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2016年4月の記事

『シスター・アクト』通信

4月29日(金)

 とても嬉しいニュースが飛び込んで来た。鳳蘭さんが春の叙勲で旭日小綬章を受章された。鳳さん、おめでとうございます。

 で、今日は2幕4場、5場、6場、7場を立ち稽古。

 2幕4場は「修道院長室」。鳳さんの場面からスタートである。
 現代(1977年)風に大きく変わって行く修道院の姿に、修道院長の嘆きは頂点に達していた。折も折、院長室の電話が鳴る。電話の主は……。
 ここには修道院長のナンバー「主がおられない」がある。昨日のブログに記した“ロンドン盤CDには存在しない”ナンバーがこれである。

 5場は「メアリー・クラレンス(デロリス)の部屋」。
 昨日ステージングした「私たちのショーに祝福を」と、それに続く芝居部分を稽古。物語はこの辺りから思いがけない方向に進み出す。

 6場は教会の「物置部屋」。ここには宮澤エマさん演じるシスター・メアリー・ロバートのナンバー「私の生きてこなかった人生」がある。
 そして7場は「エディのアパート」。ここには「私は伝説になる!/リプライズ」があるが、今日の稽古メニューはその前半部分=エディが歌う部分まで。デロリスが歌う後半部分は明日のメニューである。

 本日最後のメニューは、M11「日曜の朝のフィーバー」のおさらい。
 繰り返しさらうことで、ミュージカル・ナンバーに込められている“物語”の輪郭が、少しずつだが、はっきりとして来る。ミュージカルでもストレート・プレイでも、一番大切なのは“ストーリーをお客様に伝えること”だと思う。

 朝、稽古場へ向かう時に「街の雰囲気がいつもと違うな」と思ったら、もうゴールデン・ウィークが始まっていた。皆さん、どうぞ良い休日をお過ごしください(我々は良い稽古ですが)

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『シスター・アクト』通信

4月28日(木)

 「黒いドレスのレディ」をステージング。

 「黒いドレスのレディ」は、2幕3場にあるTJ、ジョーイ、パブロのナンバーである。
 デロリスが修道院に身を隠していることを突き止めたカーティスは、子分たちに“デロリスの身柄確保”を命じる。しかし、修道院は男子禁制である。TJ、ジョーイ、パブロの3人は、どうやってデロリスに近づくつもりなのか……?

 続いて、「黒いドレスのレディ」につながる2幕3場の芝居部分を稽古。更にその後、2幕5場のミュージカル・ナンバー「私たちのショーに祝福を」をステージング。1月18日に行われた製作発表で、「一番好きなシーンは?」と問われて答えたのがこの場面である(その時のレポートはこちら)。

 話は変わるが、久しぶりにロンドン初演のオリジナル・キャスト・アルバム(それはこちら)を聞いた。

 必要があったワケではなくBGMとして聞いていただけなのだが、現在我々が使用している(正式にライセンスされている)スコアとは結構違う部分があって、改めてちょっと驚いた。
 ロンドン版から削除されたミュージカル・ナンバーもあるし、後になって追加されたナンバーもある。音楽の構成や場面設定、挿入される台詞の内容が異なっているナンバーもあるし、殆ど変更のないナンバーもある。

 ロンドン版のアルバムはライブ・レコーディングではないので、アルバム向けにサイズや行き方の調整が加えられている可能性はあるが、だとしても相違個所は結構な数に上る。
 上演を重ねる中で“作り手たちがどの様に作品を改定して来たのか”が窺い知れて、とても興味深かった。

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『シスター・アクト』通信

4月27日(水)

 立ち稽古。2幕に入る。

 まず2幕2場にあるミュージカル・ナンバー「日曜の朝のフィーバー」をステージング。ステージングは田井中智子さんである。
 7分に及ぶこのナンバーでは、デロリスに率いられた聖歌隊が成功の階段を上って行く様がモンタージュされる。このナンバーの間に、ひと月近くの時間が流れる。

 修道院では色々なことが変わり始めた。
 日曜のミサには、聖歌隊のパフォーマンス目当てに信者が押し寄せた。閉鎖寸前だった寂れた教会には改修が施され、往時の輝きを取り戻した。聖歌隊のシスターたちは、歌うことの喜びを今までになく感じている。
 そんな変化をオハラ神父は好機と捉え、聖歌隊を大プッシュする。変わり行く修道院の有様を、修道院長は苦々しく眺めていた。

