『貴婦人の訪問』通信
6月22日(月)
顔寄せ。
いつもの様に、キャスト、スタッフ、公演関係者が稽古場に集合。
まず、関係者を代表して東宝の池田取締役がご挨拶。『貴婦人の訪問』への期待や上演の意義などを述べられる。続いて岡本プロデューサーの司会により、スタッフ、キャスト、劇場関係者などが紹介され、最後に私も一言述べさせていただく。
で、無事に顔寄せも終了……と誰もが思った瞬間、稽古ピアノの國井雅美さんが「ハッピー・バースデー」の演奏を始める。キャスト、スタッフ、関係者が声を合わせて歌う。今日は石川禅さんのお誕生日なのであった。
禅さん、おめでとうございます。
そして、立ち稽古2日目。
昨日作った幕開きのナンバー「栄光のファンファーレ」を整理した後、それに続くドラマ場面を作る。
『貴婦人の訪問』は、全編が音楽で綴られるタイプのミュージカルではない。ミュージカル・ナンバーとミュージカル・ナンバーの間には「芝居」が入って来る、オーソドックスなスタイルのミュージカルである。
1幕1場では「栄光のファンファーレ」後に芝居部分があるので、1場の最後まで手を付ける。その後、更に1幕2場を作る。
2場は、賑やかだった1場とは打って変わって少人数のシーンとなる。ここにはミュージカル・ナンバー「愛は今も」がある。
新作の稽古は(昨日もそうだったのだが)「作っては壊す」の繰り返しである。
新作の稽古はまた「時間との闘い」でもあるので、「せっかく作った物を壊してる暇はない」と言うこともしょっちゅうあるが、芝居やステージング、ダンスは、実際に作って(動いて)みないと「上手く行くのか行かないのか」は分からない。
『貴婦人の訪問』の稽古場では、その「作っては壊す」が許される。
せっかく作って覚えた物を破棄するわけなので、キャストもスタッフも消耗はするのだが、その消耗と引き換えに「より良いシーン」が手に入る。
この建設的な空気を稽古場最終日まで維持したい。
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