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2014年11月の記事

初日 『ファースト・デート』通信

11月22日(土)

 初日である。

 ゲネプロのダメ出しと、それに伴う修正は昨日の内に済ませているので、今日の持ち時間はバンドさんにお付き合いいただいて何曲かを合わせたり……する程度で軽く済ませる。
 開演の2時間前には舞台にて恒例のお祓(はら)い。キャスト&スタッフ、公演関係者一同が参集し、公演の成功と安全を祈願する。

 そして18時の定刻を数分押して、『ファースト・デート』の初日が開幕。
 お客様の笑い声と拍手に大いに乗せていただいて、キャスト一同も生き生きと、とても楽しそうに歌い、踊り、演じている様に見えた。その楽しそうな雰囲気がまた客席へと伝わり、今日のシアタークリエはとても幸福な空気で満たされた。

 本編終了後はカーテン・コール。
 初日と言うことで中川さんと新妻さんがご挨拶。新妻さんが「せっかくなので皆さんも一言」とおっしゃって、古川さん、未来さん、今井さん、藤岡さん、昆さんからもご挨拶。全員の声を聞くことができて、とても素敵なカーテン・コールとなった。
 ご挨拶の中で、中川さんが私のことをご紹介くださったのだが、クリエの最後列(しかも通路際ではない所)に着席していた私は、機転が利かず何とも中途半端な対応をしてしまった。中川さん、ご来場くださった皆さん、ごめんなさい。

 さて。

 遂に開幕した“ブラインド・デートあるあるミュージカル『ファースト・デート』”。始まってしまえば、あっという間に千穐楽だろう。シアタークリエでの千穐楽は12月4日である。どうぞお見逃しの無い様に。

 これで『ファースト・デート』通信はおしまいである。ご愛読、ありがとうございました。

 次は『ラ・カージュ・オ・フォール』通信。12月の中頃には始まる予定です。

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『ファースト・デート』通信

11月21日(金)

 舞台稽古2日目。

 まずは昨日の続き、「愛をオーダー」の後からカーテン・コールまでを舞台稽古。大休憩を挟んだ後、タイムテーブルより15分ほど早い時刻よりゲネプロ(通し舞台稽古)。
 とてもバランスの良い(ゲネプロ後の、音楽監督の島さんの言葉。私も同意見)、今まで積み重ねてきたことが上手く繋がったゲネプロであった。関係者の声も概ね好評で、私としては一安心である。

 ゲネプロ後はダメ出しと幾つかの修正。ゲネプロまで来て初めて気付くことや、ここまで来てようやく迷いが吹っ切れることがあるものなのである。

 さて。

 明日は初日。18時開演である。

 開演前の場内アナウンスは「あの人」と「あの人」が務めてくれている。なので、そういう部分をお楽しみになりたい方は、少し早めに(アナウンスは開演のおよそ20分前、10分前、5分前、そして終演後に流される予定)ご入場ください。
 そして、以前にも触れたことだが、『ファースト・デート』には途中休憩は無い。お手洗いや売店のご用などは、どうぞ余裕をもってお済ませくださいます様に。

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『ファースト・デート』通信

11月20日(木)

 舞台稽古1日目。

 午前中はスタッフのみでテクニカル・リハーサル(略して「テクリハ」。分かり易く言えば「転換稽古」)。
 『ファースト・デート』は場面転換がほとんど無いので、場面数の多い他のミュージカルと比べると、テクリハでも、道具調べや照明合わせでも、スタッフ・ワークに必要とされる時間が驚くほど少なくて済んでいる。
 今回、仕込み~舞台稽古は4日間で済ませなければならないのだが、通常から見ればやや少ないと思われる4日間が、『ファースト・デート』ではかなり余裕を持ったペースで作業を進めても、タイムテーブルに若干の余裕を残せている。
 もちろんそれは、各セクションの努力と創意工夫の賜物なのだが。

 テクリハを終えて、バンドの皆さんのサウンド・チェック。更にその後、キャストの皆さんにも加わっていただいてサウンド・チェック。ミュージカル・ナンバー何曲かを確認した後、舞台稽古に入る。
 舞台稽古は幕開きの「運命の人」から。
 まず本番仕様のセットと明かりの中で、ブロック毎に場当たり。細かな諸々を確認した後、バンドさんも加わってその場面を改めてあたる。それを繰り返して、1日目の今日は「愛をオーダー」を終えたところで稽古を終了した。