 「日曜の朝のフィーバー」のステージングをひとまず終え、2幕1場と2場の稽古。

 1場は教会の「告解室」(こっかいしつ)。
 告解室とは“告解をする部屋”のことである。告解とは神様に罪を告白することで、もう少し馴染みのある言葉で言えば「懺悔室(ざんげしつ)」となろうか。その部屋に、オハラ神父は修道院長とデロリスを呼び出した。
 修道院長とデロリスは、デロリスが修道院にやってきた日から犬猿の仲であった。デロリス率いる聖歌隊の反響の大きさを目の当たりにしたオハラ神父は、そこで一計を案じることにした……。

 続く2場は、丸々がミュージカル・ナンバー「日曜の朝のフィーバー」である。
 今日の前半でステージングされた部分以外にドラマ・パートがあり、そのドラマ・パートを稽古。ドラマ・パートの整理がついたところで、中断していた「日曜の朝のフィーバー」のステージングに戻る。

 ミュージカル・ナンバーのステージングや振り付けにはとても時間がかかる。「日曜の朝のフィーバー」の様に大人数が登場し、構造も複雑なナンバーは殊更である。

 今日も長時間の稽古、お疲れ様でした。そして、明日もまた新しい場面。

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『シスター・アクト』通信

4月26日(火)

 ミュージカル・ナンバーのおさらい。

 M9「天国へ行かせて/リプライズ」、M8「さあ、声を出せ!」、M5「シスターになるのは素敵」、そしてM1「天国へ行かせて」とM2「私は伝説になる!」をさらう。
 メニューに入っていないM7「いつか、あいつになってやる」も、稽古の合間に稽古場の隙間で自主的なおさらいが。

 これまでが‟駆け足”の稽古だったので、今日の様な‟振り返れる時間”は貴重である。初回の稽古でやり切れなかった部分を、この機会に少し整理。

 明日からは2幕。これから先は稽古のペースが落ちる……と言う話は全然ないので、今まで同様猛スピードで、何はともあれラスト・シーンまで行ってみる。

 行けば、きっと何かが見えてくるだろう。

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『シスター・アクト』通信

4月25日(月)

 1幕11場にあるミュージカル・ナンバー「いつか、あいつになってやる」の振り付け。振付は大澄賢也さんである。

 エディ・サウザー巡査は、偶然再会した高校時代の同級生=デロリスに、高校時代からずっと好意を抱いていた。
 その事実はデロリスも知っているのだが、デロリスの側にはエディに対して恋愛感情は一切ない。エディは職務上“デロリスを危険から遠ざけるべく”奮闘するのだが、その対応のいちいちがデロリスの反発を招き、プライベートな思いとは裏腹にどんどんデロリスに嫌われて行く……。

 「いつか、あいつになってやる」は、そんなエディの切ない心情を歌ったナンバーである。
 ここで言う“あいつ”とは、1977年の末に封切られて世界中にディスコ・ブームを巻き起こした大ヒット映画『サタデー・ナイト・フィーバー』の主人公=トニー(演じるのはジョン・トラボルタ)である。
 エディを演じる石井一孝さんは、“この時代の音楽をよく知っている”ことがここでは大きな強みになっていると思う。それは振付の大澄さんにも言えることである。

 大澄さんの振り付けは、構成は前回を踏襲しているが、振りには細かく手を入れている。そのお陰で“ナンバーの中で起きていること”はより分かり易くなり、あの時代のディスコの気分も一層濃厚になったと思う。

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』グレード・アップ計画、着々と進行中。

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『シスター・アクト』通信

4月23日(土)

  立ち稽古。1幕13場、14場を稽古。

  1幕13場は教会の「音楽室」。
  この修道院にはシスターたちによる“聖歌隊”があり、毎週日曜日のミサで歌を披露している。デロリスは、修道院長の指示で聖歌隊の練習に参加することになる。
  ある朝、デロリスが聖歌隊の稽古場である音楽室に顔を出してみると……。

  この場面にはミュージカル・ナンバー「さあ、声を出せ!」がある。
  このナンバーで描かれるのは「デロリスがシスターたちに“歌い方を教える”ことを通して、両者の関係が変化して行くプロセス」である。ここでは、ミュージカルの機能を最大限に活用した、ミュージカルならではのやり方で、物語が語られている。
 このナンバーだけでなく、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト』通信~』のミュージカル・ナンバーは、どれも“ミュージカルであることの意味”をきちんと備えている。これも良いミュージカルであることの大切な要素である。

