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2015年1月の記事

『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月30日(金)

 オーケストラで通し稽古。

 マエストロ・塩田さんに上手く乗せられ、オーヴァーチュアから手拍子が沸き起こる「熱い」通し稽古であった。出来の方もすこぶる良く、これは『ラ・カージュ・オ・フォール』の現時点での理想形に近い。今まで稽古で積み重ねてきた様々なことが、実に良い形で収斂したのだと思う。
 と言っても、修正個所がゼロだったワケではないので、まだまだ貪欲に完成度を高めて行きたい。

 「雪」の方は幸い大事にはならず、稽古場への行き帰りも平穏無事であった。それにしても、今日の東京は寒かった。稽古場はあんなにホットだったのに。

 明日は稽古場最終日。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月29日(木)

 オケ合わせ2日目。今日は2幕を。

 今日も順調、且つ快調なペースで、「アントラクト(Entr’acte)」から「エグズィット・ミュージック(Exit Music)」まで、全曲をあたる。
 ミュージカルの稽古は何かと時間がかかるものである。
 が、『ラ・カージュ・オ・フォール』の様に繰り返し上演されて来た作品では、新作だったら相当時間がかかるであろう作業も比較的短時間で済む。各セクションが、正に「あ・うん」の呼吸で、様々なことを処理してくれるからである。
 このヴァージョンの初演時(2008年)にも、振り起こしやら、大勢の動線やら、舞台転換やら……、とにかくあらゆることに時間がかかっていた。それも今となっては懐かしい。

 さあ、残すところ稽古場はあと2日。2月に入れば墨東の稽古場ともさよならである。
 明日の東京地方には「雪」の予報が出ている。どうぞ無事に稽古場まで辿り着けます様に(そして無事に家路につけます様に)。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月28日(水)

 午前中は『田茂神家の一族』の音楽打ち合わせ。

 『田茂神家の一族』で音楽を担当してくださるのは園田容子さんである。
 園田さんとは、今回と同じ「劇団東京ヴォードヴィルショー」の公演『竜馬の妻とその夫と愛人』(2012年、ザ・スズナリ版)でご一緒した。そして、その時同様に今回も「生演奏」である。と言っても、『田茂神家の一族』はミュージカルではないのだが。

 午後は『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場へ。

 オーケストラが稽古場にやって来ると「いよいよ」と言う気持ちが高まってくる。そうなのだ。「いよいよ」なのだ。で、今日は「オケ合わせ」。

 今日のメニューは1幕。「オーヴァーチュア」から「ありのままの私」まで、全曲を合わせる。ブロック毎に、音響バランスやテンポ、タイミング、音楽的なニュアンスなどをテキパキと確認・修正して行く。
 今日も快調なペースでメニューを無事に消化した。オーケストラの皆さん、音響チームの皆さん、そしてマエストロ塩田さん、お疲れ様でした。

 稽古が終わり、演出助手の落石さんが明日のスケジュールを確認した所で、突然「ハッピー・バースデー」の演奏が始まった(演奏はもちろんオーケストラである)。今日は我らがスター、輝ける星・ザザ役の市村正親さんのお誕生日なのであった。
 市村さん、おめでとうございます(そのフォトは公式Twitterで)。

 さて。

 ひとつ残念なご報告をしなければならない。
 出演者の福山健介さんが稽古中に足を負傷したため休演となる。代わりに、新たに露口洋暁さんが出演する。

 どうぞよろしくお願いいたします。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月26日(月)

 通し稽古。

 ピアノでの最後の通し稽古である。
 明日の稽古休みを挟んで、明後日にはオーケストラが稽古場にやって来る。なので、ピアノ1台での稽古は今日が最後なのである。稽古ピアノの國井雅美さん、お疲れ様でした。

 これで4日連続で通したことになる。
 「バランス」や「メリハリ」と言う部分では昨日が抜きん出て良かったと思うが、さすがに4日続けて通しているので、安心感は抜群である。面白いのは、ここにきてジョルジュとアルバンの言い争い(夫婦喧嘩?)が辛辣になっていることである。
 前回(2012年)や前々回(2008年)には見られなかった現象で、これはお2人の新たな境地なのかもしれない。芝居って面白いなあ。

 と言う訳で、明日は稽古場最後のOFF。キャストの皆さんは、どうぞゆっくりとお休みください。

 ……みたいなこと、以前にも書いたな

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月25日(日)

