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2015年12月の記事

『TDV』通信/ゆく年くる年編

12月31日(木)

 午前中はオーケストラと音響チームでサウンド・チェック。午後から舞台稽古。

 梅田芸術劇場 メインホールは、帝劇と並ぶ日本を代表する大劇場である。座席数はどちらも1900を超える。
 客席からの見え方は帝劇と梅芸ではやや異なるのだが(両劇場で“同じ様な位置の席”に座った時に、と言う話です)、その見え方の違いも劇場の個性になっている様に思う。

 舞台稽古1日目は、幕開きより2幕の霊廟まで。大晦日の貴重な時間を頂いての舞台稽古なので、できる限りテキパキと進む様に努める。
 ミス・オンタイム(演出助手の小川美也子さん)のご加護もあり、予定のメニューを無事に消化して、予定よりやや早い時刻に1日目は終了。……が、スタッフには、まだ明かり合わせとテクニカル・リハーサルが残っている。

 しかしながら、今日のブログは年が変わる前に、今年の内にUPしたい。なので、まだ仕事は終わっていないのだがUPすることにする。

 今年もご愛読、ご観劇、ありがとうございました。どうぞ良い年をお迎えください。

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『TDV』通信/ゆく年くる年編

12月30日(水)

 大阪に来ている。梅田芸術劇場 メインホールである。

 仕込み作業は既に28日から始まっている。今日は午後から道具調べ・照明合わせである。
 『ダンス オ ブヴァンパイア』は、東宝で数々の大作ミュージカルを担当されてきた岡本プロデューサーをして「“仕込みから幕を開けるまで”が最も過酷」だと言わしめた作品である。作業が「時間との戦い」になる事は目に見えている。

 が、今日の作業は至って順調に進行した。「戦いでなかった」とは言わないが、予定されていたメニューを無事に消化して今日の作業を終えた。と言っても、深夜作業ではあったのだが。
 スタッフの皆さん、ありがとうございました。明日は舞台稽古。

 話は変わって……。

 シアタークリエでは『ドッグファイト』の東京公演が本日千穐楽。ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。関係者の皆さん、お疲れ様でした。
 残すところ『ドッグファイト』は1月7日・8日の愛知公演のみとなった。

 心残りのある方は東海市芸術劇場へ!

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『ドッグファイト』通信/シアタークリエ編 初日!

12月17日(木)

 初日である。が、既に大阪公演を済ませているので、舞台も楽屋もとても落ち着いている。

 午後イチで、まずゲネプロ。
 照明、音響、共にいい感じに仕上がってきた。芝居の方もメリハリがついてきて、悪く無い。

 ゲネプロ終了後、屋良さん、宮澤さん、中河内さん、矢崎さん、保坂さんは囲み取材へ。その様子は、すでにネットのニュースなどで配信されているので、ご覧になった方もいらっしゃるだろう。

 開演の2時間30分前、舞台にて初日のお祓(はら)い。
 関係者一同、客席に参集し、公演の安全と成功を祈願する。

 そして、本番。
 定刻の19時を3分ほど押して『ドッグファイト』は始まった。大阪の「緊張感の張りつめた初日」も初日らしくて捨て難いが、今日は「より生き生きとした」と言うか、「瑞々しい」と言うか、つまり「考えうる最良の初日だった」と思う。

 カーテン・コールではミュージカル『ドッグファイト』の生みの親、作曲・作詞のベンジ・パセックさん&ジャスティン・ポールさん、そして脚本のピーター・ドゥシャンさんの3人が舞台に上がってくださった。
 3人ともまだ30歳そこそこだからなのか、キャストがナチュラル・ハイだったからなのか、舞台上も客席も何だかお祭りの様な騒ぎであった。

 終演後、劇場ホワイエにて初日のパーティ。
 パセックさん、ポールさん、ドゥシャンさんをはじめ、キャスト、バンド・メンバー、スタッフ、他関係者一同が集まり華やかで陽気なひと時を過ごした。

 ドゥシャンさんたちは、「自分たちが直接かかわっていない公演では、自分たちの期待通りの作品になっていないこともあるが、日本版はあらゆることが自分たちの望んだ通りだった」とおっしゃった。
 そして、「提案しても今まで実現しなかったことが3つ、日本版では実現していたことがとても嬉しかった」とも。それを伺って、私の方が嬉しかった。

 これで『ドッグファイト』通信/シアタークリエ編はおしまいである。短い期間でしたがご愛読ありがとうございました。
 次は『TDV』通信/ゆく年くる年編。果たしてチームTDVは無事に年を越すことができるのか?