  そして14場。教会の「礼拝堂(チャペル)」。
  日曜日。礼拝堂ではミサが行われている。オハラ神父(今井清隆さん)のありがたい説教に続いて、聖歌隊が歌を披露する時がやってくる。新たにデロリスをリーダーに迎えた聖歌隊の歌声は、オハラ神父や修道院長の予想を覆すものだった……。

 超の付く様なハイ・ペースで、あくまでもざっくりとだが、これで1幕にひと通り手を付けた。まだエディのナンバー「いつか、あいつになってやる」には未着手だが、これは来週のメニュー。

 明日は稽古OFF。神よ、皆さんに(特にデロリスに)どうか休息を与えたまえ。

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『シスター・アクト』通信

4月22日(金)

  立ち稽古。1幕7場、8場、9場、10場、11場、12場を稽古。

  1幕7場は「教会の廊下」。 8場は「警察のオフィス」。9場は「路上」。10場は「バーの店内」。11場は「バーの外」。そして12場は「教会の廊下」である。今日はメニューがやや多い。
  確かにメニューは多いが、少人数の場面だったり、短い場面だったりが大半なので、昨日や一昨日と比べれば、私個人は今日の方が気持ち的には楽である。

  それにしても、連日新しい場面の稽古が続くデロリスのお2人は相当なハード・ワークである。予習して、稽古場に来て終日稽古して、復習して……。寝たり、食べたりもしているのだろうか?
 が、今日はデロリスの出番は途中までだったので、日の落ちる前に「お疲れ様」になった。お2人に「久しぶりにのんびりするか、羽目を外しに行ったらどうですか?」と水を向けると、お2人で口をそろえて「帰って明日の予習します」。……明日も新しい場面。

  今日、最後まで働いたのはカーティスと愉快な子分たち=TJ、ジョーイ、パブロであった。
 最後のメニューは、彼ら4人のナンバー「あいつを見つけたら」のステージング。新加入のお2人、石川禅さんと泉見洋平さんが、食べちゃいたいくらい微笑ましい。

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『シスター・アクト』通信

4月21日(木)

  立ち稽古。1幕4場、5場、6場を稽古。
 
 1幕4場はフィラデルフィア警察のオフィス。
  デロリスが、カーティスの子分たちの追跡を逃れて飛び込んだのがここである。デロリスはここでエディ・サウザー巡査(汗かきエディ。高校の同級生だった)と“運命的な”再会を果たすのだが……。

  5場は南フィラデルフィアにあるクイーン・オブ・エンジェルス教会。
  女子修道院を併設するこの教会は、今では訪れる信者も少なく、管轄する大司教区でも閉鎖が検討されているほどの寂れ様である。修道院長はそのことに胸を痛めているのだが、フィラデルフィア警察の要請で、“訳あり”の女性をかくまうことになり……。
 ここには修道院長(と、少しだけデロリス)のナンバー「ここ、壁の内こそ」がある。厳格なカトリック教徒である修道院長を演じる鳳蘭さんは絶品。まさに“はまり役”だと思う。

  6場は教会の食堂。
 不本意ながら、しばらく修道院に身を隠すことになったデロリス。修道院長はデロリスの正体を伏せ、修道女(シスター)だということにして修道院の全員に紹介する。
 しかし、自己主張の極めて強いデロリスである。戒律の厳しいここでの暮らしに、果たして適応することができるのか……?

 6場にはシスター全員のナンバー「シスターになるのは素敵」がある。今日のメニューの最後はそのステージング。
 ここは、前回(初演時)難産だった場面である。中々しっくりとした見え方に辿り着くことができず、試しては作り直す、と言うことを何度も繰り返した。その甲斐あって、今日はステージングもスピーディに進行。
 と言っても、大人数が同時に色々なことをやっているので、終了した時には結構いい時刻になっていたが。

 皆さん(特に1幕出ずっぱりのデロリスのお2人)、お疲れ様でした。

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『シスター・アクト』通信

4月20日(水)