 通し稽古。

 今日もとても良い「通し」であった。
 繋がり、メリハリ、芝居の呼吸……などなど、作品の完成度に直結する部分の精度が日々上がって来ている。「通し」を見ていると、それが手に取る様に分かる。連日「通し」をやれていることが、とても良い方向に作用していると思う。

 そしてこの稽古場、ケータリングが大変充実している。
 スイーツであったり、フルーツであったり、軽食であったり……、連日どなたかからの差し入れを頂いている。ただでさえ幸福感に満ち満ちている『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場が、そのお陰で「お腹いっぱいで苦しいくらい幸福」である。

 稽古後は『クリエ・ミュージカル・コレクションⅡ』の稽古場へ。
  『クリコレⅡ』は、既に歌稽古が始まっている。が、今日は稽古の立ち合いのために顔を出したのではなく、演出補の小川さんと「舞台をどう使うか」について意見交換のため。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月24日(土)

 今日も通し稽古。

 予定より2日ほど早く、通し稽古態勢に突入している。これを「順調」と言わずして何と言おうか。
 上演時間の目星も付いてきた。1幕がおおよそ1時間25分。2幕が1時間07~08分と言った辺りである。これにプラス「カーテン・コール」である。

 明日から、別稽古場ではオーケストラ・リハーサルが始まる。塩田さんとは暫しのお別れである。オーケストラを稽古場に迎えるまでにあと2回、ピアノで通し稽古。

 ……の予定。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月23日(金)

 午前中は『田茂神家の一族』の舞台美術打ち合わせ。

 『田茂神家の一族』は、とある田舎の村が舞台。その村で村長選挙が行われることになったのだが、立候補したのが……と言うコメディである。
 新作でコメディなので、いつもの様にネタバレになりそうなことは極力書かないでおこう、と思う。なので、内容の具体的な部分には、このブログでは触れない。
 想像を逞しくして3月7日の開幕をお待ちいただきたいう。

 午後は『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場へ。

 今日は場面毎に止めながら全幕を稽古。
 ……のつもりだったのだが、勢い余って、と言うか、「もうそろそろいいんじゃないだろうか」と言う話になって、で、通し稽古。
 ひとつひとつ慎重に行くよりも、繋げてみた方が「話が早い」と言うこともある。多少の「取りこぼし」はあったものの、1回目としては悪くない通し稽古であった。
 そして、繋がった時に初めて見えて来る課題と言うものもあり、今日は通しができて本当によかった。

 通し稽古終了後は、カジェルの皆さんのダンス・ナンバーを「衣裳付き」で確認。
 カジェルの衣裳はヴォリュームがあったり、重かったり、引き抜き仕様になっていたり……と、扱う者にとっては結構神経を使う。なので、時間の限られる舞台稽古にいきなり着用して混乱したりしない様に、余裕のある今のうちに稽古場で、と言う作戦である。
 この時期にそれを実現してくださったスタッフの皆さん、ありがとうございました。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月21日(水)

 振り固め。

 芝居の稽古は無し。ダンス・ナンバーを抜いて固める。
 オープニングのショー(「ありのままの私たち」)、「マスカラ」、2回目のショー(「ラ・カージュ・オ・フォール/トリ~カンカン~燕尾」)、「男のレッスン」、そして「フィナーレ」である。

 以前にも一度記したが(それはこちら)、私たちの『ラ・カージュ・オ・フォール』では、ダンス・ナンバーの大半にアンダースタディ(代役)を用意している。今日の稽古でも、まずは本役のキャストが踊り、2回目はアンダースタディが踊った。
 今日の稽古を見ていて思ったことは、本役の皆さんのダンスがかなり良い感じに仕上がって来たと言うことと、もうひとつ、アンダースタディの皆さんのレベルが確実に上がって来たと言うことである。

 本役の皆さんが上手く仕上がって来たことは、連日の芝居稽古の中でも繰り返し踊っているし、その時にダメ出しも行われるので、まあ順当な結果だと思う。
 しかしアンダーの皆さんには、本役の皆さんほど機会があった訳ではない。が、踊りのレベルははっきりとUPしている。本役さんたちの出番をしっかりと見て、そして自主稽古を丹念に重ねて来たことの証左であるに違いない。

 明日は稽古OFF。皆さん、ゆっくりと身体を休めてください。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月20日(火)

