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2015年5月の記事

『台所太平記』通信

5月30日(土)

 稽古場最終日。

 昨日同様、何か所か芝居の確認・調整をした後、3回目の通し稽古。
 連日の調整の成果もあって、全体としては手際よく芝居が運ばれたと思う。半面、新鮮さであるとか、勢いであるとか、かつて芝居の中に確実にあったものが失われつつある様にも感じた。
 最後の駄目出しでは、ディテールに関する確認をいつもの様にした上で、そのことについても触れる。
 私たちの『台所太平記』を、コメディであるのと同時に、生き生きとした、瑞々しい人々の物語にもしたいのである。

 明日はいよいよ劇場へ。初日も目前である。

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『台所太平記』通信

5月29日(金)

 まず、昨日の通し稽古で見つかった幾つかの課題を処理。その後、2回目の通し稽古。
 昨日より更に良い仕上がり。もちろん、良くなっていてくれていないと日々稽古している意味がないのだが。

 通し稽古終了後、いつもの様に駄目出し。そして、昨日、今日と通してみて気になっていたシークェンスを抜いて直す。

 さて。

 明日はついに稽古場最終日。

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『台所太平記』通信

5月28日(木)

 1回目の通し稽古。

 順調な仕上がり、と言っても良いだろうと思う。思いもよらない様なトチリもなかったわけではないが、それも含めて楽しい通し稽古であった。
 通し稽古終了後は全体で駄目出し。でも、順調な仕上がりなので「駄目」の数は多くない。

 夜は東宝演劇部へ。『貴婦人の訪問』の舞台美術打ち合わせ。
 捗らなかった5月20日の雪辱戦である。光明が見えてきた。

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『台所太平記』通信

5月27日(水)

 2&3幕を場面毎にさらった後、2&3幕を通す。

 これで上演時間の「おおよそ」の見当がついた。
 まだまだ変動はあるだろうが、1幕が1時間10分前後、2幕が50分前後、3幕が40分前後、辺りに落ち着くだろう、と思う。30分休憩が2回入ったとして、11時開演の場合、終演時刻は2時40分くらいになるのではなかろうか?(ならなかったらごめんなさい)

 稽古場は残り3日。明日から「通し稽古態勢」。

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『貴婦人の訪問』製作発表

5月26日(火)

 帝国ホテルへ。ミュージカル貴婦人の訪問~THE VISIT~の製作発表。

 『貴婦人の訪問~THE VISIT~』は、2013年にスイスのトゥーンで初演されたミュージカルである。2014年にはウィーンのローナッハ劇場で上演され、そしてこの夏、いよいよ日本に上陸する。
 原作はスイスの劇作家、フリードリヒ・デュレンマットによる戯曲『老貴婦人の訪問』(1956年初演)で、1964年にはイングリッド・バーグマンとアンソニー・クインの共演で映画(邦題『訪れ』)にもなっている。

 今日の製作発表には、主人公・アルフレッドを演じる山口祐一郎さん、タイトル・ロールの貴婦人・クレア役の涼風真世さん、アルフレッドの妻・マチルデ役の春野寿美礼さん、そして私が登壇した。
 会場には取材の皆さんに加えて、ご応募くださったオーディエンスの皆さんにもお越しいただいた。オーディエンスの募集には1500名ほどのご応募があり、抽選の結果、その内の50名の方がご来場くださった。

 今日の製作発表は、各人の挨拶と抱負、マスコミの皆さんとの質疑応答、そしてフォト・セッションと進んだ。その様子は、いずれ公式ページなどで報告されるだろう、と思う。
 ひとつだけ気掛かりだったのは、今日の製作発表が「笑いの絶えない、とても楽しい」ひと時だったので、『貴婦人の訪問』のことを「ミュージカル・コメディだ」と誤解してお帰りになった方がいらっしゃるのではないか、と言うことである。

 『貴婦人の訪問』はシリアスなミュージカルである。

 ご期待ください。

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『台所太平記』通信

5月25日(月)

 1幕を場面毎にさらった後、1幕を通す。

 芝居のクォリティは、日々着実に上がっている。まだ1幕を(しかも初めて)通しただけに過ぎないが、私個人としてはかなりの好感触であった。『台所太平記』は素敵な芝居に仕上がるだろう。