 立ち稽古。1幕1場、2場、3場を稽古。

  1幕1場は「ディスコ」の店内。
  世界中が“ディスコ・ミュージック・ブーム”に沸いていた1977年の、そのブームを牽引した街=フィラデルフィアのディスコで物語は始まる。昨日手を付けたM1に続いて、主人公デロリスと、デロリスを愛人にしているマフィアのボス=カーティスの関係が描かれる。

  2場はフィラデルフィアの「裏通り」。
  カーティスが子分たちを集めて“緊急会議”を開いている。子分たちの誰かがカーティスの悪行を警察にタレこんでいるらしい。ボスを裏切ったのは……。
  たまたまそこに通りかかったデロリス。思いもよらぬ出来事を目撃してしまうことになり……。

  3場は「追跡」。
  カーティスの子分たちがデロリスを“追跡”する場面である。僅か30秒ほどの短い場面なのだが、アクションのタイミングを音楽にはめなければいけないのが厄介なところ。ミュージカルなので、当然と言えば当然なのだが。

 いきなりWキャストの妙味が味わえる稽古メニューであるが、続投の森さん、大澄さんは、肩の力も抜けて自由闊達に物語を運んでいるし、新顔の蘭寿さん、石川さんは、リアリティと斬新さの間を絶妙に行き来している。
 そして、Wキャストではないが新顔のひとりである泉見洋平さん。泉見さんはカーティスの甥の“TJ”を演じている。初演で藤岡正明さんが演じた役であるが、藤岡さんに劣らないネジの緩みっぷりで、観ている我々も笑いを堪えるのが辛い。

  芝居部分の稽古の後、1幕1場にある2つ目のミュージカル・ナンバー=M2「私は伝説になる!」をステージング。

  良いミュージカルには、必ずミュージカル・ナンバーの効果的なリプライズ(繰り返し)がある。『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』でもリプライズが効果的に使われている。
  M1 「天国へ行かせて」は1幕の終わりで、M2「私は伝説になる!」は2幕の後半で、それぞれリプライズされるのだが、どんな使われ方をしているのかと言うと……。

  それは、どうぞ劇場で。

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『シスター・アクト』通信

4月19日(火)

 歌入り読み合わせ。

  キャスト全員が集合し、幕開きからラスト・シーンまで、全場面を歌入りで読み合わせる。
  ダブル・キャストになっているところは、今日はニュー・キャストで。即ち、デロリス=蘭寿さん、カーティス=石川さんである。

  再演の利点は、前回(初演)の“ゴール”からスタートすることができることにある。今日の読み合わせも、(既に稽古を重ねた歌だけでなく)芝居の運びやニュアンスなども説得力十分であった。
  加えて、石川さんのカーティスをはじめ、今井さんのオハラ神父、泉見さんのTJなど、今回から参加のニュー・キャストの皆さんが“新鮮さ”を持ち込んでくれ、とても刺激的な、いい読み合わせであった。

 読み合わせ終了後、早速立ち稽古に入る。今日はM1「天国へ行かせて」のステージング。振付は田井中智子さんである。

  「天国に行かせて」は、デロリスと歌手仲間のティナ(園山晴子さん)、ミッシェル(河合篤子さん)の3人による幕開きのナンバーである。
  イントロの中でデロリスは
 「ハロー! フィラデルフィア! この私、デロリス・ヴァン・カルティエのふるさとの街! メリークリスマス! 1977!」
 と叫んでいるのだが、それがこの物語の基本設定である。

  デロリス役の森さん&蘭寿さんは、台詞、歌、振り……と、覚えなければならないことがとにかく膨大である。
 演出助手の鈴木ひがしさんが立ててくれた稽古スケジュールは“物語の順に稽古できるように”組まれているので、そういう意味ではデロリスに親切だと言える。が、稽古のペースは……。

  明日は1幕の1場、2場、3場を稽古。

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菊田一夫演劇賞 そして『シスター・アクト』通信

4月18日(月)

   パレスホテルへ。第41回菊田一夫演劇賞の授賞式。

  授賞式は、毎年たいてい月曜日に行われ、たいてい11時から始まる。
  受賞者の中に本番中の方が含まれていても、月曜日なら「休演日」か「夜公演のみ」の可能性があるし、11時開始なら「13時開演の人」が出席できる可能性も出てくる……からだ、と思われる。
  今日も受賞者のソニンさんが本番中で、受賞式が終わるや否や、13時開演の帝劇に向かって飛び出して行った。