 2幕をおさらい。

 鹿賀さんも市村さんも、既に何度となくジョルジュとアルバンを演じて来た。にもかかわらず、稽古では前回を再現しようとするのではなく、初めてその場面に取り組む様に、その役の気持ちや動きを模索していらっしゃる。
 恐るべき大先輩たちである。私たちが学ぶべきことはまだまだ山の様にあるのだ。

 そして、『ラ・カージュ・オ・フォール』と言えばこの人、我らがマエストロ、塩田明弘さんが今日から参戦。活気ある稽古場が、更に活気づく。

 稽古が終わり、演出助手の落石さんが終了を宣言した所で、突然「ハッピー・バースデー」のピアノ演奏が始まった。今日はロシン役の富山忠さんのお誕生日なのであった。
 富山さん、おめでとうございます(そのフォトは公式Twitterで)。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月19日(月)

 顔寄せ。いつもの様に、キャスト&スタッフをはじめ公演関係者一同が顔を揃える。

 まず、主催者を代表して東宝の池田取締役がご挨拶。『ラ・カージュ・オ・フォール』の、ミュージカル史的な意義を話される。
 続いて、関プロデューサーが、スタッフ、キャスト、関係者のご紹介。東宝とホリプロさんの共催である上に地方公演の関係者もいらっしゃるので、ちょっと大所帯。
 最後に私の挨拶。今日はとにかく「短く終えること」だけを考えて喋る。

 顔寄せ終了後は1幕をおさらい。
 色々な部分が上手に消化されて、流れが良くなりメリハリもついてきた。順調に仕上がって来ている、と言っていいだろう。

 稽古が終わり、演出助手の落石さんが明日以降のスケジュールの変更を告知した所で、突然「ハッピー・バースデー」のピアノ演奏が始まった。今日はフランシス役の日比野啓一さんのお誕生日なのであった。
 日比野さん、おめでとうございます(そのフォトは公式Twitterで)。

 稽古後は『クリエ・ミュージカル・コレクションⅡ』の舞台美術打ち合わせ。
 今日は美術の伊藤さんの他、舞台監督の廣田さん、照明の高見さん、映像の奥さん、音響の碓氷さん、大道具を製作してくださる東宝舞台の延島さんが集まった。

 さて。

 『貴婦人の訪問~The Visit~』の、シアタークリエ以外での公演についても発表になっている。こちらからどうぞ。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月18日(日)

 今日は2幕を稽古。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』には2幕にしか登場しない主要人物がいて、それはアンヌの両親、ダンドン議員とその妻・マリーである。
 演じる今井清隆さんと森公美子さんのお2人は昨日は出番がなかったので、今日でようやく全キャストが稽古場に揃った。そろそろラスト・スパートである。

 それにしても、『ラ・カージュ・オ・フォール』は良くできたミュージカルだと思う。台本、ミュージカル・ナンバーの役割、音楽の構成とアレンジ、ステージングと振付。全てが本当に良くできている。
 もう何年も、何度も携わっているにもかかわらず、毎回、毎日「良くできているなあ」「上手いなあ」と、つくづく感心してしまうのである。ミュージカル・コメディの、これは最良のお手本である。

 稽古後『クリエ・ミュージカル・コレクションⅡ』の振付・ステージング打ち合わせ。振付は青山航士さんである。
 青山さんとは『ミー&マイガール』『三銃士』『エニシング・ゴーズ』などで、キャストとしてはご一緒して来た。が、今回は初めてスタッフとしてご一緒する。

 素敵なショーになります様に。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月17日(土)

 『モーツァルト!』を終えて市村正親さんが帰っていらした。で、今日は1幕を稽古。

 稽古開始から既にひと月半経過した『ラ・カージュ・オ・フォール』であるが、やはり市村さんがいらっしゃるのとそうでないのとでは、稽古場の熱量が違う。
 今までだって真剣、かつ誠実に稽古を重ねて来たのだから、キャストひとりひとりの表現が今日から突然変わった訳ではない。では何が稽古場の熱量を押し上げているのか、と言えば、それは稽古を見ている側の「気持ち」なのではないか、と思う。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場では、稽古中に時々不思議な感覚に陥ることがある。
 稽古中の私は、普段は「半分は観客」で、「残り半分は芝居作り職人」と言った意識で稽古に臨んでいる。が、『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場では、それ以外の、第3の状態になる瞬間があるのである。
 「観客」であることも「芝居作り職人」であることも忘れて、目の前で繰り広げられているシーンにただただ見とれてしまう、そんな瞬間である。その瞬間には様々な思いが去来する。過去の記憶であったり、思いがけない感情であったり、その時々で異なるのだが、その瞬間には「稽古中であること」も「職業意識」も雲散霧消してしまう。

