニカル・リハーサル。舞台稽古に備える。

 稽古は今日も無いのだが、キャストの皆さんは楽屋を作ったり、衣裳や小道具を受け取って確認したり、こちらも舞台稽古の準備に余念がない。

 と言うわけで、いよいよ明日から舞台稽古。

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『シスター・アクト』通信

5月17日(火)

 稽古は無し。終日スタッフ・ワーク。

 午後イチで舞台美術と照明のタッパ決め。引き続き照明のフォーカス合わせ。並行してオーケストラ・ピットの設営や音響チームの調整など。
 フォーカス合わせを終え、やや遅い時刻より道具調べ・照明合わせ。

 ‟大劇場でミュージカルを開ける”というのは、たとえ再演であっても手間暇のかかる仕事であることに変わりはない。今日の様な作業を地道に消化して行くことが、結果として作品の質を底上げしてくれる。

 各セクションの皆さんに感謝。

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『シスター・アクト』通信

5月16日(月)

 稽古場最終日。オケ付き通し稽古の2回目。

 今日のキャストは森デロリスと大澄カーティスである。全体として、とても丁寧に芝居が運ばれ、再演のテーマであった「物語をしっかりと届ける」と言う目標は概ね達成された様に思われる。
 上演時間は、1幕が1時間15分程度。25分の休憩を挟んで、2幕が1時間10分程度になりそうである。
 これにカーテン・コールが付いて、全体では、おおよそ3時間弱、と言った仕上がりになるだろう。

 帝劇では、毎公演、入場時に“光るブレスレット”(サイリュームとか、ケミカルライトなどと呼ばれるアレ)が配られることになっている。
 カーテン・コールの時に光らせて、そして着用していただいて、舞台上のキャストと客席の皆さんとで一緒に「さあ、声を出せ!(Raise Your Voice)」を歌い踊ろう! と言う企画である。

 その振り付けの予習用(?)ビデオがUPされている(こちらからどうぞ)。
 必ずしも覚えてご来場いただく必要はないので(もちろん、覚えてくださるのは大歓迎です)、どうか気楽にご覧いただきたい。
 そして、その他にも色々と“楽しいこと”や“お得なこと”が公式ページで告知されている(それはこちらから)。ご観劇のご予定と照らし合わせて、余裕をもって少し早めにご来場いただければ幸いである。

 森さんのデロリスと蘭寿さんのデロリスでは、ご覧になる方の印象は大きく異なるだろう。そして大澄さんのカーティスと石川さんのカーティスも、その印象は大きく異なるはずである。

 そここそがダブル・キャストの醍醐味だと思う。そう思って、意識的に両者の“差異”を残している。それぞれのキャストから受ける印象の違いも楽しんでいただければ嬉しい。

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『シスター・アクト』通信

5月15日(日)

 オケ合わせ、3日目。

 昨日の後半と同様に“リズム隊のみ、マイク無し”でダンス・ナンバーを合わせる。その後、オケ付き通し稽古。

 帝劇では『1789 バスティーユの恋人たち』が本日千穐楽。その終演を待って――ワイヤレス・マイクを装着して――いよいよオーケストラでの通し稽古である。
 今日のキャストは蘭寿デロリスと石川カーティス。幕開きからラスト・シーンまで、とても快調に進行し、幕間も終了後も、稽古場にはとてもいい空気感が漂っていた。

 稽古を終えて稽古場を出ようとする時、演出部の石川さんが近づいて来て、「今日はとても感動しました」とおっしゃった。
 石川さんは私より少し先輩なので、付き合いは四半世紀を超えている。身内と言えばもちろんそうなのだが、“信頼している身内”の言葉には、私は大いに勇気づけられる。

 楽屋口を出る前に寄り道をして舞台を覗いてみると、『1789』のセットは粗方片付けられ、入れ代わる様に『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』のセットが搬入されていた。

 明日は稽古場最終日。

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『シスター・アクト』通信

5月14日(土)

 オケ合わせ、2日目。

 昨日2幕の中盤まで終えているので、今日はその続きから。全編の終わりの「エグズィット・ミュージック(Exit Music)」までを合わせる。
 全曲を合わせ終えた後、残りの時間でダンス・ナンバーのいくつかを、リズム隊(キーボード、ドラム、パーカッション、ベース、、ギター)のみで合わせる。