  それはともかく、受賞者の皆さんのスピーチには毎年胸を打たれる。皆さんがスピーチに込められたような“思い”を集めて舞台は作られる。私が舞台に対して敬意を抱くのは、そう言うことだからである。

  受賞者の皆さん、おめでとうございます。

  受賞式を終えて『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の稽古場へ。今日は稽古は無し。終日衣裳合わせ。

  衣裳デザイナーの前田文子さんと、衣裳部、小道具部の皆さんが、一日がかりで衣裳をチェックしてくださる。今日は蘭寿さん、森さんから始まって、主要な登場人物(とニュー・キャスト)にひと通り衣裳を着用してもらい、サイズやフィット感などを確認、調整。

 森さんは前回公演時より××kg増量してしまったらい。果たして衣裳は……? そして蘭寿さんは、ついこの間まで“違う性別”をやっていらしたとは思えないくらいキュート。

 それぞれのデロリスを、どうぞお楽しみに。

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『シスター・アクト』通信

4月16日(土)

  熊本地震で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

  『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』は全体での歌稽古。ミュージカル・ナンバーを台本の流れに沿ってひと通りさらう。
  イントロやナンバー途中に挿入される台詞も当たり、これで歌入り読み合わせに進む準備は整った。

   全体の歌稽古を終えた後は蘭寿さんの抜き稽古。 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』で必要となる歌声を鋭意開発中。
  そして振付チームも始動。稽古場の片隅で、大澄さんはイヤホンを装着して(恐らく楽曲を聞きながら)鏡の前に立ち、田井中智子さんも振付助手の坂元宏旬さんと何やらシミュレート中。

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『シスター・アクト』通信

4月15日(金)

 歌稽古に修道院長=鳳蘭さん登場。

 鳳さんが稽古の合間に話してくださる様々なエピソードや裏話が抜群に面白い。
 宝塚入団時のエピソードであるとか、海外公演中のアクシデントのこととか、つい最近の舞台裏の話であるとか……、半世紀を超える芸歴をお持ちなので、話題も豊富だし、そして多岐に渡る。
 鳳さんが身振り、手振り交じりで話してくださると、その情景が“目の前で起こっていること”の様に鮮明に見えてくる。稽古よりも、そのお話をずっと聞いていたいくらいである(と言う訳にも行かないので、お稽古しましたが)

 続いて顔寄せ。

 全キャスト、スタッフ、そして公演関係者が集まった。
 まず、演劇担当の池田取締役がご挨拶。キャスト・スタッフ・関係者が紹介され、私も一言抱負を述べる。

  顔寄せ終了後、再び歌稽古。

 後半では、今まで個別に行われていた歌稽古を合体。ミュージカル・ナンバーの全貌がようやく見えてきた。
 皆の歌を聞いた指揮の塩田明弘さんが、「ここまで仕上がっているなら、明日からオケ練だ!」と、興奮気味におっしゃっていたし(明日からオケ練はやらないけど)

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『シスター・アクト』通信

4月14日(木)

 稽古前は所沢へ。

 木曜日の午前中は日本大学芸術学部の所沢校舎で演劇学科の授業。受け持つのは「演出実習Ⅱ」である。
 演出実習Ⅱは演出コース1年生の必修科目で、私が担当する様になって既に12年が経つ。今年度の演出コース1年生は14名。12年目にして初めて男子の数が女子を上回った。

  面白いもので、同じ「演出コース1年」でも、受ける印象は年毎に異なる。今年はどんなカラーが出てくるのだろう? 

 午後は『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の稽古場へ。

  今日からは広い稽古場である。来週からは立ち稽古も始まる。が、今週中は引き続き歌稽古。
 今日はまたまたシスターズ。楽曲はひと通り当たれているので、より深い表現を目指したり、今までとは異なる歌い方を試したり、やや突っこんだ稽古に。再演ならでは、である。

 そして、もうひとりのデロリス=森公美子さん登場。膨大なデロリスのナンバーをひと通りさらう。
 森さんは、既に“絶好調”と言える様な仕上がりぶりで、稽古場も大いに盛り上がる。

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『シスター・アクト』通信

4月13日(水)

 稽古前はミュージカル・アカデミーの稽古場へ。

  水曜日の午前中はミュージカル・アカデミーのレッスン。と言っても、一昨日入学式を終えた5期生ではなく、3月に卒業した4期生(の中から選抜されたメンバーたち)のための継続レッスンである。
 俳優のレッスンは、できることなら少人数で行いたい。人数が増えると、ひとりの「演じる時間」はどうしたって減り、その分「眺めている時間」が長くなる。