 恐らく、稽古を見ているキャスト&スタッフのひとりひとりにも、そんな瞬間があるのではないか、と私は想像する。そしてそんな瞬間に遭遇したひとりひとりの「気持ち」の在り様が、稽古場の「熱量」の正体なのではないかと思う。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』が特別な作品であるとすれば、カンパニーのひとりひとりにそう言う瞬間が訪れるからかも知れない。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』短信

1月16日(金)

 終日衣裳合わせ。稽古は無し。私は別件で不参加。よって、今日は「短信」。衣裳合わせの様子は公式Twitterで。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月14日(水)

 まずお詫び。このブログの中で相葉裕樹さんのお名前を相「場」さんと誤記していた個所があった。相葉さん、ごめんなさい。そしてご指摘くださった皆さん、ありがとうございました。

 さて。

 立ち稽古。2幕3場と4場を稽古。
 3場はサントロペのレストラン「シェ・ジャクリーヌ」の店内。ジャン・ミッシェルとアンヌの結婚に向けて、両家の顔合わせ、と言うか、面通し、と言うか……の食事会。
 予約を取ることが極めて難しい「シェ・ジャクリーヌ」(恐らくフレンチの名店。そして恐らく三ツ星)であるが、アルバンの手に掛かれば、たとえ当日であっても最良の席をリザーブすることが可能である。その代償としてアルバンは、レストランのオーナー、ジャクリーヌから「見返り」を求められることになるのだが……。

 そして4場。舞台は再びジョルジュ&アルバンのアパートに戻る。
 物語はこじれにこじれ、ハッピー・エンドは夢のまた夢、気が遠くなるほどの問題山積状態である。果たしてジャン・ミッシェルとアンヌの恋は祝福されるのか? 倦怠期ど真ん中のジョルジュ&アルバンの夫婦仲の行方は? そしてダンドン夫妻がアンヌとジャン・ミッシェルの結婚に対して下した結論は?

 結末はどうぞ日生劇場で。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月13日(火)

 立ち稽古。2幕2場を稽古。

 2幕2場はジョルジュ&アルバンのアパート。
 今日のアパートは普段とは少し様子が異なっている。アンヌが両親(ダンドン議員とその夫人マリー)を連れて、アンヌの婚約相手=ジャン・ミッシェルとその両親(ジョルジュと???)に会いに(値踏みに?)やって来るからである。
 ナイトクラブや同性愛などに批判的なアンヌの両親に、どうやってジョルジュ(そしてアルバン)やナイトクラブのことを紹介すればいいのか? 或いは紹介しない方がいいのか? ジャン・ミッシェルの心配は募る一方である。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』は、近年のミュージカルの多くと比較すると場面数は少ない方であろう。1幕は7場面だし、2幕に至っては僅か4場面である(それにフィナーレが付くが)。と言うことは、1場面1場面が近年のミュージカルよりも長い、と言うことでもある。
 今日稽古した2幕2場も、時間で言えば20分に及ぶ。そして、その20分の中に、観客を楽しませるための様々な「段取り」や「約束事」が満載されている。
 観客はその20分間をただただ楽しんでくだされば良いのだが、演じる方はそう簡単ではない。「段取り」や「約束事」が決まっている以上、それが不発に終わらない様に、ひたすら精度を上げて確実に実行しなければならない。

 キャストの皆さん(特に鹿賀さんと新加入の相葉さん)、本当にご苦労様です。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月12日(日)

 立ち稽古、本日より2幕。今日は2幕1場を稽古。

 2幕1場は、再びムッシュ・ルノーのカフェ。
 昨晩ナイトクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」で起こった事件はサントロペ中の噂になっていた。2回目のショーの途中でジョルジュからある「お願い」をされてショックを受けたアルバンが、ステージの上で……(それが1幕のラスト・シーン)。
 そして翌朝である。ジョルジュはアルバンの機嫌を何とか直そうと、ムッシュ・ルノーのカフェでアルバンが現れるのを待ち構えていた。そこにジャコブを従えたアルバンがやって来て……。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』で見事だと思うのは、「感動的な場面」と「ユーモラスな場面」の割合……と言うか、さじ加減である。ドラマティックな1幕ラストと、ファニーな2幕の幕開きが、何の違和感も破綻もなく自然に繋がっている。
 観客の「感動」と「笑い」は紙一重だと思う。劇中のある出来事に対して登場人物がどの様に反応するか。演じる側の「さじ加減」ひとつで、客席には「感動」にも「笑い」にもなって届く。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』では、観客は涙を流しながら笑い、お腹を抱えながら泣くことになるはずである。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月11日(日)