 その時点で退館時刻まではまだ余裕があったので、残作業(照明作りの残りと、明日の分のテクリハ)。他のミュージカルだったら、連日深夜作業になっているだろう。

 明日は舞台稽古の続き。そしてゲネプロ。

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『ファースト・デート』通信

11月19日(水)

 今日もシアタークリエへ。朝から終日、照明作り(照明合わせ)。時々、音響チームのサウンド・チェック。

 照明は、劇場入りするまでその「実態」を目撃することができない。
 その分、事前の打ち合わせやデザイナーとの意思の疎通・イメージの共有が重要になって来る訳である。そして実際の「照明作り」は、「限られた時間をどれだけ有効に活用できるか」が、その仕上がりを大いに左右する。日本では、照明作りは常に「時間との戦い」なのである。

 今日は極めて順調に、予定されているメニューを無事に消化した。まだ全ての明かりを作り終えた訳ではないが、明日以降の舞台稽古に問題なく入れる状態になっている。照明チームの働きと、それを支えてくださった皆さんに感謝。

 という訳で、明日より舞台稽古。

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『ファースト・デート』通信

11月18日(火)

 シアタークリエへ。

 朝から『ファースト・デート』の仕込み作業が始まっている。
 私は昼頃に出勤し、「タッパ決め」と、その後の照明のフォーカス作業に立ち会う。今日は私の他にも美術デザイナーの中根さん、照明デザイナーの高見さん、音響デザイナーの山本さんが顔を出し、仕込み1日目にしては大変贅沢な顔ぶれであった。

 舞台では退館時刻まで照明のフォーカス。各セクションも並行して諸々の調整。大過なく1日目は過ぎた。
 明日は終日「照明作り」。そして舞台稽古の準備。

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『ファースト・デート』通信

11月17日(月)

 稽古場最終日。バンドさんと2度目の(そして稽古場最後の)通し稽古。

 昨日の通し稽古終了後にも細々とした確認や調整が行われているので、更にバランスの良い「バンド通し」であった。
 この3~4日間の『ファースト・デート』の成長は著しい。まだこれで「完成」と言う訳には行かないだろうが、この伸び具合であれば、劇場に入ってからが楽しみである。

 上演時間は、休憩なしの約1時間40分。カーテン・コールが付いても、1時間45分以内に収まるのではないだろうか。

 「稽古場の撤収が待っていたから」が理由ではないのだが、今日のダメ出しは短時間で済ませた。上手く行かなかった部分があったとしても、その理由と解決策が見えているからである。ここ数日の稽古が長時間に及んでいたので、「休息も必要だ」とも思われたし。

 シアタークリエでは『夫が多すぎて』が千穐楽。入れ代わりに『ファースト・デート』が劇場入りである。
 明日、明後日は稽古は無し。2日かけて入念にスタッフ・ワーク。

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『ファースト・デート』通信

11月16日(日)

 昨日までの課題をまず修正。そしてその後、バンドの皆さんと通し稽古。

 昨日、今日の2日間で施した修正・調整が上手く働き、完成度がさらに1段階上がった今日の『ファースト・デート』であった。
 通し稽古終了後はダメ出しと確認。更にその後、カーテン・コールの段取りを付ける。カーテン・コールの担当は演出助手の上田さんである(東宝では、カーテン・コールを作るのは、伝統的に演出助手の仕事なので)。

 話は変わるが、「譜面」と言う物には様々な音楽的指示が書き込まれている。

 「だんだん早く」とか、「情熱的に」とか、その音楽を演奏する上での約束事であったり、イメージの在り様であったり、様々な指示が譜面には記されているのである。
 『ファースト・デート』の譜面には、それらの一般的な指示の他に、「楽曲のイメージ」をより具体的・直接的に教えてくれる「特別な指示」が書き込まれている場合がある。

 以前、ウェイターのナンバー「愛をオーダー」に“Sinatra Swing”と言う指示が記されていることはこのブログでも触れた(それはこちら)。
 その他にも、レジーのナンバー「緊急措置」には“Lady Gagalicious”と記されているし、「気まずい沈黙」には“A la Simon & Garfunkel”、「インターネットは永遠に」には“Broadway Boom‐chick”……などと記されている。