 もちろん「他人が演じるのを見ている」ことにも大きな意味や意義はあるのだが、と言って「いつまでも出番が回って来ない」のもいかがなものだろう。
 そう言う理由で、継続レッスンではメンバーを選抜させてもらっている。現在は8名でのレッスンである。

 午後は『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の稽古場へ。

  今日はエディ役の石井一孝さんが登場。ミュージカル・ナンバーをひと通り、快調にさらう。
 石井さんは、この業界では「汗かきな俳優」で通っている。その石井さんが演じるエディが「汗かき」なのは元々の台本にあった設定である。これは本当に偶然だったのだ。
 その石井さんをして「僕より汗かきな、ただひとりの俳優」と言わしめたのが、どうやら泉見洋平さんであるらしい。

 「汗かき対決」が見られるのだろうか?

 そして、蘭寿とむさん。連日単独で歌稽古を重ねていらしたのだが、今日はついにシスターの皆さんと合流。
 デロリスのリードで聖歌隊の歌が見違える様になって行く様子(ミュージカル・ナンバー「さあ、声を出せ!」)は、歌稽古と分かって聞いていても感動的であった。

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『シスター・アクト』通信

4月12日(火)

 稽古前は江古田へ。

 火曜日の午前中は日本大学芸術学部の江古田校舎で演劇学科の授業。受け持つのは「演劇特殊実習ⅡB」である。
 今日が新年度最初の授業で、なので「どんな学生が何人ぐらい登録しようとしてくれているのか」を、今日初めて知った。

 3、4年生が対象の授業なのだが、今日顔を出してくれたのは全員が3年生。過去に受け持ったことのある顔もあって、ちょっと安心。
 今日は初回にもかかわらずテキパキと議論が進み、何だか頼もしい。充実した1年になりそうである。 

 午後は『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の稽古場へ。

 今日は男子が登場。マフィアのボス=カーティス(大澄賢也さんと石川禅さん)とその子分たち(泉見洋平さん、KENTAROさん、上口耕平さん)、そして数少ない男性アンサンブルの皆さんである。

 男性、女性に関わらず、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』では、キャストはどのナンバーでもかなり高い音を要求される。で、男性、女性に関わらず、連日誰かか悲鳴を上げることになる。
 歌稽古でも、何回も繰り返して歌うことは困難なほどである。

 でも、その“高さ”が1970年代後半のサウンドらしくて、捨て難いんだよねぇ。

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『シスター・アクト』通信

4月11日(月)

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の稽古に顔を出す前に、ミュージカル・アカデミーの入学式へ。

 ミュージカル・アカデミーは5期生を迎えた。29名の精鋭たちである。これからの1年間、彼ら・彼女たちには「ミュージカルの舞台に立つこと」だけを考えて突き進んで欲しい。今はその時である。
 1年は短い。が、その1年でできることはある筈である。

 入学式を終えて稽古場へ。

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』は、先週に引き続き今週も歌稽古。今日からは、前回から続投するキャストたちも登場である。今日は女子たち。院長を除く修道女全員が集まった。

 修道女の皆さんは殆どが続投であるが、2人だけ、三木麻衣子さんと柳本奈都子さんが今回からのニュー・キャスト。三木さんは昨日が『ジキルハイド』の千穐楽であった。どうかお疲れが出ません様に。

 春風ひとみさんと宮澤エマさんも続投組だが、お2人とはミュージカル『ドッグファイト』で12月~1月とご一緒だったので、それほど“久しぶり”な感じがしない。
 浦嶋りんこさんとは初演以来なので、お2人よりは少し“久しぶり”な感じがする。“懐かしい”程ではないのだが。

 稽古場の人数も段々と増えて来て、イヤでも「本格的に始まった」感を感じる。

 ……イヤではないのだが。

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『ジキル&ハイド』大千穐楽

4月10日(日)

 2016年の『ジキルハイド』が愛知県芸術劇場大ホールにて大千穐楽。

 ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。そして、キャスト、オーケストラをはじめ、公演関係者の皆さん、本当にお疲れ様でした。