 昨日も記した理由で、稽古場でワイヤレス・マイクを使用することができない。
 そこで、オーケストラを間引いて(=リズム隊のみで)演奏の音量を落とし、マイク無しで(有線のスタンド・マイクに動きの制約を受けずに)踊り主体の楽曲を合わせるのである。

 (昨日のつづき)誤算だったのは、次の便が“24時間後”だったことである。

 空港近くのホテルに宿を取り(航空券が一括購入されていれば、遅延時の宿代は航空会社持ちになったのだそうだ。今回はならなかった)、翌朝、チェック・アウト時刻まで滞在してホテルを出た。

 成田行きのJL408便は21時05分発。まだ半日あるが、搭乗手続きが始まるまで空港ロビーで時間を潰すことにする。
 『ターミナル』(スティーブン・スピルバーグ監督/2004年公開)という映画がある。主人公のトム・ハンクスは、JFK空港の国際線乗り継ぎロビーで何日も過ごす羽目になるのだが、巨大なフランクフルト空港のロビーで、私はトム・ハンクスになった様な気持ちであった。

 手荷物に小説『モンテ・クリスト伯』が入っていた。岩波文庫版で全7巻になるこの大長編を読むのに、今日ほど相応しい日はないだろう。

 私は時が経つのも忘れて、一心不乱にページをめくった。(おわり)

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『シスター・アクト』通信

5月13日(金)

 オケ合わせ、1日目。

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』のオーケストラは15名編成。1970年代のフィラデルフィア・サウンドを再現するのに相応しい、リズム・セクションとホーン・セクションがゴージャスなオーケストラである。指揮はお馴染みの塩田明弘さんである。

 オケ合わせは幕開きからカーテン・コールまで、台本順に全曲を合わせる。
 帝劇の稽古場では、本公演の開演中はワイヤレス・マイクを使用することができない。周波数の関係で混線が生じてしまうからである。『1789 バスティーユの恋人たち』の本番中に稽古場でワイヤレス・マイクを使ってしまうと、ベルサイユ宮殿にシスターたちのノリノリのゴスペルが響きかねない。

 なので、今日、明日のオケ合わせでは有線のマイクを使用する。キャストの皆さんはワイヤレス・マイク使用時の様に自由には動けないが、有線マイクを適正に使用することでオーケストラの演奏とのバランスはしっかり取れるのである。

 明日も有線マイクでオケ合わせ。(以上、2014年5月21日の記事をコピペして手を抜きました)

 (昨日のつづき)「地上職員は私をJAL便に誘導するために待ってくれている」のだ、と私は思った。
 フランクフルト着陸が成田行きの出発時刻ギリギリだったからであるが、事実はそうではなかった。私が乗るはずだった成田行きのJL408便は定刻に飛び立った。職員の方は私にそう告げた。

 フランクフルトから先の航空券は紙くずになった――そう思ったのは、今回の航空券が、「成田↔フランクフルト」と「フランクフルト↔シュトゥットガルト」とが“別々に手配、購入”された物であり、搭乗券も“別々に発券”されていたからである。
 だから「ルフトハンザの遅延にJALは関知しないのだ」と思ったのだ。

 だが実際は「手持ちの航空券で、JAL便であれば‟次の”成田行きに乗ることができる」のだった。地上職員の方は、それを伝えるために待っていてくださったのだ。

 地獄で仏、フランクフルトで地上職員である。(つづく)

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『シスター・アクト』通信

5月12日(木)

 通し稽古、3回目。

 通しを重ねる毎に課題がひとつひとつ解消されて行く。作品の成長を日々実感できる、大変充実した稽古場になっていることが嬉しい。

 稽古終了後、我々スタッフやキャストが今まで溜まり場にしていたスペースを明け渡す。そのスペースに、楽器と音響機材が運び込まれる。
 明日から待ちに待ったオケ合わせ。音楽の情報量が桁違いに増える。

 (昨日のつづき)シュトゥットガルト空港で田井中さんと別れ(別々の便なので)、帰国の途に就いたのは2013年の8月25日である。

 私は18時55分発のLH0137便でフランクフルトへ向かう……はずだった。
 保安検査を済ませ、搭乗ゲート前のベンチで搭乗開始のアナウンスを待つが、いつまでたってもアナウンスが流れない。

 時刻表では、フランクフルト到着は19時45分である。フランクフルトから成田に向かう便は21時05分発。通常なら「待ち時間が少なくてありがたい」と思う時間設定であるが、今はそれが不安材料になる。
 ようやく搭乗手続きが始まり、LH0137便がシュトゥットガルトを飛び立った時には20時を回っていた、と思う。フランクフルトまでの50分のフライトが、その何倍にも感じられた。