 それらのお陰で我々は、既成の音楽用語からでは分からない「どんな音楽なのか」を知ることができる。もっとも、譜面は関係者以外の目に触れることはない物なので、それらの指示がどこまで真面目な気持ちで書かれたのか、或いはちょっとした遊び心なのか、実際の所は分からない。

 分からないが、でもそれらを発見した時、我々は大いにニヤニヤした。

 明日は古場最終日。どうぞ良い形で稽古を終えられます様に。

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『ファースト・デート』通信

11月15日(土)

 バンドさんとキャストの合わせ。

 『ファースト・デート』のバンドは6名編成。キーボードⅠ、キーボードⅡ、リード、ギター、ベース、そしてドラムである。
 キーボード/バンド・リーダーは江草啓太さん。『Chanson de 越路吹雪/ラストダンス』(2012年、シアタークリエ、他)で音楽を担当してくださった江草さんである。

 合わせでは、幕開きの「運命の人」からストーリーに沿って順番に、BGMなども含めて1曲ずつ確認。「Bows(カーテン・コール)」、そして「Exit Music」まで、全曲をあたった。

 バンド合わせを終えた後、ミュージカル・ナンバーの幾つかを固める。稽古ピアノの大隅さんが付き合って下さったのだが、大隅さんは「昨日でお疲れ様」ではなかったのだった。

 明日は抜き稽古の後、バンドの皆さんと通し稽古。
 初日まで、あと1週間である。

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『ファースト・デート』通信

11月14日(金)

 今日もまずは昨日のダメ出し。そして通し稽古。

 今日の通しは「扮装(衣裳とヘア)有り」であった。
 日々少しずつ、しかし確実に、『ファースト・デート』は完成に近づいている。今日も衣裳とヘアを着用したことで、昨日までの(稽古着での)稽古では見えていなかった「色々なこと」が見えて来た。扮装(コスプレ)の力は偉大である。

 そして、ピアノでの稽古は本日が最終日。明日からは、いよいよバンドの皆さんと合流である。稽古ピアノの大隅さん、お疲れ様でした。

 稽古場は残すところ3日。劇場入りももうすぐ、である。

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『ファースト・デート』通信

11月13日(木)

 今日もまず昨日のダメ出しから。

 手応えを感じた通し稽古のダメ出しは、そうでない場合と比べるとその量が少なくなる……と思われるのではないだろうか。
 私の場合、逆である。
 芝居の精度が上がって来れば来るほど、上手く行っていない個所は鮮明に見えて来る。なので今日のダメ出しは、昨日までに比べると大幅な増量であった。

 そしてダメ出し個所の確認・修正を入念に済ませた後、今日もまたまた通し稽古。

 入念な確認・修正が上手く機能して、今日の通しでは今までで最も大きな進化が見られた。この日が来るのを、固唾を呑んで待っていたのだ。
 永井さん担当の消え物も、どうやら光明が見えて来た様である。後はミモザサラダさえ何とかなれば。

 丸の内仲通りのイルミネーションが本日より点灯されたそうである。シアタークリエにご来場の際には足を延ばされては如何だろう。

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『ファースト・デート』通信

11月12日(水)

 昨日と同様に、まず前日の「通し」のダメ出しと修正。その後、今日もまた「通し」。

 今日の通しは手応えがあった。
 程良い緊張感、タイトなタイミング、そしてひとつひとつの表現がダイナミックになったことが大きな収穫である。連日通しを重ねて来た成果なのか、或いは、通し直前に駄目出しして、その記憶が鮮明な内に通してるのが奏功しているのか?

 演出部の永井さんが担当する「消え物」はやや苦戦している模様である。通しが終わるや否や、数々の注文が永井さんに殺到した。 がんばれ、永井さん!