 それにしても、『台所太平記』カンパニーはとても良いカンパニーだと思う。
 ベテランの古谷さん以下、全員が熱心だし、真面目だし、なのにユーモアは決して忘れない。大劇場演劇の現場を「カンパニー」と形容する日が来ようとは、「商業演劇」全盛の時代には思いもしなかったことである。

 明日は稽古OFF。明後日は2幕と3幕の日。

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『台所太平記』通信

5月24日(日)

 全場面を稽古。

 昨日、2幕と3幕をさらったので、今日は1幕、2幕、3幕(つまり全場面)をさらう。
 物語の「結末」まで辿り着いた上で改めて物語の「始まり」に戻ってみると、以前稽古した時点では気付けなかったことが次々と見つかる。その「見つかったこと」を場面に加味することで、芝居が深まったり、具体的になったり、或いは演じ易くなったりする。
 俳優が「幕開きから幕切れまでの間に起こること」をひと通り体験したことが、各場面に「必要なこと」と「そうではないこと」を明解にしてくれるのだ、と思う。

 稽古後は劇中で聞こえてくる声の録音。
 チラシなどでは、音響デザイナーには渡邊邦男さんがクレジットされているが、残念ながら渡邊さんは怪我のために降板。急遽山本能久さんにスイッチ。
 山本さん、どうぞよろしくお願いいたします。

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『台所太平記』通信

5月23日(土)

 2幕、3幕をおさらい。

 つい昨日やったばかりの場面もあれば、前回はいつやったっけ? の場面もあった。が、始めてみれば、すぐに前回同様に、いや前回以上に良いシーンが出来上がる。実に頼もしいカンパニーである。
 稽古と言うものは、重ねる毎に発見がある。「ああ、そういうことだったのか」と言うことの連続である。
 それは、「私が発見する」と言うよりも、俳優さんひとりひとりが心を込めて表現しようとしてくださる中から見えてくる。私はそれを見て「遅ればせながら気づく」のである。何度でも書いてしまうが、俳優は本当に偉大である。

 稽古後は照明打ち合わせ。照明デザイナーは、『王様と私』でもご一緒した塚本悟さんである。

 そして、先日の制作発表の様子が公式ページにUPされている。こちらからどうぞ。

 

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『台所太平記』通信

5月22日(金)

 立ち稽古。ラスト・シーンまで辿り着く。

 喜劇『台所太平記』が全3幕であることは以前も記した。
 明治座でのスタンダードな芝居は大抵「3幕もの」である。幕間休憩が2回あるわけで、そのどちらかでお食事を楽しまれるお客様も少なくない。明治座の幕間休憩がやや長めなのには、そう言う理由もある(休憩時間は、1幕と2幕の間も、2幕と3幕の間も、30分になる……だろうと思われる)。

 早いもので、稽古場も残り1週間である。明日からは芝居を固め、流れを作る稽古に移行する。

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『台所太平記』通信

5月20日(水)

 立ち稽古。

 立花みどりさんの演じる「節」は、「初」と同時に千倉家に雇われる。
 正義感の強い初は、「一言多い」せいでしばしば騒ぎを巻き起こすのだが、節は素直で料理も上手く、先輩たちの覚えもめでたい。女中頭の「小夜」は、そんな節を特に可愛がるのだが……。

 尾崎右宗さんが演じるのは「寺田」である。
 「初」は、千倉家の当主・磊吉と接する内に、次第に学問に興味を持ち始める。それに気付いた磊吉が、初に「夜学に通うこと」を勧め、数学教師の寺田と出会うことになり……。

 そして、越村友一さんの演じる「初の弟・安吉」。
 安吉は鰹船に乗り組む漁師である。船が焼津港に入った折に、足を延ばして熱海の千倉家を訪ねたことから、安吉もこの家に出入りする身となるのだが……。

 稽古後は『貴婦人の訪問』の舞台美術打ち合わせ。捗らず。

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『台所太平記』通信

5月19日(火)