 フランクフルト空港に着陸し、バスに運ばれてターミナル・ビルに着くと、私の名前が書かれた“ボード”を掲げてJALの地上職員の方が立っていた。(つづく)

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『シスター・アクト』通信

5月11日(水)

 通し稽古、2回目。

 昨日の、通し稽古後のノート(ダメ出し)で確認、修正した箇所がしっかりと反映、改善され、内容の濃い2回目であった。“勢い”だけを見れば昨日の方があったかも知れないが、初日に向けて正しいプロセスを辿っている、と言えるだろう。

 別稽古場では、今日からオーケストラのリハーサルもスタート。オケと合流する日が楽しみで仕方がない。

 (昨日のつづき)『シスター・アクト』を観劇したのはシュトゥットガルト入りした翌日、2013年8月22日と23日である。

 別便でシュトゥットガルト入りしていた振付の田井中智子さんと現地で合流し、夕食を済ませてから(開演時刻が19時30分なので)劇場に向かった。
 1日目は「何にも考えずに、観客のつもりで」客席に座った。2日目は「冷静に、劇場で起こっていることをできるだけ記憶する様に」心掛けて観た。

 当然ながらドイツ語での上演なので、台詞も歌もほとんど分からない。が、原作の映画は観ていたし、ロンドン・キャストのCDは聞いていたし、ミュージカル版の直訳台本にも目を通していたので、仕事に支障のない程度には理解できた(はずである)。

 観客としては『シスター・アクト』は大変に楽しいミュージカルだった。演出する立場としては……モチベーションが大いに上がった。(つづく)

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『シスター・アクト』通信

5月10日(火)

 通し稽古、1回目。

 職業柄、“その日に起こるだろうこと”を予測しておくことが習慣になっている。
 今日で言えば「通し稽古でどんな問題が発生するか」や「その問題をどう解決するか」などだが、私は「“悪い方”に予測しておいて、実際には“それほど悪くなかった”のでよかった」と思いたいタイプである。

 今日も“どんなことが起きても”立ち直れる様に、「色々なことがうまく運ばない通し稽古」を想定して臨んだのだが……。

 明日にでも劇場入りしたい。そう思ったほどの、充実した、手応えのある通し稽古であった。

 (昨日のつづき)シュトゥットガルトで『シスター・アクト』が上演されていたのはステージ・アポロ・シアターである。

 ステージ・アポロ・シアターは、シュトゥットガルト空港から市街地へ向かう道のりの途中にある。ホテル、スパ、そして2つの劇場から成る複合施設なのだが、「なんでこんな郊外に?」と思う様な田園風景の中に立地している。
 ビジネスでシュトゥットガルトを訪れたビジネスマンの家族が、父親の仕事中にここで時間をつぶすのだ、という話を聞いたが、本当かどうかは分からない。

 それはともかく、ステージ・アポロ・シアターは、1994年12月2日、『ミス・サイゴン』で開場し(歌唱指導の矢部玲司さんがオリジナル・キャストとして出演されていた)、今日まで数々のヒット・ミュージカルを(ドイツ語で)上演して来た。

 現在は『ターザン』が上演されている。(つづく)

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『シスター・アクト』通信

5月9日(月)

 全場面をおさらい。

 今週からは「流れ」を重視する稽古になる。これまで“エピソード毎”に稽古していたものを、できるだけ“繋げて”稽古するのである。
 今日は全編を幾つかのブロックに分けて(幾つかの場面をつなげて)、“Wキャストそれぞれ1回ずつ”で稽古。「流れ」だけでなく、「稽古のスピード」も重視した進行を心掛けた。

 各キャスト1回ずつ、と言っても、デロリスとカーティスが“W”だと殆どの場面を2回ずつやることになるので、かなりスピードを出したつもりでも、終わってみれば結構長時間の稽古になっていた。
 明日はもう少し早い時刻に終れる……筈である。
 
 (一昨日のつづき)成田からフランクフルトまでの所要時間はおおよそ12時間。時差があるので、フランクフルト着は現地時間の19時20分になる。
 フランクフルト空港はドイツ最大のハブ空港である。ここから先は国内線でシュトゥットガルトに向かう。