 さて。

 通し稽古終了後は東宝演劇部へ。来年の上演が予定されている新作についてのミーティング。

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『ファースト・デート』通信

11月11日(火)

 昨日の「通し」のダメ出し・確認とその修正。そして「消え物」の確認。

 今回の「消え物(きえもの)」は食べ物と飲み物である。
 『ファースト・デート』はバー/レストランが舞台なので、必然的に飲み物・食べ物を注文したり、注文した品が運ばれて来たり、それらを口にしたり、と言うことが出てくる。
 舞台では、劇中の飲み食いを、実際の食品を使わずに「飲んだフリ」「食べたフリ」で済ませることも少なくない。が、「フリ」では、やはり興ざめである。『ファースト・デート』では、飲み物も食べ物も、実際に登場人物が口にしたい。

 で、「消え物」の「飲食物」を、飲食することになるキャストの皆さんと確認。分かり易く言えば「試食」である。
 試食と言っても、「おいしい」とか「そうでもない」とかではない。それもチェック項目のひとつではあるが、「芝居の中での使い勝手」であるとか、「食べ易さ」であるとか、「食べながら台詞は言えるのか」や、「相応しい見てくれであるか」……などなど、様々なことを考慮して「物」は決定されるのである。
 確認の結果、新たな注文も幾つか出された。「消え物」担当の演出部の永井さん、どうぞよろしくお願いします。

 その後、今日もまた通し稽古。
 当たり前のことだが、稽古は、重ねれば重ねるほど良い仕上がりに近づいて行く。今後も、できる限り多く通したい。

 稽古後、照明デザイナーの高見さんと打ち合わせ。
 『ファースト・デート』は、やや複雑な構造を持ったミュージカルである。その分、照明の比重も、他の一般的なミュージカルより重くなって来る訳であるが、なので今日の打ち合わせも、通常よりやや入念に、表現方法やスタイルについて意見交換しながら進行。

 明日も通し……たいけど……、

 通せるかなぁ?

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『ファースト・デート』通信

11月10日(月)

 広い稽古場へ。

 稽古用の道具が建て込まれ、一昨日までは平面だったアクティング・エリアに高低が出現した。
 稽古はまず、この高低のある舞台で2クール目のおさらい。舞台の使い勝手や見え方などを確認し、実際の高低の中で動いてみて分かったことを微調整。そしてその後、この道具の中で幕開きからラストまで通す。

 「繋がりが不鮮明な個所」や「繋げたら感じる違和感」などがまだ随所に残ってはいる。が、それは「繋げてみたから」、そして「実際に高低差がある場所でやってみたから」発見できたことなので、それが見つかったことは今日の収穫である。
 その見つかった個所を、明日からひとつずつ潰して行けば良い。

 これからの稽古では、「流れを作ること」と「流れの中でプロット・ポイントを見失わないこと」が課題の上位となる。同時に、衣裳や小道具、消え物などの段取りも、本番を想定した、より根拠のあるものにして行く必要がある。

 そんなこんなしている内に、バンド合わせが、ほらもうすぐそこに迫っている。

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『ファースト・デート』通信

11月8日(土)

 稽古前に衣裳合わせ。今日は藤岡さん、昆さん、古川さん、未来さん、そして今井さんの5人。

 チラシや公式ページでは、この5人はそれぞれ「アーロンの友人・ゲイブ」「アーロンの元カノ・アリソン」「ケーシーのゲイの友人・レジー」「ケーシーの姉・ローレン」「バー/レストランのウェイター」役を演じると記されている。
 『ファースト・デート』のユニークな所は(昨日もチラッと触れたが)、ウェイターを除く他の人々(ゲイブ、アリソン、レジー、ローレン)の登場の仕方である。チラシや公式ページの「Story」によれば(以下自己規制)。
 そして、以前も触れたが、5人が演じるのは「上記の役」だけではない。今日の衣裳合わせは、「上記の役」+「それ以外の役」の衣裳合わせなのであった。

 多くは書かないが、衣裳合わせを終えてみれば、『ファースト・デート』もまた、コスプレ・ミュージカルの1本なのであった。

 衣裳合わせの後、難航していたミュージカル・ナンバー「君に合わない」を再整理。難産ではあったが、満足の行くナンバーになった。

 明日は稽古OFF。明後日から、より広い稽古場へ。

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『ファースト・デート』通信

11月7日(金)

 ミュージカル・ナンバーの整理と固め。

 1クール目でざっくりと段取ったきり放置されているナンバーや、2クール目で芝居の精度が上がって来たので連動して精度を上げるべき段階にあるナンバーを整理し、固める。そして、整理済みのナンバーの幾つかも復習。