 立ち稽古。

 南野陽子さんの演じる「駒」は夢見がちな乙女である。
 自分と誰かのラブ・シーンを夢想したり、鼻歌を歌っている内にいつの間にか本気で歌ってしまったり……、仕事がお留守になる様なこともしょっちゅうである。
 そんな駒を、南野さんは的確に、実にキュートに演じてくださっている。天然で、ほんわかとした(そしてちょっぴり歌も歌う)南野さんを、今回はたっぷりと堪能していただけるはずである。

 そして、湖月わたるさん。
 湖月さんは「歌」や「踊り」の無い舞台は今回が初めてなのだそうだ。しかし、今までの舞台で培われた(のであろう)スピード感とシャープな身体表現が、この喜劇を一層愉快なものにしてくれている。
 男前の様でいて意外と純情な一面もある「百合」。湖月さんの百合はとてもチャーミングである。(つづく)

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『台所太平記』通信

5月18日(月)

 アンサンブルの皆さんの衣裳合わせ。

 喜劇『台所太平記』の物語は昭和33年から始まり、ラスト・シーンは昭和38年の設定である。
 原作では、もう少し長い年月(戦前から戦後に及ぶ三十年近い年月)の中からエピソードが選ばれているが、私たちの『台所太平記』では、昭和33年からの5年間である。
 舞台は全3幕で、1幕が京都、2、3幕が熱海での出来事になる。京都でも熱海でも、物語は千倉家の邸内でのみ進むので、千倉家の関係者以外はほとんど登場する余地がない。その“ほんのちょっとしか登場しない”人々の、今日は衣裳合わせであった。

 芝居作りでは、こう言う「細部」を作って行く作業が楽しい。今日も楽しかった。キャストの皆さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました。

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『台所太平記』通信

5月17日(日)

 立ち稽古。1幕を本順におさらい。

 今回、私が初めてご一緒するのは、高橋惠子さん、南野陽子さん、湖月わたるさん、立花みどりさん、そして尾崎右宗さんと越村友一さんである。

 高橋さんは、TVドラマ版の「台所太平記」=『めしはまだか!』(1974年/NET=現・テレビ朝日系列)に、お手伝いさんの1人としてご出演されていたのだそうだ。それから30年以上が経って、今度は「御寮人さん(ごりょんさん=「当主の妻」のこと)」として、お手伝いさんを雇う側で千倉家に戻っていらした訳である。
 因みに、『めしはまだか!』の時の役は「鈴」であったのだそうだが、今回の『台所太平記』には、残念ながら鈴は登場しない。(つづく)

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『台所太平記』通信

5月16日(土)

 立ち稽古7日目。

 川﨑麻世さんとは『I Do! I Do!』(1999年/アートスフィア、他)、『シンデレラストーリー』(2003年/青山劇場、他)でご一緒した。と言うことは、今回は12年ぶりである。
 川﨑さんとの出会いは、私がまだ演出部の一員だった『エニシング・ゴーズ』(1989年初演/日生劇場。演出は宮本亜門さん)までさかのぼる。川﨑さんは、今もその時の印象と全く変わらない。川﨑さんと言い、沢口さんと言い、一体どうなっているんだろう?

 そして、永吉京子さんとは『春朧』(1999年/帝劇)以来である。それは20世紀の話である。なので「今世紀初」である。
 永吉さんは劇団東宝現代劇のご出身である。なので、私も演出部時代には色々な作品でご一緒している。が、「主要キャスト」と「演出家」としては、今回がほぼ初めての仕事と言ってもいい。今更ながら、永吉さん、どうぞよろしくお願いいたします。(つづく)

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『台所太平記』通信

5月15日(金)

 稽古場にて制作発表。

 既に顔寄せも終えたし稽古にも入っているのだが、制作発表である。こういうタイミングで、と言うこともあるのである。
 制作発表に登場されたのは、沢口靖子さん、南野陽子さん、竹内都子さん、川﨑麻世さん、湖月わたるさん、高橋惠子さん、そして古谷一行さんである。加えて、明治座の三田社長、そして私も登壇した。