 ミュージカル『ドッグファイト』東京公演は、シアタークリエにて12月30日(水)まで。お見逃しなく!

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『ドッグファイト』通信/シアタークリエ編

12月16日(水)

 朝から照明合わせの続き。並行して音響チームの調整とバンドさんのシーティング。

 「照明合わせ」と言っても、デザインは既に大阪で済ませているので、クリエに合わせた微調整が主体で、大阪ほどは時間もかからない。
 照明合わせと並行して、午後はバンドの皆さんと音響チームのサウンド・チェック。そして若干のテクリハの後、夕方より舞台稽古。

 客席から見えている部分のほとんどは、大阪公演と大きくは変わらない。が、見えない部分――舞台裏や袖中の状況は結構異なっている。なので、まずはその部分を確認。
 そして、“音”の環境が変わるのでサウンド・チェックを改めてと、操作の“手”が変わる照明の確認・調整、この3点に重点を置いて稽古を進める。

 明日は東京初日。『ドッグファイト』の作者たち――作曲・作詞のベンジ・パセックさん&ジャスティン・ポールさん、脚本のピーター・ドゥシャンさんの3人――がご観劇の予定。
 が、本番は夜なので、その前にゲネプロ。

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『ドッグファイト』通信/シアタークリエ編

12月15日(火)

 シアタークリエへ。

 大阪公演を無事に終えた『ドッグファイト』カンパニーは東京へ戻った。ご観劇くださった皆さん、ありがとうございました。
 シアタークリエでは今日は終日スタッフ・ワーク。朝から各セクションの仕込み作業が続く。舞台が落ち着いたところで、照明のフォーカシング、そして音響チームの仕込みと調整。更に、照明合わせやサウンドチェックなど、開幕へ向けての準備が急ピッチで進む。

 座席数912席で2階席もあったサンケイホール ブリーゼと比べると、座席数609席でワン・フロアのシアタークリエの劇場空間は、ひと回りコンパクトに感じられる。

 この空間で、『ドッグファイト』はどんな進化を見せてくれるだろうか?

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『ドッグファイト』通信 初日!

12月11日(金)

 初日。

 午前中の大阪は、雨脚が強まったり、突風が吹き荒れたりしたが、それも夕方までには収まった。ひと安心である。

 今日は開演時刻が19時なので、スタッフもキャストも落ち着いて劇場入りすることができた。ありがたい。
 まずは各セクション、昨日のゲネプロの問題点を調整。キャスト陣と我々はロビーにてゲネプロの確認。その後、舞台に移動して、バンドの皆さん、音響チーム、照明チームなど、全セクション合同で幾つかの場面、ナンバーをあたる。

 そして迎えた本番。定刻の19時を5分ほど押して、『ドッグファイト』日本初演の初日は始まった。

 キャスト陣は今までになく緊張していたと思う。客席も、最初は緊張感に包まれていた様に感じた。が、物語が進行するにつれて劇場中を支配していた緊張感も薄れ、休憩に入る頃にはとても自然な空気になっていた。
 2幕は、キャストの緊張も取れ、客席にも無用な緊張は漂わず、お客様は物語に集中してくださっていたと思われる。

 カーテン・コールの最後にはスタンディング・オベーション。終わってみればとても良い初日だったのではないか、と思う。

 屋良さんからのご挨拶などもあり、今日の終演時刻は、おおよそ21時30分。サンケイホール ブリーゼの退館時刻は22時なので、キャストもスタッフも余韻に浸る間もなく「あっ」言う間に劇場を出た。

 これで『ドッグファイト』通信は一旦終了である。ご愛読ありがとうございました。
 次は『ドッグファイト』通信/シアタークリエ編。12月15日から再開の予定です。

 『ドッグファイト』大阪公演は12月14日まで。東京公演は12月17日より。お見逃しなく!