 こうして(芝居の部分を飛ばして)ミュージカル・ナンバーを並べて見ると、 『ファースト・デート』の楽曲は「とてもヴァラエティ富んでいる」ことが改めて分かる。乗りの良い物あり、しっとり・しみじみとした物あり、ゴージャスな楽曲も、ミュージカルらしい賑やかなナンバーもある。
 それらのナンバー1曲1曲に『ファースト・デート』ならではの仕掛けが施されていて、ただ「登場人物が心情を歌う」だけには留まっていない。そこが『ファースト・デート』のとてもユニークな所であり、また我々にとっては実に手強い部分でもある。

 「奥歯に物の挟まった様な書き方」で、何を言おうとしている文章なのかよく分からないだろうと思うが、「ネタバレしない様に無い知恵を絞っている」のだと思ってどうかご理解いただきたい。
 劇場で『ファースト・デート』をご覧いただいた後で上の文章を読めば、「何を言おうとしていたのか」、きっとお分かりいただけるだろうと思う。

 明日で2クール目も一区切り。初日が2週間後に迫った。

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『ファースト・デート』通信

11月6日(木)

 稽古前に衣裳合わせ。今日は中川さん。

 中川さんの演じるアーロンは、投資業務や企業金融、企業の合併や買収などを仕事にする(恐らくウォール街で働く)ビジネスマンである。
 仕事のキャリアは順調そうだが、話が恋愛になると途端に腰が引ける。会社の同僚(だと思われる)ケヴィンがセッティングしてくれた今日のブラインド・デートにも、緊張感ダダ漏れの状態で現れる。
 と言う訳で、中川さんの衣裳はビジネスマンらしくスーツである。が、デート場所であるバー/レストランに到着して早々に、ウェイターからその衣裳にダメが出されて……。

 稽古は中盤からラストまでを。

 まだまだ段取りが付いただけの箇所も少なからず残っているが、2クール目の目的は概ね達せられている、と思う。キャストの皆さんも、より精密に、より大胆に、よりシャープに、ひとつひとつの表現に果敢にトライしてくださっている。

 明日・明後日はミュージカル・ナンバーを中心に固める予定。

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『ファースト・デート』通信

11月5日(水)

 稽古の前にハッピー・バースデー。今日はなんと、中川さんと今井さんのWお誕生日なのであった。中川さん&今井さん、おめでとうございます。

 稽古は中盤の芝居部分を整理。

 このブロックにあるケーシーのナンバー「愛さえ遠ざけて/Safer」は、日本語歌詞に大きく手を入れた。その結果、曲名も「傷つかない」と変わった。
 海外産のミュージカルを日本語で翻訳上演する場合、台詞でも歌詞でも「原文と寸分違わず」ということは、まずありえない。
 特に歌詞は、「日本語」が備えている言語としての特性が「原語(英語やドイツ語や……)」とは大きく異なる場合が多いので、「原歌詞のどこに着目するのか、大意の内のどこを残すのか」と言うことが、日本語の歌詞を組み立てる際の最初の(そして極めて重要な)ステップとなる。

 このナンバー(Safer)も、同一の原歌詞から「愛さえ遠ざけて」と「傷つかない」の2通りの訳詞が生まれた。
 どちらも内容は「Safer」としてきちんと成立しているが、稽古を重ねる中で「傷つかない」の方がより本質を表しているのではないか、と言う判断に至り、それに伴ってタイトルも変更となった。

 「日本語」で「ミュージカル」は本当に難しい!

 芝居中心の稽古の後は、ミュージカル・ナンバー「インターネットは永遠に」と「運命の人」を固める。

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『ファースト・デート』通信

11月4日(火)

 稽古前に衣裳合わせ。今日は新妻聖子さん。

 新妻さんの演じるケーシーは、登場時のト書きによると「ファンキーで、綺麗で、アーロンの相手としてはちょっとカッコよすぎる感じ」である。正にその通りの衣裳が選ばれている。
 アーロンとケーシーは、傍から見る限りでは「お似合い」とはどうも思えない。その釣合わなさ加減を、衣裳も絶妙に表現してくれている。

 稽古は、まずミュージカル・ナンバー「インターネットは永遠に」をブラッシュ・アップ。その後、同ナンバーに続く芝居を整理。

 1クール目は、「全体の流れ」と「物量」を理解することを優先して稽古を進めた。あまり細かい部分までは突き詰めずに、ざっくりと、と言うことである。
 2クール目の今は、細部のディテールや細かいニュアンス、タイミングなど、作品の精度を上げることに優先順位を移している。

