『台所太平記』通信
5月14日(木)
立ち稽古5日目。
喜劇『台所太平記』が上演されるのは、東京・浜町の明治座である。
明治座は大変歴史のある劇場である。明治座の前身「喜昇座」の開場が明治6年(1873年)だそうなので、既に140年を超える歴史を持っている。
私は過去に2回、明治座で演出をさせていただいた。『佐渡島他吉(さどじまたきち)の生涯』(2002年)と『五瓣(ごべん)の椿』(2005年)である(明治座の歴史についてはこちらをどうぞ)。
近年、私が大劇場で演出させていただくのは殆どがミュージカルである。大劇場で「ストレート・プレイ」が上演される機会は、私がこの世界に入った30年ほど前と比べると大幅に減った。
私個人では、大劇場でのストレート・プレイは2011年の『風と共に去りぬ』(帝劇、他)以来である。大劇場での「日本の芝居」となると、それこそ『五瓣の椿』までさかのぼらなければならない。
大学を出て裏方として歩み始めた頃は、帝劇でも旧・東京宝塚劇場でも、或いは今は無き芸術座でも、『台所太平記』の様なスタイルの作品がスタンダードなレパートリーであった(こういうスタイルの芝居を「商業演劇」と呼んだ)。
なので、今回の稽古場では、私は二十歳代の頃のことを思い出して、時々懐かしい気持ちになったりしている。(つづく)
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