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『ドッグファイト』通信

12月10日(木)

 舞台稽古2日目。

 今日も朝からテクリハ。そして照明合わせの続き。
 舞台稽古はお昼から。昨日の続き、2幕2場からカーテン・コールまで。

 大休憩の後、ゲネプロ。
 よい出来のゲネプロであったと思う。「良い出来」と言うのは、芝居はもちろん、連日精魂込めて来たスタッフ・ワークも、と言うことである。
 上演時間は以前記したのと大きく変わらず、1幕、2幕、共に約1時間であった。幕間休憩は20分で、総上演時間は、これらにプラス、カーテン・コールである。

 さて。

 明日は初日。大阪地方は雨が心配されるが……。
 劇場の神様、どうぞ私たちに最高の初日を!

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『ドッグファイト』通信

12月9日(水)

 まずテクリハ。続いて照明合わせの続き。その後、バンドの皆さんと音響チームのサウンド・チェック。そして、午後から舞台稽古。

 舞台稽古は幕開き(1幕1場)から2幕1場まで。
 場面ごとに音楽無しで場当たりをし、実際のセットや衣裳、照明や立ち位置など、必要なことを確認。その後、音楽有りでラン・スルー。ラン・スルーを2回繰り返して、その中で問題点があればそれを解消して行く。

 試行錯誤を繰り返しながら予定のメニューを消化し、1日目の舞台稽古は終了。退館までの残り時間を利用して、更に照明合わせの続き。

 明日も今日と同様な1日になる予定。夜はゲネプロ。

 ……の予定。

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『ドッグファイト』通信

12月8日(火)

 大阪に来ている。サンケイホール ブリーゼである。

 昨日、今日はスタッフ・ワーク。仕込みと、各セクションの準備作業。
 今日の主たる作業は照明合わせ。各場面のセットを飾り、台本順に照明をデザインして行く。
 今まで稽古場では、日常的な電球の明かりの下、ベニヤ板の仮道具とビニール・テープで色分けされただけの段差しかなかった『ドッグファイト』が、いきなり立体として立ち上がり、総天然色で押し寄せて来た。そんな印象の照明合わせであった。

 キャストも続々と大阪入り。明日から舞台稽古である。

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『ドッグファイト』通信

12月6日(日)

 バンド通し2日目。そして稽古場最終日。

 最後にして(今までで)最良の通しだったと思う。起こるべきことが起こり、色々なことが噛み合い、取りこぼしは少なかった。
 なのでダメ出しの数も、いつになく少ない。稽古場をとてもいいムードで締めくくることができて、嬉しい。

 スタッフの皆さんは稽古場を撤収して荷物を出し、そして大阪へ。サンケイホール ブリーゼでは、明日から仕込み作業が始まる。

 『ドッグファイト』日本初演、開幕まであと5日。

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『ドッグファイト』通信

12月5日(土)

 バンド通し。

 2日に渡るバンド合わせを終え、いい状態で迎えたバンド通しである。今日は殊の外、1幕の出来がよかった様に感じた。
 通しの後は、いつもの様に確認と修正。その中で、歌唱指導の矢部さんが――

 『ドッグファイト』は、難易度が高いということでは、自分がかかわった作品の中で五指に入ると思う。そんな作品の「日本初演に携わっている」ことは誇りに思っていい。

 ――と言う様なことをおっしゃった。上記の様な「ぶっきらぼうな」文章ではなく、もっと血の通った言葉でおっしゃったのだが……、私はとても勇気づけられた。

 さて。

 明日はついに稽古場最終日である。最高のバンド通しにするぞー!(と言っても、私は見てるだけですが)

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『ドッグファイト』通信

12月4日(金)

 バンド合わせ2日目。

 昨日の続き、M14「地元のヒーローの凱旋パレード(リプライズ)」から、M21「Exit Music」までを合わせる。

 『ドッグファイト』の音楽は多彩である。
 1960年代の雰囲気で作られたロックン・ロール的ナンバーもあることはあるが、ロック・ミュージカルというわけではない。ギターとベースはエレクトリック(エレキ)も用いられるが、持ち替えてアコースティックも多用されている。
 ギター、ベース、ヴァイオリン、チェロ、とアコースティック楽器が揃うと、これはもうロックとは異なるサウンドである。上で書いた「多彩」と言うのは、そう言う意味である。

 さて。

 稽古場も残すところ2日。明日はバンド通し。

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『ドッグファイト』通信

12月3日(木)