 全てが「手探り」となる1クール目は、とにかく稽古に時間がかかることが少なくない。だが、2クール目も、精度を上げようとすれば、やはりそれなりに時間は必要になる。
 で、結局「時間が足りない」と言う話に行き着いてしまうのだが。

 ところで、先日開かれた「開幕直前イベント」の様子が公式ページにUPされている。こちらからどうぞ。

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『ファースト・デート』通信

11月2日(日)

 幕開きのナンバー「運命の人」のステージングをブラッシュ・アップ。その後、昨日稽古した「序盤」に続くブロックを芝居中心に稽古。

 このブログでも過去に何度となく記してきたことだが、新作の稽古は常に「時間との戦い」になる。今回もその例に漏れない。切実に「あと1週間……5日でもいいから初日が遅ければなあ」と思う。
 そんな状態であったとしても「芝居」は日々成長・進化する物なので、毎日稽古のどこかで「達成感」とか「充実感」とか「嬉しい驚き」とか「思いがけない発見」とかが見つかる。
 今日も色々なモノを見つけた1日であった。

 さて。

 9月20日にPARCO劇場で初日を開けた『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』が、森ノ宮ピロティホール(大阪)で遂に大千穐楽。
 キャスト&スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。そしてご来場くださった全ての方に御礼申し上げます。

 前回の『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』が10年前だったので、次は10年後になるかも知れないが、いつの日か再び、セント・アンドルーズ病院の面々と再会できる日が来ます様に!

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『ファースト・デート』通信

11月1日(土)

 2クール目。

 頭に戻って、序盤の芝居部分を重点的に稽古。
 『ファースト・デート』が「全編が歌で綴られるミュージカル」ではないことは以前にも記した。それはつまり、「台詞で進行する部分」もそれなりにある、と言うことで、中でも主人公の2人(アーロンとケーシー)は相当量の台詞を喋ることになる。台詞の量だけで言えば、これはもうストレート・プレイである。
 そもそもが「ディスカッション好きの国民」の話であるし、加えてシチュエーション・コメディでもある。「大量の言葉」を「物凄い勢いで」喋らなければ成立しないタイプの台詞の、もう連続なのである。

 アーロン役の中川さんもケーシー役の新妻さんも、その「台詞の量」と「要求されるスピード」に怯む気持ちも湧くのではないか、と邪推したりもするのだが、お2人はそんな風は微塵も見せず、見事な「スピード」と「明晰さ」と「ナチュラルさ」で喋り倒している。観ていて(聞いていて)胸がすく位の心地良さである。

 稽古の後半ではミュージカル・ナンバー「君に合わない」を固める。が、難航し、手間取る。「このナンバーの中で起こすべき事柄」をもう一度整理しなくては。

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『田茂神家の一族』

 劇団東京ヴォードヴィルショー創立40周年記念興行の第5弾『田茂神家の一族』の詳細が発表になっている。こちらからどうぞ。

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『ファースト・デート』通信

10月31日(金)

 ラスト・シーンを作る。

 グリニッジ・ヴィレッジのバー/レストランで、気の進まないファースト・デートに臨んだアーロンとケーシー。お互いの第一印象が「最悪」であったこの2人は、デート中に次々と襲い掛かる困難にどう立ち向かい、どう振る舞ったのか? そして、デートの終わりに2人を待っている結末は?

 シアタークリエで見届けていただければ幸いである。

 その後、「幕開き」から「ラスト」までを繋げてみる。つまり、ものすご~く「ラフに」だが……通す。

 ラスト・シーンまで作った、とは言っても、どのシーンも「ただ手を付けた」だけに過ぎないし、未整理部分も山の様に残っている。とは言え、折角ひと通り手を付け終えたことでもあるし、試みに「ちょっと繋げてみた」と言う次第である。結果は上々であった。
 『ファースト・デート』は、「デートの顛末を描くストーリー」の合間に「デート中の主人公たちの心の中」が立体化されて挿入される、ややトリッキーな構造を持ったミュージカルである。台本で読んだだけでは、「いま何が起こっているのか」中々見え辛かったりもする。
 が、今日の通し繋げてみる稽古では、そこの所が良く見えて、ちょっぴり安心したのであった。

 明日より第2クール。未整理部分を整理すると共に、ドラマ部分の精度を上げて行きたい。

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