 キャストの皆さんは全員扮装である。そして三田社長が、今日は神田明神さんの祭礼であるとかで、紋付き袴でいらした。私ひとりが平服(と言うより、Tシャツにジーンズ)で、相当場違いなのであった。
 制作発表は三田社長のご挨拶から始まり、次いで私、そしてキャストの皆さんのご挨拶と続いた。皆さんのご挨拶の端々から、「稽古場がどれほど和やかで楽しいか」と言うことがダダ漏れしていた。
 喜劇『台所太平記』は、BS日テレさんとBS‐TBSさんが共同主催に加わっていらっしゃるので、今日の様子もどちらかのチャンネルでご覧いただけるのかも知れない。

 制作発表の後、立ち稽古6日目。(つづく)

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『台所太平記』通信

5月14日(木)

 立ち稽古5日目。 

 喜劇『台所太平記』が上演されるのは、東京・浜町の明治座である。

 明治座は大変歴史のある劇場である。明治座の前身「喜昇座」の開場が明治6年(1873年)だそうなので、既に140年を超える歴史を持っている。
 私は過去に2回、明治座で演出をさせていただいた。『佐渡島他吉(さどじまたきち)の生涯』(2002年)と『五瓣(ごべん)の椿』(2005年)である(明治座の歴史についてはこちらをどうぞ)。

 近年、私が大劇場で演出させていただくのは殆どがミュージカルである。大劇場で「ストレート・プレイ」が上演される機会は、私がこの世界に入った30年ほど前と比べると大幅に減った。
 私個人では、大劇場でのストレート・プレイは2011年の『風と共に去りぬ』(帝劇、他)以来である。大劇場での「日本の芝居」となると、それこそ『五瓣の椿』までさかのぼらなければならない。

 大学を出て裏方として歩み始めた頃は、帝劇でも旧・東京宝塚劇場でも、或いは今は無き芸術座でも、『台所太平記』の様なスタイルの作品がスタンダードなレパートリーであった(こういうスタイルの芝居を「商業演劇」と呼んだ)。
 なので、今回の稽古場では、私は二十歳代の頃のことを思い出して、時々懐かしい気持ちになったりしている。(つづく)

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『台所太平記』通信

5月12日(火)

 立ち稽古4日目。

 古谷一行さんとは『サウンド・オブ・ミュージック』(1998年/日生劇場)、『マディソン郡の橋』(1999年/アートスフィア、他)、『検察側の証人』(2002年/ル・テアトル銀座)でご一緒した。
 古谷さんは幾つになられても「演劇青年」でいらっしゃる。稽古好きで、違うやり方で何度でも試し、ご自分以外の芝居にも積極的にかかわってくださる。
 今回久しぶりにご一緒して、とにかく稽古が楽しい。古谷さんと取り組む「初めての日本の芝居」でもあるし。

 竹内都子さんとは作秋の『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』に続いて2度目のお仕事である。
 『台所太平記』の1幕は京都が舞台なので、竹内さんの醸し出す関西の雰囲気がありがたい。そしてスピード感のある心地良い芝居と絶妙な間。それが、この舞台の「喜劇」としてのクォリティを上げてくださっていると思う。
 竹内さんと取り組む「初めての日本の芝居」でもあるし。(つづく)

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『台所太平記』通信

5月11日(月)

 立ち稽古3日目。 

 沢口靖子さんとは、私が演出家になる以前、演出部の時代に2度ほどご一緒した。もう20年以上も前の話である。演出家としては、この『台所太平記』が初めてご一緒する仕事となる。
 今回、稽古場で再会した沢口さんは、その二十数年前と全く変わらない。いや、実際にはそんなことはないのだろうが、少なくとも印象は何ひとつ違わない。これを驚異と言わずして何と言おうか。

 喜劇『台所太平記』は「抱腹絶倒、大爆笑の連続」と言う様なコメディではない。登場人物ひとりひとりの愚直さや不器用さ、気持ちのすれ違いなどが観る者の頬を自然に緩ませる、そう言うタイプのヒューマン・ドラマである。
 こう言う作品の主人公として沢口さんは適任だと思う。どこまでも真っすぐに、至って真剣に演じてくださるからである。沢口さんの演じる初のひたむきさを見ているとつい頬が緩んでしまう。

 沢口さんは天性のコメディエンヌである。そう断言しても恐らく異論は出ないであろう。(つづく)

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『貴婦人の訪問』製作発表 オーディエンス募集!