 稽古前に『クリエ・ミュージカル・コレクションⅡ』の舞台美術打ち合わせ。美術デザイナー・伊藤雅子さんがデザインのモチーフに選んだのは「チョコレート」。

 打ち合わせを終えて『ラ・カージュ・オ・フォール』の稽古場へ。今日は1幕のおさらい。

 1場面ごとに止めながら、芝居やステージング……などを確認。このヴァージョンとしては3演目(再々演)になるので、稽古のペースもそこそこ速い。全体の稽古を終えた後も、カジェルの皆さんのナンバーを整理・確認するゆとりがある。

 「カンカン」セクションは本番用の衣裳を着用し(ヴォリュームのある衣裳なので重く、そして捌きも難しい)、「ポール」セクションは(堂々と、且つ美しくポール・ダウンできる様に)何度も繰り返しポールを滑り降りて。
 本番では「あっ」と言う間に通過してしまう「ショー場面」の数々の見せ場も、今日の様な時間を積み重ねることで、お客様に「あっと言う間」に感じていただけるのである。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』の様にふんだんに「ショー」場面の登場するミュージカルは、近年では少なくなる一方である。『ラ・カージュ・オ・フォール』が繰り返し上演されることで、「ショー」作りのノウハウやセンスも次の世代に受け継がれて行くだろう。

 

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月9日(金)

 立ち稽古。1幕6場、1幕7場を稽古。

 1幕6場は、ナイトクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」の舞台袖から始まる。本日2回目のショーの開演直前である。ここではカジェルたちの(舞台上では見せることのない)素顔や日常を垣間見ることができる。
 そしてアルバンが(珍しく)開演時刻より前に支度を終えて楽屋からお出まし。このミュージカル最大の見せ場であるショー・シークエンス(トリ~カンカン~エンビ~ジャングル)へと突入する。

 続く7場。再び「ラ・カージュ……」の舞台袖である。
 ジョルジュは、アルバンが舞台を務めている間にこっそりとジャン・ミッシェルの企みを手伝っている。が、その姿を運悪くアルバンに見つかって……。
 そして、アルバンの歌う「ありのままの私」に繋がる。
 「ありのままの私」は、このミュージカルの中でも一際ドラマティックなナンバーである。そして、今やミュージカルを離れて様々な場所で、色々な人に歌われている楽曲でもある。名曲揃いの『ラ・カージュ・オ・フォール』の中でも、どれよりもポピュラーな楽曲であろう。

 さて。

 今日までの3日間で、1幕をひととおり当たり終えた。明日は稽古OFF。そして明後日は1幕のおさらいをするつもり。

 今までの所は至って順調な『ラ・カージュ・オ・フォール』ある。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月8日(木)

 立ち稽古。1幕3場から1幕5場を稽古。

 1幕3場は、アルバンのナンバー「マスカラ」に続くシーンである。
 ジョルジュのひとり息子、ジャン・ミッシェル(相葉裕樹さん)が3週間のバカンスから帰宅する。父と子で再会を喜んだのもつかの間、息子は突然「結婚」を切り出し、それを聞いたジョルジュは……。
 この場面には、ミュージカル・ナンバー「アンヌと腕を」と「君と腕を」がある。前者ではジャン・ミッシェルが最愛の恋人=アンヌ(愛原実花さん)への思いを歌い、後者はジョルジュが最愛の妻=アルバンを散歩に連れ出すために歌う。

 続く4場はプロムナード・シーン。
 アンヌとの結婚を父=ジョルジュに承諾させたジャン・ミッシェルが、そのアンヌと落ち合って、結婚に1歩近付いたことを喜び合う。そこへ……。