 『ジキルハイド』上演の歴史は挑戦の歴史であった。
 日本のミュージカル界で何ができるのか、何をしなければいけないのか。2001年の日本初演(と、それに先立つ準備期間)以来、『ジキルハイド』には多くの人びとのそんな思いが注がれてきた。思いの全てが実を結んだわけではなかったかも知れないが、そうであった部分は次の機会に必ず俎上に載せた。

 20世紀よりこの仕事に関わっている者のひとりとしては、2016年の『ジキルハイド』は翻訳ミュージカルの一つの到達点であると思う。
 『ジキルハイド』の上演がミュージカル上演のクォリティを底上げする一助になれば、舞台人の端くれとして、これほど嬉しいことはない。

 果たして次回はあるのか、それがいつになるのか。今は何もわからない。が、その時はきっと来るだろう。その時のために、何をしなければいけないのか、いま一度考えたいと思う。

 「また会おうジキル!」(台本より)

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『シスター・アクト』通信

4月5日(火)

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の稽古場へ。

 昨日から始まったのは歌稽古である。
 今週は、今回の再演から参加してくださるキャストの皆さんの歌稽古。蘭寿とむさん、石川禅さん、今井清隆さん、泉見洋平さんたちである。

 天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の上演は「2年ぶり」で、私の印象としては、これは結構早い再演である。さすがに『貴婦人の訪問』の「1年」には敵わないが、『ジキルハイド』は再演までに「4年」かかっている。
 その一昨年の初演を「去年のこと」の様に感じている人も少なく無い様で、昨日もそう思っていた人に遭遇した。確かに、初演は「つい、こないだ」だった、と言う感覚は私にもある。が、あれは「一昨年のこと」である。

 この記事の右側にあるカテゴリー欄で『シスター・アクト』をクリックしていただければ、初演時の『シスター・アクト』通信にアクセス可能である。確かに「2年経っている」ことをご確認いただけるはずである。

 で……、始まったばかりの『シスター・アクト』通信であるが、次回の更新は4月11日となる。稽古自体がまだ飛び飛びなので、悪しからず。

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『クリエ・ミュージカル・コレクション Ⅲ』 そして『シスター・アクト』通信

4月4日(月)

 『クリエ・ミュージカル・コレクションⅢ』の上演が発表された(公式ページはこちらから)。

 上演日程など、詳細は続報をお待ちいただきたいが、Ⅰ、Ⅱを凌ぐ、飛び切りお洒落で、ゴージャスで、エキサイティングなショーにしたい、と思っている。どうぞお楽しみに。

 そして、ミュージカル天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~の稽古が始まった。

 『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』は、ウーピー・ゴールドバーグ主演の同名映画を原作としたミュージカル・コメディである。日本では2014年に初演され、帝劇を皮切りに、神奈川、岩手、仙台、大阪、名古屋で上演され、行く先々で熱狂の渦を巻き起こしたことはご承知の通りである。
 その『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』が早くも再演の運びとなった訳であるが、前回以上の“笑い”と“涙”と“愛”をお持ち帰りいただける様に、キャスト&スタッフ一丸となって稽古に取り組む決意である。

 東京公演の初日は5月22日(日)。それまでのひと月半、どうぞよろしくお付き合いください。

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第41回菊田一夫演劇賞

 第41回菊田一夫演劇賞が発表された(詳細はこちらから)。

 今年の受賞者の中には駒田一さんとソニンさんがいらして、お2人の受賞理由の中には“『ダンス オブ ヴァンパイア』の(駒田さんはクコールの、ソニンさんはマグダの)演技に対して”と記されている。
 「コメディ」と言うものは中々評価され難い。賞と言う形になればそれは尚更である。が、今年の菊田賞では、『ラ・マンチャの男』や『RENT』と並んで『ダンス オブ ヴァンパイア』が取り上げられた。これはちょっと嬉しい。

 そして、特別賞を受賞された竜真知子さん。竜さんの受賞理由は“永年のミュージカルにおける訳詞の功績に対して”である。
 竜さんとのお仕事を挙げれば、『イーストウィックの魔女たち』『ダンス オブ ヴァンパイア』『レベッカ』『シラノ』『パイレート・クイーン』『三銃士』『モンテ・クリスト伯』そして『貴婦人の訪問』と並ぶ。
 壮観以外の何物でもないが、どの作品にも竜さんのミュージカルに対する愛情と見識、そしてロマンティシズムが満ちあふれている。

 受賞者の皆さん、おめでとうございます。

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