 入国手続きを済ませ、ルフトハンザの国内線ターミナルへ向かう。巨大な空港だが迷うこともなく、21時55分発のLH0136便に乗り継いでシュトゥットガルトへ。シュトゥットガルト着は22時35分である。
 ドイツでの乗り継ぎで思い出すのは『ダンス オブ ヴァンパイア』視察時のハンブルクでの悪夢であるが(こちらを参照のこと)、今回はその様なこともなく、無事にホテルに向かった。(つづく)

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『シスター・アクト』通信

5月7日(土)

 ミュージカル・ナンバーの固めデー。

 昨日と今日でミュージカル・ナンバーの大半をあたった。やるべきことが整理され、見えるものも更にクリアになった。
 手の込んだ振りがついていたとしても、“物語を語る”意識が失われることは少なくなった。これは大きな成果だと思う。

 話は変わる。

 『シスター・アクト』を演出することが決まり、海外での上演を視察する話が持ち上がったのは2013年のことである。

 2011年の4月にオープンしたブロードウェイの『シスター・アクト』は、2012年の8月にクローズしていた。2013年当時『シスター・アクト』が上演されていたのは、ドイツのシュトゥットガルトであった。
 シュトゥットガルトは、メルセデス・ベンツ(社名はダイムラー)やポルシェの本社があることで、カー・マニアの間ではお馴染みの街である。シュトゥットガルトへは日本からの直行便はないので、どこかの都市で飛行機を乗り継いで行くことになる。

 私の場合はフランクフルトであった。

 2013年8月22日、成田12時15分発のJL407便で、私はフランクフルトに向けて飛び立った。(つづく)

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『シスター・アクト』通信

5月6日(金)

 2幕の後半をおさらい。その後、ミュージカル・ナンバーの固め。

 帝劇の休演日を利用して、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の大道具の一部が奈落(舞台の階下に当たる部分)の作業場に運び込まれ、組み立てられた。
 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の舞台美術は、アクティング・エリアの周囲を教会の建物が囲っていて、その中に“色々な場面のセット”が入れ代わり立ち代わり入って来る、と言う構造になっている。
 今日運び込まれたのはその教会の建物の一部で、本編中では舞台の左右にそびえ立ち、時々移動してその居所を変える、可動する部分である。

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の美術デザイナーは松井るみさんである。るみさんの作り出す舞台美術は巨大であることが少なくない。特に帝劇でのるみさんは“巨大である”率が高いと思う。
 それは、裏返せば“帝劇が巨大な舞台美術を必要とする劇場空間である”からでもあるし、“巨大な舞台美術が様になる劇場空間である”からでもあるだろう。

 その、奈落で組み立てられた大道具に久しぶりに近づいてみて、改めてその巨大さに圧倒された。
 図面上では(すなわち脳内では)その巨大さは十分理解していたのだが、その横に立つと“理解”どころではない、まさに“圧倒的”な存在感なのであった。

 舞台に収まった“これ”を客席から見ても、今日の様に感じることはなかった。むしろ“ちょうどいいサイズ”に見えていて、だからこそ、今日はその巨大さに圧倒されたのだ。

 劇場の不思議なマジックだと思う。

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『シスター・アクト』通信

5月5日(木)

 1幕の後半~2幕の前半をおさらい。

 昨日からの“2巡目”では、“物語がどう流れているのか”を丁寧に確認している。
 先に進むことが優先される“1巡目”では、とかく見落とされがちな部分であるが、“物語をお客様に伝えること”は、我々の仕事で最も大切にしなければならないことだと思う。なので、いま改めて、そこに時間を費やしている。

 そうやって細やかにドラマを掘り起こして行くと、今まで見えていなかった事柄がくっきりと見えてくる。それも、見る者の胸を打つ様な説得力を持って。昨日、今日の稽古場は、ちょうど色々なものが“見えてきた”辺りである。
 しかし、昨日、今日は、やはりやや長時間の稽古となっている。これも毎度毎度記していることだが……

 時間が足りない!