 そして5場はムッシュ・ルノーのカフェ。
 ここは、ムッシュ・ルノー(林アキラさん)が夫人(園山晴子さん)と2人で切り盛りしている、こぢんまりとした居心地の良いカフェである。アルバンを散歩に連れ出すことに成功したジョルジュが、カフェのテラス席にアルバンと並んで腰をおろす。
 ジョルジュがアルバンを連れ出したのには理由があった。ジョルジュはジャン・ミッシェルから頼まれた「あること」をアルバンの耳に入れなければならない。だがジョルジュにはなかなかそれを切り出すタイミングが掴めない。そんなこんなでモタモタしている間に……。
 この場面にはジョルジュの歌うナンバー「砂に刻む歌」がある。鹿賀さんの「砂に刻む歌」はスイートでロマンティックで……、何度も聞いているのに、つい聞き入ってしまう。

 稽古後は東宝演劇部へ。『クリエ・ミュージカル・コレクションⅡ』の音楽打ち合わせ。

 今日の参加者は音楽監督の八幡茂さん、演出補の小川美也子さん、稽古ピアノの中條純子さん、プロデューサーの服部優希さん、そして私である。取り上げる楽曲も決まり、その40曲近い楽曲の譜面を集まった一同で検証。サイズやキー、行き方などなどについて意見交換。

 そして深夜帰宅。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月7日(水)

 立ち稽古。幕開きから1幕2場までを稽古。

 幕開きはジョルジュのファースト・スピーチ。鹿賀さん演じるジョルジュが、日生劇場の客席に座られた皆さんを、サントロペ随一のナイトクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」へと誘ってくれる。
 ファースト・スピーチに続くのは、最初のショー・ナンバー「ありのままの私たち」。12月から稽古して来たショー・シーンとジョルジュのMCパートを合体。そして「ありのままの私たち」後の舞台袖でのてんやわんやを経て、2場の「アパート」へ。

 2場はアルバン(市村さん)の登場シーン。
 が、その前に、古株カジェルのメルセデス(大塚雅夫さん)がジョルジュにイチャモンをつけに来たり、この家の忠実なメイド、ジャコブ(花井貴佑介さん)が混乱に拍車をかけたり……してジョルジュを翻弄する。そして、ようやくアルバンの登場になり……色々あった後、アルバンのナンバー「マスカラ」に至る。

 芝居の稽古を終えた後、2つ目のショー・シーンの終わりに登場する「ジャングル」シークェンスの振り起こし。
 この短いレビュー・シークェンスの主人公はハンナ(真島茂樹さん)である。猛獣使いに扮したハンナが、得意の鞭を駆使して3頭の猛獣を手懐けようとする、ゴージャスでエキゾチックなシークェンスである。

 明日も立ち稽古。今日の続き、の予定。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月6日(火)

 本日も歌稽古。

 稽古場には、既に殆どのキャストが登場している。
 ジャン・ミッシェルの相葉裕樹さん、アンヌの愛原実花さん、ハンナの真島茂樹さん、シャンタルの新納慎也さん、ジャコブの花井貴佑介さん、ムッシュ・ルノーの林アキラさん、ルノー夫人の園山晴子さん、フランシスの日比野啓一さん……などなどである。

 で、今日はダンドン議員の今井清隆さんと、ダンドン夫人の森公美子さんが初登場。鹿賀丈史さんは昨年中に何回か稽古にいらしているので、残るは現在『モーツァルト!』で大阪公演中の市村正親さんと香寿たつきさん、と言うことになる。

 さて。

 明日から立ち稽古。

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『ラ・カージュ・オ・フォール』通信

1月5日(月)

 新年最初の稽古。

 2015年最初のメニューは歌稽古。
 今日は男性+女性で、「コーラスのあるナンバー」を幕開きからひと通り当たる。その後、ソロ・ナンバー幾つかと、ちっちゃいソロ(通称「ちびソロ」)幾つかを稽古。

 『ラ・カージュ・オ・フォール』の音楽監督は八幡茂さんである。
 八幡さんとは、昨年は『クリエ・ミュージカル・コレクション』『シスター・アクト』『王様と私』でご一緒した。今年も『ラ・カージュ・オ・フォール』に続いて『クリエ・ミュージカル・コレクションⅡ』他でお世話になる。

 打ち合わせや稽古場でなど、八幡さんはいつも穏やかで、とても紳士的である。それはオケ合わせになっても、劇場入りして初日を目前にしても変わらない。
 我々には見せることの無いエキサイティングでワイルドな顔は、どうやらハンドルを握る時にだけこっそりと現れるらしい。

 (八幡さんへ)近々『クリコレⅡ』の「譜面の打ち合わせ」しますね。

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