 ミュージカル『貴婦人の訪問~THE VISIT~』の製作発表が行われる。その会場に50名のオーディエンスをお招きすることになった。

 詳細とご応募はこちらからどうぞ。

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『台所太平記』通信

5月10日(日)

 立ち稽古2日目。

 喜劇『台所太平記』は、初が千倉家にやって来るところから始まる。
 千倉家には、初が来る以前から3人のお手伝いさんがいた。結婚に憧れる「駒(こま)」、映画スターを夢見る「百合(ゆり)」、女中頭の「小夜(さよ)」である。他に、初と同時に雇われることになる「節(せつ)」がいて、後に「銀(ぎん)」がこれに加わる。

 初を雇い入れる文豪・千倉磊吉を演じるのは古谷一行さん。その妻・讃子は高橋惠子さんである。
 駒は南野陽子さん、百合は湖月わたるさん、小夜は竹内都子さんで、節は立花みどりさん、銀は永吉京子さんが演じる。

 その他に登場する人物として、千倉家に出入りするタクシーの運転手「光雄(みつお)」、初が通うことになる夜学の先生「寺田(てらだ)」、初の弟「安吉(やすきち)」がいる。演じるのはそれぞれ、川﨑麻世さん、尾崎右宗さん、越村友一さんである。(つづく)

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『台所太平記』通信

5月9日(土)

 本日より立ち稽古。

 『台所太平記』の原作は、昭和37年から38年にかけて週刊誌『サンデー毎日』に連載された。昨日も触れた様に「エピソード集」の形を取っているので、一貫したストーリーは無く、主人公もいない。小説家の千倉磊吉を狂言回しに、千倉家に出入りしたお手伝いさんたちの群像が描かれている。
 そのお手伝いさん群像の中でやや大きく扱われているのは「初(はつ)」と言う娘である。私たちの『台所太平記』では、その初にスポットライトを当てて主人公とした。初を演じるのは沢口靖子さんである。

 原作の「初」は、映画『風と共に去りぬ』に登場するアフリカ系の女中・マミーを演じた八ッティ・マクダニエルに似ている、と描写されている。
 しかし、沢口さんと八ッティ・マクダニエルはあまり「似ている」様には思われないので、原作と今回の舞台は「別物」とお考えいただいくのが妥当だろうと思う。初以外の登場人物についても、それは同様である。

 立ち稽古初日は「まずまずの滑り出し」であった、と思う。この調子でこの先の稽古も進められれば、と思う。

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『台所太平記』通信

5月8日(金)

 台所太平記の稽古が始まった。

 明治座6月公演、喜劇『台所太平記』は、谷崎潤一郎の同名の小説を原作とした舞台である。
 谷崎本人を彷彿とさせる文豪・千倉磊吉(ちくら らいきち)とその妻・讃子(さんこ)、そして千倉家に次々とやってくるお手伝いさんたちの暮らしぶりを描いたユーモア溢れる「エピソード集」なのであるが、この原作は今までにも幾度となく舞台化されているし、映画やテレビドラマにもなっている。
 今回の明治座版は小池倫代さんの手による脚本である。

 今日はまず「顔寄せ」を。
 キャスト、スタッフをはじめ、公演関係者一同が顔をそろえた。そのひとりひとりが紹介され、明治座の三田社長、キャストを代表して沢口靖子さん、脚本の小池さんがご挨拶をさた。私も(ご指名により)一言申し述べた。

 「顔寄せ」の後はキャスト全員で「読み合わせ」。
 台本は既に何度も読み返しているので、舞台の仕上がりのイメージは、ある程度は脳内にできている。が、こうして俳優たちの実際の声を聞くと、そんなイメージは脆くも崩れ去る。俳優は、どんな時でも偉大である。

 今年は谷崎潤一郎の没後50周年なのだそうである。沢山のお客様にこの舞台を楽しんでいただける様に、キャスト、スタッフと力を合わせて臨みたい。

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