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『シスター・アクト』通信

5月4日(水)

 立ち稽古の2巡目に入る。今日は1幕の前半をおさらい。

 久しぶりの1幕で、やや“とっ散らかったり”しながらも、最後にはどの場面も“ほど良いところ”に着地して、無事に稽古メニューを消化した。
 ラスト・シーンまで稽古が進み、作品の全体像が見えたこともあるだろう。ニュー・キャストの蘭寿さん、石川さん、今井さん、泉見さんたちも1巡目より遥かに落ち着いて、それぞれの工夫も織り交ぜつつ、登場人物を“自分のもの”にして演じている。

 話は変わるが、初演時(2014年)の『シスター・アクト』通信には、“作品の背景”や“原作映画とミュージカルの相違点”などに触れた記事が幾つか残されている。
 ご興味のある方は、ご一読くださると『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』を別の角度からも楽しんでいただける……かもしれない。

 右側のカテゴリー欄にある『シスター・アクト』をクリックしていただくと、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』に触れた全記事がピックアップされる。
 初演時の“稽古初日の記事”にもリンクを張っておくので、そこから時系列を追っていただくのも読み易いだろうと思う。こちらからどうぞ。

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『シスター・アクト』通信

5月3日(火)

 2幕11場=本編のラストを飾るミュージカル・ナンバー「愛を広めよ」と、カーテン・コール=「さあ、声を出せ!/フル・カンパニー」のステージング。
 「愛を広めよ」は全キャストがそろう唯一のシーンである。この顔ぶれが舞台上に勢ぞろいすると、さすがに華やかでゴージャス。

 続いて、「私は伝説になる!/リプライズ」と「いつか、あいつになってやる」の振り固め。
 「私は伝説になる!/リプライズ」には男性ダンサーが2人登場しているのだが(坂元宏旬さん、さけもとあきらさん)、彼らは台本では「ゲイ・ボーイ」と呼ばれている。

 話は変わるが、“ゲイ・ボーイ”と言えば“ヴィレッジ・ピープル”である。
 ヴィレッジ・ピープルは、Wikipediaによれば「ポップス史上、ゲイ・イメージを表面に出して音楽活動を行った最初のグループ」である。結成は1977年で、彼らの最大のヒット・ソング「Y.M.C.A.」のリリースが1978年である。
 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の時代背景と、見事なまでにリンクしている(Wikipediaの記事はこちら)。

 それはそれとして。

 初日まで、既に20日を切った。稽古場で過ごせるのは、あと2週間である。

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『シスター・アクト』通信

5月2日(月)

 2幕8場、9場、10場を立ち稽古。

 2幕8場は「クイーン・オブ・エンジェルス教会の外」。
 デロリスが身を潜めている修道院の目の前までやってきたTJ、ジョーイ、パブロ。だが教会の周囲はフィラデルフィア警察が固めている。3人は教会の内部に潜入することができるのか……。

 9場は「教会の中」。
 今日はシスターたちにとって特別な日である。しかしシスターたちの表情は冴えない。その訳は……。そして、そこに現れた人物は……。

 10場は「追跡」。
 教会の中での“追跡シークェンス”と、それに続くドラマ部分である。誰が誰を追跡するのか……、追跡の結果、何がどうなるのか……? 結末は、どうか劇場で見届けていただきたい。

 これでまだ手を付けていないのは2幕11場のみとなった。明日はその11場。ミュージカル・ナンバー「愛を広めよ」が丸々11場となる。

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『シスター・アクト』通信

4月30日(土)

 M16「私は伝説になる!/リプライズ」のステージング。振付は大澄賢也さんである。
  大澄さんにはこのナンバーと、「いつか、あいつになってやる」、そしてラスト・シーンの「愛を広めよ」の3曲を担当していただいている。

 大澄さんも、もう1人の振付家である田井中智子さんも、再演に当たっては振りやステージングの細部に結構手を入れている。
 ナンバー全体の印象が大きく変わる様な変更ではないので、初演をご覧になった方でも「変わった」ことにお気付きにならないかも知れない。が、その繊細な変更・修正のお陰で、それぞれのナンバーの“役割”や、ナンバーの中で“見せるべきもの”は、初演と比較して格段に明快になっている。

 以前にも何度となく記したことだが、新作ミュージカルの初演は、稽古中に処理しなければならないことがとにかく膨大で、キャストもスタッフも“初日に間に合わせること”で必死になっている。
 開幕して、ある程度落ち着いて作品を見られる様になると、“やり残したこと”や“もっと良いやり方”が見えてくることがある。初日を開けた後でも“直せること”ならもちろん直すのだが、公演中の限られた条件下では“直しきれないこと”もある。
 或いは、千穐楽の後、再演までの間に“より良いやり方”を思いつくこともあるかも知れない。

 そんな“直しきれなかったこと”を、キャストとスタッフのひとりひとりが持ち寄って、再演の稽古は始まる。ロングラン・システムではない日本の興行界で、再演は作品の質を高めることのできる貴重な(我々にとっては願ってもない)機会なのである。

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