 バンド合わせ。

 『ドッグファイト』のバンドは6名編成。ギター、ベース、ドラム/パーカッション、ヴァイオリン、チェロ、そしてキーボード/コンダクターである。

 いままで稽古ピアニストのことを書きそびれていたのだが、『ドッグファイト』の稽古ピアニストは大隅一菜さんと若林優美さんのお2人であった。
 若林さんは昨日の「ピアノ通し」を以ってミッション完了(音楽スタッフの1人として稽古場には留まる)であるが、大隅さんは引き続きバンドのキーボード/コンダクターとして『ドッグファイト』を支えてくれる。

 バンド合わせは、いつもの様に、ミュージカル・ナンバーとBGM(即ち、音楽が鳴っている場面のほぼ全て)を台本順に合わせて行く。
 1日目の今日は、M1「序曲:思い出す」から、M13b「ファーストデート/ラスタナイト(リプライズ)」まで。とても順調な進行で、予定の時刻よりやや早くメニューを消化して終了。

 明日もバンド合わせ。

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『ドッグファイト』通信

12月2日(水)

 通し稽古。

 ピアノでの最後の通し稽古である。昨日修正を加えた個所が改善され、完成形にまた一歩近づいた。
 上演時間は1幕、2幕、共に約1時間。20分の休憩を挟んで、全体では2時間20分前後に落ち着きそうである(これにカーテン・コールが付くので、終演時刻にはその分が加算される。ご注意ください)。

 戸井勝海さんが「複数の役を取っ換え引っ換えする」ことは以前記した。
 今日の通し稽古では、その「取っ換え引っ換え」を実際にやることにした。「舞台稽古でいきなり」では少しリスキーに思えたからである。で、衣裳さん、ヘアメイクさんの手をお借りして、全「取っ換え引っ換え」にチャレンジ。
 もちろん、入念に準備をした上でのトライであったが、時間ギリギリだった場面もあったりして、結構スリリングであった。そして結構楽しい。

 稽古終了後、バンドの皆さんのお引っ越し。上階でのバンド・リハを終え、明日からはこちらの稽古場で「合体」である。

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『ドッグファイト』通信

12月1日(火)

 通し稽古。「あら通し」ではない。

 回を重ねる毎によくなっている部分と、そうではない部分の混在する通し稽古であった。
 しかし、それは当たり前の症状である。なので、適切な処置を行えばよいのである。と言う訳で、いつもの様にダメ出し・確認。そしてその後、「そうではない部分」を抜いて調整。明日の通し稽古では「よくなっている部分」が増えるだろう。

 ……増えるといいな。

 ……増えないと困る。

 稽古後は照明打ち合わせ。
 照明デザイナーの柏倉さん、舞台監督の弘中さん、演出助手の末永さんと。コンパクトでシンプルな舞台を、どう照らすか……?

 階上の別スタジオでは、バンド・リハが本日よりスタート。
 稽古中、静かな場面になると、上階からバンドの演奏音が漏れ聞こえてきたりする。ああ早く合流したい!

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『TDV』通信 東京公演千穐楽

11月30日(月)

 帝劇へ。『ダンス オブ ヴァンパイア』東京公演が千穐楽。

 御来場くださった皆さん、本当にありがとうございました。そしてキャスト&関係者の皆さん、お疲れ様でした。

 満員の客席と言うのはやはり良いものである。その1階席を最後尾から見渡すことのできる監事室から、今日の千穐楽は観劇した。
 久しぶりに観た『ダンス オブ ヴァンパイア』だったのだが、見どころが満載で、何て楽しいミュージカルであることだろう。関係者の1人としてこんな感想をつぶやくのもどうかと思うが、今日は改めてそう思った。

 何度も繰り返されたカーテン・コールの後、舞台の下手袖に関係者一同が集合。池田取締役のご挨拶、そして山口さんの音頭で三本締め。東京公演は幕を閉じた。

 『ダンス オブ ヴァンパイア』は、この後、2016年1月2日~11日に大阪/梅田芸術劇場メインホールにて、1月15日~17日に名古屋/愛知県芸術劇場大ホールにて上演される。

 2016年は、『ダンス オブ ヴァンパイア』日本初演から10年目の記念すべき年である。
 欲望の赴くままに、梅芸へ! 芸劇へ!

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